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トップページモバマス > 拓海「罰ゲームは……『Pの専属メイドになる』だぁ!?!?」

1: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:41:38.27 ID:+IAlaEFW0

トライアドプリムスと罰ゲームシリーズ第4弾。今作からTPの3人+ゲストの形で進めていきます。前作まで読んでいなくてもまったく問題ありません。基本的なくだりは「トランプで誰かが負ける」→「罰ゲームを実行」の流れになります。

またしばらく続きますがお付き合いいただけると嬉しいです。

過去作品
奈緒「罰ゲームは…『Pさんと添い寝』だぁ!?!?」
加蓮「罰ゲームは…『Pと新婚生活(仮)』!?」
凛「罰ゲームは…『子供(7歳児)になってPと出かける』?」




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/27(水) 12:43:03.21 ID:+IAlaEFW0

(事務所・休憩室)

凛「さて、今週もやってまいりました。『ババ抜きで負けたら罰ゲームだよ☆全員集合!』の時間です。拍手ー」
sbyrn4

パチパチパチパチ……

加蓮「うぇーい……」
hjkrn20

奈緒「はぁ……」
kmyno4

凛「こら、2人とも。もっとアゲアゲ↑↑でいかなきゃダメでしょ」

加蓮「毎週こんなことやってたら『DJオズマ』ばりのテンションをキープなんかできないっての」

奈緒「つか、なんで毎週末にやる決まりになってんだよ……」

凛「ノリで」

加蓮「なんとなく始めたことがずるずる続いちゃうってよくあるよね」

凛「行政の『座高測定』なんか典型的な例だね」

奈緒「座高測定は、昔は『意味がある』って信じられてたことだったんだけどな」

加蓮「ふーん」

凛「まあ、時間が惜しいので話はほどほどに。早速ババ抜きを始めていきましょう」

加蓮「はーい……」

奈緒「ヤダなー……」

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3: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:43:46.08 ID:+IAlaEFW0

凛「ふふっ。実はね、ローテンションな2人にサプライズがあるんだ」

加蓮「サプライズ?」

奈緒「なんだよ?」

凛「入ってきていいよ」

ガラッ!

拓海「オウ。暇してるところを凛に呼ばれてきたんだが……何するんだ?」
mkitkm

加蓮「!」

ガタッ!

奈緒「!」

ガタッ!

拓海「!?」

加蓮「ありがとう拓海!!」

奈緒「よく来てくれたな拓海!!」

拓海「お、オウ……なんだよ……その反応は」

加蓮・奈緒「「(やった……! これで罰ゲームを受ける確率は1/4になる……!)」」


4: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:44:21.65 ID:+IAlaEFW0

凛「拓海。今から勝負を始めるよ」

拓海「……?」

拓海「へっ……よくわからねーが、勝負と聞いちゃ引いてられねぇな」

拓海「どんな勝負でも仏恥義理で勝ってやるぜ! かかってきなっ!」

3人「(チョロいな)」


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/27(水) 12:45:07.47 ID:+IAlaEFW0

(少しして)

凛「では、初めて参加の拓海にルールを説明します」

拓海「おお。頼むぜ」

凛「1つ。勝負の内容は『トランプのババ抜き』です」

拓海「おう」

拓海「(……案外、ぬるそうなゲームなんだな。ま、いいけどよ)」

加蓮「2つ。勝負に負けたアイドルは『罰ゲーム』を受けます」

拓海「罰ゲーム?」

奈緒「3つ。罰ゲームの内容はまだ決まっていません。こちらの『罰ゲーム箱』の中に入ったお題を1つ引き、それを実行してもらいます」

凛「4つ。お題は絶対です。引き直しは認められません」

拓海「……」

凛「以上です。何か質問があれば受け付けます」

拓海「罰ゲームって例えばどんな感じなんだ?」

加蓮「大したことないよ。犬のモノマネとか」

奈緒「大したことないな。一発芸とか」

凛「大したことないね。腕立て伏せ10回とか」

3人「「「(その他諸々はあるけど)そんな感じだよ」」」

拓海「ふーん……ホントに大したことないな」

凛「じゃ、始めてみよっか」

拓海「おう」


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/27(水) 12:51:07.52 ID:+IAlaEFW0

【過去の罰ゲーム実行例】

奈緒→ 一発芸、Pと添い寝、Pに膝枕、Pに口をつけたペットボトルを差し入れる等々
(罰ゲーム実行回数39回)

加蓮→ 犬のモノマネ、Pと新婚生活(仮)、寝ているPのうなじにキス、Pのシャツを着る等々
(罰ゲーム実行回数14回)

凛→ 腕立て伏せ10回、子供になって(7歳児)Pとデート、Pと1日中腕を組んだまま仕事、Pに肩車をしてもらう
(罰ゲーム実行回数11回)


3人「(嘘はついてないよね)」


7: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:51:49.27 ID:+IAlaEFW0

(少しして)

ヒョイ……ポイッ
ヒョイ……ポイッ

凛「あーがり」

奈緒「よっしゃ! あたしもだ!」

加蓮「くっ……!」

拓海「はっ。最後は加蓮と一騎打ちか。負けねえぞ」

加蓮「それはこっちの台詞だよ……!」(ゴゴゴゴ)

加蓮「(負けられない……! 先週は私が罰ゲームだったし、2週連続は絶対嫌だ……!)」(ゴゴゴゴ)

拓海「(おお……すげぇ気迫じゃねぇか……さすがアイドルやってるだけあるぜ)」

拓海「(へっ、上等だ。こんなことで怯むアタシじゃねぇ。ぜってぇ勝ってやる!!)」

拓海「(行くぜ……!)」


8: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:52:18.55 ID:+IAlaEFW0

(少しして)

加蓮「やった♪ あがりっ♪」

拓海「」

奈緒「拓海。いきなりかよ」

凛「ふふっ。残念だったね」

拓海「くそ……っ! もう一回だっ!!」

凛「いいけど罰ゲームを実行してからね」

奈緒「ほい。罰ゲーム箱」

加蓮「事務所のみんなが『1人1枚』のルールで書いて入れた罰ゲームが入ってるからね」

拓海「ちっ……わーったよ。ちゃっちゃと終わらせて……と」


9: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:52:57.92 ID:+IAlaEFW0

ガサゴソ……ヒョイ

拓海「なになに……ん?」

【1日限定: プロデューサーの専属メイドとして働く(by. ウサミン)】

拓海「……」

奈緒「わぉ~」

加蓮「じゃ、実行よろしく~♪」

凛「フゥ~」

拓海「待てやこらっ!!!!」


10: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:53:30.52 ID:+IAlaEFW0

凛「……?」

奈緒「どうかしたのか? 拓海?」

加蓮「いきなり大声を出したらびっくりするよ」

拓海「いや、アタシの方がびっくりしたわ! なんだよこの罰ゲームはっ!?」

拓海「つーか、凛、奈緒、加蓮! てめえら『どうしたの?』みてーなツラですっとぼけてんじゃねぇ!!」

凛「待って。拓海。まだ罰ゲームには続きがあるよ」

拓海「ああん!?」

凛「読み上げるね」


11: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:54:12.66 ID:+IAlaEFW0

【続き】

1、実行者は1日中メイド服を着なければならない。

2、プロデューサーに対しては「ご主人様」呼びで一貫しなければならない。

3、プロデューサーの身の回りの世話(掃除、洗濯、料理、耳かき)等をしなければならない。

4、食事の前は「メイドの愛」を込めなければならない。

5、ご主人様の要求にはできる限り応えなければならない。

6、メイドとしての心構えをいついかなる時も忘れてはならない。

(P.S メイドとしての作法がわからない時はナナにお任せ☆ いつでも連絡してくださーい♪ キャハ☆)


12: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:54:52.40 ID:+IAlaEFW0

拓海「『キャハ☆』じゃねぇよ! 菜々の野郎!!!」

スパーン!

加蓮「拓海。紙を床に叩きつけちゃダメだよ」

拓海「こ、こんな罰ゲームおかしいだろ!!」

奈緒「ん? まさか拓海。やらないつもりか?」

拓海「たりめーだろっ!! ざけんな!」

凛「……へぇ。逃げるんだ?」

拓海「う……」(グサ)

加蓮「拓海って約束も守れない人だったんだー……ふーん……」

拓海「ぐっ」(グサグサ)

奈緒「ずるいなー。元・特攻隊長さんはー」

拓海「……」(グサグサグサ)

凛「さて、じゃあ拓海は罰ゲームをやらないみたいだから今日はこの辺でお開きに……」

拓海「……るよ」

奈緒「ん?」

拓海「やるっつってんだろ! やってやんよコラァァァァ!」


13: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 12:56:02.59 ID:+IAlaEFW0

加蓮「OK。じゃ、菜々ちゃんに電話するね」

Prrr……Pi!

拓海「うぇ!? ち、ちょっと待て! まだ心の準備がっ!」

加蓮「あ。菜々ちゃん? メイド志望の方、1名入りました~」

菜々『がってん承知の助!』

加蓮「じゃ、よろしくね♪」

Pi!

拓海「……」

凛「……」

ポンッ

凛「拓海。期待してるよ」

拓海「……応」

奈緒「なあ。メイド服着たら写真撮っていいか?」

拓海「ざっけんなっ!」


18: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:20:35.10 ID:+IAlaEFW0

【ウサミン’s メイドカフェ】

菜々「ようこそ、拓海ちゃん! ウサミンのメイド教室へ!!」
abnn

菜々「拓海ちゃんを立派なメイドにすべく! ビシバシ鍛え上げちゃいますよー!」

拓海「……うぃーっす」

菜々「た、態度が悪いっ……!」

拓海「だってよぉ……」

菜々「いけませんよー! メイドは愛嬌とスマイルが大事なんですっ! ほら、せーの!」

菜々「キャハ☆ ラブリー17歳☆」

拓海「んなメイドなんてアタシの柄じゃねえだろっ!」

菜々「ひぃぃっ! お、お店で怒鳴るのはアウトですっ!」

拓海「……わり」

菜々「で、ですが、ナナは怯みませんっ! 拓海ちゃん! 素敵なメイドになりたいかー!」(ガッツポ)

拓海「あぁん!?」(ギロリ)

菜々「ひぃんっ! 眉間にしわを寄せるのもノゥですっ!」


19: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:21:13.74 ID:+IAlaEFW0

菜々「メイドたるもの! 常に表情をにこやかに柔らかく!」

拓海「……にこやかに、柔らかく、ねぇ」

菜々「はいはい。せーの! 笑顔!」

拓海「……」

拓海「こ、こうか?」

ニヤァァァ……

菜々「うわ」

拓海「ドン引きすんじゃねえよ!!」

菜々「す、すみません! つい……」

菜々「さて、挨拶はほどほどに。メイド服の採寸から始めましょうか! 何はともあれ、何事もまずは形からです!」

拓海「……やっぱあのフリフリ着なきゃいけねえのか」

菜々「モっチのロンですっ!」


20: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:21:50.67 ID:+IAlaEFW0

(メイド服試着後)

拓海「……くっ///」

菜々「わー……拓海ちゃん。メイド服似合いますねー……」

拓海「っるせぇ!!」

菜々「王道の黒髪ロングに豊満なバスト……程よくついた筋肉にピンと伸びた背筋……佇まいとビジュアルは非の打ち所がないくらいパーフェクツです……惚れ惚れしますねぇ」

拓海「……そ、そうか? へへっ。褒められんのは悪い気はしねえな」

菜々「でも中身が」

拓海「あん?」

菜々「なんでもないです」


21: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:22:29.74 ID:+IAlaEFW0

拓海「で、この後は何すりゃいいんだ?」

菜々「まずは基本からですね。メイドとしての心構えとして、拓海ちゃんは何が1番大切だと思いますか?」

拓海「ご主人に危害を加えそうな奴を見かけたらぶっ飛ばす」

菜々「それはSPですね。あるいは考え方が『ランボー』と同じです」

拓海「ランボー?」

菜々「(いまの若い子はランボーも知らないんですかね……)」

注:【ランボー】→ベトナム戦争から帰還した最強の兵士を題材にした映画。戦争後。とある街で差別を受けたランボーが行き場のない怒りと悲しみを抱えて暴れまわるストーリー。バイクを乗り回す。ガソリンスタンドを爆破する。警官をゲリラ戦法で殲滅するなど、アクションシーンに定評がある。公開は1982年。つまり「35年前」の映画。

拓海「ちっ。わかんねーよ。菜々。1から教えてくれ。学ぶ気は一応あっからよ」

菜々「はい! まずメイドは『ご主人様の安らぎ』を第一に考えねばなりません!」

拓海「安らぎねぇ」

菜々「そうです。心からの癒し、安息、リラックス。そのためにメイドは存在するのです!」


22: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:23:05.48 ID:+IAlaEFW0

拓海「ピンとこねえな……具体的にどーすりゃいいんだよ」

菜々「まず、さきほども言いましたが常に柔らかい笑顔です」

ニコリ……♪

菜々「こうですね♪」

拓海「おお……すげぇ優しそう。やるな。菜々」

菜々「ふふふ♪ ナナはこの『スーパーリラックス・スマイル』を生み出すのに数年かかりましたからね……!」

拓海「……お前、何年メイドやってんだよ?」

菜々「はっ!?」

菜々「や、やだナー! 菜々はJKですから、ほんのちゃっぴりですヨー! 数年というのは誇張ですっ! こ・ちょ・う!」


23: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:23:43.52 ID:+IAlaEFW0

拓海「へーへー。どうでもいいけどよ。笑顔からなんだな」

菜々「はい。表情筋を鍛えましょう♪」

拓海「ん……こうか」

ニコッ!

菜々「おおっ……!」

菜々「すごいです! 拓海ちゃん! 出来てます!! その笑顔は可愛いです!!」

拓海「る、るせえな」

菜々「と、いうか。自然に素敵な笑顔が出来てるじゃないですか。さっきの『引き攣った悪魔のような笑顔』はなんだったんですか?」

拓海「誰が悪魔だって?」

菜々「あ、いえ」

拓海「……笑顔の練習なら散々プロデューサーの野郎にやらされてっからな。緊張さえしなきゃそれなりにできンだよ」

拓海「……ちっと、シャクだけどよ。アイドルの仕事が板についてきちってるみてーなんだ」

菜々「あら~♪」

拓海「っ……いいから! 次教えろよ!」

菜々「はいっ♪」


24: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:24:45.23 ID:+IAlaEFW0

(しばらくして)

菜々「拓海ちゃん! メイドの間、あなたは拓海ちゃんじゃありません!! 『たくみん』というキャラクターなんです!!」

拓海「はぁ!?」

菜々「ほらほらっ! 言ってみてください! 『たくみんでーす☆』と!」

拓海「ざ、ざけんなっ!!」

菜々「一流のメイドになるためですっ!!」(カッ)

拓海「うっ」

菜々「さあっ!!」

拓海「……」

拓海「た、たくみんでーす☆ ご主人様初めまして……///」

菜々「恥じらいを持ってはいけません!!」

菜々「恥じらいを好きだというご主人様もいますが、プロのメイドは全力で可愛らしさを出し切ってこそです!!!」

拓海「ぐ……」

拓海「ちくしょうっ!!! やってやんよぉぉ!!! オラァァァァァ!!!」


25: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/27(水) 23:25:19.12 ID:+IAlaEFW0

拓海「たくみんでーす☆ ご主人様初めましてー☆ きゃは☆」

菜々「……おお!」

拓海「……」(ボンッ!)

カァァァッ///

菜々「あらら、顔が真っ赤になってしまいましたね」

拓海「るせぇ……///」

菜々「でも、さっきの吹っ切れた台詞はGOODでした! はなまるです♪」

菜々「では、次のステップに行きましょう!」

拓海「ま、まだあんのかよ……」

菜々「当然ですっ!」


31: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/28(木) 12:23:33.64 ID:JmflB8Am0

(数日後)

凛「拓海。どうなったかな」

奈緒「すごい嫌がってたからなー」

加連「ふふ。案外ノリノリでメイドやってたりして」

凛「まさか」

奈緒「ないだろ」

加連「だよねー」

凛「特攻服着てるかも」

奈緒「どんなメイドだよ」

加連「『冥土に送ってやる』的な?」

凛「座布団一枚」

奈緒「いや、怖いよ。座布団取り上げー」

加連「えー」

3人「ハハハハハ」


32: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/28(木) 12:24:00.97 ID:JmflB8Am0

(カフェ)

3人「「「こんにちはー。拓海いるー?」」」

拓海「いらっしゃいませご主人様ー☆ たくみんがお出迎えでーす☆」(キャピーン)

3人「」

拓海「3名でよろしいでしょうかー☆ キャハ☆」

凛「う、うん」

奈緒「お、おう」

加連「……ひゃー」

拓海「メイド長~☆ 3人のご主人様ご案内でーす☆」

菜々「はーい☆ がってん承知の助!」

菜々「いや、寿司屋かっての☆ なんちゃって~☆」

菜々「おや、凛ちゃんに、奈緒ちゃんに、加連ちゃんじゃないですか。いらっしゃーい!」

菜々「すぐに席にご案内しますねー!」

3人「」


33: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/28(木) 12:24:40.01 ID:JmflB8Am0

(案内されたテーブル)

凛「……」

奈緒「……」

加連「……」

凛「『魔改造』されてたね」

奈緒「……ああ」

加連「拓海。一切の恥じらいもなく『ご主人様』とか言ってたね」

奈緒「……ああ」

凛「『10年会わなかったいとこの激変っぷり』に近い感覚があるよ」

奈緒「もはや誰だよ。あれ」

加連「名乗ってたでしょ。『たくみん』だよ」

凛「拓海はいずこへ」

加連「神のみぞ知る」


34: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/28(木) 12:25:08.24 ID:JmflB8Am0

奈緒「やばいよ。まだプロデューサーとも会ってないんだぞ」

奈緒「メインディッシュ前なのに、すでにインパクトが強すぎて『お腹いっぱい』なんだけど」

加連「胃もたれしそう」

凛「久しぶりにすごいもの見たね」

奈緒「……」

奈緒「たださ」

凛「?」

加連「?」

奈緒「可愛くね?」

凛・加連「「……」」

凛・加連「「激しく同意」」


35: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/28(木) 12:25:52.83 ID:JmflB8Am0

加連「ビジュアルは元々すごいもんがあるからねー」

凛「あのバスト。サラサラ黒髪。ピシッとした体幹」

奈緒「日本人には似合わないはずのメイド服を着こなしてる」

3人「「「憧れるわー」」」

拓海「お褒めに預かり光栄ですわ。ご主人様☆」

3人「「「!?」」」

拓海「お冷でございまーす☆」

凛「あ、ありがとう」

奈緒「さ、サンキュ」

加連「似合ってるね。拓海」

拓海「……」(ピクッ)

拓海「そ、そう何度も言われると照れてしまいますわ。ご主人様☆」

凛「いや。本当に似合ってるよ」

拓海「だから……何度も言うんじゃね……ないでくださいますか☆」(ピクピク)

奈緒「いいなー。拓海みたいにメイド服が似合うようになりたいなー」

拓海「……るせぇ。いい加減にしないと張り倒しますわよ。ご主人様?」(ゴゴゴゴ)

奈緒「」


36: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/28(木) 12:26:19.41 ID:JmflB8Am0

(少しして)

拓海「ったく、慣れるわけねーだろ。こんな姿」

凛「あれ? たくみんはどこ行ったの?」

加連「急に……消えた!?」

凛「私たちのアイドルたくみんが……」(シュン)

加連「あ、でも。代わりに拓海が現れたよ?」

凛「仕方ない。妥協しよっか」

加連「うん」

拓海「てめえら。マジでしばくぞ」

奈緒「拓海。これがこいつらの平常運転だ」


40: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:23:17.36 ID:GLXUoi1L0

(少しして)

凛「まあ。それだけメイド姿が板に付いてれば罰ゲームは問題なさそうだね」

加連「そうだね。立派に勤めを果たせるよ」

奈緒「頑張ってこいよ。拓海」

拓海「ちっ。この罰ゲームが終わったらもう1回勝負すっからな」

凛「その件は現在受け付けておりません」

加連「毎週金曜日の夕方にのみ窓口で受け付けております」

凛「また機会を改めてお越しくださいませ」

拓海「役所仕事かよ」

奈緒「トランプでリベンジしたきゃ、その時間にまた来るんだな」

拓海「……ふん。望むところだ!」

凛「その前にやるべきことはやってもらうけどね」


41: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:23:56.28 ID:GLXUoi1L0

(夜・P宅付近)

P「(ふぅ。今日も疲れたな)」

P「(明日も仕事だが、午後からだし。久しぶりに家でゆっくり休めるぞ)」

P「(ご飯作って風呂入って、今日はさっさと寝るか)」

カチャ

P「ただいーーー」

拓海「おかえりなさいませ。ご主人様☆ キャハ☆」

P「」


42: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:24:54.89 ID:GLXUoi1L0

拓海「あれあれ? どうしたんですか? そんなキョトンとした顔しちゃって?」

P「疲れすぎたのかな。部屋を間違えたようだ」

拓海「いいえ。ここはご主人様のお部屋ですよ☆」

P「疲れすぎたのかな。幻覚が見えている」

拓海「あら、それは大変ですわね。あなたの専属メイド・たくみんが膝枕をしてたげちゃうゾ☆」

P「……白昼夢?」

凛「夢じゃないよ」(ニュッ)

加蓮「現実です」(ニュッ)

P「ナチュラルにキミたち2人もいるんだな」

奈緒「あたしもお邪魔してるぞー」(ニュッ)

P「トライアドプリムスの完成か」

凛「トライアドプリムスwithたくみん」

P「家の鍵はどうしたんだ?」

加蓮「大丈夫。まゆから借りてるだけだよ」

P「何ひとつ大丈夫じゃない気もするが納得した。まあいいだろう。このカオスな状況の説明をしてもらおうか」

拓海「了解しました。ご主人様☆」


43: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:25:33.58 ID:GLXUoi1L0

(少しして)

奈緒「かくかくじかじか」

P「ふんふんなるほど」

凛「と、いうわけで。明日までたくみんがプロデューサーのお世話をするよ」

拓海「よろしくお願いします。ご主人様☆」

加蓮「ふふ……ふっ……」(プルプル)

拓海「……」

げしげしっ!

加蓮「痛い痛い。わき腹を小突かないで。私、病人だよ?」

拓海「治ってんだろてめぇ!」

奈緒「あ」

P「お?」

拓海「はっ!」


44: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:26:13.62 ID:GLXUoi1L0

拓海「……な、治ってらっしゃるんでしょう☆ 加蓮様は」

P「おぉぅ……素は封印してるわけか」

凛「こういうルールだからね。拓海は理想のメイド『たくみん』なんだよ」

拓海「スーパーメイド☆たくみんでーす!」

P「理想というわりにはセンスが『70年代』臭がするけど」

奈緒「口調がどこはかとなく『ナウい』よな」

加蓮「文句は指導者に言って」

(カフェ)

菜々「くしゅん!」


45: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:26:51.23 ID:GLXUoi1L0

(少しして)

奈緒「じゃあ、まずはプロデューサーと一緒に写真を撮ろうぜ。あたしが撮影するよ」(ワクワク)

加蓮「いーねー。プロデューサー。そこに座って」

P「疲れてるからご飯食べたいんだけど」

凛「遊び終わったらね」

P「遊ぶのはご飯の後だってお母さんに習わなかったのかい」

奈緒「時間が惜しいんだ。ほらほら、たくみんは準備もうできてるぞ」

拓海「ご主人様! たくみんと一緒にメモリアル写真を撮りましょう☆ 青春の1ページです☆」

P「えー……」

拓海「……と・り・ま・しょ・う☆」

グググ……!

P「拓海。俺の肩を『指がめり込むくらいの力』で握るのはやめてくれ。さっさと写真を撮り終えたいのはわかったからやめてくれ」

拓海「わかってもらえて光栄ですわ☆」(ニッコリ)

奈緒「じゃあ、2人とも笑顔でなー」

奈緒「はい。チーズ」

拓海「キャハ☆」

P「イェーイ」

カシャ! カシャ! カシャ!


46: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:27:23.28 ID:GLXUoi1L0

(撮影後)

P「あざっしたー」

凛「いい写真が撮れたね」

加蓮「一生の思い出になるよ」

奈緒「ほんと可愛いなー。これ」

凛「待ち受けにする?」

奈緒「あたしはホーム画面にする」

加蓮「私は『疲れた時にみる写真フォルダ』で保管しとく」

拓海「……」

P「拓海。いい笑顔だったぞ」

ポンっ

拓海「……ありがとうございます。ご主人様。キャハ☆」

P「半分やけになってないかい?」

拓海「半分どころの話ではないですわ。ご主人様。ちくしょう」


47: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:27:56.84 ID:GLXUoi1L0

(しばらくして)

凛「じゃ、私たちは帰るね」

奈緒「プロデューサーさん。また明日な」

加蓮「たくみんもバイバーイ♪」

拓海「凛様。奈緒様。加蓮様。行ってらっしゃいませ☆ 2度と来なくて結構ですわ☆」

P「本音が漏れている上に、話し方が『しゅがは』になってるぞ」

3人「「「お邪魔しましたー」」」

バタン!


48: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:28:23.29 ID:GLXUoi1L0

P「ふぅ」

拓海「あら。おつかれのようですね。ご主人様☆」

P「ちょっと疲れた」

P「ていうか拓海。あのすっとこどっこいたちは帰ったし。普通に話していいぞ」

拓海「……」

拓海「いえ。ルールはルールですもの。メイドである間はきちんと勤めを果たしますわ」

P「やっぱり拓海って律儀だよね」

P「ま。そういうことなら俺も甘えさせてもらおうかな」

拓海「上等ですわ☆ 何でもおっしゃってください☆」


49: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:29:08.45 ID:GLXUoi1L0

(少しして)

P「ごはんマダー?」

拓海「ご主人様。いましばらくお待ちください」

P「ごーはーん。ごーはーん」

拓海「るせえな……」(ピキッ)

P「」(びくっ)

拓海「あらご主人様。どうして怯えているのですか☆」(にっこり)

P「いえ別に」

拓海「完成しました。ご注文のオムライスでございます。ご主人様☆」

コトッ……

P「おお……思いのほか美味しそうだ」

拓海「菜々……いえ、メイド長・ウサミン秘伝のオムライスですよ☆」

P「年季が入ってそうだな。では、いただきます」

拓海「ごほんっ……その前にやることがあるのでお待ちを」

P「?」


50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/30(土) 14:29:41.42 ID:GLXUoi1L0

スゥゥゥ……カッ!

拓海「たくみん~☆ ご主人様のために愛を込めさせてもらいまーす☆」

拓海「たくみんのLoveを注入~☆」

拓海「萌え萌えー……キュンっ☆」

キャピーン☆(エグい内股のぶりっ子ポーズ)

拓海「仕上げに~♪ 美味しくなーれっ☆」

チュッ♪(投げキッス)

P「……」

拓海「……」

P「……」

拓海「……冷めるから食えよ」

P「……おう」

カチャカチャ……もぐもぐ

P「懐かしい味がする」

拓海「それはたくみんの愛とは関係ございません☆」


51: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:30:31.80 ID:GLXUoi1L0

(少しして)

拓海「ご主人様。だいぶ洗い物が溜まってますね」

テキパキテキパキ

拓海「よっと……。やることが多いですっ……! と」

テキパキテキパキ

P「悪いな。何から何までしてもらっちゃって」

拓海「専属メイドですから。キャハ☆」

P「いい嫁になれそう」

拓海「はぁっ!?」(ギロッ)

P「たんま。素になってる。拓海。素に戻ってる」

拓海「ててて、てめえが変なことを言うから……!!」

拓海「……っと。ご主人様が変なことを言いやがるからでございましょう☆」

P「戻りきれてない」

拓海「……い、いいからっ!! 黙って休んでてくださいませって言ってんだろ、ゴラァァァ!!!」(にっこり)

P「メイドスマイルのまま怒鳴られてると変な恐怖を感じる」


52: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:30:59.90 ID:GLXUoi1L0

(しばらくして)

P「さて……風呂にも入ったし。もう寝るかな」

P「ふぁぁ……」

拓海「……」

P「あれ? そういや、拓海はどこで寝ーーー」

拓海「明日までの仕事なので、この家でに決まっているでしょう☆」

P「……」

拓海「……」

P「2人分のベッドないから一緒に寝るか」

拓海「は、はぁ!? ざけんなっ!! てめえは床で寝……てくださいませ☆ ご主人様☆」

P「でも、今日の俺はご主人様だ」

拓海「ぐっ」

P「もちろん。女の子の拓海を床で寝かせるつもりもない」

P「よって。選択肢はひとつ。『一緒に寝る』だ」

拓海「ま、待った!」

P「ほれほれ。メイドだったらご主人様の言うことを聞けー」

拓海「ぐっ……ここぞとばかりに。ひどいですわご主人様☆」

P「決定事項です。カモン」


53: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:31:37.98 ID:GLXUoi1L0

(消灯後)

拓海「……」

P「……」

拓海「ご、ご主人様。密着しすぎではないでしょうか☆」

P「仕方ないだろう。狭いんだから」

拓海「……っ。やっぱりアタシは床で」

P「一度決めただろ」

拓海「……」

もそもそ……

拓海「……じゃ、もうちょい詰めろよ」

P「はいよ」

拓海「……」

P「……」

拓海「……おやすみ」

P「ああ。おやすみ。たくみん」

拓海「……殴りますわよ?」

P「えぇ……」


54: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:32:09.63 ID:GLXUoi1L0

(次の日)

ちゅんちゅん

拓海「(ほぼ眠れなかった)」

P「いい朝だ」

拓海「(なんでこいつは爆睡してんだよ! こっちはずっと悶えてたってのによ!)」

P「ん? どした?」

拓海「なんでもありませんわ。ご主人様☆」


55: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:32:42.44 ID:GLXUoi1L0

(事務所)

加蓮「はーい。罰ゲームしゅーりょー」

奈緒「お疲れー」

拓海「はぁ……やーっと終わりか」

凛「素敵な一日を送れたかな。たくみん?」

拓海「2度とその名前で呼ぶんじゃねぇ」

P「つれないことを言うなよたくみん」

拓海「オラァァッ!!!」

ヒュッ!!! スパァァン!!!

P「ぐぇぇぇぇ!!!!」

ぱたり

P「」


56: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:33:09.06 ID:GLXUoi1L0

奈緒「痛烈なボディブローだったな」

凛「今のはキツいね」

加蓮「さすが拓海。でも、ちょっと酷くない?」

拓海「ふん。昨日の夜のお返しだ」

加蓮「夜何かあったの?」

拓海「な、何もねぇよ!」

凛「ふーん」

奈緒「ほー」

加蓮「へー」

拓海「っんだよ! その目は!!」

3人「「「別にー」」」

拓海「ムカつくな……キャハ☆」

拓海「……っ!! い、いまのはちげえよ!!」

凛「まだ語尾が抜け切れてないね」


57: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:33:38.69 ID:GLXUoi1L0

(次の金曜日)

拓海「」

凛「さて。今日も拓海がリベンジに来てくれたわけですが」

奈緒「負けてしまったので」

加蓮「また引いてもらいまーす♪」

拓海「……くそっ……あそこで右を選んでりゃ」

加蓮「おや、言い訳♪」

拓海「うるせえ。さっさと箱をよこせ」

奈緒「ほらよ」

拓海「ん。引くぞ」

拓海「(ま、この前のより悪い罰ゲームにはならねえだろ)」

ガサゴソ……ひょい!

【1日限定: きらりのモノマネをしながらPちゃんのお世話をしてもらいまーす☆(by. きらり)】

凛「じゃあ」

加蓮「実行」

奈緒「よろしく」

拓海「待てやコラァァァァ!!!!」

終わり


59: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:37:37.97 ID:GLXUoi1L0

以上です
お読みいただきありがとうございました

メイドさんって可愛いよね


60: ◆hAKnaa5i0. 2017/09/30(土) 14:42:30.46 ID:GLXUoi1L0

おまけ

拓海「たくみんだよぉ~☆ ライブに来てくれたみんなをハッピハッピにするにぃ~☆」

拓海「喧嘩上等☆ 仏血義理で歌いきってやるにぃ☆」

拓海「にょわー☆ きゃわいい仔犬だよぉ☆」

拓海「Pちゃん☆ セクハラもいい加減にしないと血祭りにあげちゃうよ☆」

拓海「うぇへへ☆ そんなに見つめてんじゃねぇよぉ☆」

P「これはこれでありだな」

拓海「ないよぉ☆」(ギロッ)


転載元:拓海「罰ゲームは……『Pの専属メイドになる』だぁ!?!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506483697/
SS速報VIPのSS紹介です。

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    • 1 名無し春香さん
    • 2017年11月17日 19:08
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