P「なあ、藤居。お前ほんとに19歳か？」

朋「どういう意味よ」

P「そのまんまの意味だ。とにかくちひろさんが戻ってくるまでは無理」

朋「じゃあ出前は？それならいいでしょ？」

P「そうだな。藤居が一人で勝手に食べる分には問題ない」

朋「なんでよ！？一緒に食べるくらいいいじゃない！」

P「なんで一緒に食べたがるんだよ」

朋「……一人で食べるのって寂しいじゃない」

P「一人で仕事の時どうしてるんだよ」

朋「スタッフさんと一緒に食べてるけど？」

P「市原みたいなやつだな」

朋「いいじゃない。仁奈ちゃんみたいな可愛い子と一緒にご飯食べられるんだから」

P「つまり、藤居みたいな可愛い子と一緒にご飯食べられるんだぞってことか？」

朋「そ、そこまでは言わないわよ！でも、とにかく！もうお腹空いてダメなの！」

P「わかったよ。藤居が食べたいもの適当に頼んでくれ」

朋「やった！それじゃあ、みんなで食べるからピザにしよっかな」

P「みんなって？」

朋「デレぽで『一緒にお昼食べてくれる人は事務所に来てね』って書き込だから、誰かしら来ると思って」

P「まじか。いつ投稿したんだ？」

朋「えーっと、10分前？」

P「それ雑誌読んでる時じゃないか」

朋「だってこういうのって早めがいいでしょ？」

P「そもそもデレぽはファン向けのコンテンツであって、お前たちの連絡用じゃないって知ってるか？」

朋「そうなの！？」

P「わざわざブログ作ったり、そのブログを巡回したりする手間を考えたら、デレぽにまとめた方が楽だろ？」

朋「そっか。次から気をつけるわ」

P「見事に誰からも返事がないな。そして、3ちゃんねるに藤居がぼっちだってスレが立ってる」

朋「うそ？こんなのでぼっちだとか判断しちゃうの？」

P「小学生が好きな子に意地悪して気をひくのと同じだよ。あ、こらっ、勝手に見るなよ」

朋「別にいいじゃない。ん？『荒木先生とユリユリのフォロー入ったぞ』……なにこれ？」

P「俺がデレぽの投稿を削除してないから、あいつらで藤居はぼっちじゃないぞってフォローしてくれたんだろ」

朋「あ、デレぽに二人から返事が来てる！」

P「ちょっと待ってくれ。もしもし、Pです」

P「デレぽの件ですか？あそこで下手に削除するのも……はい、そうですね。……わかりました」

朋「ちひろさん？」

P「お前のせいでちょっと怒られた」

朋「ご、ごめんなさい」

P「うん。それで事務所に来るのは荒木と大西だけか？」

朋「ううん、来れるのは比奈ちゃんだけで、由里ちゃんは……、なんか増えてる」

P「え？」

朋「ちょうどレッスン終わったからってクラリスさんに周子ちゃん、杏ちゃんと菜々ちゃんも来るって」

P「一気に増えたな。それにしても杏がデレぽに投稿するなんて珍しいな。……はぁっ！？『プロデューサーごちそうになります！』だと？」

朋「あははっ、その後の周子ちゃんも『仕方がないなー。あたしも奢られてあげるよ』って、これ完全にプロデューサーが奢る流れになったるわよ」

P「あ、ちひろさんからメール。『経費では落とせませんよ♪』だってさ」

朋「これはもうあの中華しかないわよね。番号わかる？」

P「佐竹飯店か？xx-xxxx-xxxだよ」

朋「ありがと。『もしもし、出前お願いしたいんですけど──』」



おわり
ふじとも好き