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トップページ如月千早 > P「千早の初恋の人って?」



1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 19:41:23.35 ID:/ocC55Wk0


千早「…はい?」

P「いや、どんな人だったのかなって」

千早「どうしたんですか、急に」

P「ふと気になっただけで、深い意味はないんだけど」

千早「プロデューサー、女性にそういう質問を興味本位でするものではありませんよ」

P「そ、そうなのか?」

千早「…プロデューサーのように鈍い人でした」




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3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 19:45:20.37 ID:/ocC55Wk0


P(なんて言われてしまった
  千早、怒ったのかな…)

ガラッ

春香「あ、プロデューサーさんおはようございます」

P「ああ、おはよう」

春香「今日は千早ちゃんとお歌のレッスンですよね?
   千早ちゃんはまだ来ていないんですか?」

P「いや、それが…ちょっと出てるんだ」

春香「? 何か買い物かなぁ」

P「そういえば、春香は千早と仲が良いよな」

春香「どうしたんですか?」

P(…って、あんまり嗅ぎまわるのも趣味が悪いな)

P「いや、なんでもない」






4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 19:51:29.69 ID:/ocC55Wk0


春香「んん〜?なんですか、気になっちゃいますよ」

P「なんでもないって」

春香「誰にも言わないですからっ!」

P「…あー、いや、誰かに言う言わないって話でもないんだが
 春香って初恋の人が誰か覚えてる?」

春香「初恋…本当の初恋ですか?」

P「偽の初恋とかあるの?」

春香「ニセじゃないですけど、幼稚園の頃の初恋とかもカウントしますか?」

P「そうか、そういうのもあるのか
 じゃあ、小学生以上で」

春香「もちろん、覚えてますよ」

P「やっぱり、その頃から恋とかするもんなのか」





7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 19:55:57.20 ID:/ocC55Wk0


春香「プロデューサーさんはどうなんですか?」

P「いや、あの頃は遊びが恋人だったな…」

春香「へぇー、プロデューサーさんらしいっちゃらしいですけど」

P「な、なんだよその目は…」

春香「それで?初恋がどうしたんですか?」

P「いや、千早の初恋の人って誰か知ってる?」

春香「知りませんよ、そんな事話しませんもん…」

P「だよなぁ」

春香「あれれ?まさか、プロデューサーさんは千早ちゃんに…」

P「おい!滅多な事を言うな!洒落にならん!」

春香「えへへ、冗談ですよ、冗談」

P「アイドルなんだからもうちょっと自覚しろ」

春香「はーい♪」





9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 19:59:35.94 ID:/ocC55Wk0


P「あ、春香
 これを春香に聞いたこと、千早には内緒にしておいてくれ」

春香「どうしてですか?」

P「千早が怒る」

春香「そうでしょうか、人に興味を持ってもらうって、そんなに嫌な気しないと思いますけど」

P「興味を持つだけならまだしも
 痛くない腹探られて良い気はしないだろ
 だから俺も聞くのを躊躇ったんだし…」

春香「んー、まあ私が無理やり言わせたようなものですから
   内緒にしておいてあげます」

P「助かる」

ガチャ

千早「おはよう春香」

春香「おかえり、千早ちゃん
   それ昼食?言ってくれればお弁当作ったのに〜」

千早「そんなの、悪いわ」

P「二人とも、そろそろ出る準備しとけよ」

千早「はい」





10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:05:59.08 ID:/ocC55Wk0


〜翌日〜
千早「おはようございます、プロデューサー」

P「ああ、おはよう」

千早「今朝は、珍しく早いですね」

P「早くからいるからって、千早のレッスンに付き合って入られないぞ
 残念ながら今日は事務仕事が多くてな」

千早「そうなのですか、少し残念ですが、終わるのを待つ事にします」

P(……気になる)チラッ

千早「…」

P「…なあ、千早」

千早「はい、なんでしょうか」

P「いや、マジマジと見られると、気が散る」

千早「す、すみません プロデューサーも、真面目な表情をするのだなと…」

P「いや、それ失礼だからな?」

千早「ふふ、普段は抜けた表情をしていますよ」





12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:09:54.05 ID:/ocC55Wk0


P「…はぁ、ひと段落」

千早「何か、飲み物を入れましょうか」

P「ああ、悪いな
 コーヒーをお願いできるか?
 砂糖は1個な」

千早「わかりました」

P(…俺みたいに鈍い奴か
  というか、俺って鈍い?)

千早「どうぞ」

P「千早は飲まないのか?」

千早「歌のレッスンの前ですから、お茶や水以外は…」

P「そうなのか、色々考えてるんだな」

千早「これが資本ですから」





15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:14:51.87 ID:/ocC55Wk0


P「そういえば…」

千早「はい」

P「初恋はいつ?」

千早「はい…え?」

P「いや、年くらい聞いてもいいかなって」

千早「はあ、いつと聞かれても、正確には覚えてませんが
   中学1年生だった時でしょうか」

P「結構、遅いんだな
 クラスの子?」

千早「…」

P「これは駄目なのか」

千早「言いたくはないです」

P「でも、千早の方から教えてくれたんだから
 ちょっとくらい聞いてもいいだろ?」

千早「そうですね、あまり深い質問でなければ」





19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:21:54.23 ID:/ocC55Wk0


P「そうだ、告白はしたの?」

千早「残念ながら、出来ませんでした」

P「…まあ、告白なんて相当勇気のある奴しか出来ないよな
 どうしてそいつの事が好きになったの?」

千早「どうして、ですか
   …どうして、でしょう」

P「なんかあるんでしょ?そいつのチャーミングな所」

千早「好きになるのに、理由がいるのでしょうか」

P「え?」

千早「いえ、魅力的な所は沢山ありましたが…」

P「うーん、やっぱオジサン向けの話題じゃなかったかな」

千早「…じゃあ、プロデューサーの話を聞きたいです」

P「俺の?」

千早「はい、聞きたいです」





20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:26:54.17 ID:/ocC55Wk0


P「まさか、こう振られるとはなぁ」

千早「…」じー

P「うっ、仕方ないな…」

ガチャ

小鳥「おはよーございまーす
   あれ、今日はプロデューサーさん早いですねー」

P「おはようございま…あ!もうとっくに休憩の5分過ぎてるじゃないか!」

小鳥「ふっふ〜ん、私が来なければずっと洒落込んで律子さんにお説教でしたね」

P「ありがとうございます
 悪いな、千早」

千早「いえ、お気になさらず
   お仕事頑張ってください」

P「ああ、コーヒーうまかったよ
 また明日にでも話してやる」

小鳥「えー?何の話ですか?」

P「音無さんには死んでも言いませんよ」





23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:33:21.64 ID:/ocC55Wk0


〜〜

P「お疲れ様、千早」

千早「ありがとうございます
   あの、春香は?途中でいきなり居なくなったのですが…」

P「ああ、いきなり代役の仕事が入ってな
 まだ収録中のはずだ」

千早「そう、ですか
   この後、プロデューサーは何かありますか?」

P「いや、早く来たおかげで残業もしないで済んだよ」

千早「よかったら、送ってくれませんか
   駅までで、いいので」

P「? いいけど、どうせ送るなら家まで送るよ」

千早「あ、ありがとうございます」

P「どうせ、今朝の続きだろ?」

千早「…はい」

P「おっさんの話でよければ、聞かせてあげるよ」





26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:38:01.56 ID:/ocC55Wk0


バタン
P「うー、寒い
 あれ、エンジンかかんないな…」

千早「今日は、冷えますね」

ブロロロロロ

P「ああ、まったくもう4月になるっていうのに勘弁して欲しいよ
 それで、どこから話そうか?」

千早「えっと、私に聞いたことは、話して欲しいです」

P「っていうと、初恋がいつか
 俺は覚えてないけど、お袋の話じゃ幼稚園の保母さんにお熱だったみたいだ」

千早「幼稚園、ですか」

P「これは初恋とは言えないか?」

千早「次に恋したのは、いつですか?」

P「うーん、高校かな」

千早「大分間が開きましたね」






27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:45:43.21 ID:/ocC55Wk0


P「ああ、その間は特に恋愛とか興味なかったな
 男同士つるんでバカやってた方が楽しかったし」

千早「…」

P「高校に入ったら、世界変わったよ
 知り合いもいなくて、つまらんかったなー」

千早「高校には、友達はいなかったのですか?」

P「ああ、そこは千早と一緒だな」

千早「ふふ、余り者同士ですね」

P「俺は生徒会に入ってたんだよ、別に大学に行きやすいからとかじゃなくて
 事務仕事が好きだったからな、それで、そこの子と普通に恋愛して
 普通に高校卒業して、普通に分かれた」

千早「お付き合い出来たのに、分かれちゃったんですか」

P「長持ちはした方だと思うよ、5年か
 就職活動でお互い忙しくなってな」

千早「…プロデューサーが振ったのですか?」





28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] :2012/03/21(水) 20:49:36.84 ID:2VN323kN0


ちーちゃんって遊びというか、学生的な恋愛ができないタイプ





29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:50:00.96 ID:/ocC55Wk0


P「いや、捨てられた
 向こうも頻繁に会えないから飽きちゃったんだろ
 …悪いな、長々と」

千早「いえ、プロデューサーから告白したんですか?」

P「ああ、もう死ぬかと思った」

千早「…やはり、告白には勇気がいるんですね」

P「もう、やばいよ」

千早「や、やばい?」

P「小便漏らすかと思った」

千早「もう、汚い事を言わないで下さい」

P「悪い悪い
 千早は、初恋の相手に告白できなかったんだよな」

千早「はい、後悔はしていません」

P「おう、偉いぞ
 くよくよしたって仕方がないもんな」

千早「…じゃあ、プロデューサーも分かれた事は後悔していないんですか?」





31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 20:55:13.47 ID:/ocC55Wk0


P「後悔は、してないよ
 あそこで彼女にかまってたら、今の俺が居なかった訳だし」

千早「恋人が居るって、どんな気分なんでしょうか」

P「え?恋人がいるからって何も変わらないんじゃないか?
 別に四六時中イチャコラしてる訳じゃないんだから
 …って、千早は彼氏とかいた事ないのか?」

千早「はい、変でしょうか…」

P「いや、変じゃないけど
 千早はこんなに美人なのにな」

千早「な、何言ってるんですか…」

P「ま、似合う奴なんてそうそういねーか」

千早「もう…」

P「到着、今日もお疲れ」

千早「はい、お疲れ様でした」





33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 21:03:45.71 ID:/ocC55Wk0


ガチャ

千早「ただいま、優」

千早「…あのね、お姉ちゃん今日も言えなかったよ
   本当に、何してるんだろうね」

千早「…はぁ」

別に、プロデューサーとお付き合い出来ても出来なくても、どうでもいいのだ。
彼が他の女性と話しているのを見るだけで、胸がキリキリと痛む苦痛から逃れたいだけ。
彼はプロデューサーであればいい。
私の歌を羽ばたかせてくれるだけで、十分だ。
だからいっそ告白してしまえばいい。
きっと、それで歌に集中できる。
頭ではわかっていても、告白なんて怖くて出来ない。

Prrrrrr
千早「もしもし…プロデューサー?」

P『千早、CDプレイヤー車に忘れてるぞ
 あと5分もしないで着くから』

千早「え、今ですか」

P『もうUターンしちゃったよ』

千早「は、はい」

優に、背中を押された気がした。





35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 21:07:55.79 ID:/ocC55Wk0


ピンポーン

ガチャ
千早「プロデューサー、あの、こんばんは」

P「ん?ああ、こんばんは
 これ、CDプレイヤー
 もう忘れるなよ?」

千早「あ、あの…!」

P「どうかしたか?」

千早「好きです」

P「…」

千早「好きです」

P「…え?」

千早「す、好きです!」

P「ちょ、っちょ、え?
 玄関先でいきなり何を…」

千早「わ、私は!プロデュ…」

P「待った待った!とりあえず中に入ろう」





38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 21:14:27.03 ID:/ocC55Wk0


P「はぁ…」

まさか、千早に限ってとは思ったが。
…肝心の当人は頭が真っ白なのか、呆けている。

P「なあ、千早」

千早「…はい」

P「お前最近ちょくちょくテレビ出れるようになったのに、大スキャンダルだよ」

千早「…すみません」

P「いや、まあ謝らなくても
 というか、千早が悪い訳ではないのかもしれないけどさ
 千早は、賢いからわかるとは思うけど…お互い立場がある
 だから…」

千早「嫌です」

P「…」

千早「嫌、です…」

P「…千早」





39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 21:17:51.36 ID:x9zC6UdO0


ちーちゃんかわええええ





42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 21:29:24.56 ID:/ocC55Wk0


千早「どんなに辛い時も、プロデューサーにお疲れ様と言われたら、気が楽になりました
   どんなに調子が良い時も、プロデューサーが事務所にいないと気が沈んでしまいます
   プロデューサーはもう、私にとって、プロデュースするだけの人ではないんです」

P「…」

千早「すみません、こんなはずじゃ…なかったのに」

P「俺は、千早が好きだよ」







45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/21(水) 21:33:43.66 ID:/ocC55Wk0


千早「そ、それじゃあ…!」

P「頑張ってる時の姿も
 やりきった時の表情も
 全部、アイドルの顔だ」

千早「…っ」

P「俺は、お前を世界一の歌手にしたい」

千早「…私のプロデューサーは、貴方しか居ないと考えています」

P「千早が世界一の歌手になったら、お付き合いしよう」

千早「…そんな事、言われたら」

P「千早が事務所を辞めようが
 世界一になるまで俺はずっとお前のプロデューサーでいるよ
 それまでには、アイドルじゃない顔も知ってるだろうからね
 …まあ、千早が他の敏腕プロデューサーに乗り換えない限りは、だけどな」

千早「…終身雇用です、一生離しません」

P「ああ、よろしく頼む」

千早「じゃあ、頭撫でてください」

P「はいはい」

おわり



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