桃華「それでこずえさん、そろそろお仕事の時間ですわよ！」

こずえ「あ～…」

桃華「ほら早く着替えて！一緒に行くとお約束していたでしょう？」

こずえ「そだね～…んじゃあ、はい」

桃華「…私の方に両手を突き出して、何のおつもりですの？」

こずえ「着替えさせて～」

桃華「昔の杏さんのようなこと言わないで下さい！」

こずえ「ちぇ～…」ﾓｿﾓｿ

桃華「ここで着替えないで下さい！アナタ自分がどういう体か理解しておりますの！？」

こずえ「え～と…せくしー？」

桃華「特殊な性癖の方以外はほぼ全ての男性が魅力的だと思うでしょうね！」

こずえ「えへへ～、桃華ちゃんも凄いないすばでーだよね」

桃華「おかげさまで……こずえさん、少しは自分で動いてくださいな！」

こずえ「えへへ、小言言いながらも桃華ちゃんが着替えさせてくれるから甘えちゃった」

桃華「うっ…それはこずえさんにお任せすると遅刻しそうだから…」

こずえ「えへへ～」ﾆｺﾆｺ

桃華「くっ！体は成長したのに笑顔は相変わらず天使みたいで……はい、下は自分で着替えてくださいね！」

こずえ「ん…わかった～」

桃華「わたくしはこずえさんの荷物を用意してますから」

こずえ「ありがと～」

桃華「まったくもう…」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

こずえ「さて…それじゃぁパパっと着替えちゃいますか」

（スタジオ）

ありす(18)「あっ、桃華さん！」

桃華「ありすさん！…お待たせしてしまいました？」

ありす「いえ、時間通りですね」

桃華「はぁ…良かったですわ…」

ありす「…またこずえさんですか？」

桃華「ええ…まぁ…」

ありす「こずえさんもお仕事中は凄いのに…どうしてそんなに普段はダラけているんですかね？」

桃華「彼女の信頼の表れだとも思いますが…」

ありす「昔の杏さんみたいに？」

桃華「昔の杏さんみたいに」

スタッフ「遊佐こずえさん入りま～す！」

こずえ「遊佐こずえです、皆さん今日はよろしくお願いしますね」ﾎﾜﾜﾝ

ありす「なんですあれ…妖精のお姫様ですか！？美少女過ぎませんか！？」

桃華「ありすさん、仕事モードのこずえさんを見るといつもそれおっしゃってますわね」

ありす「いやでも」

梨沙(18)「わかるわ…普段が普段なのもあってもう別人よね」

桃華「あら梨沙さん、ごきげんよう」

梨沙「おっは～、桃華も毎度大変ね」

桃華「もう慣れましたわ…」ﾌｯ

ありす「桃華さん、ハイライトが消えてますよ！」

桃華「おっと、櫻井桃華、頑張ります！」ｼｬﾗﾗｰﾝ

梨沙「桃華、それは危ないわよ！」

桃華「なんだかんだ気合いを入れるにはこれが一番良いのですわ」

こずえ「あっ、ももぺあべりーの皆さん！」

梨沙「やっほ、しばらくぶりね」

ありす「こずえさん、こんにちは」

桃華「お二人はしばらく別々にお芝居のお仕事をしていましたからね」

こずえ「今日は皆さんから色々学ばせていただきますね！よろしくお願いします！」ﾆｺｯ

梨沙「お、おう…アイドル力（ちから）凄いわね」

ありす「こずえさん…やっぱりうちの子になりませんか？」

こずえ「私は桃華ちゃんのウチの子ですから、むしろ桃華ちゃんの子です♪」

桃華「こんな大きな子を持った覚えは無いですわ」

こずえ「え～、でもママ、私達髪の色も近いし美人親子でいけそうじゃない？」

桃華「ですから親子は…せめて姉妹で…」

こずえ「じゃあ姉妹で！お姉ちゃん♪」ﾆﾊﾟｰｯ

桃華「はうっ！」ｷｭｰﾝ

ありす「桃華さんが落ちた！」

梨沙「反撃を許さない見事な連続攻撃だったわね」

桃華「お二人は何を冷静に分析してらっしゃるんですか！」

梨沙「だって…ねぇ？」

ありす「お二人のラブラブ空間をお邪魔するだなんてとてもとても」

こずえ「ラブラブだなんて…きゃっ☆」

桃華「もしかしてここにわたくしの味方は誰もいらっしゃいませんの！？」

？？？「皆さ～ん！おっはようございま～す！今日も頑張っていきましょ～！」

梨沙「あら」

ありす「おや」

桃華「…救いの神！？」

こずえ「あ～、菜々ちゃん！おはようございます～！」

ももぺあべりー「「「おはようございます」」」

菜々「ももぺあべりーの皆さんにこずえちゃん！おはようございます☆今日はよろしくお願いしますね！」

桃華「ええ、今日はよろしくお願いしますわ」

スタッフ「もうそろそろ時間ですので皆さんスタンバイお願いしますー」

梨沙「ほらほら、セット入るわよ！」

ありす「では菜々さん、また後程」

こずえ「私も向こうに行きますね～」

菜々「あ、は～い！」

（本番開始）

菜々「はい、皆さんこんにちは～！毎度おなじみカミングＴＶのお時間がやってきました！」

菜々「本日は番組開始から６周年の記念企画ということで、ゲストが普段より多くなっていますよ～！」

菜々「それでは早速、ゲストの皆さ～ん！カミミン☆カミミン☆」

桃華「皆さまごきげんよう、櫻井桃華ですわ」

梨沙「的場梨沙よ！」

ありす「橘ありすです、本日はよろしくお願いします」

菜々「はい、まずいらしてくれたのは今をときめく大人気アイドルユニット、ももぺあべりーの皆さんです！」

菜々「そしてもう一人…カミミン☆カミミン☆」

こずえ「こんにちは～、遊佐こずえだよ～」

菜々「もう一人はミステリアスな雰囲気を漂わせながらもコケティッシュな魅力に溢れる17歳！妖精のお姫様とも見紛う遊佐こずえちゃんです！」

こずえ「えへへ…そんなに褒められると照れちゃいます～」

菜々「ん～、照れる顔もとっても可愛い！ささ、皆さんお席に座って下さい！」

桃華「ええ、失礼いたしますわね」

梨沙「なんか椅子が豪華になってるわね」

ありす「ホント…すごくフカフカです」

こずえ「寝心地良さそ～」

菜々「えへへ…長寿番組になってきたのでご褒美としてセットを一新して貰えたんですよ～！」

桃華「あの日からもうそんなに経っていますのね…月日が経つのは早いものですわ」

菜々「ホントですよ～、ナナの後輩達がいつの間にか年上になったりしてますしね」

梨沙「おいおい」

菜々「お約束、ありがとうございます！キャハッ☆」

ありす「それにしても…本当に菜々さんは変わらないですよね、私達はそれぞれ結構成長しましたけど」

菜々「ナナは永遠の17歳ですからね！」

こずえ「…変わらないっていうのは凄い事だよ、私は菜々さんを見ると凄く安心するんだ～」

桃華（こずえさん…？）

菜々「えへへ、ありがとうございます！」

菜々「さて、積もる話もありますが本日の企画に参りましょう！」

菜々「今日は『番組がスタートした当時の皆さんを振り返ろう！』という企画でお届けします」

菜々「それではまずお写真をドン！」

（ﾊﾞｰﾊﾞﾝ）

桃華「あら…懐かしいですわね、これはわたくし達が子供の日にライブをした時のものですね」

梨沙「ももぺあべりーで久しぶりの仕事だったし、皆かなりはしゃいでたわね」

ありす「当時はまだ、今ほどももぺあべりーは浸透していませんでしたね」

桃華「ここまでずっとこのユニットでやってこれたということは、ファンの皆さまに感謝しないといけませんわね」

梨沙「アタシ達を支えてくれたスタッフ達にもね！」

菜々「昔は少し背伸びしている姿が微笑ましかったですけど、今では皆凄く成長しましたよね」

ありす「成長…」

菜々「あれ、ありすちゃん？…ちょっとアイドルがデレビでしちゃいけない顔になっていますよ～？」

桃華・梨沙「「あ～…」」

こずえ「地雷踏んじゃったかな？」

菜々「えっ？えっ？」

ありす「この時は皆同じくらいだったのに…なんで…なんでこうも成長に差が出るんですかああああああ！！！！」

菜々「差！？別にありすちゃんも皆に経歴は劣ってないと思いますけど！？」

ありす「そこじゃないです！別に雫さんクラスとは言わないですよ！でももう少し大きくても…！」

菜々「えっ…まさかお山の事ですか！？」

ありす「はい…お二人はもとより同い年の皆さんは揃いも揃って大きく…晴さんに至ってはポスト向井さんレベルに…！」ﾜﾅﾜﾅ

桃華「ありすさん！ステイ！ステイですわ！」ﾎﾟﾖﾝ

梨沙「アイツあれで結構気にしてるんだからやめてあげなさいよ」ﾊﾞﾙﾝ

こずえ「ありすちゃん、落ち着こう？」ﾌﾆｭﾝ

ありす「くっ…！もう私なんか一回声出なくなってからライブで皆から後押しされて一曲…」

菜々「はい、ＣＭです！一旦ＣＭ行きま～す！」

（ＣＭ明け）

ありす「…この度は取り乱してしまい本当に申し訳なく思っております、今後はこのようなことの無いように…」

桃華「はいはい、いつもの事ですからもう良いですわ」

梨沙「アイドルがＣＭ明けに土下座なんてしてるもんじゃないわよ？」

こずえ「このやりとりももう堂に入ってるね～」

菜々「お約束のやりとりがあるって言うのはなんだかんだ便利ですよ☆」

桃華「すっかりバラエティに慣れてしまったのは果たして良いことなのでしょうか…」

梨沙「そのお陰で好感度高いんだしいーじゃない！」

ありす「そんなこと自分で言ったら炎上してしまいますよ？」

梨沙「その時はありすに任せるわ」

こずえ「ありすちゃんに任せると火に油注ぐことになっちゃうよ～」

ありす「ネット上で無駄な議論はしないと決めていますから大丈夫です」

桃華「それをお決めになったのは何度目でしたっけ？」

ありす「１０回目です！」

梨沙「あれ、そんなだっけ？」

ありす「…今年に入っては」

こずえ「さすが、炎上番長だね～」

ありす「不名誉な称号は謹んで返上させていただきます」

桃華「そう思うのでしたらもう少しネット上では大人しくなさってください…」

菜々「あはは…さて！それでは次はこずえちゃんのお話を聞いていきましょう」

菜々「こずえちゃんのお写真も…ドン！」

こずえ「これは…」

菜々「お隣に映っているのは今はドールクリエイターとして世界中を飛び回っている桐野アヤさんですね」

こずえ「そう…ですね…」

菜々「いや～！微笑ましいですね～！まるで親子みたいに仲良さそうですね！」

こずえ「ちがうよ…」

菜々「あ、親子はアヤちゃんに失礼でしたね！いつでも一緒で姉妹みたいで…」

こずえ「アヤとはそんなんじゃ！……あっ」

桃華「こずえさん…？」

ありす「」ﾁﾗｯ

梨沙「」ｺｸｯ

ありす「…こずえさんどうしました？お姉さんのおっぱい揉みます？」

梨沙「揉めるほどないでしょうが！」

ありす「はぁ～！？誰が和服の似合う体形の美人ですって～！？」

梨沙「誰もんなこと言ってないわよ！ネガティブなのかポジティブなのかハッキリしなさいよ！」

ありす「え～え～すいませんね！どうせ私はどっちが背中かはっきりしませんよ！」

菜々「あ～もう！皆さん落ち着いて！ＣＭ～！またＣＭで～す！」

（収録後・楽屋）

こずえ「…」ﾄﾞﾖｰﾝ

梨沙「ちょっと！こずえどうしちゃったのよ？」ﾋｿﾋｿ

桃華「あの後ずっと元気がありませんでしたわね…」ﾋｿﾋｿ

ありす「収録はなんとかフォローして終わらせましたが…控室でも塞ぎ込んでいるとなると重症っぽいですね」ﾋｿﾋｿ

梨沙「桃華…任せられる？」ﾋｿﾋｿ

桃華「…ええ、お任せくださいまし」ﾋｿﾋｿ

ありす「任せましたよ、保護者さん」ﾋｿﾋｿ

桃華「…ありすさんは今日のご飯抜きですわ」ﾋｿﾋｿ

ありす「そんな～！？」ﾋｿｯ

梨沙「茶化すからよ……じゃ、後は任せるわね」ﾋｿﾋｿ

梨沙「それじゃこずえ、アタシとありすは次の仕事があるからもう行くわよ」

ありす「こずえさん、今日の事はお気になさらず」

こずえ「……あ、うん…ありがと……お疲れ様です」

梨沙「おつかれ～」

ありす「お先に失礼します」

（バタン）

桃華「さて、こずえさ」

こずえ「あ～つかれた～！桃華ちゃん、甘えさせて～！」ｶﾞﾊﾞｯ

桃華「おっと…こずえさん、飛びかかってくるのはやめてくださいといつも言っているでしょう？」

こずえ「えへへ～、ごめんね」

桃華「…こずえさん、先程は」

こずえ「…桃華ちゃんはさ」

桃華「何でしょう？」

こずえ「桃華ちゃんは…私とずっと一緒に居てくれる？」

桃華「…確約は出来かねますわ」

こずえ「そっか…」

桃華「そうですわ」

こずえ「変わらないって…難しいよね」

桃華「むしろ不可能だと思いますわ」

こずえ「だよね～…桃華ちゃんは優しいのに、厳しいや」

桃華「甘やかすだけが優しさではありませんから」

こずえ「うん…」

桃華「わたくしの胸は…まだ貸しておいた方が良いですか？」

こずえ「うん…」

桃華「そうですか…全く、しょうがない子ですわね」

こずえ「うん…ありがと」

～後日～

アヤ（25）「こずえ～！久しぶりだなこずえ～！また随分美人さんになって～！」ｸﾞﾘｸﾞﾘｸﾞﾘｸﾞﾘ

こずえ「んむむ…アヤはげし…髪の毛くずれる…！」

アヤ「お土産いっぱいあるぞ！これとあれとそれと…」ﾄﾞｻﾄﾞｻﾄﾞｻ

こずえ「こんなにいっぱい置ききれないよ～！」

アヤ「お前に似合いそうな服も一緒に買って来たんだ！ほらほらこれとかこれとかこれとか！」ﾎﾟｲﾎﾟｲｯﾎﾟｰｲ

こずえ「脱がさないで～！自分で着替えるから～！」

＜ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ！

桃華「…こずえさん、ファイトですわ」

こずえ「桃華ちゃん優雅にお茶飲んでないで助け…ちょっと変なトコ触らな…ギャー！」

アヤ「こずえ～！再会のチューしようぜ～！」

こずえ「や～！早苗さん～！この人です～！」

アヤ「照れるなよ～！」

こずえ「照れてない～！」

こずえ「も～…こういう変化はノーサンキューだよ～！」

終わりです。

お付き合いありがとうございました。