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トップページ如月千早 > 春香「千早ちゃんがアメリカで普通にモテまくってた」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:32:06.04 ID:hCGsjUbI0


伊織「春香、アメリカはどう?」デンワゴシ

春香 「なーに伊織、もう寂しいの?私と美希がこっち来てまだ半日も経ってないよ?」

伊織 「はぁ?誰もそんなこと言ってないでしょ!?安否と健康状態の確認よ!今律子が忙しいから代わりに」

春香「あぁ、そっちね」

伊織 「そっちもこっちもないでしょ!?もーーー調子狂うわねアンタと話してると。それで?」

春香「んー、私も美希も美咲さんも、体調はバッチリだよ」

伊織「体調"は"?…聞き捨てならないわね。何か変なことでもあったの?」

春香「あー、伊織。その、私たちいま、歌の留学でこっちに住んでる千早ちゃんに会ってるでしょ?それでね、ちょっとどうしようって感じなんだけどね?」

春香「千早ちゃんがアメリカで普通にモテまくってた」

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:34:31.25 ID:hCGsjUbI0


アイドルマスターのSSです。

主にアニマスを参考に、各種ゲームや、映画、漫画等から要素を拾ったオリジナルの世界線です。
オリジナルキャラクター多数。

拙いですが宜しくお願いします。


3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:41:22.04 ID:hCGsjUbI0

1

美希「成田からLAXに飛ぶだけでも大変だったのに、このUberあと何分くらいかかるの?」グデ-ン

春香「えっとね…30分くらいかなぁ。でも美希は飛行機でもずっと寝てたでしょ?」

美希「枕が固くてあんまり良い睡眠じゃなかったの。千早さんに会いたいから頑張ってるけど、さすがに疲れたって感じ」

春香「まあ、そうだよねぇ。私も時差で眠いや」


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:43:08.37 ID:hCGsjUbI0


春香(日本でのアリーナライブのあとレコーディングのためにハリウッドに飛んだ千早ちゃんは、現地の大物作曲家に気に入られた…)

春香(彼は有名な音大の教授でもあったらしくて…


作曲家「もう高校は中退してすぐに来てくれないか?」

作曲家「日本にも高校卒業認定試験はあるのだろう?9月から席を用意するから…」

作曲家「僕は一刻も早く君の才能を伸ばしたいんだ!」


って熱烈なアタックをしてきたみたい)

春香(そして最終的にはプロデューサーさんと、あとは仲直りしつつあるお母さんとが間に入って、まず二ヶ月の体験留学するってことでまとまった)


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:44:58.71 ID:hCGsjUbI0


春香(千早ちゃんが留学に行って一ヶ月と少し)

春香(LAで私たちの写真集を作りたいってオファーがあって、私と美希と、あとは付き添いしてくれてるはずなんだけど時差ボケでずっと寝てる美咲さん、この3人でアメリカに来た)

春香(今日は撮影開始より1日早い現地入り。まず千早ちゃんに会いに行く!)

春香(千早ちゃん!久しぶりの親友ですよ、親友!)


美希「春香…なんか目がギラギラしてて怖いの」

春香「えっ」ガ-ン


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:48:47.37 ID:hCGsjUbI0


2

~~~

春香「アー、ウィーアー…フレンド!チハヤチャン!」

春香(ど、どうしましょう、プロデューサーさん!天海春香、大ピンチです!)

守衛「I'm sorry but I can't permit you to enter without ID cards. Can you see the lady sitting over there? I'm sure she can help you」

美咲「え、あー、ソーリー?オーケー?」

守衛「No, no...just a moment. Maybe Google can help us. I think there are some translate apps online」スッ

美咲「オー…」


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:49:54.18 ID:hCGsjUbI0


春香(英語!英語です!!うぅ…中学から勉強してきてるはずだけど、実際にわーって喋られると何にも分からないよぉ…空港みたいに案内板があればまだ良いんだけど)

美咲「春香ちゃん…頼りなくてごめんね?」

春香「いえっ、そんな!でもこれ困っちゃいましたね…」

美希「……うーん。あふぅ」ノビ-

美希「なんだか外がうるさいの」

春香「あ、美希おはよ。あのね…」


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:51:18.57 ID:hCGsjUbI0


受付「Here you are. Please be careful not to lose them. Only these cards confirm your authorities」

美希「Thank you. ...So, now it's OK, right?」

守衛「Absolutely. And I would like to apologize you girls for the detaining」

美希「Never mind. You just did your job.」

守衛「Thank you for your understanding. AND...Welcome to our university!」

美希「Thanks again. Have a nice day!」

守衛「You too!」



春香「………」

美咲「……………」


9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:52:00.01 ID:hCGsjUbI0


春香「美希、どこで英語なんて覚えたの?」ウ-バ-ニモドル

美咲「学校、じゃないですよねぇ」シハラウ

美希「美咲、それ何気に失礼だって思うな」

運転手「Bye!」

3人「ばーい!」

春香「…実は英会話教室に行ってたとか?」

美希「違うよ。こっちに来てからみんながそのへんで喋ってたから、なんか覚えちゃったの」


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:52:48.87 ID:hCGsjUbI0


美咲「天才、なんですねぇ…」

春香「それで説明がつくか怪しいとこですけどね。でも美希、それならもう学校の勉強も余裕でしょ。いいなー」

美希「そんなことないよ?きっと、帰って三日もしたら、忘れちゃうと思うの」

美咲「美希ちゃんっぽいですね…」



青年「Hi! You're new faces. Friends of someone in the campus?」ヨッテクル


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:53:43.97 ID:hCGsjUbI0


3

春香(話しかけてきた彼はピアノ科の一年生のライアン君。千早ちゃんのことを知ってるみたいで、案内してくれることになったんだけど)

春香「ハウアーユー、ウィズ、チハヤチャン?フレンド?」

ライアン「?」

春香「あー、チハヤチャンイズ、ファースト、ベリークール、アンド…」

春香(千早ちゃん、ちょっと誤解されやすいからなぁ…本人に会う前になんとなくどんな雰囲気でやってるのか知りたいんだけど…)エイゴガ..


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:55:06.78 ID:hCGsjUbI0


美希「I guess she wanna know Chihaya-San is OK here or not」

ライアン「Oh. Off caurse she is good here! Chiha is an amazing singer.」

美希「Not about the music, I mean...... how about the private?You know, she is kind of a "cool" girl and tend to be misunderstood...」

ライアン「HaHaHa...absolutely you don't have to worry about that! come on!」


春香「それで?」

美希「んー、千早さんの私生活はなんにも心配いらないから見てみろ、って」


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:56:00.68 ID:hCGsjUbI0


美咲「社長から昔はちょっと尖ったところもある子だったとは聞いてますけど、たしかに私の知る限りどこでも仲良くできる子ですしねぇ」

美希「春香が心配しすぎなだけなの。ほら、もうすぐだって!千早さんに会えるの!」

春香「ふふっ、そうだね」

ライアン「Come on!You can see something interesting!」

美咲「あっ、今の私も分かりましたよぉ!面白いものが見れる、って」

春香「面白いもの……?」


14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:56:43.98 ID:hCGsjUbI0


千早「あ、春香!それに美希も!きてくれたのね!無事について良かったわ!」パァァ


美希「あっ…」

美咲「あっ…」

春香「喜ぶ千早ちゃん可愛…あっ」



ウットリする男子生徒10数人「ハァーイ」

囲まれてる千早「……?」


15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:57:39.76 ID:hCGsjUbI0


春香「千早ちゃん!!まさか千早ちゃんがアメリカでこんなモテモテライフを送ってるなんて!」

美希「翼に見せてあげたいの」

千早「春香?美希?久しぶりに会えて嬉しいのは私もだけど、何を言ってるか分からないわ」ハテナ

美咲「またまた~そんなこと言って千早ちゃん」

千早「青羽さんも、わざわざ来てくださって、ありがとうございます」マジメッ

美希「美咲、これ千早さん、マジのやつだと思うな」


16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/28(月) 23:58:19.20 ID:hCGsjUbI0


春香「本物の天然はすごいなぁ」

美希「春香はその感じでいいの…?」

ライアン「HaHa」


春香「あ、そうだ美希、千早ちゃん。私たちこれだけの人数相手にお話するのは絶対無理だから、ときどき翻訳お願い」

千早「ええ」

美希「わかったの」


17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:02:32.28 ID:IFxMbp450


美咲「それにしてもこれは、すごいですねぇ」


男子生徒たち「…」トロ-ン


春香「私たちもアメリカに来たらこんなにモテちゃうんですかね?」

ライアン「ハハ、それは流石に無理だよ。君と、あとそっちの君は若すぎるからね。何年かすればすごく美人になりそうだけど。ミキさん、ならまあ、割とこうなるかもしれないな」

美咲「え、私もダメ?一番お姉さんなのに?」

ライアン「え?」

美希「………美咲は可愛いから」

美咲「えーー…」

春香「地味に私も美希より年上だし千早ちゃんと同い年なんだけどなぁ…」


18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:03:31.75 ID:IFxMbp450


美希「まあ、それは置いとくの!それより千早さんとコイバナ!なの」

千早「ちょっと美希。そんなのないわよ?」

美希「少しも?」

千早「ええ」

ライアン「…」タメイキ

春香「!待って、今の反応、もしかしてライアン君も?」

ライアン「まあ、そう、だね。うん、君たちも少し知りたいみたいだし、チハとの談笑のBGMだと思って聞いてもらおうかな。今日は自主練しかなくて時間があるし」

美咲「おー!」パチパチパチ


ライアン(…日本ではこれが20歳?)


19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:04:52.34 ID:IFxMbp450


4

Case 1 ピアノ科の控えめ同級生ライアンの場合

~~~

先生「さて、今日は新しいメンバーを紹介したいと思う。ミスキサラギ、前へ」

千早「はい。如月千早です。専攻は声楽。二ヶ月の間だけですがよろしくお願いします」

ライアン(クールな子だなぁ…怖そうだし。僕には縁がなさそうだ)

先生「彼女は日本から来た。世界で活躍するために英語はある程度学んでいたということだが、ここでの生活で戸惑うこともあると思う。ミスターゴズリング!」

ライアン「はい」

先生「お前の隣が空いているな、キサラギはそこだ。よろしく頼む。キサラギもそれでいいな?」

千早「はい」

ライアン(うわ、どうしよう…)


20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:06:05.41 ID:IFxMbp450


千早「……」トテトテ

千早「…」ピタ

千早「………」ジロリ


ライアン「あ、あ、えーっと、キサラギさん、だよね。座ったら?」

千早「そうね」スワル


ライアン(あー、うん。やっぱりこういう感じだよね。まあ、科類も違うし合同授業だけ耐えれば…)


21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:07:02.88 ID:IFxMbp450


千早「ライアン、よね?」

ライアン「えっ、あ、はい」

千早「隣が優しそうな人で良かった。私、緊張しているし、人付き合いも得意な方ではないから色々迷惑をかけると思うけれど…」



千早「よろしくね」ニコッ

ライアン(っっっっ!!!!なんだこれ!!可愛いじゃないか!!!!っっっっっっ!!!)ガタ---ン

先生「どうしたゴズリング。静かに」

クスクス ヒソヒソ

千早(隣、良い人に当たったと思ったけれど、大丈夫かしら)


22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:08:16.14 ID:IFxMbp450

~~~
美希「陥落が早すぎるの」

千早「?」

美咲(久しぶりに春香ちゃんたちと話せるのに夢中であんまり聞いてなかった千早ちゃん可愛いなぁ)

春香「それからそれから?」


23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:14:42.62 ID:IFxMbp450

~~~
ライアン「ぼ、僕のピアノはね、オーケストラに合わないって言われるんだ、如月さん。もちろんメトロノーム通り、楽譜通りにも弾けるんだけど、僕らしさを出そうとするとどうしても…」

ライアン「協調性がないって言われてきたからね。人の個性は音に出るから…」

千早「じゃあ、お揃いね。私も協調性がないって言われてきたわ。もしかしたら似た者同士、音が会うかも」ニコッ

ライアン(っっっっ!!それ!!!それヤバい!!!!)


24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:16:42.85 ID:IFxMbp450


~~~

千早「じゃあ、悲壮の第2楽章をお願いできる?」

ライアン「うん。小さい頃に弾いたし、楽譜があれば弾けると思う」

千早「日本だと、それに歌を乗せたものが最近発表されたの。私たち、きっと合わせられると思う」

ライアン「…分かった」

ライアン(オーケストラと合わなければ生きていきていくのは至難だ。でも、ここでもし乗り越えてられたら…)

千早「♪」アイコンタクト


ライアン(…どうだ!?)


25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:18:42.79 ID:IFxMbp450

~~~
ライアン「それがもう、びっくりするくらい合ってね、僕も最近急速に合わせが上手くなったって先生たちに褒められてるんだ」

美希「さすが千早さんなの」

ライアン「僕の将来、人生さえも救ってもらった気分だよ。僕は相変わらず一人でいることは多いけどね、チハがいれば平気さ」

春香「重いなぁ…プロになる人にとってそういう壁を越えるのが一大事なのは分かるけど」


26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:20:38.01 ID:IFxMbp450


~~~

千早「それで、ライアン?外国では割合ファーストネームを呼び合うって聞いたのだけど」

ライアン「うぇ?あー、うん、そうかもしれない。いやでも、ほら、僕は友達なんて全然いないし」

千早「私は?」

ライアン「えっ」

千早「違ったのかしら」

ライアン「どうして君は真顔でそういうこと言うかなぁ…まあ、そう言われると弱るよね」

千早「ほら。ちはや、って。……私もちょっと恥ずかしいんだから…」


27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:22:30.54 ID:IFxMbp450


ライアン「ち、ちは…ちはっ………チハ!ねぇ、チハ。これでどう?ほら、あだ名、みたいなさ」

千早「そうね。あだ名。友達っぽくて良いと思うわ」

ライアン「ふふっ、チハ」

千早「ライアン」ニコッ

ライアン(っっっっっっっっ!!!)


28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:24:58.00 ID:IFxMbp450

~~~
ライアン「ま、こんなとこさ。じゃ、僕はそろそろ自主練に行くよ。またね!」

美咲「話を聞くと、陰キャラ、ってやつだったんですかね」マガオ

春香(悪気なさそうだけど、美咲さん…)

美希「でも、ちょっとイケメンのオタクさんだったの!海外だとみんなそうなのかなぁ」

春香(美希も!も~~刺されないよね……?)



男子生徒「おぅおぅ、こいつは驚きだなぁ、如月にも音楽の話以外をする友達がいたのか。いつも男の取り巻きを連れてるだけかと思ったぜ」

美希「そこの人、いきなり出てきてシツレイなの。それにそこの人こそ、いかにも取り巻き、って感じだと思うな」

男子生徒「はぁ!?ち、ちっげぇよ。俺とこいつはな……」


29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:27:26.36 ID:IFxMbp450


5

Case 2 ひねくれた声楽科同級生アンドリューの場合

~~~
アンドリュー「おい、そこの女!」

千早「~♪」ハナウタ

アンドリュー「お前だよ、キサラギ!」

千早「…なに?」

アンドリュー「今日はあの取り巻きのナードはいねぇみたいだな?」

千早「ライアンのこと、悪く言わないで欲しいわ」

アンドリュー「ふん、まあお前は"そう"だろうな。あいつには何だかんだ言って才能があるから…開花しつつもあるしな」


30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:27:58.69 ID:IFxMbp450


千早「どういうこと?」

アンドリュー「別にお前に限った話じゃねえ。ここは露骨に才能で人を測る。だからナードでもアイツは結局居場所があるし、俺は一見仲間が多くても本質的に日陰者なんだ」

アンドリュー「それは、分かって通ってるから、いい。ただ高校生なのにここに来て、さっそく学科でトップ争いをしてる歌姫様はどういう気持ちで俺を見てるのか聞きたいと思ってな」


31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:28:44.26 ID:IFxMbp450


千早「歌姫…それはちょっと言い過ぎじゃないかしら」

アンドリュー「そんな話は今してな……」

千早「でもそれなら、そうね。あなたはさしずめ"歌王子"かしらね?…くふっ歌王子っ…ふふっ変な名前っ」ククク

アンドリュー「お前がつけたんだろ!…じゃなくて、なんでお前が姫なら、お、俺が王子ってことになるんだよっ」

千早「歌姫っていうのは、私のソプラノを褒めてくれたのでしょう?私は、あなたのバスが好きだわ。だから…」


アンドリュー「ふざけるな!!」


32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:30:13.48 ID:IFxMbp450


アンドリュー「…俺のアレのどこが良いんだよ。言ってみろ」

千早「あんな繊細な低音、聴いたことがなかった」

アンドリュー「なに遠回しな言い方しやがる。俺が一番分かってんだよ、生まれつき気管が細くてロクに声が出てねぇってことは」

アンドリュー「お前は天才だ。俺を見下すのは勝手さ。でも、最近は立ち方まで真似したりよ…流石にバカにするのも良い加減にして欲しくて声かけたんだよ」

千早「…そう。あなたはそういう風に思ってたのね。誤解させてしまって、ごめんなさい」

アンドリュー「はぁ?」

千早「あのね、ガーフィールド君。私があなたの真似を始めたのは、その技術を私も少しでも得たいと思ったからなの。他意はないわ」


33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:46:13.21 ID:IFxMbp450


千早「私は、見ればわかると思うけれど…そうね、スレンダー…いや、貧相な体の女よ」フフッ

アンドリュー「どうしたんだよいきなり。そんなことは…」

千早「自分でも分かってるからいいの。別にバストの話だけじゃなくて、骨格が薄い上に体質的に脂肪がつきにくいのよ」

千早「見た目のコンプレックス以前に、これは歌手としては致命的。だから、少ない声量であんなに綺麗な声を出すあなたを参考にしたいと思った」

アンドリュー「……」

千早「それだけよ」


アンドリュー「…だが……だが、包み込む力のないバスに何の価値がある!?」

千早「なら引っ張る力のないソプラノも!……ねぇ、私たちは、他のところで戦うしかないの」


34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:47:29.30 ID:IFxMbp450


アンドリュー「他?」

千早「ソロ。それしかない。私の歌は、はっきり言って、プロの合唱の中だと消えてしまう。そして貴方のもね」

アンドリュー「っ……」

千早「でもソロなら違う。声質や、技術で戦える場所がある。一般的に言って、合唱の何十倍も厳しい競争になるとしても」


アンドリュー「……なんだよ」

アンドリュー「お前は、そういう覚悟でここに来てたのか。俺が勝手に、天才だなんだって僻んで独り相撲してたってだけなのか」

千早「……」


35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:48:12.57 ID:IFxMbp450


アンドリュー「いいぜ、なら今日から俺は、お前をライバルだと思うことにする。すぐに追い越して、お前が追いつけないところまで行ってやるさ」

千早「……そうね。私も、貴方を尊敬しているからこそ、負ける気はないわ。日本に戻っても、ずっと、ライバルよ」

アンドリュー「おう」



アンドリュー「………それと」


36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:50:32.48 ID:IFxMbp450


アンドリュー「自分が姫で俺が王子…だっけか?あんまりそういうことは言わない方がいいぜ」

千早「?」キョトン

アンドリュー「…だ、だからよ、俺だから勘違いしねぇけど、それだと姫と王子ってことで、まるで…」

千早「?……!ち、ちがうわ!そんな、カップルだとか、夫婦だとか、そんな意味で言ったわけじゃ!」カァァ

アンドリュー「わ、分かってるっつってんだろ!」

千早「…で、でも…」

千早(否定しっぱなしも失礼よね?ガーフィールド君は悪い人じゃないし…)

千早「貴方とそう思われるのが、嫌というわけじゃ…」


アンドリュー「はぁっ!?はぁぁあ!??」


37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:51:24.89 ID:IFxMbp450


千早「…なにか、まずいことを言ったかしら」キョト...

アンドリュー(あっ、これ天然かぁ…)

千早「!ごめんなさい、もう授業に行かないと!」

アンドリュー「ぁ、お、おう。引き止めて悪かったな!」

千早「いえ、話せて楽しかったわ……アンドリュー」ニコッ


アンドリュー(っっっっ!!っっっ!それ反則だろぉ!!!!)


38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:53:11.52 ID:IFxMbp450


~~~

アンドリュー「ってだけでよ」

美希「さすがツンデレさん、攻略までが少し長かったの。でこちゃんみたいなの」

アンドリュー「はぁ!?俺と如月はライバル!それだけだぜ!?」


ライアン「でもこの親衛隊作ったの、君じゃないか」


39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:54:02.77 ID:IFxMbp450

~~~
先生「プールでのトレーニングだ。全身運動になる」

千早「くっ」


クソガキ「こうして見るとチハヤの体は遊びがねぇなぁ」

クソガキB「日本だとマナイタって言うらしいぜ?」

クソガキC「どうしたアンドリュー、いつもなら率先して色々言うのに、今日はノリが悪いな」

アンドリュー(…俺はクラスの弾かれ者…劣等生たちのボス…もう、そういうのは沢山だ、って決めたろ)ギュッ


40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:55:29.99 ID:IFxMbp450


クソガキ「ほらマナイタ女ーー」

アンドリュー(……俺は知ってしまった。如月にとってそれは普通のコンプレックス以上にキツいものだって)

アンドリュー「おい」

アンドリュー「てめぇら、今なんつった!?」

クソガキs「!?!?」

アンドリュー(もうどうとでもなれや!!)

アンドリュー「ちーちゃんはスレンダー可愛い!!それが世の中の真理だろうが!!!!」

クソガキs「!?!?!?!?」

アンドリュー「あのちょっと恥ずかしそうな顔!!!はい可愛い!!!!実は争いごとが嫌いで耳塞いじゃってるからこんな叫んでるのに聞こえてない!!!はい可愛い!!!!あの陶器みたいな白い腹筋!!!はい!!可愛い!!!!!な!????」


41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:56:30.31 ID:IFxMbp450


~~~

ライアン「結局、君に付き従ってた声楽科の奴ら、みんな今は親衛隊なんだろ?君の魂の説教で」

アンドリュー「如月、こいつは嘘つきだ、こんなの信じんなよ…あとゴズリング、てめぇ自主練のはずだろうが」

ライアン「忘れ物を取りに来ただけだよ。そしたら面白い話してるから…」

アンドリュー「もう取ったんだろ!ならさっさと戻れやクソナード!!!」


42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:57:25.95 ID:IFxMbp450


6

Case 3 留年してきた口下手な巨漢チャニングの場合


美希「あふぅ。それにしてもこっちは天気がいいの。ミキ、通訳もしてるし、眠くなってきちゃったな」

春香「分かるかも。あったかいっていうより、暑いって感じだけど。でも美希、せっかく千早ちゃんといるのに、寝ちゃうのは」

美希「ミキも、勿体ないって思うな。…なら、こういうのはどう?美希が千早さんに、膝枕してもらうの!そしたら一緒にいる意味もあるって感じ!」

千早「ふふっ、美希らしいわね。私は全然構わないのだけど…」

大男「……」サットワッテハイル


美咲「ええ?ど、どなたですか?」ミガマエ


43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:58:28.81 ID:IFxMbp450


大男「千早が、疲れると、よくない。膝枕なら、俺がする」

美希「えー…でもそれは硬そうだし、遠慮って感じ」

春香「そもそも、この人は…」

千早「級友のチャニングよ」

アンドリュー「こいつは親衛隊のシングルナンバーの中でも最強、俺に次ぐ2番、最高に頼れる男で………なんでもねぇぜ、親衛隊?なんだそれ」

美咲「さすがに誤魔化せてないと思いますよぉ」

春香「千早ちゃん以外ね」

千早「…?」チャニングトハナシチュウ...


44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 00:59:13.09 ID:IFxMbp450


チャニング「俺は、留年した。話すのも遅いし、居場所は、なかった。アンドリューが、グループに入れてくれた」


チャニング「……」


チャニング「気づいたらそれが親衛隊になってた」

春香「……えー」


45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:00:03.85 ID:IFxMbp450


チャニング「でも別に、困ってない。親衛隊は楽しい。千早のことは、好きだから」

美希(チャニングは陥落エピソードはないのかな)ヒソ...

春香(どうだろうね、きいてみる?)ヒソ...

千早「ありがとう。私もチャニングのこと好きよ」

チャニング「っっっっ!!っっっっっ!!!」ガンガン

美希「気持ちは分かるけど、その巨体で暴れないで欲しいの!揺れるの!!」

春香「聞くまでもなかった!千早ちゃんの天然ジゴロぶりがもはや怖いよぅ。あと美希はいつの間にちゃっかり肩車されてるの!?」

美希「高くて楽しいよ?次春香もやる?」

春香「いい」


46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:01:41.21 ID:IFxMbp450


アンドリュー「まあ、あいつは友達に絡んできた酔っ払いを投げ飛ばしたらケガさせちまって停学、留年しただけだからな。才能は十分だし、俺らのグループにいさせちまっていいのかっていう負い目はあったさ」

美咲「そうなんですか?」

アンドリュー「いまは、何も思わねぇけど」


チャニング「千早、いま、目が合ったよね?」

千早「ふふっ、そうね。あなたたちのことを見ていたから」ニコッ
チャニング「うぁーーーー!!!!!」ガタ---ン

美希「わーーー!あーぶーなーいーのー!!」グワングワン

アンドリュー「ふつうに、めっちゃ楽しそうだから」トオイメ


47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:02:20.60 ID:IFxMbp450


7

Case 4 イケオジ系な合同授業担当の教師クリントの場合


先生「ミスターテイタム!遊んでいるところ悪いが課題のことで話があると声楽科の教授が呼んでいる!こっちへ!!」ヤッテクル

チャニング「!はい、先生!」

チャニング「ごめんね、今日は、ここまで」ミキオロス

美希「ありがとうなの」


48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:03:04.54 ID:IFxMbp450


先生「テイタム、随分幸せそうにその金髪ガールを肩車していたようだが?」

チャニング「そんなことは!別に、ホットパンツが、短すぎるな、とか、太ももが、とか、そんなことは」

先生「喝!!!なっとらん!番号を落としてやってもいいのだぞ?」


美希「チャニングはエッチさんだったの」キャ-

春香「ねえ、それより今、先生が番号って……」ヨシヨシ

アンドリュー「あれはイーストウッド教授」


49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:04:06.09 ID:IFxMbp450


美咲「番号っていうのはやっぱり…」

アンドリュー「ああ、会員番号さ。だが誰がシングルスは1から9番だと言った?」

美希「え?」

アンドリュー「合同授業担当、学内総務総責任者…イーストウッド教授の親衛隊番号は、"0"だ」



美希「………ちゅーに病、ってやつ?」

美咲「病気なんですか?」

春香「冬馬くんみたい…」

アンドリュー「冷たくないかお前ら…」

美希「というか、センセーがそれって、この学校ヤバイの!」

クリント「だが我々も教師である前に人間…致し方ないことだ」ヌッ


50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:05:11.18 ID:IFxMbp450


春香「うわぁ!先生!いつから!?」

クリント「ちょうど今だが」

美咲「チャニング君はもういいんですか?」

クリント「ああ、話は終わった。…それより、私と如月くんの話、だったかな?」

美希「いや…それは流石にちょっと怖いし、聞かなくていいかなーって」

千早「ちょっと美希、高槻さんのあまり似ていないモノマネはやめなさい!それに先生はとても公正で真面目な方よ?貴方がたの冗談に付き合ってくださってるだけで」

クリント(うむ…こう言われてしまうとハッチャケがたいなぁ)


51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:06:04.02 ID:IFxMbp450


~~~

千早「教授!あの、うかがいたいことが…」

クリント「うむ、入りたまえ」

千早「ありがとうございます」

クリント「うむ…うむ…うむ!??」

クリント(わお………何ぞこの子、めちゃめちゃいい匂いするのだが!!!!)

千早「…教授?」ウワメヅカイ

クリント(っっっっっ!!!なんぞこれ!なんぞこれ!!!)


~~~

千早「教授、また質問がありゅ…あるのっ、ですがっ!」カァァ

クリント(なんぞこれっ!!!!)


52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:07:02.08 ID:IFxMbp450

~~~
美希「妄想の世界に飛んでから1分も経ってないのに、すでにすっごーくキモチワルイ顔になってるの」

春香「でも、世界でも有名な指揮者の方らしいよ」オ-ケ-グ-グル!

美咲「なんだか、音無先輩みたいですねぇ」

千早「先生は時々ああして瞑想されるのよ」

美希「あれは瞑想じゃなくて迷走だって思うな」

春香「?」


53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:09:20.79 ID:IFxMbp450


~~~

クリント(如月くんは熱心な生徒だ。フィジカルはないが才能も溢れんばかり………あとは私が溢れなければいいんだがなぁ、毎日来るもんなぁ)

千早「…今日も遅くまでありがとうございました!」ペコリ

クリント(髪の毛いい匂いするからやめて…)

クリント「うむ。今日は生憎の雨だ。日が落ちきる前に寮に戻りなさい」

千早「は……

雷「ビシャャァァァァン」

きゃあ!」ヒシッ

千早「……」ギュウウウ



クリント「…ぉぉう」

クリント(相手は生徒…私は誇り高き指揮者…相手は生徒…私は…相手…私…)

千早「あっ、先生、すみません」

千早「…お恥ずかしいところをっ!また明日」

クリント(また明日!!!また!!明日!!!!いやそれは毎日言われて…毎日!言われていた!??天国!!!毎日が天国!???)


54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:10:21.76 ID:IFxMbp450


~~~

イケメン「おっと、君たちが噂の来客かい?悪いね、こうなっちまったイーストウッド先生はしばらくダメだ。隅で座っておいていただこう」

美咲「カッコいい人…」

春香「でもたぶん…」

美希「この人も…」

千早「お久しぶりです」ニコッ

イケメン「っ、あ、あぁ。自己紹介がまだだったね。僕は………」


55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:12:43.46 ID:IFxMbp450


8

Case 5 学内一モテ男のギター科にいる先輩ブラッドリーの場合


~~~

ブラッドリー「やあ、如月さん。初めまして、だよね?」

千早「ええ。お噂はよく聞いてますけれど。それと、千早でいいですよ」

ブラッドリー「こんな美少女に噂を聞いてもらえるなんて、光栄だな。千早。呼び方はこれでいいんだね?」カオチカヅケ

千早「美少女だなんて…クーパー先輩にはもっと綺麗なお知り合いがたくさんいるでしょう?あと、近いです」カオソラシ


56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:15:10.82 ID:IFxMbp450


ブラッドリー「たしかに幸運なことに素晴らしい女性とたくさん出会ってきたけどね、僕が知る限り君が一番さ。そして顔を近づけているのはわざとだよ」

ブラッドリー「君の星空みたいに綺麗な目を良く見たいんだ」カベドンッ

ブラッドリー「そしてあの天使のような声を出す唇も…その秘密が知りたい」

千早「も、もう…何なんなんですかっ。歯の浮くような台詞ばかり言って!声は、唇じゃなくてお腹から…」

ブラッドリー「お腹も見ていい・ってことかな?」

千早「ど、どうしてそうなるんですか?」

ブラッドリー「冗談さ。まだ、そういう段階じゃないだろう僕ら」

千早「まだ!?…どういう……」カァァ

ブラッドリー「言わないと分からない?分からないふりをするなら…」

千早「……こうやって、いろんな女子生徒をたぶらかしてきたんですね」ツ-ン

ブラッドリー「人聞きが悪い。僕はいつだって誠実に生きてきた。その中でも君は特別なんだ」


57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:16:00.33 ID:IFxMbp450


春香「わぁー!わぁー!やっぱり俳優さんレベルのイケメンだと一味違うんですね!」

アンドリュー「けっ、これだからイケメンはよ」

美希「すごいの!千早さんを押してるの!でももう美咲が千早さんの気を引いとくのも限界だから、早く結末を喋るの!」


58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:19:05.11 ID:IFxMbp450

~~~
ブラッドリー「君は少し"そういうこと"に疎いみたいだから、単刀直入に言うよ」

千早「…は、はいっ!」セスジノバス

ブラッドリー「僕とデュオになってほしい。僕たち2人ならこの上なく美しい音楽を…」

千早「ぁ、ああ、そ、そういうことなら、是非!」

千早(び、びっくりした…お付き合いの提案をされるのかと)

千早(そうよね…先輩の周りにはもっと素敵な方がたくさんいそうだわ)

千早(……まさか私、期待してた?そ、そんなわけないわ、私には歌があればそれでいいし、プロデュ…それは関係ないけれど!とにかく、会って5分の男の人にそんなこと…ないわ。ないわよ!?)

千早(…もう、私は誰に言い訳してるのかしらね)



千早「それで、デュオの練習の日取りはどうしましょうか?先輩はギターですよね」

ブラッドリー「…えっ。………えっ」


59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:21:40.00 ID:IFxMbp450


~~~

ブラッドリー「まあ、あれが天然だって分かるまでは、告白を流されたと思って本気で凹んだよ。スルーはおろか、断られたことさえなかったからね」

ブラッドリー「思えば、単刀直入って言ったのに、無駄に格好をつけようと遠回しに言った僕が悪かったんだ」

春香「千早ちゃーん……さすがすぎるよ…。でもその感じだと、割といい感触っぽいですけどね」

ブラッドリー「君が彼女の親友のハルカだろ?君にそう言ってもらえると嬉しいんだけどね……」

ブラッドリー「あの日の夜に色々考えさせてしまったんだろうな。何かの決意をしたみたいで、以来、時々ストレートに告白してるんだけど、毎回断られるんだよ」

美希(あっ。たぶんそれは、あの日…)


60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:23:51.87 ID:IFxMbp450


美希(ハリウッドにいるハニーとは事務所のみんなで毎日スカイプをしてる。ある日、ハニーは"急に千早が会いにきた。同じ街にいたらそういうこともあるかとは思ったが"って。"特に何も相談とかもなく、少し話したらさっぱりした顔で帰っていった"って)

美希(それで、きっと、千早さんは覚悟を…それに千早さんがステキな人なのは分かってたけど、ポテンシャルが発揮されればこの状態)

美希「油断ならないの」

千早「美希、何か言った?」ヒョコッ

美希「!なんでもないの!」

ブラッドリー「そうだ、千早。今日こそは…」

千早「申し訳ないですが、それ、いいお返事は絶対にできませんよ…」


62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:29:00.86 ID:IFxMbp450


ブラッドリー「そうか…」シュン

千早「せ、先輩、そんな悲しそうな顔しないでください。私が悪いのでしょうけど、私まで悲しくなってしまいます」

千早「先輩のことは、尊敬していますし、すごく...好きですから」

ブラッドリー「ぃよっしゃ!!!」バ-ン

千早「あ、図りましたね!?」

ブラッドリー「ちーちゃん、僕が悲しそうにすると毎回そう言ってくれるからね!!もはや僕は!!これが聞きたくて告白し続けてるみたいなところすらある!!!」ババ-ン


美咲「イケメンなのに、どうしてこうなっちゃったんでしょうか…」

春香「千早ちゃん、魔性の女…」

千早「春香、もう、何言ってるのよ」


63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:30:38.11 ID:IFxMbp450


9

Last Case 年下の声楽科同期女子エマの場合


エマ「クーパー先輩!お姉様から離れてください!!」ダダダダ

千早「あの飛んで来てるのがエマ。同期で飛び級生。私より年下で、妹みたいな子なの」

美希「むーっ。美希とどっちが千早さんの妹にふさわしいの?」

千早「なに張り合ってるのよ、もう。2人とも大切よ。それに…美希は妹みたいでもあるけれど」

エマ「お姉様っ!!」トビツキ

千早「ライバルでも、あると思ってるから」

美希「ちはやさん!!!」

エマ「……新手の敵ね!??いいわ!相手する!!」

美咲「な、なんですかこれ」

春香「ちーはーやーちゃんっ。なんかわちゃわちゃしてきたからちょっと2人で抜けちゃおうか?」


美希エマ「春香は抜け駆けしない!!!」


64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:31:48.47 ID:IFxMbp450


アンドリュー「でもそういうば、ワトソンはどうしてこうなったんだっけか」

エマ「ガーフィールドには言ってなかった?あたし、クーパー先輩のことが好きで、告白して断られたけど諦めきれなくて、しばらくストーカーしてたのよ」

美希「この学校どうなってるの」

エマ「そしたら、ある日先輩が新入生にアタックしてるから、もう気がきじゃなくって、相手の顔が見えるところまで近づいちゃって…」



エマ「………ふつうに、可愛すぎてやられたわ」

クリント「わかるぞ」

千早「先生!お目覚めに!あと、そういう冗談はおやめください!」

ブラッドリー「そうですよ先生。ほら千早、いつまでもエマにしがみつかれてると疲れるだろ?こっちに」

エマ「先輩はお姉様に触らないで!軽薄が移ります!!」

ブラッドリー(この子ほんとに僕のことストーカーするくらい好きだったのかなぁ……)


65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:33:05.93 ID:IFxMbp450


10

千早「ねえ、それより、いつまでも中庭にいるのも変じゃない?良ければ、午前中のうちに春香たちに学内を紹介して回りたいわ」

春香「あ、うん。そうだね。ありがとう千早ちゃん」

千早「お昼も本格的なシェフの方が作ってくださるものが出るから、街中のものは明日からでも行けるだろうしここで……それで午後は、市内で遊びましょうか?」

美希「!いいの!すっごくいいの!」

美咲「私も、とっても楽しみになってきちゃいました!なにせ、初めてのアメリカですし!」

千早「青羽さん、言い忘れてましたけど、美希たちの付き添い、ありがとうございます。こんなところまで付き添わせてしまって…」

美咲「全然!ほんとに楽しいから!」

千早「そういっていただけると。午後も、よろしくお願いしますね」


66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:34:43.41 ID:IFxMbp450


エマ「私も!午後!!ついていくわ!!」

ライアン「こ、こら。久しぶりに向こうの友達と会ったんだから、邪魔しちゃダメだよ。それにしてもチハ、僕が練習の間ずっとここに?」

千早「いろんな人が来てくれてね。今から校舎を回って、お昼は学食に行くわ」

ライアン「よ、よければ」

千早「ええ、一緒に」

エマ「ちょっと!いま自分が邪魔するなって…」

千早「エマも、お昼一緒にどう?春香たちが良ければだけれど…」

春香「千早ちゃんの友達だもん!もちろん」

美希「みんなで食べた方が美味しいの」

クリント「な、なら私も…」

ブラッドリー「僕も」
チャニング「いっしょに、行きたい」

アンドリュー「ナンバーツー、どっから聞きつけて戻ってきた?」

チャニング「あと、ガーフィールドも、行くって」

アンドリュー「言ってねぇだろ!…まあ、行ってやるけどよ」


67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:35:29.03 ID:IFxMbp450


春香「あ、アプリで電話かかってきてる…事務所からだ。出てくるね?」



伊織「春香、アメリカはどう?」

春香「それね、千早ちゃんがモテて…………」


68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:39:18.53 ID:IFxMbp450


美咲「でも、千早ちゃんの人気はほんとにすごいですねぇ」
美希「うん。けど、ミキもびっくりしたけど、よく考えると千早さんはこうなっても全然不思議じゃないくらいミリョクテキな人なの!」

美希「あと、この雰囲気は千早さんの人徳のおかげ!って思うな」

美希(ミキの学校にも、ミキに告白してくれる人はたくさんいるけど、ちゃんとセージツにフったつもりでも、ここまで和やかにはならないの)

美希(みんな、好意に気づかれなかったり、フラれたりしてるのに、すっごく千早さんのこと好きなのが伝わってくる)

美希(LoveとLikeを両方集めるって、本当に、とんでもないことなの)

美希(言っちゃえば報われてない、はずなのに、みんな幸せそう。千早さん…いいお友達に会ったね)


69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:40:21.56 ID:IFxMbp450


春香「…って感じ」デンワ

美咲「春香ちゃん。美希ちゃんが、はるかのでんわは相変わらずながいのーー、って」

春香「すみません」

春香(美咲さんのモノマネ可愛いなぁ)

春香「伊織、そろそろ切るね?…うん。うん。…じゃ、また事務所で」

千早「春香、電話終わった?」

春香「あ、うん。遅くなってごめんね?」

千早「いいのよ。事務所にちゃんと着いたこと言わないとだもの。じゃあ、行くわよ?」

美希「ごーごーなの!」

アンドリュー「気をつけな、学内にはまだ7人のシングルナンバーがいるぜ」

ライアン「じゃあまた、学食で」

エマ「お姉様!また…」


70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:41:21.28 ID:IFxMbp450


美咲「ほんと、いい友達が多い、いい学校ですね千早ちゃん!」

千早「ええ。それに、本筋の歌の方も、かなり成長できる環境だと感じています。通うかは決めかねていますが、とりあえず来月。必ず力をつけて765プロに戻りますから!」



千早「待っていてくださいね!」ニコッ

春香「っっっっ!!」

美咲「春香ちゃん!!!!」


71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:42:57.56 ID:IFxMbp450


~~~

律子「伊織ーどうだった?悪いわね手が離せいからって電話頼んじゃって」

伊織「いいのよ。……どう、そうねぇ。千早が、向こうで激モテらしいわ」

律子「えっ!??えっ、平気?そういうのあんまり経験なさそうだし、だいじょ…あ!スキャンダルも対策…プロデューサー殿は…」

伊織「焦りすぎよ。ね、小鳥?」

小鳥「はぁぁ…ちはやちゃん…はぁ…そりゃもてるわよね…わかいし…かわいいし……はぁぁぁぁ」


伊織「………なんなのよ、ここの大人。もう。もう!」


72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:46:33.47 ID:IFxMbp450


おわり

謝罪

千早、春香、美希→青羽美咲の呼び方について、ミリシタの記憶がなく呼称表でも見つけられなかったので、直感で行きました。おかしかったらごめんなさい。

SSの舞台ハリウッドということでオリキャラはすべて俳優の名前を借りました。ファンの方ごめんなさい。

初めからアメリカ人が日本語を話すのも…ということで、序盤は英語にしましたが、筆者の能力により中学生みたいな英語を出すことになってしまいました。ごめんなさい。


74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/29(火) 01:52:12.67 ID:IFxMbp450


モバマスですが、一応同じ世界線の過去作
渋谷凛「みくが犬を飼ってた」前川みく「ちょっと待つにゃ」

(本作と特に接点はありません)


転載元:春香「千早ちゃんがアメリカで普通にモテまくってた」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1548685925/

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