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トップページ四条貴音 > たかね「あなたしゃま」



1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:11:00.42 ID:cHw7oz7Q0


たかね「あなたしゃま、あなたしゃま」

P「ん、何だ?」

たかね「おなかがへりました」

P「ああ、もう昼時か……ラーメンでも食べに行くか」

たかね「! あなたしゃま、うれしゅうございます!」

P「腹八分に済ましとけよ?」

たかね「ぜんしょ、します!」



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3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:13:04.75 ID:cHw7oz7Q0


たかね「かえだま、ついか」

P「たかね、それ何杯目だ?」

たかね「まだ、ごはいめです」

P「もう、五杯目だ。食べすぎは体に毒だぞ?」

たかね「むー……いけず、です」




4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:15:30.02 ID:cHw7oz7Q0


昼ごはんを済ませ、俺はたかねと手をつなぎながら、事務所に戻る。
まだ食べ足りないのか、たかねは若干不機嫌だった。

春香「お疲れさまでーす!」

P「よう、春香」

春香「貴音ちゃんは?」

P「ああ、そこで寝てるよ」

たかね「……めん、よー……なぁー……」

たかねは事務所に着いてすぐ、ソファで眠ってしまった。
機嫌が悪かったのは、どうも眠かったせいらしい。




5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:17:15.28 ID:cHw7oz7Q0


春香「うわあ、ほっぺたぷにぷに……可愛いなあ」

P「そうだな。いつまでもこのままで……って、いうわけにもいかないよなぁ……」

春香「どうして急に小さくなったんでしょう?」

P「うーん、それが分かればなあ……」




6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:20:33.56 ID:cHw7oz7Q0


ちょうど、昨日の事だった。
俺は、レッスンを終えた貴音を迎えに行った。

その日はレッスンが長引き、外に出ると、もう真っ暗だった。

人気のない道を、貴音と二人、並んで歩いた。
とても、月が綺麗な夜だった。形からして、もうすぐ、満月になりそうだ。

貴音「……急ぎましょう、あなた様」

その日貴音は、なぜか妙にそわそわしていた。
何か、急ぐ用でもあるのだろうか。




8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:23:10.29 ID:cHw7oz7Q0


P「そういえば貴音、明日から5日間、休暇をとるんだよな」

貴音「ええ、申し訳ありませんが、しばしお暇をいただきます」

ふと、実家にでも帰るのかと聞きたかったが、たぶんトップシークレットだと言われるので止めた。

P「それにしても、どうしてそんなに急いでいるんだ?」

貴音「それは」

P「トップシークレット」

貴音「……あなた様は、いけずです」

貴音は頬を膨らませて、不貞腐れたようだった。
俺は、意地悪く、隣でにやにやしていた。




10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:26:16.28 ID:cHw7oz7Q0


そのとき、一軒の屋台を見つけた。
ここでは、珍しい。

貴音「!」

貴音もその屋台に気付いたようで、足がぴたりと止まった。
その屋台は、ラーメンを売っているようだった。

P「……食べてくか?」

貴音「で、でも……」

P「時間はかからないよ。サッと食べてサッと出よう」

貴音「そ、そこまで言うなら……」

貴音は、急に足が軽くなったようで、すたすた屋台まで歩いて行った。
俺は苦笑しながら、その後をついて行った。

貴音に、時間がどれだけあるのか分からないが、ラーメンぐらいなら、2、3杯すぐに食べることはできるだろう。




12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:29:29.44 ID:cHw7oz7Q0


貴音「!」

P「うめえ!」

誤算だったのは、その屋台のラーメンがひどく美味しいもので、

貴音「おかわりを!」

P「俺も!」

時間を忘れて、夢中で食べてしまったことだった。




13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:33:57.50 ID:cHw7oz7Q0


貴音「たいへん美味しゅうございました……」

P「ああ、あの屋台は当たりだったな……」

俺と貴音は、しばらく満腹の余韻に浸っていた。
お腹をさする貴音は、ひどく可愛かった。

貴音「はっ! あなた様、今の時刻は!?」

P「えーっと……晩の、10時少し前くらい?」

貴音「失礼します!」

俺の言葉を聞き終えるか否か、貴音はそう言って走り出した。

P「お、おい貴音!」

いくら急いでいるとはいえ、こんな夜に女の子一人で帰らすわけにはいかない。
俺は、貴音を追いかけた。




14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:36:44.62 ID:cHw7oz7Q0


貴音は意外と足が早く、なかなか追いつくことができない。
貴音が、先の曲がり角を曲がった。

俺も曲がろうと、その角に差し掛かった。
途端、視界が一瞬、眩しくなった。

P「!?」

思わず、目を閉じる。
……そして、再びゆっくり目を開ける。

P「……見失った?」

曲がった角の先は、街灯が淡く光るだけで、貴音の姿は見えなかった。

??「――しゃま」

そのかわり……

たかね「あなたしゃま……」

貴音に瓜二つの小さな女の子が、俺のズボンの裾をくいっと引っ張っていた。




15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:39:32.99 ID:cHw7oz7Q0


春香「貴音さんの家族に連絡……は、無理だったんですよね」

P「ああ、家族どころか、貴音の住んでいる住所さえ分からなかった」

春香「プロデューサーなのに?」

P「社長さえ、知らなかったんだよ……」

春香「でも貴音さん、今お休み中なんですよね? あ、貴音ちゃんじゃなくて、休暇中って意味で」

P「分かってるよ……それがどうかしたか? おかげで仕事には支障はでてないけど、早く元に戻さないと困る」

春香「たとえば実家に帰るとして……貴音さんが帰ってこないと、ご家族は心配してるんじゃ?」

P「家族から連絡が来ないってことは、休暇中に実家に帰る予定じゃなかったのかな?」

俺と春香は、二人で腕を組んで考え込んだ。




17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:42:18.30 ID:cHw7oz7Q0


俺と春香は、二人で腕を組んで考え込んだ。

小鳥さん「ただいまでーす」

春香「あ、小鳥さん。どこ行ってたんですか?」

小鳥さん「たかねちゃんの下着とか、身の回りの物を買いに行ってたのよ」

春香「え、小鳥さんが飼うんですか?」

P「春香……」

春香「あ、いや、違うんです! だって、たかねちゃん小動物みたいで可愛いじゃないですか!」

小鳥さん「ひゃあ、たかねちゃんの寝顔可愛い~! これはシャッターチャンス!」

小鳥さんはどこからかデジカメを取り出し、たかねの寝顔をピヨピヨ言いながら撮り始めた。




18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:45:24.03 ID:cHw7oz7Q0


P「ちょっと小鳥さん、たかねが起きちゃうでしょう?」

小鳥さん「すいません、つい可愛くて……」

春香「そうですよ小鳥さん! 後で私にも写真ください!」

小鳥さんも春香も、たかねにメロメロだった。
まあ、確かに可愛いけれども……




19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:47:51.57 ID:cHw7oz7Q0


響「はいさーい! たかね居るかー!? 自分、手袋編んできたぞ!」

真「うわあ、可愛い……! ほら、お菓子たくさんあるよ!」

雪歩「たかねちゃん、お茶。飲みやすい温度にしておいたからねー」

あずさ「あら~! よしよし~可愛いわ~!」

千早「か、可愛い……!」




20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:49:16.44 ID:cHw7oz7Q0


やよい「家で作ってきたもやし料理を持ってきましたー!」

伊織「これ、私が小さい頃に着てた服なんだけど……!」

亜美「こ、これが萌えってやつですか?」

真美「違うよ亜美、母性ってやつだよ」

美希「美希もこんな可愛い子ほしいなー…ねえ、プロデューサー?」

律子「ほらほら! みんな早く仕事に行きなさい! 後は私にまかせなさい!」

みんな、まるで初めてできた自分の子供みたいに、たかねに接している。
いや、まだ皆そんな年じゃないし、俺も子供なんてできたことないからよく分からないけど。

でもきっと、皆子供ができたら、こんな感じの優しいお母さんになるのかなと思う。





やよい「それで、今日はたかねちゃん、誰のところにお泊りするんですか?」




21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:52:30.02 ID:cHw7oz7Q0


やよいの何気ないその一言で、事務所内に一転、妙な緊張感が走った。

小鳥さん「私のところですよね。ほら、もう下着とか買っちゃったし」

春香「いやいや、一人暮らしの小鳥さん家よりも、家族がいる私のところのほうが」

響「家には動物がたっくさんいるから、夜も寂しくないぞ!」

真「でも響のとこにはワニとかいるよね……」

雪歩「セキュリティー面では、私のところは完璧だよ? お弟子さんが何人もいるし」




23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:55:12.94 ID:cHw7oz7Q0


あずさ「でも、たかねちゃんには私みたいな包容力があるほうが~」

千早「……くっ」

やよい「子供の扱いなら、私が一番慣れてるかなーって」

伊織「私の家なら、ここの誰よりも最高の環境で、たかねを世話できるわ!」

亜美「家にはゲームがたくさんあるよ!」

真美「たかねちゃんも退屈しないんじゃない?」

美希「美希の家なら、たかねちゃん最高にリラックスできると思うな~」

律子「いいから早く仕事に行きなさい! たかねは私が引き取ります!」

もう、仕事どころではなくなっている……
このままでは仕方がないので、俺はある提案をした。




25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 22:57:40.99 ID:cHw7oz7Q0


P「たかねに決めてもらえばいいじゃないか――あ、ほら、うるさくしてたから起きちゃった」

たかね「うー…」

たかねは目をこすりながら、ソファから起き上った。
そして自分をじっと見てくる13人分、26の瞳にビクッと体を跳ねさせた。

春香「たかねちゃん、今日は誰のところにお泊まりしたい!?」

たかね「おとまり……?」

律子「正直に言っていいのよ? 誰のところにお世話になりたい?」

たかね「……あなたしゃま」

P「え」




26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:01:27.37 ID:cHw7oz7Q0


たかねは、ソファからぴょんと降りた。
アイドル達の脇を通って、俺のところに、てくてくとやってくる。

たかね「あなたしゃま、あなたしゃま」

たかねは椅子に座っている俺に、よじ登ろうとしてくる。
俺は、そんなたかねをひょいと抱える。

たかね「あなた、しゃまー……」

そしてたかねは、俺の中ですやすやと寝息を立て始めた。

小鳥さん「この……――リコン」

P「ちょっと待て」




27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:05:55.42 ID:cHw7oz7Q0


律子「本当に、大丈夫ですか……?」

P「律子まで……俺がこんな小さな子に手を出すような鬼畜とでも?」

律子「いえ、そうではなく、真面目にプロデューサーはその子の炊事や洗濯ができるのかなと」

P「ど、努力するさ」

律子「努力するってなんですか。やっぱり、プロデューサーにたかねを任せておくのは不安だわ」

そのとき、嘘でもいいから、大丈夫さと言っておくべきだった。
今さら後悔しても遅いが、もっといい言葉があっただろうにと思う。

P「じゃあ……誰か一人、たかねの世話をしに俺のところに来てくれよ」

P、たかねを除く全員「「「!!?」」」

かくして、非常に騒々しい5日間が幕を開けたのだった。




29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:07:10.68 ID:m3QvuyPp0


コナンくんですか




30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:09:40.44 ID:cHw7oz7Q0


休暇1日目、つまりは俺が失言をしてしまったその日の晩。

風がびゅうびゅうと俺の部屋の窓を打ち付ける。

あずさ「ふー、ふー……はい、たかねちゃん、あ~ん」

やよい「プロデューサー、美味しいですか?」

今、あずささんとやよい、俺とたかねの4人で食卓を囲んでいる。
あの俺の失言のあと、事務所の皆は誰がたかねの世話をしに俺の家に行くか揉めた。

さすがに13人全員を一度に俺の家にあげるのは無理だった。
俺の腕の中で寝息を立てていた、たかねとは対照的に、一触即発の空気はその後10分ほど続いた。

最終的に、朝晩の交代制をとることで一応の決着がついた。
そして今日の当番は、この二人になったのだ。




31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:13:47.00 ID:cHw7oz7Q0


たかね「おいしいです」

あずさ「にんじんもちゃんと食べられるなんて、たかねちゃんは偉いわね~」

やよい「たかねちゃん、シチューもいいけど、このもやし炒めも美味しいよ?」

たかね「まこと、びみです!」

久しく経験していなかった、家族団らんの雰囲気がそこにはあった。

P「あずささんがお母さんで、やよいとたかねが子供もたいだなー…なんちゃって」

あずさ「え……そ、そんなプロデューサーさん。いきなりはその、まだ心の準備が……」

あずささんは顔を赤くして、自分の髪をくるくる指で巻き始めた。
あれ?




35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:19:02.53 ID:cHw7oz7Q0


P「あの、なんちゃって……」

あずさ「今日は私、お友達のところに泊まるって、両親に説明してますから……」

P「いや、帰ってくださっていいですよ?」

あずさ「たかねちゃんが寝たあと、ゆっくり……」

P「聞いてねえや」

俺は何やら色々妄想しているあずささんを置いておき、やよいに話しかけた。




36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:21:37.35 ID:cHw7oz7Q0


P「やよい、兄弟の世話はいいのか?」

やよい「はい、一日くらいなら大丈夫ですよ」

たかね「びみ、びみ……!」

たかねは小さい口にいっぱいもやしをつめこんで、もぐもぐさせていた。
まるでハム蔵みたいだ。

やよい「たかねちゃん、もやし炒め気にいってくれたようです!」

どうして、こんなにもやしを気にいったのか考えてみた。
そういえば、ラーメンにはもやしがのっていることが多いことを思い出す。
何となく、納得した。

こうして楽しい夕食はあっという間に過ぎていった。

あと、あずささんには丁重にお断りして帰ってもらいました。




37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:25:03.20 ID:cHw7oz7Q0


あずさ「そんな、プロデューサーさん……」

P「あずささん、明日も仕事でしょう?」

あずさ「プロデューサーさん……」

P「……ほら、あの……こ、今夜は寝かさないぜ? 足腰立たなくなってもいいのかい、あずさ?」

出来る限りの、精一杯の決め顔と渋い声で、あずささんの顎をクイッとあげる。
なんだかとんでもないことをしているような気が、しないでもない。

あずささんの目が、とろんとしていた。
ああ、やっちゃったよ。




38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:28:13.98 ID:cHw7oz7Q0


あずさ「プロデューサーさん……いえ、運命の人。分かりました、今度の休日前に、また来ますね!」

P「はい、お疲れさまでーす。やよいをよろしくお願いしまーす」

玄関から、手を振ってあずささんとやよいを見送る。
たかねも、小さく手を振っていた。

P「あずささん、どうしよう……」

せめて、あの目のハイライトが無くなるような展開は避けたい。
でも、たかねの目の前でプロレスごっこは勘弁してほしい。

たかね「あなたしゃま?」




39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:32:41.09 ID:cHw7oz7Q0


律子「おはようございます、プロデューサー」

P「…………あれ、何で律子?」

翌朝、目覚まし時計ではなく、パンの焼ける音で目が覚めた。
さらに開けた視界には、いつもの天井ではなく、律子の顔があった。

たかね「りつこどの、おなかがへりました」

律子「はいはい、もうすぐできるから待っててね~」

律子はたかねの頭を撫でて、キッチンに戻っていった。
俺はゆっくりと体を起こす。

たかね「あなたしゃま、おはよーございます」

P「おはよう、たかね」




40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:35:47.17 ID:cHw7oz7Q0


千早「律子、これもう持って行っていいのかしら」

律子「いいわよー」

千早はテーブルに目玉焼きやら何やら運んでいる。
時計を見ると、まだ朝の6時頃だった。

P「あの、早くないですか? というか、玄関の鍵開いてました?」

律子「プロデューサー、早く顔を洗ってきてください」

P「いや、あのね」

千早「プロデューサー、たかねの相手は私にまかせて、早く準備してください」




41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:38:39.33 ID:cHw7oz7Q0


たかね「ちはや、ちはや」

千早「はいはい、何?」

P「何ていい笑顔」

たかね「いただきます?」

千早「まだもうちょっとだけ待ってねー……プロデューサー?」

P「何て恐ろしい顔」

千早がすごく睨んできたので、俺は素早くベッドから降りた。
目をこすりながら、洗面所へ向かった。




43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:41:59.70 ID:cHw7oz7Q0


たかね「まこと、おいしゅうございます!」

律子「たかね、よく噛んで食べなさい」

千早「牛乳も飲まないと、大きくなれないわよ?」

P「……身長が?」

千早「何が、いいたいんですか……!?」

P「すまん千早、だからフォークを逆手に持つのはやめよう」




45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:47:32.52 ID:cHw7oz7Q0


2日目朝の当番は、律子と千早だった。

朝ごはんを作ってくれるのは非常にありがたいが、俺は家の鍵を渡した覚えは全くない。
そのことを律子に話すと、どうやらほぼ全員持っているらしい。
なんてこったい。

たかね「あなたしゃま……はーれむ?」

P「ナイスボート」

たかね「?」




47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:48:52.26 ID:cHw7oz7Q0


亜美「ちっちゃいお姫ちん、スマブラやろうぜ→」

真美「やろうぜ→」

この日の晩は、よりによってというか、亜美真美だった。
当然家事をするどころか、家に来てゲームで遊び始めた。

亜美「ぎゃー!?」

真美「て、手も足も出ないよ!?」

たかね「ぷりん」




48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:51:38.36 ID:cHw7oz7Q0


P「おーい、今日は外に食いに行くぞー」

亜美「ええーっ」

真美「今日は、真美達がお世話する番だよ?」

P「どの口が言うか、ゲームばっかりして」

亜美「亜美達は、家事以外のお世話をするんだよ」

P「家事以外?」




49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:56:31.51 ID:cHw7oz7Q0


真美「んっふっふ~、兄ちゃん、ちっちゃいお姫ちんが来てから、夜のアレ、お困りでしょ~?」

P「待て、どうして服を脱ぎ出す?」

亜美「亜美が……」

真美「真美が……」

亜美真美「「お世話してあげるよ!!」」

たかね「はーれむ?」

P「だーくねす!」




51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 23:59:42.99 ID:cHw7oz7Q0


亜美「うわー、ちっちゃいお姫ちんの髪さらさらだー!」

真美「うわ、ほんとだ。うらやましいなー」

たかね「たいへん、いいおゆでございます」

亜美真美は、たかねをお風呂に入れてくれている。
昨日までは俺が入れていたから、助かるといえば助かる。

P「お風呂ね。まあ、そんな期待とかはしてなかったんだけどさ。でも、俺も男だし……いやいや何を言ってるんだ」

男だろうがなんだろうが、亜美真美もたかねも、まだ小さい女の子である。
部屋で1人、そんなことをつぶやく時点で、大変に危ない。




52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:04:49.26 ID:AA/qQ8aE0


そのとき、携帯電話が鳴った。
俺は誰だろうと、とりあえず電話に出た。

P「はい、もしもし」


小鳥さん「やっぱりロ○コンじゃないですかー!!」


P「」

小鳥さん「プロデューサーさんは大人の魅力よりも、青い果実のほうがいいんですねー!?」

P「あんた(盗聴器を)仕掛けてるんですか!?」

小鳥さん「なんのことやら」

小鳥さんは乙女(笑)の勘だと言っていたが、絶対嘘だ。
やばい。鍵の事といい、俺のプライバシーがやばい。




53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:06:28.70 ID:AA/qQ8aE0


朝6時、俺は目覚まし時計のアラームを止めた。
3日目、開始である。

たかねはまだ、隣ですやすや寝ている。
昨日遅くまで亜美真美と遊んで疲れたのだろう。

俺はそっとベッドを出て、玄関に向かった。
そして玄関で待つこと数分。

カチャン

外から、鍵が開いた。
軽くホラー。




54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:11:11.03 ID:AA/qQ8aE0


真「あれ、プロデューサー起きるの早いですね?」

雪歩「おはようございます、プロデューサー」

P「おはよう。鍵、返してもらっていいかな?」

真「え、どうしてですか?」

真はきょとんとしている。
なんだか、俺がおかしい事を言ってるような感じだ。

雪歩「万が一のことがあるかもしれませんし、私達が持っていたほうが……」

P「いや、逆。万が一のことが起こりそう」



たかね「あなたしゃま!? あなたしゃまー!?」




55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:16:16.22 ID:AA/qQ8aE0


真「ほら、たかねが呼んでますよ?」

雪歩「早く言ってあげてください」

たかねの泣きそうな声が聞こえた。
目を覚ましたら隣に俺がいないので不安になったのだろう。
俺は仕方なく鍵の回収を諦め、居間のほうへ戻った。

雪歩「はい、どうぞ」

P「おお、和食か」

昨日の朝はパンだったから、今日は和食というのも良い。
特に味噌汁が美味しそうだ。

真「ほーら高い高―い!」

たかね「たいへんたのしゅうございます!」




56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:20:44.76 ID:AA/qQ8aE0


雪歩はご飯を作って、真がたかねの相手をしてくれている。
いやほんと、この2人はバランスとれた、いいコンビだよなあ。

雪歩「真ちゃん、たかねちゃん、ご飯できましたよー?」

真「うん!」

たかね「きょうえつしごく!」

朝の景色と味噌汁のにおいが最高だ。
これで、鍵が回収できたらなあ……

P「あの、鍵のことなんだけど……」

雪歩「はい?」

P「返して、もらえませんか?」




58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:23:36.77 ID:AA/qQ8aE0


真「うーん、よく分からないけど」

雪歩「プロデューサーが、そう言うなら……」

何と、意外。
あっさりと2人は、俺に鍵を返してくれた。

P「あ、ありがとう!」

真「いえ、とんでもないです」

雪歩「スペアはまだ、いっぱいありますから」

P「え」

真「雪歩、何本くらい予備の鍵作ったの?」

雪歩「えーと、10本くらいかなあ」

真「少なくない?」

P「」




60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:26:17.08 ID:AA/qQ8aE0


伊織「まったく、もっといい包丁買いなさいよね」

伊織は台所で、晩御飯を作ってくれている。
伊織のエプロン姿は、とても新鮮だった。

3日目の晩。
今日の当番は伊織と小鳥さんだ。

小鳥さん「はーいたかねちゃーん、お姉さんと遊びまちょうねー?」

P「お姉さ……いや、みなまで言うまい」

小鳥さんは赤ちゃん言葉で、たかねと遊んでいる。
すると、小鳥さんは、荷物からラッピングされた袋を取り出した。

小鳥さん「ほら、たかねちゃんにプレゼント持ってきたのよー?」




61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:29:10.03 ID:AA/qQ8aE0


P「開けていいですか?」

小鳥さん「はい、どうぞ」

開けてみると、中には可愛いクマのぬいぐるみが入っていた。

P「開けていいですか?」

小鳥さん「やだプロデューサーさん、もう開けたじゃないですか」

P「クマの中を、開けていいですか?」

小鳥さん「……あら、どうして?」

P「……盗聴器とか、入ってるんじゃないでしょうね?」

小鳥さん「伊織ちゃん、手伝うわー!」

P「おい、待て」




63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:32:19.63 ID:AA/qQ8aE0


小鳥さんは、慌てて伊織のいる台所に逃げた。
絶対、入ってるよね、これ。

たかね「めんような! めんような!」

しかし、たかねはクマのぬいぐるみを気に入ったようだ。
抱きしめたまま離さない。

今、たかねから取り上げるのも気が引ける。
夜中に、こっそりと外しておこう。

伊織「はい、できたわよ」

伊織は、そう言ってエプロンを外している。
小鳥さんが、出来た料理を運んでいく。




64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:37:52.56 ID:AA/qQ8aE0


P「おお」

たかね「!!」

テーブルに運ばれてきた料理は、どれも美味しそうで、見た目もすごく綺麗だった。
かろうじて分かるのがビーフストロガノフだけで、その他の料理は見るのも初めてだった。

伊織「あんた、いつもロクなもの食べてないしね。ここ最近、ずっとコンビニ弁当ばかりだったじゃない」

P「男一人だと、どうも面倒でなあ」

……あれ?
昨日、ゴミは出したはずだけど?


たかね「あなたしゃま! あなたしゃま!」

たかねはよだれを垂らしながら、早く食べようと急かしてくる。

伊織「はいはい、急がなくても逃げないわよ」

伊織は苦笑しながら、テーブルにつく。

P「それじゃあ、いただきます」

たかね「いただきます!」




65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:40:25.18 ID:AA/qQ8aE0


その晩、たかねは鍋いっぱいに作っておいたビーフストロガノフをからっぽにした。
そしてお腹いっぱいになったのか、食べ終わるとすやすやと眠ってしまった。

伊織「……ところであんた、貴音を元に戻す方法は見つかったの?」

P「いや、まだ何も……」

伊織「なにやってんのよ。明日で貴音の休暇は終わるんでしょ? 仕事とか、どうすんのよ?」

P「うーん、どうしよう」

伊織「まったく……鍵返せなんて言ってる暇あったら、そこをなんとかしなさいよ」

P「あの……そもそも鍵は誰から巡り巡って……?」

伊織「そこで寝てる、だめ事務員からよ」

小鳥さん「ぐへへ……」

そのだめ事務員とやらは、たかねと一緒に俺のベッドで眠っていた。
いつのまに。




66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:42:46.66 ID:AA/qQ8aE0


P「起きろ」

小鳥さんのほっぺたをつねる。
両側をつねる。

小鳥さん「ピ、ピヨ……!? あ、プロデューサーさん何するんですか~?」

P「盗聴器といい鍵といい、諸悪の根源はお前か」

小鳥さん「ご、誤解ですよ! 私は、全部春香ちゃんから……」

P「えー」




67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:45:14.10 ID:AA/qQ8aE0


春香「おはようございまーす!」

P「おはよう春香、ちなみに、今何時だ?」

春香「えーっと、朝の3時です!」

たまたま、トイレで目が覚めた。
4日目の朝、早朝も早朝だった。
玄関のほうで音がしたので、新聞配達の人かな、と思っていたら。

カチャリ

と音がして、鍵が開いた。
そして、春香登場。




68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:47:14.16 ID:cbpgW0KF0


おかしい
貴音SSかと思っていたのにいつの間にかストーキングアイドルSSになってた




70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:49:34.10 ID:AA/qQ8aE0


P「電車、あったの?」

春香「終電で来ました!」

P「ご両親は?」

春香「千早ちゃんの家に泊まるって言いました!」

P「それにしても早すぎるよ」

春香「だって、朝当番はどうしても夜よりも時間が短いですし……」

なぜだろう。
もじもじしてる春香は可愛いはずなのに……

でっかい工具箱持ってるだけで、こんなにも印象が変わるものなのか。

P「美希は? 美希も確か朝だったはず……」

春香「ああ、美希は『朝3時集合』って言ったら『夜に変更するの!』って言ってました!」

P「まあ、美希ならそうなるか……」
 




71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:53:58.46 ID:AA/qQ8aE0


春香「寝てていいですよ! 時間がきたら起こしますから!」

P「……いや、起きとくよ」

春香「寝てていいですよ!!」

P「だから、起きとくよ」

春香「プロデューサー、さん……?」

P「おやすみなさい」

ドライバーならまだしも、リュックから鉈とか出されたら、首を縦に振るしかねえよ。
その後、俺はベッドに入りながらも、頭はガンガンに冴えていた。

時折、春香の鼻歌や金属音、何かを削る音が聞こえた。
俺はたかねを抱きしめながら、がくがく震えていた。




72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 00:55:58.88 ID:AA/qQ8aE0


春香「いやー! たくさん作業した後のご飯は美味しいですね!」

P「作業、ね……」

たかね「あなたしゃま、しょうゆください」

鍵を返せとか、盗聴器はお前のせいか、とか……言える雰囲気ではなかった。

たかね「ないすぼーと?」

P「やめてください死んでしまいます」




73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:00:01.23 ID:AA/qQ8aE0


夜、インターホンが鳴った。
誰だろうと開けてみると、響と美希だった。

響「はいさーい、プロデューサー!」

美希「あれ? どうしてハニーはそんなに驚いてるの?」

P「……鍵、持って無かったの?」

響「持ってるけど、勝手に入ったりはしないぞ?」

美希「美希も、マナーは守るよ?」

たかね「あなたしゃま? どうしたのです?」

P「いや、涙が止まらない……まだまともな人がいた……!」

響「本当に大丈夫か、プロデューサー……?」




74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:03:40.07 ID:AA/qQ8aE0


響は慣れた手つきで、沖縄料理を作ってくれた。
特にたかねは、響にとても懐いたようで、料理の手伝いまでしている。

響「手元、気をつけるんだぞー?」

たかね「ぜんしょ、します!」

そのなごやかな光景を見て、何日かぶりに、心の底から安心している俺がいた。

P「で、なんでお前は俺のベッドで寝てるんだ?」

美希「ハニーの布団、いい匂いなの~」

美希は頭から布団をかぶった。
そしてすぐに寝息を立てて眠ってしまった。




76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:06:34.75 ID:AA/qQ8aE0


響「できたぞー!」

ゴーヤチャンプルーやソーキそばなど、沖縄料理がテーブルにぞくぞくと並んで行く。
どれも、すごく美味しそうだ。

美希「さっそく食べるの!」

P「結局、美希は何しにきたんだ?」

美希「美希は残さず食べる係なの!」

たかね「びみ! びみ! びみ!」

響「ほらほら、そんなに急いで食べると、まるでハム蔵みたいだぞ」

響は笑いながら、たかねの口を拭く。




77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:09:34.69 ID:AA/qQ8aE0


美希「はにー、あ~ん」

P「おいおい」

たかね「……あなたしゃま」

P「ん?」

たかね「あ~ん……」

P「」

美希「いやん、可愛いの~!」

響「プロデューサー、食べてあげなよ」

P「あ、あ~ん」

俺は照れながら、たかねの差し出したゴーヤを食べた。




79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:12:34.72 ID:AA/qQ8aE0


たかね「おいしゅうございますか?」

P「うん、おいしい」

たかね「えへへ……」

P「……か、可愛い!」

もう我慢できなくなって、俺はたかねを抱きしめてしまった。

たかね「あ、あなたしゃま!?」

美希「あー、たかね、ずるいの! 美希もハニーに抱きつくの!」

たかねを抱きしめた俺を、美希が抱きしめる。

たかね「ひ、ひびき! ひびき!」

そして、たかねは響に助けを求める。

美希→俺→たかね→響の順で抱きしめる。

響「なんだ、これ?」




80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:14:25.28 ID:cbpgW0KF0


つまり響は女神ということ




81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:17:04.34 ID:AA/qQ8aE0


響達が帰った後、俺とたかねは散歩に出た。
明日には、貴音の休暇期間が終わり、仕事が待っている。

いまだに元に戻す方法が見つかっていない。
さて、どうしたものか……

たかね「あなたしゃま?」

俺の浮かない顔に、たかねが心配そうな声で俺を見る。

P「大丈夫だよ、たかね」

俺は微笑みながらその場にかがむ。
たかねの頭に手をのせ、撫でる。




82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:20:38.24 ID:AA/qQ8aE0


P「もし、このまま元に戻らなくても、俺が一生かけて面倒見てやる」

たかね「あなたしゃま……」

P「さて、帰るか。もう10時少し前……」

10時、少し前……?
俺は、あの時の貴音との夜を思い出す。

――とても、月が綺麗な夜だった。
――形からして、もうすぐ、満月になりそうだ。

バッと、月を見上げた。
月が、ほんのり赤くなっていた。

P「そういえば、今日は……!」

月食。

ここ数日、たかねの事で忙しかったから、すっかり忘れていた。




83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:23:52.87 ID:AA/qQ8aE0


たかね「あなたしゃま!」

そのとき、たかねの体が、淡く光り始めた。

P「たかね!」

徐々にだが、たかねが消え始めていく。

たかね「……あなたしゃま、ありがとうございました。とても、たのしかったです」

P「そ、そんな、待ってくれたかね!」

たかね「――それでは」

P「たかね!!」

俺はたかねを掴もうと手を伸ばした。
が、その手は空を切る。
よろけて、地面に倒れてしまう。

P「たかね、たかね……」

俺はみっともなく、その場で泣き始めた。

P「たかねぇぇぇぇ!!」




84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:27:26.33 ID:AA/qQ8aE0


貴音「はい、なんでしょう?」

P「」

俺は、声がした後ろを振り向いた。

貴音「あなた様……どうかいたしましたか?」

P「た、貴音? 今、消えたはずじゃ……」

貴音「すみません。月食の時期は、不安定になりまして……」

P「どういうことなの?」




85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:31:14.32 ID:AA/qQ8aE0


貴音「ご心配をかけて申し訳ありません」

P「今までのたかねは、貴音なのか……?」

貴音「私が言えるのは、ここまでです。それ以上は――」

貴音は、人差し指をスッと唇につけて、

貴音「とっぷしーくれっとです」

それは俺が知っている、貴音のいつもの妖艶な笑みだった。




86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:34:04.24 ID:AA/qQ8aE0


春香「あ、貴音さん、おはようございます! お休みはどうでしたか?」

貴音「真、有意義なものでした」

小鳥さん「あれ、なんだろうこれ?」

P「どうしたんですか?」

小鳥さん「いえ、デジカメのメモリーなんですが……中の写真が半分以上真っ黒なんです」

小鳥さん「私、何撮ったんだろう?」




87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:36:10.53 ID:vsoJtyL20


な・・・どういうことだってばよ
たかねは異世界人かなにかか




88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:37:27.23 ID:7RkpLSA80


月の人だよ




101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 02:32:20.71 ID:AA/qQ8aE0





昨日、つまりは5日目。俺は貴音が戻ってきたことを伝えようと出社した。
しかし、奇妙な事に、俺以外の誰ひとり、たかねのことを覚えていなかった。

そして今日、6日目、貴音は事務所に出社してきた。

さっきの春香の言葉から、貴音はあくまで『5日間の休暇を終えて久しぶりに事務所に出社した』ようだ。

小鳥さんの様子から、たかねがいた証拠になる痕跡も、どうやら消えている。

春香「そういえば私も、変な事があって……」

春香「盗聴器やら何やら、全く使えなくなっちゃって」

春香「確かめようとプロデューサーさんの家に行ったんだけど、鍵もなぜか合わなくて」

そういえば、まだ外が暗い早朝に、なにやらガチャガチャ音がしていたような気がする。
誰も入ってこなかったので、気のせいかと思っていたが。




92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:42:34.26 ID:AA/qQ8aE0


俺は、隣にいた貴音を見る。

貴音「ふふ。お礼です。あなた様」

小声で、そう言った。

P「やっぱり、たかねは……」

すると貴音は、人差し指を、俺の口にぴったりと付けてきた。

貴音「それは、これからゆっくりと知っていけばいいではありませんか」

貴音「……一生面倒を見てくれるのでしょう?」

そう言って、貴音は俺の口から、ゆっくりと手を離した。
そして、唖然としている俺に向かって、




93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:43:58.22 ID:AA/qQ8aE0


貴音「あなたしゃま?」






おわり




97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 01:47:51.51 ID:xspOszMm0


圧倒的乙

また貴音で書いてくれ




102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/24(月) 03:37:33.26 ID:/9cRd1qx0


ちっちゃいお姫ちんとか俺得と思って開いたら
ストーキングアイドルだった
涎出たありがとう乙




引用元:たかね「あなたしゃま」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356268260/

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コメント

コメント一覧

    • 1
    • 2012年12月25日 09:15
    • 春香さん怖いです
    • 2 名無し春香さん
    • 2012年12月25日 11:55
    • なんだただの一途な女の子たちか(震え声)
    • 3 名無しさん
    • 2012年12月25日 11:56
    • たかね+ひびみきの所すき
    • 4 名無し春香さん
    • 2012年12月25日 12:08
    • 最近は話のスパイスにヤンデレを加味するのが流行ってんのかw
      でもまぁ面白かったw
    • 5 名無し春香さん
    • 2012年12月25日 12:13
    • 貴音が守ってくれるから……(震え声
      本当に貴音は可愛いなぁ!
    • 6
    • 2012年12月25日 12:36
    • 「待ってくれたかね」というセリフだけ先に目に入って、「あれ、社長?」と思ってしまったら
    • 7 名無し春香さん
    • 2012年12月25日 15:17
    • 最後の奴は涎出ちゃうのかよ。ヤンデレアイドルSSが増えてんのは支持されるからってのもあるんだよなあ・・・。
      それにしても相変わらず響は天使みたいだ(直喩)。
    • 8 名無し春香さん
    • 2012年12月25日 21:18
    • 大正義プロジェクトフェアリー(確信)
    • 9
    • 2012年12月25日 21:50
    • スレタイでつい貴音6歳のSSを連想してしまった
      貴音は可愛いなぁ!
    • 10
    • 2012年12月25日 23:07
    • ロリ貴音はどうしてもたかにゃで再生されるわwww
    • 11 名無し春香さん
    • 2012年12月26日 00:58
    • クレイジーサイコストーカー765アイドルきらい
      可愛くて優しい天使な765アイドルすき
      たかね大好き
      貴音も大好き
    • 12
    • 2012年12月26日 03:51
    • ヤンデレ春香さん怖すぎ寝れない((
      てか盗聴器とかプロデューサーも大変やなあ
    • 13 名無し春香さん
    • 2012年12月26日 16:29
    • そうか、毎晩家のドアをガチャガチャさせてたのは春香だったのか、安心した(ノイローゼ)
    • 14 名無し春香さん
    • 2012年12月27日 14:32
    • >>12598
      同感です
      たかにゃと混同しますよね
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