スポンサーリンク

トップページモバマス > 【モバマスss】Fairy tale を歌って 【三船美優】

1: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:31:34 ID:CHA
遅れてしまいましたが、美優さんの誕生日記念ssです。
内容は僕の趣味全開という感じです。厨二病もフルスロットルです。
どこかで誰かが面白がってくれれば、とても嬉しいです。
よろしければぜひ。よろしくお願いします。

2: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:32:07 ID:CHA
【星の海で泳いだら】



 お月さまとお星さまは付かず離れず、星の大海を泳いでいます。
 たっぷりとある時間がびゅんと過ぎ去っていきます。
 お月さまはずぅっと笑っています。お星さまも、それに負けず劣らず笑っています。

 きら、きら、きらり。
 お星さまが、遠くできらりと輝きました。

 ぴか、ぴか、ぴかり。
 お月さまが、近くでぴかりと輝きました。

 お星さまはお月さまをとっても可愛く想っていたので、いつもその輝きを応援していました。
 お月さまはお星さまに憧れていたので、もっともっと、いっぱいいっぱい輝こうとしました。

「頑張れ。頑張れ。いつか必ずきっと、いっぱい光れる日がくるさ」
「うん。頑張るから、そこで見ていてね。近くでずっと、私のことを見ていてね。」
「うん、約束だ。」
「ありがとう。お礼に私も、ずっと貴方のことを見ているわ。だって貴方の光は、今にも消えそうなくらい、儚いのだもの。」
「それはごめんよ。僕も頑張るから、君がいつかどこかの果てに行っても、見守っていておくれ。」
「ええ、約束よ。」

スポンサーリンク


3: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:32:23 ID:CHA
 一年が経ちました。お月さまはずっとお星さまを見守り続けていました。でもお星さまの光はまだまだずっと細らしいままでした。


 十年が経ちました。お月さまはずっとお星さまを見守り続けていました。でもお星さまの光はまだまだずっと細らしいままでした。



 百年が経ちました。お月さまはずっとお星さまを見守り続けていました。でもお星さまの光はまだまだずっと細らしいままでした。




 千年が経ちました。お月さまはずっとお星さまを見守り続けていました。でもお星さまの光はまだまだずっと細らしいままでした。





 どれだけ時が立ったでしょうか。お月さまは思わずふわりとあくびをしてしまいました。
 眠気まなこを再び開いた時。


 お星さまの光は、もう見えませんでした。

4: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:33:09 ID:CHA


「おうい。どうしたんだい。どこにいるんだい。」

 お月さまは太陽系の惑星全てに語りかけます。
 

 水星は「何があった」と迷惑そうな声を返しました。
 金星が「どうしたんだい」と心配した声をかけました。
 火星は「ああ、どうしたことだろう」と狼狽しているようでした。
 木星は「ここからだと何も見えないな」と呑気に答えました。
 土星は「落ち着いてもう一度探してごらん」と冷静に解決策を提示しました。
 天王星は「それ見たことか」と馬鹿にしたような声でお月様を詰りました。
 海王星は「やめなよ」と言いつつも節々におかしくて仕方ないと言う思いが透けていました。
 冥王星は何も返しませんでした。

 最後に太陽が言いました。「ああ、彼はいってしまったんだね」と。
 お月さまはその言葉が何を意味しているかすぐに理解しましたが、それを受け入れることはできませんでした。お月さまの涙は天の川になってきらきらと宙空を照らしています。

「ああ、神様。神様。お願いです。お願いだから彼を連れて行かないでください。」
 大切な存在なのです、とお月様は神様に願いました。しかし神様は何も答えません。

「どうか、どうか。自分にできることなら、なんだってするから。できないことだって、どうにかするから。だからお願いです。連れて行かないで。奪わないで。お願いします。お願いします。」

 お月さまは泣き叫びました。最初は冷ややかな態度を取っていた天王星も海王星も、だんだんと口をつぐんでしまいました。

「お願いします。お願いします。彼がいれば他に何もいらないから。自分が消えてしまっても構わないから。たくさん言いたいことがあるから、最後に一言だけでいいから、言わせてください。彼に、大好きと言わせてください。ずっとずっと待っていると言わせてください。」

 お月さまの涙はとうとう枯れ果ててしまいました。
 しかしそれでもお月さまは泣き続けています。
 今度は代わりに、心が砕けて行きました。

 ばら、ばら、ばらと。
 ぴかりと光ったあの頃の面影はもうどこにもありません。
 ぼろぼろになった地表に、太陽からの熱光線が慈悲もなく突き刺さりました。

5: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:34:16 ID:CHA
 水星は「もうやめるんだ」とぴしゃりと言い切りました。
 金星が「見ていられない」と目を背けました。
 火星は「このままだと君まで消えてしまう」と悲痛な声で言いました。
 木星は「ようやくどういうことかわかったぞ」と満足げな表情を浮かべました。
 土星は「諦めなさい」と悔しさを込めた声で諭しました。
 天王星は「ごめんよ」と今までの非礼を詫びました。
 海王星は「せめて僕らもそれが叶うように願うから」と言いつつ長い眠りにつきました。
 冥王星は何も返しませんでした。

「神様、神様。約束があるのです。彼と交わした約束があるのです。約束を破るわけにはまいりません。」

 消えゆく意識の最果てにあってもまだ、お月さまはいつか交わした約束を果たそうとしているのです。
 その約束が果たされることはないと知っていても。その約束を破ったのはお星さまの方だとしても。
 お月さまが崩れゆく今、その約束を覚えているものはこの宇宙のどこにもありません。

 でも、お月さまにとってはそれがよかったのです。
 自分と彼の二人だけが知っている、秘密の約束。
 そう、お月さまにとってはそれでよかったのです。

 ずうっと泣き続けた先の、自分の命がとうとう尽きようとするまさにその最中でも、お月さまは彼との約束を忘れずにいました。だからせめてそれを叶えるまでは消えたくありませんでした。それを見届けるまでは消えたくありませんでした。

 でも、どうやらそれもおしまいの時間が来たようです。

 お月さまの体はもう半分ほどになってしまい、崩れる速さは加速度的に増すばかり。
 とうとうお月さまは何も話すことができなくなってしまいました。何かを思っても、それをしゃべることができません。伝えることができません。
 
 とうとう運命を受け入れたお月さまは、最後に心の中でお星さまに謝ることにしました。お月さまを置いて行ったのはお星さまなのに、でもお月さまはそんなことがどうでも良くなるくらい、彼のことが好きでたまらなかったのです。

6: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:34:36 ID:CHA
「約束したんだ。君がいつかどこかに行ってしまったとしても、君を見ているって。
 ……でも、ごめんね。」
 
 刹那。

「いいんだよ。ずっと僕を思ってくれて、ありがとう。僕の方こそ、君を置いて行ってしまってごめんね。
 ───今度は、ずっと一緒だからね。」

 聞こえるはずのない声がしました。しかしそれはお月さまだけにしか聞こえていないようです。だからそれは苦し紛れに記録が作り出した記憶なのか、それとも神様からのプレゼントなのか───はっきりとしたことはわかりません。



 でも、その声にもならない声だけで、お月さまは最後の最後に笑えたのでした。



 何かが砕ける音がしました。同時に、ぼんやりとした光が短い間──とは言っても星のスケールでの話ですが──空間に残って、すうと消えていきました。空白。まるで世界からそこだけ質量をくり抜いてしまったようなそれを、他の星たちはついに表現する術を持ちませんでした。

7: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:34:58 ID:CHA



 千年が経ちました。開けた空間は静かなままです。音を伝える媒質など、この空間にはないのですから。


 万年が経ちました。他の惑星は彼らを弔い、その永遠の友情を必ず忘れないという誓いを立てました。



 億年が経ちました。冥王星が消えました。次いで水星が、土星が消えました。見事な最後の星もいれば、最後まで悪あがきをして、悲しみに飲まれながら消えた星もいました。




 兆年が経ちました。とうとう太陽が爆発し、この空間に星の存在は無くなりました。遠い宇宙の遥か彼方で、青い星が生まれた予感がしましたが、それに気づいたかつての仲間は、もう誰もいませんでした。





 どれだけ時が立ったでしょうか。青い星の側には白く輝く月が回っています。付かず離れず──でも、決して目を逸らさず。それはかつての彼らでは決してあり得ませんが、でも確かにこの瞬間、星の大海を笑顔で泳いでいるのです。


 本当のことは誰にもわかりませんが、それはやっぱり───

8: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:35:44 ID:CHA
【Fairy tale を歌って】



美優「それはやっぱり、神様からのプレゼントだったのでしょう……い、いかがでしたか……?」

P「ズビバセン、ティッシュティッシュ……」

みく「Pチャン、大の大人が泣くなんて情けないにゃ……みくはアイドルだからちゃんと……ちゃんと……うぅ~~~! Pチャン、みくにもティッシュ……」

美優「ええ、読んでいる私もつい涙が……乃々ちゃん。乃々ちゃんのお話、とても素敵だったわ。」

乃々「あうう~~……! じ、自分の作ったお話を他の人から読み聞かせられるなんて恥ずかしさの極みなんですけど~~……! むーーーりーーー……」

9: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:36:51 ID:CHA
P「絵本作家としての処女作がまさかこんな壮大なスケールの話だったなんて……」

みく「美優チャンの朗読もすっごくよかったにゃ! これで来月の子ども朗読会のお仕事もバッチリだね!」

美優「みくちゃん、ありがとう。私の拙い朗読でも、この作品の優しさをもっと引き出せたら良いのだけど……うん、とても優しいお話……最後まで友達のことを一途に思い続ける姿……きっとそれは……。」

みく「ひたすら悲しい結末へと向かった最後に救いがあってよかったにゃ……乃々ちゃんの優しさが滲み出てるにゃ……」

乃々「あ、あの。もりくぼは別に優しい人間というわけではありませんしそもそもはっぴぃえんどじゃなきゃ嫌だってことはなかったんですけど
 でも最後に救いが何もないようなお話を机の下で読んでいたらきっと悲しい気持ちになるくぼですし凛さんやまゆさんに顔向けできないと言いますかあのでもお二人にも読んでもらったときはもっと救いがなかったバージョンのものだったのでお二人は咽び泣いて帰路につかれたんです
 それを見て何かそこはかとなくとても申し訳ない気持ちになったというかお二人の笑っている顔は森久保も好きくぼですからなるべくそういう姿をイメージして書いたら自然とこういう結末になったというわけでして
 もし褒めてくださったとしたらそれはもうとても嬉しいのですが凛さんやまゆさんにもお礼の手紙などを書いて渡さなきゃいけないかなと……」

P「普段の1日の発語量と同程度の語数を一息で喋ったな」

10: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:37:12 ID:CHA
みく「まあ誰だって自分の作ったものを褒められたら気分がいいものにゃ。みくだってライブでステージ褒められたら嬉しいもん。」

美優「そうですね……ライブの演出は多くの人の助けを借りているとはいえ、自分たちが作り出したものを褒めていただけたら、感謝の気持ちでいっぱいになりますし……ちょっぴり、自分を褒めてあげてもいいかなって、思えるんです……」

P「確かにそうだよなぁ。いいものを作ろうとして、それが報われる。報われることが目的ではないけど、でもやっぱり喜んでもらえたら嬉しいって気持ちはどこかにあるもんなぁ。……
いや改めて森久保、素晴らしい作品をありがとう。」

乃々「ど、どういたしまして……? あ、あのでも、その……よ、読んでくださって、ありがとう、ございました……」

P「どういたしまして。こんな作品に出会えてよかったよ。凛とまゆが揃って『これを出版するように』って僕に話を持ちかけてきた時は何が起こったかと思ったよ。」

乃々「あう……ライブの後感動して血迷ったもりくぼでしたが、凛さんとまゆさんにはいつも勇気づけていただいて……とても仲良く……してもらっています。ちょ、ちょっと過保護すぎるところはあると思うんですが……」

P「ああ、そっちの方は僕にもどうすることができん、諦めてくれ」
 
乃々「うぅ─……むーりー……な程でもないんですが、でも……こ、困ったらご相談させていただいても……?」

P「……ああ!」

みく「そこはかとなく『間』が気になるにゃ……ってもうこんな時間!? 今日の仕事16時入りだったよね!?」

P「げ! ほんとだ! にゃんみく、乃々、車回すから準備して玄関で待っててくれ! 美優さん、すいませんが少し事務所の方を……!」

美優「はい、承知しました。お気をつけて……」

みく「ほら乃々チャンいくよ! 今日は『チキチキ! 芸能人極限チャレンジ! 大声だけでガラスを割るのは誰だ!?』の収録にゃ!」

乃々「も、もりくぼに一番向いていないお仕事だと思うんですけどぉ……!?」

11: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:38:09 ID:CHA


P「ただいま戻りましたー……」

美優「お帰りなさい、Pさん。お疲れみたいですね。」

P「いやー凄かった……まさか森久保の声帯が自然に1/fゆらぎを産めるくらいの熱活性化エネルギーを自発的に作り出しているなんて……非平衡統計力学をやってる学者さん達には秘密にしておかないと何があるかわからんな……」

美優「そ、それは何より……なんでしょうか?」

P「いえいえ、こっちの話です。留守を預かっていただきありがとうございました。何か電話がかかってきたりとか、ありましたか?」

美優「いえ、何も。静かに過ごさせていただきました。」

P「……それは、美優さんにとっても何よりでした。最近はバレンタインライブにバースデー企画もありましたから。疲れも溜まっていたでしょう?」

美優「疲れの方は大丈夫なんですが、その……み、皆さんに誘っていただけるのは嬉しいんですが、最近その、お酒を飲み過ぎてしまいまして……そろそろ、節制しようかなと……」

P「……………………えい。」

美優「きゃあ!? ぷ、Pさん!?」

P「すいません、つい出来心で……」

美優「も、もうっ。Pさんったら……そ、それと、二の腕はお肉がつきやすいんです。そ、それだけですよ。」

P「………………承知しました。」

美優「Pさん! もう、コーヒー、入れてあげませんよ?」

P「すいません、つい調子に乗り過ぎてしまいました。……砂糖はいりませんので───」

美優「───カップ半分までコーヒーを注いで、ミルク。ですよね?」

P「……ええ。ありがとう、ございます。」

美優「はい。──────どうぞ。」

12: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:38:29 ID:CHA
P「いただきます。───うん、美味しい。」

美優「─────────。」

P「美優さん?」

美優「えっ? あ、ええと、ああ、すいません、ボーッとしてしまって……乃々ちゃんのお話を、思い出してたんです。」

P「……良いお話でしたよね。今度の朗読会も、きっとうまく行きますよ。大丈夫、今日聞かせてもらった通りやれば、会場中が涙に濡れますって。僕が保証します。」

美優「そうなら、良いんですが……。一つ、どうしてもわからないことがあって。それを乃々ちゃんに聞くのもどうかなと思ってしまって……聞いていただけますか?」

P「ええ、もちろん。……どの点でしょうか?」

13: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:38:52 ID:CHA
美優「はい。……身もふたもないかもしれませんが、どうして『お月さま』は最後に『お星さま』の声を聞けたのかなって。」

P「……それは、俺なりの解釈で言えば、まさしく『神様のプレゼント』……まあ、いわゆる奇跡ってやつじゃないんですか?」

美優「……でも、神様はずっと『お月さま』の声に耳を傾けませんでした。でも、最後の最後になって、どうして神様は心変わりをしたのでしょうか……?」

P「んー……まあ普通に考えれば『お月さま』をかわいそうに思ったとか、その純粋さに心打たれたとかじゃないですかね?」

美優「……そう、ですよね……」

P「……美優さんは、どう思ったんですか?」

美優「…………きっと、乃々ちゃんが考えていた筋書きとは違うかもしれませんが……私はやっぱり、あれは『神様からのプレゼント』とは思えないんです。」

P「……なる、ほど……?」

美優「……ダメですね。私、この歳になってもまだ、神様は優しいんだって信じたいのかもしれません。優しい神様のすることだったら、きっともっと二人は幸せな終わりを──少なくとも周りから見ればの話ですが──迎えられたと思うんです。」

14: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:39:27 ID:CHA
P「……神様のすることにしては、厳しすぎるってことですか。でも、最後のあれが……『お月さま』の思い込みだとするなら、それもまた、悲しいお話ではありますが……」

美優「はい……だから、『お月さま』に、『お星さま』の声は、確かに届いたんだと思います。でもそれは、決して奇跡なんかではなく。」

P「必然、だったと……?」

美優「……きっと、『お星さま』は、残していった『お月さま』のことを、ずっとずっと想っていたと思うんです。……大事な友達を残していくのは、残されることにも負けないくらい、辛いことですから。」

P「残していく方も辛い、か。なら、『お月さま』が泣いているのと同じくらい、『お星さま』も泣いたんですかね?」

美優「きっと、そうなんじゃないかな……でも、その声はもう聞こえない……だって二人はもう、離れてしまったから。違う世界に、行ってしまったから。」

P「……そうか。だから、最後に『お月さま』は『お星さま』の声が聞こえたんですね。」

美優「こ、これは私なりの解釈というか、乃々ちゃんの書いたストーリーの方がずっと神秘的で綺麗だとは思うんですが……! でも、そうですね。だから、最後に声が届いたんだと思えるんです。」

美優「……消えゆく刹那。……消えきった刹那。そこで、『お月さま』と『お星さま』は、同じ世界にいることができたから。」

P「テクスチャの違いってやつですかね。紙の裏表。表面にいる月に、裏面の星からの声は届かない。……逆もそうなんでしょう。だから、同じ世界が二人を共有した時、その声は届いた。」

15: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:39:39 ID:CHA
P・美優「────だって、ずっと隣で名前を呼んでいたから。」

16: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:40:02 ID:CHA
美優「……奇跡なんかじゃなくて。願うだけじゃなくて、想うだけじゃなくて。……ずっと、呼び続けていたから。だからあの時声が聞こえたのはもっと単純に───愛し合っていた。それだけなのかなって、思うんです。」

P「……うん。聞く人によっては、それはとても悲しい───愛に縛られた末路、とも思えるんですかね。」

美優「……はい。きっと乃々ちゃんはそんな辛い運命を背負わせることはしないと思うのですが……」

P「……良いんじゃないですかね。物語って、書いてる分には作者だけのものだけど、人の手に渡れば、それはその人だけの物語になるから。森久保と考えていることが違ったとしても、それはそれで。
 この物語を通じて、美優さんが何を思い、何を伝えるのか……その世界がきっと、森久保の世界にも良い刺激を与えるんじゃないかな。もちろん、初めて聞くお客さんも、その人なりの世界を描くんだと思います。」

美優「……私なりの、世界……」

17: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:40:25 ID:CHA
P「はい。……きっとあると思うんですよね。月に憧れた、貴方なら。」

美優「……え……?」

P「……昔、美優さんは自分で自分のことを『太陽にはなれない』とおっしゃっていましたね。……同時に『月になりたい』とも、ね? 僕はよく覚えているんですよ、そういうこと。」

美優「は、恥ずかしい……! わ、私なんかでは立派なお月さまになろうというのもおこがましい話で……! 乃々ちゃんのお話の中の『お月さま』は気高くかっこいいですけど、私は逆立ちしてもそんな存在にはなれそうにもありませんから……!」

P「いえ、なれますよ。」

美優「───え、ええ!?」

P「確かに、その月は物語のように気高くないかもしれません。自信がないかもしれません。ぴかぴかと強く光らないかもしれません。でも……とても綺麗だ。」

美優「─────────。」

P「僕は、その月が何よりも綺麗に光っていると思う。……なんて、流石にクサすぎますかね。」

18: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:40:40 ID:CHA
美優「───ぷろ───でゅーさーさん───。」

美優「─────────プロデューサーさんに……」

美優「プロデューサーさんに───そう言ってもらえると……少し……あったかいです……!」

P「……それは何よりです。じゃあ美優さん、朗読、もう一回練習してみますか?」

美優「よ、よろしいですか?」

P「もちろん。僕はあなたのプロデューサーですから。ちょうどコーヒーも飲み終わりましたし、やりましょう。」

美優「は、はい……では……!」

19: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:41:02 ID:CHA


 目の前に光がいっぱいに広がっている。夜の海はこんなにも鮮やかに輝くのだろうか。
 光の絨毯の上を私は歩く。星の砂を踏み締めると、しゃらりと銀河の音が聞こえた。
 一人では歩けなかった道に、今、私は立っている。終わりのない夜があるならそこに二人で溶けていけるようにと願いながらも、そんな溢れる想いを抱き止めて、私は貴方を見つめる。

 付かず離れず──でも、目を離さず。私の視線はとっくに貴方に奪われてしまったから、なんとか貴方の視線を独り占めしたい。

 誰より貴方の側にいれば良いのだろうか。
 誰より貴方のことを呼べば良いのだろうか。
 誰より貴方のかけらを探せば良いのだろうか。

 どうして貴方なのかはわからない。「それは運命だったのだ」といえば聞こえはいいが、特に理由はない気がする。むしろそのほうがいい。運命に導かれたわけでもないのに出会う二人の方が、ロマンチックに思えるから。
 
 さあ、今日も夢を始めよう。声に想いを乗せて歌おう。踊る星座を眺めて笑おう。煌く流星を掴まえて今日もまた───御伽噺を語ろう。

 ああ、今日も───月が綺麗だ。

20: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:44:39 ID:CHA
以上です。美優さん改めて誕生日おめでとう!

文章は投稿したらミスが見つかりますね…… 誤字脱字は(一応)探しましたが必ず残っています。それとやっぱり掲示板だと長い文章投稿できませんので、よかったら渋の方で読んでいただけた方が自然な形で読めるかと思います。


他には最近こんなものを書いていました(最近の3つです)。
これらも含め、過去作もよろしければぜひ。
よろしくお願いします。

【村上巴】見つめて、見つけて。【川島瑞樹】


【モバマスss】腹ペコシスターの今日の一品;トースト、二枚。


霧子「もちもち気分です」

21: 名無しさん@おーぷん 20/03/01(日)00:51:25 ID:CHA
一応渋の方のリンクも貼っておきます
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12453975




転載元:【モバマスss】Fairy tale を歌って 【三船美優】
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1582990294/

スポンサーリンク

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連コンテンツ

コメント

コメント一覧

    • 1 名無し春香さん
    • 2020年03月01日 20:52
    • この人が書く作品はハマらないとクソつまらんけどハマるとおもろいな
コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
米や※または#の後に数字を入力するとコメント欄へのアンカーが表示できるかも。