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トップページミリマス > 【ミリマス】美咲「じゃーんっ! 本日のログインボーナスは――」

1: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/30(土) 14:24:21.74 ID:QUkFeDDU0

※あっという間に終わります
===

近頃困った奴がいる。頭を悩ます奴がいる。
これで相手がアイドルなら、彼だって少しは強気に出れただろうが……。

「おはようございますプロデューサーさん!」

劇場事務室の扉を開ければ間髪入れずに聞こえて来る。
元気一杯の声の主、それが男の頭を悩ませる、青羽美咲なのであった。

「お、おはよう青羽さん。今日もやっぱり――」

「お疲れ様です! ドリンクあって、ジュエルがあって、マニーとレッスンチケットもあって」

「うん、うん、受け取るから。慌てなくても受け取るからっ!」

「なんとっ!! 只今スペシャルログインボーナスも――」

「実施してない! 話を聞けっ! とりあえず落ち着こう青羽さん!!」


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2: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/30(土) 14:25:49.70 ID:QUkFeDDU0

まるで飼い主を待っていた犬である。

人懐っこい笑みを浮かべ、
自分の傍まで駆けよって来た美咲の肩を掴み座らせる。

キョトンと瞬き一つせず、
こちらを見上げる彼女の顔から男が思わず目を逸らす。

「どうかしましたプロデューサーさん? 今日も一日頑張りましょう!」

美咲の頭には目には見えない耳があり、お尻にも見えない尻尾がついてるよう。
尻尾はフサフサした毛並み、パタパタと千切れんばかりに振られてる……実際そこに、あったらだが。


とはいえ、目には見える事実として見過ごせない物がもう一つ。
それは目の前に座る美咲の顔に、明らかな疲労が色濃く出ているということ。

髪は跳ね、目の下にくま、着ている事務服もちょいとヨレて、おまけに無駄なハイテンション。

誰がどこから見ても分かる通り、彼女は恐らく眠ってない。


3: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/30(土) 14:26:50.32 ID:QUkFeDDU0


「青羽さん昨日もそんなだった」

「はい? 何がです? あっ、ログインボーナスの最後には、いつもより豪華なアイテムを――」

「何日寝てない? いつ帰った? 劇場にいつから泊まってる?」

「もう、プロデューサーさんいやですよ。劇場はみんなのホームだって――」

「言ってはいるけど意味が違う! 二十歳の娘が夜も帰れず、泊まり込むほど仕事があるじゃなし」

男が険しい顔で美咲を見る。

すると彼女は何かを思い出したように、虚ろな視線を事務室に這わす。

「あー……お仕事。お仕事ですか? してます。今、ようやく次のデザインが上がったトコで」

「で、デザイン?」

「これから生地の選定と、小物の吟味買い出しと……。予算はそれほど多くないので、失敗はなるべくできなくて……」

スッと瞳を半目閉じ、ブツブツ呟き出す美咲。
それから彼女はゆっくりと、体を前後に揺らし出した。

そのうち口元にやっていた手も落ちて、聞こえてくるのは可愛い寝息……。


4: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/30(土) 14:27:51.17 ID:QUkFeDDU0


「……美咲?」

「……ふひゃっ!? ね、寝てません! 寝てません! 袖を縫い付けちゃったりもしてません!」

慌てて椅子から立ち上がり、覗き込んでいた男の額へ華麗なまでのヘッドバット。

「ふごっ!?」

「痛ったあー!!?」

男が仰向けのまま床に倒れ、美咲も頭を押さえてしゃがみ込む。
痛みを堪える彼女の目尻に、浮かぶは乙女の涙かな。

「す、すみませんプロデューサーさん。だっ、大丈夫で――」

「おわっ!?」

そうして手を出しよろよろと、相手を心配して立ち上がろうとした美咲の両足は見事にもつれ
――なにせ彼女は寝てないのだ。ふとした瞬間に力が抜けることも多い――そのまま男の上へと倒れ込んだ!


5: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/30(土) 14:29:07.34 ID:QUkFeDDU0


「ひゃっ!!?」

途端、男の体に加わる重みと感じる人肌甘い熱。
胸元に強く乗っかった、美咲の頭からは得も言われぬ程の良い香り。

男が「ヤバい」と息を飲み、美咲が「眠い」と顔をしかめる。

美咲の下から慌てて脱出を試みる男を、彼女はしっかと捕まえて。

「……お兄ちゃん。このまま仮眠室まで連れってぇ」

甘えた様子でおねだりを、する顔は正に「妹」のソレ。
あれほど公私混同に気をつけろと厳しく言っておいたのに……。

「寝る、寝るよぉ、ちゃんと寝る。だけど一人じゃ歩いてけないからぁ」

「そこを無理やり起きての社会人! いい加減俺に手を焼かすな!」

「うぅん、冷たい~! ……あ、お兄ちゃんの上は温かいけど」

ぷぅっと頬を膨らませ、美咲が抗議の目を向ける。
しかし次の瞬間にはへにゃへにゃと、溶け切った笑顔ではにかんで。

「美咲を運んでくれたなら、きっとイイコトありますよ~? えへっ♪」

結局この後妹をおぶり、男が仮眠室に向かったのは言うまでもない。


6: ◆Xz5sQ/W/66 2017/09/30(土) 14:29:45.61 ID:QUkFeDDU0

===
ログボの台詞が変わってて、その可愛さに衝動的に書いたから短いけどおしまい。
ボーナスは美咲ちゃんの笑顔でしたとさ。

では、お読みいただきありがとうございました。


転載元:【ミリマス】美咲「じゃーんっ! 本日のログインボーナスは――」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506749061/
SS速報VIPのSS紹介です。

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コメント

コメント一覧

    • 1 名無し春香さん
    • 2017年10月01日 01:17
    • 急に妹になられても。
    • 2 名無し春香さん
    • 2017年10月01日 18:52
    • 寝ないでデザインしたからあんなサイケな色調なSSR衣装なのか
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