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トップページシャニマス > 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 CHAPTER 06

650: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:11:04.91 ID:w1WP8DMN0

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GAMEOVER

ハチミヤさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



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関連スレ
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】CHAPTER 01
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】CHAPTER 02
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 CHAPTER EX
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 CHAPTER 03
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】CHAPTER 04
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 CHAPTER 05

651: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:11:47.97 ID:w1WP8DMN0


運動神経抜群の八宮さん、本当に人気者ですね!
彼女はスタイルも抜群、愛嬌も満点、嫌いになる人なんかいるはずもありませんとも!
今日もあっちこっちで運動部の助っ人。
お友達のためならなんのその!

か〜っ!スポーツで描く汗は一際爽やかですよね!
さあ、今日も青春に汗を流しましょう!

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HANAREBANARE‼️

超高校級の助っ人 八宮めぐる処刑執行



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652: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:12:53.94 ID:w1WP8DMN0


次から次へと運動部連中が押し寄せて参ります。
バスケ部、バレー部、サッカー部、野球部、水泳部……さらにはカバディ部なんてマイナー部活まで。
八宮さんはその全てに嫌な顔一つせず力を貸していきます。


流れるようなレイアップシュートを決めたかと思うと、
冴えわたるようなマイナステンポスパイクで一撃。
かと思うと今度は華麗なエラシコでごぼう抜き!
快音響かせホームランを打った後には、バタフライで新記録を塗り替える!
最後のおまけにドゥッキで相手の死角を突く!


いやはや……八宮さんの卓越したスポーツセンスには舌を巻くばかりです。
そんな八宮さんの活躍を見ていた観客たちもどんどんヒートアップ!
「もっと彼女の活躍を見たい!」「別のスポーツではどうなんだ?!」
そんな声が聞こえてくるようです。

そして八宮さんはそんな声にもどんどん答えていきます。
卓球部、テニス部、バトミントン部、柔道部、レスリング部……さらには相撲部にも力を貸してくれるそうじゃないですか!
ああ、なんと心優しき八宮さん!


チキータで高速の返球を行い、
スライスでたたきつけるように得点を奪うと、
ヘアピンでテクニカルなポイントもゲット。
大外刈りも堂に入ってますね!
アンクルホールドで自分の体も顧みない激しい戦いっぷりを見せた後は、
威風堂々の一本背負い。


すごい!すごすぎるぞ!八宮めぐるーーーーーッッッッッ!
お前にできないスポーツはないのかーーーッッッ?!


653: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:13:51.25 ID:w1WP8DMN0


そんな彼女の素晴らしいパフォーマンスに次々とスポーツのオファーが舞い込みます。
八宮さんの力を借りるために水球部にセパタクロー部、アルティメット部にペサパッロ部。ヤールギュレシ部もやってきました。
文字通りの引く手数多、引っ張りだこ!
彼女の運動センスを前に黙っていられる部活などあるはずもありません!


八宮、お前の力を貸してくれ!
めぐるちゃん、私たちの部活を手伝ってよ!


___あっ、ちょっとちょっと! 八宮さんってば体は一つしかないんですよ!?
___そんなに一気にお願いされても無理なものは無理でしょう?!


めぐる、お前ならうちでもやっていけるぞ!
ミス・ハチミヤ、ともに世界を目指しましょう!


___引っ張らないで! 引っ張らないで!
___順番に、順番に、ね?!


でもでも、運動部の底なしの体力とちっぽけな脳みそは暴走を止めません。
人気者の八宮さんはその手足をそこら中の運動部全員から四方八方に引っ張られ、引っ張られ……


____ブチィッ!!


運動部といえばしゃらくさいミサンガをつけて、
千切れたら願いが叶うだなんてほざいていやがりますけど体そのものが千切れた場合はどうなんですかね。

ま、願いどころじゃないか! ガハハ!


654: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:14:38.26 ID:w1WP8DMN0

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GAMEOVER

ヒグチさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



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655: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:15:07.22 ID:w1WP8DMN0


本当に樋口さんは軽やかにステップを刻みますね。
複雑なステップだって目立って手こずる様子はありません。
指先まで伸びやかで、一挙手一投足のそのすべてが洗練されています。
見ているこちらが思わず目を奪われてしまう、
彼女のパフォーマンスは天性のアイドルの才能というやつでしょう。


きっと彼女は今日、ここに至るまで____


大した苦労もしてこなかったんでしょうね。


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心臓を握る

超高校級のディベート部 樋口円香処刑執行



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656: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:16:50.66 ID:w1WP8DMN0


薄明りのステージの中央で、彼女は歌い、踊り続けます。
それはもう軽やかに、音もたてることなく、悠然と。


ただ、その自分自身の軽やかさが樋口さんにとっては痛みであり憎しみでもありました。
樋口さんが見てきたアイドルたちはみんなその足取りが鈍重で、
彼女たち自身の存在を、努力、その歩みをステップの音に響かせていたのです。
その音を聞くうちに、樋口さんは自分自身の靴が奏でる音の空虚さに胸を押さえて悶えるようになりました。


ステージの音で響き渡る、ほかのアイドルたちの……靴の音。
ステップが刻まれるたびに、その何もかもが自分とは違っていて。


___私たちはこんなにも苦労してきた

聞こえない幻聴がうるさい。


___私たちはすべてを詰め込んでパフォーマンスをしている

靴の音は木槌の音。私の心臓に杭を打ち付ける、拷問の音。


___それなのに、私たちはあなたのようにはなれない

それは深く深く突き刺さって、私の心臓を蝕んでいく。


___あなたは恵まれている

私という人間を、蝕んでいく。




___あなたは私たちのことを憐れんでいるの?




657: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:17:31.83 ID:w1WP8DMN0


樋口さんはその場に倒れこんでしまいました。
動悸が収まらず、呼吸も浅くなるばかり。
苦しみ悶える中でその視点も定まらなくなっていき、ほかのアイドルたちの姿が蜃気楼のように歪んでいき、そして消えていきます。

ステージに残されたのは、吹けば飛ぶような空虚なアイドルただ一人。
彼女には何もありません。
はじめからほかの人よりも多くのものが揃っていた彼女には、後から詰め込むようなものなど、何も。
彼女の軽やかさはその身軽さからくるものだったのです。


……でも、彼女にもかつて“重みのあるもの”がありました。
それは遠い昔、いつからかクローゼットの隅に押し込んで、忘れてしまっていたもの。
彼女自身の心をえぐるもの。
丁寧に宝石箱の中に押し込んで、鍵をかけてしまいこんでいたもの。


……いや、そうじゃない。


658: ◆zbOQ645F4s 2021/09/29(水) 20:18:15.23 ID:w1WP8DMN0


ステージの向こうに、きれいな宝石箱が見えます。
それに向かって手を伸ばす。
かつて自分からかなぐり捨てたそれを取り戻すために、元あるべき場所に戻すために。

その、【オルゴール】に手を伸ばす。



___ズシーン! グチャ…グチャ…



でも、遅かった。
オルゴールに指先が届くこともなく、もっと大きくて、重たいものに彼女の体は押しつぶされてしまいました。
ステージを揺るがすほどの大きな衝撃と音を伴って落下したそのプレス機。


樋口さんは死の間際にゾウの足みたいだと感じたんですって。
うーん、ポエミーな感性でございますわね!


664: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 19:59:31.77 ID:PKHgrFLn0

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【6章現在での主人公の情報】

・習得スキル
【一番星の魔法】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕

【ポシェットの中には】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕

【意地っ張りサンセット】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕

【包・帯・組・曲】
〔学級裁判で不正解時のペナルティを三回まで無効化する〕

【HAPPY-!NG】
〔交流による親愛度上昇が+0.5される〕

【摩的・アンチテーゼ】
〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕

【水色感情】
〔学級裁判で不正解時コトダマが減少して正解が導きやすくなる〕

【アップ・トゥ・ユー】
〔学級裁判中任意のタイミングで発動可能。モノクマメダルを消費することで回答を導く。要求枚数は回数ごとに増加〕


・現在のモノクマメダル枚数…43枚


665: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:00:12.31 ID:PKHgrFLn0

・現在の所持品
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグ口ーブ】
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


・特殊アイテム
【虹の羽】
〔輝く羽は希望を語る。ロジカルダイブで誤答した時、どこの選択肢があっていてどこが違うのかがわかる〕

【スーパーはづきさん人形】
〔どんな事務仕事もたちどころに終わらせてしまう伝説の事務員を模した人形。反論ショーダウンでコンマ値をあげるスキル・アイテムがパニックトークアクション、議論スクラムでも適用されるようになる〕


666: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:01:13.73 ID:PKHgrFLn0

【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)【DEAD?】
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……5.0【DEAD】

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5【DEAD】
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……12.0

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0【DEAD】

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】

・【超高校級のギャル】和泉愛依……4.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……7.5【DEAD】
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

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667: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:02:28.72 ID:PKHgrFLn0






……どうもこんにちは!



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668: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:03:17.06 ID:PKHgrFLn0


私、都内のある企業で勤続12年ほどになるサラリーマンなのですが、
こうして皆さんの前でお話しさせていただく機会はそうそうなく……
お恥ずかしながら現在少々緊張しております、何分普段は表に出る仕事ではありませんので。
そういったわけですので自己紹介なんかも今回は割愛させてもらいますね。

ええ、まあ私という人間なんて本当につまらないものですよ。
生まれた時から日陰暮らし、小中高大……いずれの学生生活でも目立った活躍なんて全く。

部活に入ったはいいもののレギュラーはもらえずずっとスタンド応援。
成績も並みで、そこそこの大学に入って研究もせずに遊び惚けて。
やっとつかんだ就職先では毎日頭を下げて日銭を稼ぐ毎日。

日々のノルマをこなすうちに、
いつの間にかこんなに年数も経ってしまい、家庭も築いてしまっておりました。

ええ、まあ……幸せは幸せでございます。
この不況の時代に、手に職をつけて一応は安定した収入をいただいておりますから。


669: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:04:29.34 ID:PKHgrFLn0


ですがやはりストレスというものは溜まってしまいます。

職場のストレスなんかはその代表ですね。
取引先のパワハラ、上司からの理不尽な要求、後輩に対する気回し……どうしても窮屈に感じる場面は多々ございます。
白状しますと妻のご実家に帰るのもかなりストレスですかね。
お義父さんが厳格な方でいらっしゃって、おちおち目の前で携帯を触ることもできないんです。
それにお義母さんには庭の草取りを頼まれますし、断るわけにもいきませんから……
それに最近は娘も反抗期に入りましてね、洗濯物は私と別にしてくれなんて言うんです。
同じ血を引いているというのに、どうにも心苦しいものですよ。
愛した妻だって、若いころの面影はもうすっかりありませんよ。
ゴミ出しぐらいは手伝いますが、少しは感謝の言葉をかけてもらいたいものです……


お酒でも飲んで気晴らし……若いころはそうでした。
ですがもう私もそれなりの年、だんだんと胃にたまるものもございます。

……ガス抜きのための何かを、ずっと探しておりました。



670: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:05:19.21 ID:PKHgrFLn0






_____そんなときです、私が出会ったのは。






671: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:06:14.90 ID:PKHgrFLn0


ええまあ、出会ってからというもの、世界はガラッと変わりましたとも!

しょうもない言いがかりをつけてくる営業先のジジイも、
加齢臭のしみ込んだ産業廃棄物じみたシャツを着ている上司も、
いっちょ前に権利だけを主張するでくの坊の若手社員も、
傲慢不遜な態度しか生き甲斐のない枯れ木のような義父も、
申し訳なさそうな態度さえしておけばすべてが許されると思い込んでいる義母も、
産んでもらった恩を忘れて文句を垂れる娘も、
不細工な肉付きをして加齢の色も隠せなくなった妻も、

全部全部、どうせ死ぬんですから!
そう思ったら随分と楽になりましてね!

ああ、こいつはどれほど惨めに死ぬんだろう。
どんな醜悪な辞世の句を並べ立てるんだろう。

そう思うとなんだか滑稽ですらありますよね!


……え?
あはは、そんな直接手を下すなんてするはずないじゃないですか。
人が人を殺すなんて、そんなのフィクションですよ。


672: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:07:22.70 ID:PKHgrFLn0






______ええ、フィクションですよ。

______私たちとは縁遠い世界のお話なんです、人の生き死になんて。





673: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:08:03.77 ID:PKHgrFLn0

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CHAPTER06

なんどでも祈ろう

非日常編



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674: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:08:37.27 ID:PKHgrFLn0


…………

……………………

…………………………………………
…………………………………………


暗く、昏く、深い地の底。私の体は重力に導かれるままに、堕ちていく。
耳元では風がゴウゴウと吹き上がり、私の体の逆をいく。
全身に感じる強く引力が死というものを強く感じさせる。


おしおきは消化不良なまま終わった。
ただ、この落下速度と落下時間。
言うまでもなくその末路は悲惨なものになるはずだ。


675: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:09:47.81 ID:PKHgrFLn0


私は諦観にも似た感情を抱き、目を瞑っていた。
瞼の裏には走馬灯のように、これまでにめぐると過ごした記憶が流れていた。
めぐると出会った頃のぶっきらぼうな反応をしてしまった私、体調を崩して看病に来てくれためぐる。
思えばあの時から心を開くことができたんだっけ。
この学園に来てからも、めぐるは常に私の傍にいて、依代であり支えになってくれていた。

……そのめぐるを、私が殺した。
自分の掌を見た。
おしおきの最中、抜けていく床と残された柱とに何度もしがみついたその手にはいくつもの擦り傷。

ただ、それを上塗りするかのように私の目には赤黒い染みが見えるのだ。
それは言うまでもなく、罪の証。

めぐるが最後に残した、生命の息吹。
覆面を外した時のあの瞬間、あの感触が染み付いている。
焦燥から私の手は手汗に塗れていて、掴んだ布地は妙に重たかった。

……ただ、めぐるは私のことを恨んではいないと思う。
傲慢ではなく、これは親友だからこそわかる確信だ。
きっとめぐるは誰にどんな理由で殺されたとしても、それを受け入れてしまう。
そんな彼女の寛容さに私自身ずっと甘えてきた。


だからこの掌の赤い染みは、めぐるの怨恨ではなく私が私に課した、重責なのだ。


676: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:11:16.67 ID:PKHgrFLn0



……まだ数秒、死までは時間があるらしい。

最期の最期に、私はもう一度目を閉じた。
死の間際に見る光景は、この学園の無情さではなく美しい記憶の残響がいい。

最期くらい、我儘を言っても許されるかな。



……ただ、私は忘れていた。
この学園は、私たちの覚悟や決意、そして道理をも裏切って嘲笑う。
死を前にして行った私の葛藤の全ては……





___徒労に終わった。



677: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:12:17.08 ID:PKHgrFLn0


ドサッ

「痛っ……?!」

全身を襲う鈍い痛み。
急速に異常なまでの滞空時間で落下した私の骨という骨は見るも無惨に砕け散り、
臓物はぐちゃぐちゃに掻き乱されて虫けらのような骸と化す……はずだった。

その痛みは死というにはあまりに優しく、まるでプールの飛び込み台から正面落下したような“打ち身”だったのだ。

「助かった……?」

そしてそれと同時に襲ってくるのが……

「な、なに……この匂い……」

臭気。
夏の終わり、三角コーナーに溜め込んだ野菜が放つような鼻を刺す刺激臭。それがあたり一体に立ち込めている。

どうやら私の鼻の感覚はそれなりに信頼できるらしい、
つい今し方“夏の終わりの三角コーナー”と評したその臭いは、その比喩と当たらずも遠からずだったのである。
私の死を打ち身にとどめた緩衝材の正体は、ゴミ袋。
文字通りに山積みになったゴミ袋が私の体を優しく受け止めて、あたり一体に残飯を撒き散らしている。
中には数日前に食堂で見かけた食材なんかもある。


678: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:13:16.55 ID:PKHgrFLn0


どうやらここは“ゴミ捨て場”、その終着点のようである。
学園にはトラッシュルームが存在し、手頃なものなら焼却処分ができるが、そうでないものは全てここに押し込められているようだ。
故障したクローゼットや怪しい機材なども投棄されており、手付かず。
臭いものには蓋をする、煩わしいものは目の届かないところに押し込む。
なんとも杜撰な処理の形だ。

ただ、今回ばかりはそれに助けられたのも事実。
暫く打ち身に身を捩っていた私も、その身を起こしてあたりの散策を始めた。
つい先ほどまで死を覚悟していたというのに、いざ生を掴んだからといって縋るのは醜いだろうか。

ただ、どれほど醜くても生に縋らないのは不誠実だと思う。
それはこの学園で生きてきた私だからこそ、犠牲になった皆さんの思いを引き継いだ私だからこそ。
真乃とめぐるとも約束をしたんだから。


……生きないと。


679: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:14:09.63 ID:PKHgrFLn0


強い決意と共に、手当たり次第にそこら中のゴミ袋に手をつけた。
食べられるもの、飲めるもの。
とにかく食いつなげるものを探した。

見上げた天井は目視できないほど遠く、そして暗い。ここから助けなしに脱出することは不可能だろう。
なら、摩美々さんたちを信じてなんとか生き延びる他ない。

「……うう、これも腐ってる」

だが、事はそううまくはいかなかった。ゴミ袋は、”ゴミ“が入っているからこそゴミ袋なのであり、実用性のあるものはそもそも入らない。
まして、口に入れていいものなんかは。

「……お腹空いたな」

空間の隅から隅まで、目につくものは一通り調べ尽くした。ただ、どれほど探そうとも成果を上げる事は出来ず。
体力を消費して汗をかいただけの骨折り損。腹の虫も癇癪を起こして煩い。

このままでは、まずい。

せっかく掴んだ生、それを繋げていくに必要なものが見当たらなかった私は……





____ひたすらに眠った。


680: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:16:09.89 ID:PKHgrFLn0


全ての体力消費を抑えて、空腹や喉の渇きを体に感じさせる時間を削った。
目が覚めるたびに無理矢理に瞳を閉じて再度眠りにつく。

それを何度も繰り返し、数時間、数日……ただ、絆を信じて眠り続けた。





___ドサッ


そして、その時は来た。
いつもより鈍い音を立てて何かが落下した、その衝撃からか自然と目が覚めた。
硬い床に何も敷かずに長時間横になっていた全身がバキバキと聞いたことのない軋みを立て、痛みを伴う。
そんな満身創痍な体で落下した何かに向かって近づいていくと……

「……え?」

モゾモゾとその“何か”は動き出す。
内側から蹴破ろうとしているのか、あちらこちらから内側で暴れている痕跡が浮き上がる。
そこから暫く、まるで蛹から蝶が孵化するかのように彼女は姿を表した。

「……ふー、やっと出れたぁ」
「ま、摩美々さん?!」


681: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:17:43.99 ID:PKHgrFLn0

◆◇◆◇◆◇

摩美々さんは首や肩をポキポキと鳴らしながら立ち上がると、私の顔を見ていつものほくそ笑みを披露した。


摩美々「お久しぶりです、覚えてますかぁ? 田中摩美々と申しますー」

灯織「覚えてますよ、当然じゃないですか!」

摩美々「おー、ツッコむ元気があるぐらいには健康そうでなによりー」


開口一番に揶揄いから入るあたりやっぱり摩美々さんだ。
数日間一人っきりで悪環境に置かれていたこともあり、いつも以上にコミュニケーションが心に沁みる。
そんな会話に思わず目頭が熱くなりかけたのだけど……


灯織「……あの、摩美々さん」

摩美々「んー?」

灯織「その、頭にカップヌードルの容器が」


摩美々さんの頭に載っているそれがどうも目について涙は引っ込んでしまった。


摩美々「……」


本人はどうやら気づいていなかったらしい。
無言で後ろを向いて、頭のカップヌードルの容器を払うとすぐにこちらに平然と向き直った。
……ただ、その耳は真っ赤に染まっている。


682: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:19:11.48 ID:PKHgrFLn0


摩美々「それよりお腹空いてないー?」

(なかったことにするんだ……)

灯織「ええ、まあ……食べるものどころか飲むものすら無くて今も息絶え絶えです」

摩美々「だと思ったのでー……じゃーん、摩美々からのプレゼントだよー」


摩美々さんが懐から取り出したのは水に入ったペットボトルとあんパン。
これまた数日ぶりに目にする文化的な食事。何も口にしていなかった体は、それを目視した瞬間に一気に口に涎を充満させた。


摩美々「その前に、ちゃんと手、拭いてからねー。今の灯織ってば手がネチャネチャだよー」

灯織「え」


久方ぶりに掌を見ると、成る程摩美々さんの言う通り。
食い繋ぐためにゴミ袋を漁ったその掌はこれまでに経験したことのないような感触の膜が貼られている。
……このまま食べたらお腹を壊すどころじゃ済まなさそうだ。

摩美々さんから除菌ティッシュを譲り受け、ちゃんと清潔にしてから食事を口へと放り込んだ。
栄養が枯渇状態にあった体にはほんの一口でも染み渡るようで、思考が冴え渡り、肉体の疲労が吹き飛んでいくのを感じる。

なんとか私は、【生】を守り抜いたんだ。


683: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:20:59.72 ID:PKHgrFLn0


摩美々「数日ぶりの食事はどうだったー?」

灯織「大変美味しかったです……ありがとうございました」

摩美々「その調子だと本当に何も口にしてなかったんだねー、口元が緩みきってるよー」

灯織「め、面目ないです……」

摩美々「ま、仕方ないでしょー」


食い意地の張った私を一頻り揶揄い終えた摩美々さんは、近くに腰掛けて私に向き直る。
つい数瞬前とは異なる、真剣な面持ちだ。


摩美々「……ねえ、灯織」

灯織「……摩美々さん?」


その声色も、これまでと違った熱を帯びている。
胸を抑えながら声を絞り出すような、これまでに見たことない摩美々さんを前に思わずこちらも襟を正す。


摩美々「ごめんね、中々助けに行けなくてー……ずっと一人で大変な思いをさせて……辛かった、どころじゃないと思うしー」

灯織「い、いえそんな……」


684: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:23:18.43 ID:PKHgrFLn0


摩美々「おしおきが失敗した瞬間、なんとか灯織を助けなきゃって……みんなでどうにかここまでくる方法を考えて考えて、でも糸口が見つからなくて……なんとかチャンスを見つけ出して……」

摩美々「もしかして、こうしてる間にも灯織は死んじゃってるんじゃないかって……それでまた焦って……」

摩美々「本当に、生きてくれててよかった……生きてて、良かったよ灯織」

灯織「摩美々さん……」


初めての表情だった。
揶揄いや悪巧みで誤魔化していない、素のままありのままの摩美々さんの表明した【安堵】。
いつもなら取り繕うだろう頬の綻びもそのままに、優しい言葉をかけてくれる摩美々さんを前に、私の目頭は再度熱を帯び始めた。


灯織「私も……生きて、再度会うことができて……本当に良かったです……」

摩美々「……!! も、もぅ……泣かないでよー」

灯織「ふふ……摩美々さんこそですよ」

摩美々「え……はぁ、摩美々の涙なんかレア物なんだから、光栄に思いなよー」


摩美々さんは照れくさそうにしつつも、その涙を隠そうとはしなかった。
私のために流してくれているその涙、それを思うとより一層私の視界も滲む。

暫く、感情に身を委ねて泣き続けていた。
何か再会を喜んだり、励ましたり、言葉を交わすわけでもない。
ただかけがえのない友人との再会、その間のある絆を噛み締めて、身を浸していると自然とそれ以外の選択肢が消えていた。
これまでに過ごした時間や感傷が何度も何度も浮かび上がり、その度にピークを迎えて収まる余裕はなく。

落ち着くまでのどれほどの時間を要したのかはわからない。
ただ一言言えるのは全てが収まった時には私の服の裾はすっかり水に浸されていたということだけだ。


685: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:25:06.22 ID:PKHgrFLn0


摩美々「……さて、ようやく収まったわけだけど」

灯織「ええ、なんとか落ち着きました」

摩美々「そろそろ、脱出と行こうかぁ。いつまでもこんな臭いのするところにいるわけにもいかないし、いい加減にはねー」


そうだ、元々摩美々さんはそのためにわざわざやってきてくれたんだ。
摩美々さんが指さした先は、壁に取り付けられた簡易梯子。
私も落ちたすぐ後にそれを登ろうかと考えたが、
登った先に出口があると言う確証もない、無駄なリスクを踏む事は避けたかったので放置していたものになる。


摩美々「ここに落ちてくる前に、上で扉の鍵は開けておいたのでここを登れば元の生活に戻れるはずだよー」

灯織「なるほど……しかし、かなり長そうですね」

摩美々「まぁねー……何せ学園の本当の意味での地の底なんだしー」

灯織「でも、行きましょう……なんとしても、生きて戻らないと」

摩美々「覚悟は出来てるみたいだねー、それじゃ行こっかぁ」

灯織「はい!」

摩美々「……」

灯織「……」

灯織「…………摩美々さん?」

摩美々「何やってるのー? 灯織が先に登るに決まってるじゃーん」

灯織「え……わ、私ですか……?」

摩美々「だって、ほら。摩美々ってばスカートだしー」

(私もそれはそうなんだけど……)


摩美々さんの言い分には釈然といかない部分もあったけど、ここでごねていても仕方ない。
ひとまず飲み込むことにして、鉄の梯子へと手足をかけた。


686: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:26:34.17 ID:PKHgrFLn0


__

____

_______

カンッ カンッ カンッ

それから暫く。鉄と靴とが奏でる無機質な音だけが響く時間が流れた。
音が耳に届けば届くほど、自分はここまで奥深くまで落下していたのかと驚かされる。
上を見上げても暗闇が続くばかり、まだまだ終わりは見えなさそうだ。


摩美々「ねえ、灯織ー」

灯織「摩美々さん、どうしました?」

摩美々「登りながらでいいからさぁ、脱出した後のことを話しとこうかぁ」

灯織「そうですね……私がいない間の学園の事情なども伺いたいですし……」

摩美々「まぁそれも大事なんだケド……」

摩美々「多分灯織は、ここを出た瞬間モノクマに命を狙われると思うんだよねー」

灯織「ええ?!」

摩美々「しょうがないよー……だって灯織はおしおきが失敗して偶然命を拾った形……モノクマとしてはちゃんと殺すところまでやっておきたいはずでしょー?」

灯織「そ、それはそうかもしれませんが……」

摩美々「出た瞬間その場でおしおき、なんてこともあり得なくはないと思うよー」

灯織「そ、そんな……なら、脱出なんてしたところで……」


687: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:29:06.34 ID:PKHgrFLn0


摩美々「まぁ落ち着きなってー……それをどうにかするために私が来たんでしょー」

灯織「どうにかすると言われましても……」

摩美々「灯織がおしおきを回避する方法はひとつだけ……あのクロ判定が不適切なものだったと証明することだよ」

灯織「……え?」

摩美々「要は、灯織がクロじゃなかったことを証明しておしおき自体を不当なものだったと指摘するんだよー」

灯織「え、ええええ?! 摩美々さん、めぐるの命を奪ったあの爆弾は私の行動が引き金になってですね……?」

摩美々「もう一度、その議論をやり直そうよー。私たちは灯織に死んで欲しくないんだよー」

灯織「し、しかしですね?!」

摩美々「それに、あの議論は……まだ完全じゃないと思うんだー」

灯織「……議論が、完全じゃない……? でも、すべての証拠品を検討しましたし、あらゆる可能性はつぶしたと思うんですが……」

摩美々「確かに摩美々たちの知る証拠品と状況証拠はすべて検討したケド、それがすべてじゃないと思うんだよねー……」

灯織「……」

摩美々「それに、灯織自身はどうなのー?」

灯織「私、ですか……?」

摩美々「めぐるを殺したのが自分で、納得できるのー?」


___納得なんかできるわけない。それは、当然の心理だ。

後にも先にもこれ以上はない親友を手にかけた事実、否定できるのなら私だって否定したい。
でも、その否定をしてしまうことは、めぐるの死から目を背ける以上に不義理だと思う。
自分自身にかかる責任を放棄する、最低最悪の身勝手。


灯織「……だとしても、受け入れるしか」

摩美々「はぁ……灯織ってば相変わらずいい子過ぎー……もっと自分の気持ちに素直になりなよー」

灯織「そうは言いますが……私はめぐるの死においては何よりも事実を尊重したいんです。それがめぐるに対しての誠意であり、義務だと思うんです」

摩美々「……灯織、この前の裁判の最後に見た映像、覚えてるよねー?」

灯織「映像、ですか……?」

(おそらくそれはきっと、めぐると樋口さんが事件の直前に交わした会話の映像……)



688: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:29:37.70 ID:PKHgrFLn0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

めぐる『円香……本当に、やるの……? わたしを殺して、灯織たちに絶望させるつもりなの……?』

円香『……そうだけど』

めぐる『これ以外の方法はなかったの?……どうしても、みんなはわかり合えなかったの?』

円香『……しつこい、言ったでしょ。分かり合うとか分かり合えないとかの次元じゃない。国籍が変われば言葉は通じないのと同じ、そもそも別の種類の人間だったってだけ』

めぐる『ちがうよ』

円香『……は?』

めぐる『言葉が通じなくても、気持ちは通じ合える……円香が別の種類の人間だって思っても、心を通わせることはできるはず……! 灯織たちは、円香が思うような悪い子たちなんかじゃ……!』

円香『やっぱりわかってない。灯織たちの掲げる絆とやらの崇高さ、美徳は十分に理解してる。……そのうえで、それを掴む権利が私には無いってだけ』

めぐる『そんなことないよ!』

円香『……もういい?めぐると雑談している間に邪魔が入っても困るから』

めぐる『……わかった、でも最後に一つだけ円香に聞いてもらってもいいかな』

円香『……何?』

めぐる『わたしも、灯織も、摩美々も愛依もチョコも雛菜も……これまでに犠牲になったみんなも……全員が、円香のことを大好きだから!』

円香『……今からその相手に仲間を殺す道具として使われても?』

めぐる『円香のすることは許せないよ。確証のない計画で仲間の命を巻き込んで……でもね、円香という一人の女の子が元々すごく優しい子だってことは知ってるから』

円香『……罪を憎んで人を憎まずってわけ? お涙頂戴でも狙ってるの?』

めぐる『円香、助けてあげられなくてごめんね』

円香『……うるさい』


ブツンッ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


689: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:32:06.70 ID:PKHgrFLn0


摩美々「あの映像の内容を振り返ってみると、一つだけ【不自然な点】があるよねー?」

灯織「不自然な点……ですか……?」

摩美々「めぐるの言葉、『確証のない計画で仲間の命を巻き込んで』……これってめぐるの視点から見ると不自然だよねー?」

灯織「……どういうことでしょう」

摩美々「確かにめぐるは今から自分自身が殺されることはわかってる、でも円香の計画まで知ってるのはおかしくないー? 覆面をかぶせて、薬品Aで全身を麻痺させて最終的に灯織に爆殺させる……そんな計画をめぐるは知ってて受け入れたってワケー?」

灯織「で、でも……あのめぐるは拘束されていましたし、受け入れざるを得ない状況だっただけなんじゃ……」

摩美々「……灯織、よく思い出して。八宮めぐるっていう女の子のことを、灯織の一番の親友のことをよく思い出してよー」

(めぐるのことを……?)

摩美々「自分の動きを封じられたぐらいで諦めるような女の子だったぁ? 仲間の命が危険にさらされる計画を聞かされて、黙っていられるような女の子だったぁ?」

灯織「……!!」

(……違う)

(……めぐるはきっと、そんな状況下なら自分の命も顧みずに食ってかかるような……誰かのために動ける人間だ)

(もし、樋口さんの『絶望計画』を聞かされていたなら……もっとそれに抗った痕跡があったはず)

(でも、あの映像のめぐるは……衣服の乱れすら見えなかった。まるで計画そのものに賛同しているかのように)


690: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:32:37.73 ID:PKHgrFLn0


摩美々「……ねえ、灯織。あの映像で二人の言っていた計画って、本当にこの前の裁判の話だったのかなぁ」

灯織「……え?」

摩美々「めぐるはもっと別の何かを知っていて、それであの事件で命を落とすことを……受け入れたんじゃないかなぁ」

灯織「めぐるが……?」

摩美々「ま、あくまで私の想像でしかないんですけどねー。それでも、あの映像に違和感を感じたのは事実だよー」

(……)

(……もし、仮に。もし仮に……あの事件の真相が違っていて、私がめぐるを殺害したのでなかったのなら)

灯織「……摩美々さん、我儘を一つ言ってもいいでしょうか」

摩美々「んー?」

灯織「……もう一度、私と一緒に戦ってはもらえませんか?」

摩美々「……ふふー、望むところですよー」


691: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:33:38.92 ID:PKHgrFLn0


__

____

_______

カンッ カンッ カンッ

そしてまた暫くの時間が流れた。
鉄の足場を掴んでは離して下へと送り、また上から足場が降りてきてそれを掴む。
何度も何度も同じ作業を繰り返すだけの時間、視界の一切も変わらない時間は妙に長く感じられた。

その長い長い単純作業の繰り返しは……今ようやく終わりの時を迎える。


灯織「……摩美々さん、着いたみたいです」

摩美々「ふー、もう腕も足もガクガクだよー」

灯織「天井の扉、こちらを押し開ければいいんですか?」

摩美々「そうだねー、降りてくる前に鍵は開けといたから押せば開くんじゃないかなぁ」

灯織「わかりました……それでは、いきます……!」


グッと体重を乗せて押し上げた。
分厚い鉄板を切り出したような扉は想像以上の重量で、気を抜くと押し負けそうなほどだ。
奥歯をぎゅっと噛みしめて、飛び上がるようにして一気に押し込んだ。


ガコンッ


その力にこたえるかのようにして鉄板は押しあがり、一気に視界には光が飛び込んできた……!


692: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:36:10.30 ID:PKHgrFLn0

-------------------------------------------------
【トラッシュルーム】

……帰ってきた。
見慣れたような、見慣れないような、そんな不和に充満したこの空間は私もよく知るあの学園の一部屋だ。

灯織「着いた……」


地の底からの生還を喜ぶより先に、その場に倒れこんでしまった。
全身を襲うすさまじいほどの疲労感。手も足ももう棒のようで感覚がおかしい。


(確実に後々筋肉痛になるな……)

摩美々さんも私の後に継いで出てきたものの、むしろ私以上にぐったりした様子だ。床に溶けるように寝そべる様子がなんだかかわいらしい。

灯織「……帰ってこれたんですね」

摩美々「なんとかねー、できればもう地の底にはいきたくないかなー……」


ただ、休む暇など与えてはもらえない。私たちが疲労感に浸り、手足をそこらに伸ばしていたのもつかの間。
見慣れたような、見慣れないような、そんな最悪な存在はすぐにその姿を現した。


693: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:37:21.05 ID:PKHgrFLn0


モノクマ「こらー! なんで生きてんだタコこらー!」

摩美々「うわぁ……もう来た……」

モノクマ「なんだその言いぐさは! ボクだってね、これが仕事なんだよ! 決して学園内の女子高生濃度が上がったからそれをかぎつけてきたとかそういう話じゃないんだからね!」

灯織「はぁ……」

モノクマ「それより! 風野さん、キミもわかってるよね? キミは本来ここにいちゃいけない人間、生きてちゃいけない人間なんだよ」

灯織「……っ!」

(摩美々さんの言ってた通りだ……モノクマはここに私がいることをただ嗅ぎつけただけじゃない……)

(私のことを、殺しに来てる……!)

モノクマ「おしおきは一時失敗しましたがね、今度こそきっちりしっかり執行させてもらいますよ! そうじゃなきゃトッチラケだからね!」

摩美々「灯織、わかってるよね。覚悟を決めるんだよー」

(覚悟……)

(……よし)


694: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:39:09.72 ID:PKHgrFLn0


灯織「モノクマ、私をおしおきする前に一ついいですか?」

モノクマ「ん?」

灯織「本当に、あのクロ認定は正当だったと思っているんですか?」

モノクマ「……なにそれ、どういう意味さ」

摩美々「言葉通りの意味だよ、あの事件は本当に灯織がクロだったと思ってるわけー?」

モノクマ「思ってるも何も、オマエラの推理で導き出した答えがそうなんでしょ! 急に無責任なことを言い出さないでもらえる?」

摩美々「だとしてもだよ、それに考えなしに便乗して灯織をおしおき……まぁ未遂だったケド、それまでしちゃって不正解でしたーなんて、絶対にあっちゃならないよねー?」

モノクマ「うぐっ……で、でもあの事件は状況からみても風野さんがクロで間違いない……」

摩美々「本当にそう? あの爆発の瞬間までめぐるが生きていたかどうか、モノクマは確かめたの?」

モノクマ「うぐぐぐ……」

(さすがは摩美々さんだ……交渉力というか、理で詰めていく凄みは摩美々さんには敵わないな……)

灯織「もし、モノクマがクロをしっかりと把握していない状況下で私を自己判断でクロとして処刑したのであれば……それはルールとして破綻していませんか?」

モノクマ「……オマエラ、自分たちが何言ってるのかわかってるの?」

モノクマ「今オマエラが口にしてるのはボクへのボートク、この合宿生活の管理体制への反発だよ? 特に田中さんはその意味をよく分かってるはずだよね?」

(……!!)


695: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:40:29.98 ID:PKHgrFLn0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

モノクマ「でもさ、今オマエが口にしてるのってこの合宿生活の存亡にかかわる話なわけじゃん?」

モノクマ「ボクのミスだって指摘するんだったら、それに見合うだけの覚悟とリスクを背負ってもらわないと!」

灯織「覚悟と、リスク……?」

モノクマ「田中さんの筋が通らなかったとき、田中さんにはこの合宿生活の存続を妨げた罰としておしおきさせてもらうから!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

摩美々「それはモチロン誰よりも、ねー」

モノクマ「ふーん……ヨユーはシャクシャク。リスクも何もかもわかったうえで、ってことなんだね?」

灯織「もちろんです!」

(……そう、きっとこれはめぐるが私たちのために残してくれた道)

(あの映像の中に見た違和感は、嘘じゃないはず……!)

モノクマ「……よし、わかりました! それならオマエラの上告をボクも受理してあげよう!」

灯織「……!!」

モノクマ「ただし、白瀬さんの事件でも言った通り……もし、この指摘が間違いで、本当に風野さんがクロだと認定されたときにはその責任をとって」


696: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:41:00.49 ID:PKHgrFLn0




モノクマ「二人、いや……全員におしおきを受けてもらおうかな!」




697: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:42:24.10 ID:PKHgrFLn0


灯織「……えっ?」

(全員に、おしおき……?)

灯織「ちょ、ちょっと待ってください! なんでほかの人も巻き込むんですか?!」

モノクマ「だってオマエラの言ってることって学級裁判の否定どころか、ボク自身の管理責任にもかかわる話でしょ? それぐらいのリスクは背負ってもおかしくないよね?」


……めちゃくちゃだ。
そもそもこんな生活に無理やり引きずり込んでいる時点で非は間違いなくあちらにあるというのに、なぜこんな責任まで背負わされねばならないんだ。

不条理を極限まで煮詰めたような理不尽に、一気に血の気が引いていく。
一度振り上げた拳の、その感覚がどんどん遠ざかるような悪寒が全身を襲う。この拳に、全員の命がかかっている……?


そんなの、私は……


698: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:42:51.28 ID:PKHgrFLn0




摩美々「了解でーす」




699: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:43:55.64 ID:PKHgrFLn0


灯織「ま、摩美々さん?!」

摩美々「いいよー、裁判の結果を否定できなければ摩美々たち全員その場でおしおきねー」

モノクマ「うぷぷぷ……随分と思い切りがいいんだね。赤信号、みんなで轢き殺されれば怖くないって?」

摩美々「お生憎ですケド、轢き殺されるつもりは毛頭ありませんのでー」

灯織「摩美々さん、そんなその場の勢いだけで啖呵を切るような真似……」

摩美々「灯織、さっきも言ったケド、“私たち”は灯織に死んでほしくないんだよー? これぐらいのリスク、全員背負う覚悟はしてるんだよねー」

灯織「……!!」

(まさか、私を助けると決めたその時から……?)

モノクマ「やれやれ、勇敢でございますこと! でもそれってさ、蛮勇って言うんだよ? 向う見ずで自分の命を顧みない、さながらギャンブル狂いのようだよね」

摩美々「ギャンブル? ふふー、それだったらむしろ好都合ですねー、摩美々は負ける賭けはしないでおなじみですからー」

摩美々「これが賭けなら、摩美々は勝っちゃいますねー」

(摩美々さん……すごい、モノクマ相手に一歩も譲らない……!)


700: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:45:44.59 ID:PKHgrFLn0


モノクマ「クックックッ……面白い、面白いクマ! オマエラがそれほどの覚悟を持っているというのならボクもそれに答えてやるクマ!」

モノクマ「ボクとオマエラの最終決戦! 次の裁判で雌雄を決すクマーーーーーー!!」

灯織「最終決戦……!!」

モノクマ「風野さんのクロ判定を覆せなきゃおしおき……どうせそれで終わるんなら、もっと大々的なお祭りにしたいじゃない? だからもう一つとっておきの楽しみも用意しておこうかなって!」

摩美々「それってどういう……」

モノクマ「この学園の真実だよ!」

(……この学園の真実……!!)

モノクマ「オマエラはなぜこの学園にいるのか、なぜコロシアイをしているのか、なぜこの学園には他に誰もいないのか、etc…そういう一切合切の謎を全部ここで解き明かしちゃおうよ!」

モノクマ「ビバ! 希望ヶ峰学園・真相編! これは忙しくなるぞーーーー!!」

(な、なんだかすごいことになってしまった……)

(この学園のすべての謎を、この裁判で解き明かす……なんて!)


701: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:46:39.75 ID:PKHgrFLn0


摩美々「灯織、なんだかすごいことになってきちゃってるケド……」

灯織「……」

摩美々「ま、その顔を見ればどうするかなんて聞くまでもないかぁ」

モノクマ「決戦の日は明日! 今日は疲れてるだろうし、ひとまずは体調を万全にしておくことだね! オマエラがどこまでボクに迫れるか楽しみにしてるクマ!」

灯織「……はい」

灯織「モノクマ、いえ……黒幕のあなたこそ覚悟をしておいてください。すべて白日の下に晒されて、己が失態の下にすべてを台無しにする……その覚悟を!」


モノクマは私の言葉を誹りもせずに聞き入れ、そのまま姿を消した。
残された私たち、その体は妙に火照っている。
啖呵を切ったことで血が上っているのはモチロンだけど、それ以上に……
私以外の皆さんが、私のために命をもかける覚悟でいてくれている。その実感が生の熱気を高めてならないのだ。


摩美々「やっぱりこういう展開になったねー、おおむね予想通りだケド」

灯織「やっぱりわかってたんですね……」

摩美々「ひとまず合流しよう、明日の作戦会議もしなきゃだしー」

灯織「は、はい!」


702: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:48:57.65 ID:PKHgrFLn0

-------------------------------------------------
【食堂】

摩美々さんに連れられ食堂に踏み入ると……


智代子「灯織ちゃんだ! 本当の本当に、灯織ちゃんだ!」

雛菜「あは~~~~~! 無事だった~~~~~~!」

愛依「だいじょーぶ?! ケガしてない?!」


すぐに皆さんが駆けつけてくれた。
どうやら摩美々さんを地下に見送った後はここで待機する手はずだったみたい。
でも、今この瞬間まで気が気でなかったらしい。机の上のお茶が手付かずでぬるくなっている。

私たちはすぐにここに至るまでの経緯を説明した。
地下でなんとか食いつないだこと、私の命をモノクマが狙っていること、そしてそれを跳ね除けるための裁判が行われること。
その裁判では学園の真実をも解き明かさねばならないこと。そして、皆さんの命もかかっているということ。


703: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:49:45.59 ID:PKHgrFLn0


だけど、やっぱり摩美々さんの言っていた通りらしい。
そんなリスクは織り込み済み、だったようだ。
チョコ、雛菜、愛依さん……誰一人としてそのリスクを前にして震え上がるような素振りはなく、むしろ決意を新たにしたような面持ちだった。


智代子「いやはや……とうとうこの時が来ましたかって感じだね!」

雛菜「これで勝ったら雛菜たちも学園から出られるんでしょ~? なら頑張るしかないよね~~~!」

愛依「おっし、うち、なんか燃えてきた!」

摩美々「お、頼もしいじゃーん」

智代子「えへへ、摩美々ちゃんが地下に行ってからわたしたちも色々話してたんだ。この学園に来てからのこととか、外の世界のこととか」

雛菜「やっぱり、雛菜たちは外に出なきゃだめだよ~。それが雛菜たちにみんなが託した願いでもあるんだしね~」

愛依「それに、灯織ちゃんを守るためって思うとなんか勇気が湧いてくるし!」

灯織「皆さん……」

智代子「だから大丈夫! わたしたちの命がかかってるからって、変に気負わなくていいからね! 同じリスクを背負って一緒に戦う者同士、結束を高めて参りましょう!」

(すごいな、この学園で過ごすうちに、皆の表情もだいぶん様変わりした……)

(戸惑うばかりだった私たちも、今こうして武器をとれるようになった。これは成長といっても差し支えないんだろうか)


704: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:51:11.51 ID:PKHgrFLn0


雛菜「ね~、それより~」

灯織「……雛菜?」

雛菜「灯織ちゃん、なんだか臭いよ~?」

灯織「えっ」

摩美々「ずっと地下にいたから匂いが染みついてるんじゃないー? ふふー、案外自分じゃ気が付かないものですしねー」

愛依「……摩美々ちゃん、言いにくいんだけど……摩美々ちゃんもちょっとだけ匂う……的な」

摩美々「えっ」

智代子「くんくん……ホントだ! 二人とも雨の中散歩した後のマメ丸やカトレアみたいな匂いがするよ!」

雛菜「この匂い雛菜好きじゃない~~~……」

灯織「ご、ごめん……」

摩美々「……とりあえず、私たちはお風呂にでも入ろっか」

灯織「そうしましょうか……」


705: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:52:52.53 ID:PKHgrFLn0

-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

それから私たちはそれぞれの部屋に分かれ、ひとまず今晩はゆっくりと休むことにした。
明日はモノクマとの対決、どんな展開になるのかわからないし、きっと長丁場になる。
耐え忍ぶだけの体力はしっかりと回復させておかないとだめだろう。

……正直、怖い。
これまでの学級裁判だってずっと命はかけてきたし、合宿生活そのものだって殺されるリスクはあった。

でも、今回はそんな単純な生死のやりとりじゃない。
一度確定した結論をひっくり返し、そのうえですべての謎を解き明かすという難易度の高い要求が為されていて、その上に私たちの命がある。
私に本当にできるのだろうか、その自信があるかといわれると疑問符が浮かぶことは否定できない。

私は弱い人間だ。
もう引くことができないこの状況下で、まだ意志と覚悟とを固めることができないでいるんだから。
引っ張ってくださる皆さんにおんぶにだっこ。
以前摩美々さんは私のことをリーダーだと評してくれたけど、そこに自信が備わっているかといわれると不安はある。


____だから、もう少しだけ私には助けが必要だ。

私は自分の部屋の引き出し、そこにしまい込んでいた“それ”を取り出して、ある場所へと向かった。


706: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:54:51.49 ID:PKHgrFLn0

__

____

_______


「……よし、誰もいない」


別に見つかってもよかったのだけど、この期に及んでまだこれに頼るのかと思われると少しだけこっぱずかしい。
道中誰にも出会わなかったのは幸運かな。

音をたてないように扉を閉めて、ゆっくりと近くの席に腰かけて、そのディスプレイの電源をつけた。
真っ暗な部屋に青白い光が仄かに浮かび上がる。

私がやってきたのは【視聴覚室】。
小糸の事件が起きるきっかけとなった動機ビデオ、それを見たのはこの部屋だった。
ほかには甜花さんの用意したゲームをあのモニターにつないで、ゲーム大会なんかもやったんだったっけ。摩美々さんに勝ったのは我ながら驚いたな。
もうそれも、少し前の記憶。この学園で過ごした時間もかなりになるのが物悲しく感じられてしまう。

そんな悲嘆を押し込むように、DVDプレーヤーに自室から持ち込んだものを読み込ませた。
少しばかりの機械音とともに装置は作動し、画面上にもぷつりぷつりと波が生まれだす。

そして、それは始まった。



707: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:55:59.18 ID:PKHgrFLn0


『大人気のアイドルユニット、イルミネーションスターズ。かわいらしく、華やかな彼女たちにはアイドルのステージが本当によく似合いますね』


画面上に浮かび上がるのは、私たち。
真乃とめぐると私、もう二度と揃うことのない私たちがステップを刻み、必死に歌っている。

そう、これは【動機ビデオ】だ。
私たちのパフォーマンスの映像ののち、プロデューサーの身に危険が迫る映像が流れ、私たちの動揺を誘ったあの映像。

実際この映像の真偽はいまだにわかっていない。
ここに流れている出来事を前にすると心がざわつくことは否定できないけど、今私がここで映像を見ている理由は、そこじゃない。


私は必死に耳を澄ました。
モノクマの悪趣味なナレーションを他所において、その向こうに聞こえる私たちの歌声に耳を澄ませる。

それは確かな厚みと存在感があって、ナレーションを上乗せしたところで打ち消せるようなものじゃない。
真乃とめぐるの確かな“命”がそこに存在している。


708: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:57:19.94 ID:PKHgrFLn0


≪ひらひら 織り重ねている
頭の中 今日までのキセキを
ふわふわ 舞い上がってゆく 
幸せが溢れてしまいそう≫


今となっては随分と昔に感じられる、レッスンの日々。
ずっと隣で聞いてきて、自分の声を重ね合わせて作り上げてきたその全てが鮮明に呼び起こされる。
努力に葛藤、そして歓喜。共に過ごしたどの時間も他に代えがたい大切な宝物だ。
……でも、私はその感傷に浸るために来たわけではない。


≪ひとつのココロは些細なことで
潰されそうにもなるけど
重ね合わせれば 強くなれる そう教えてくれた≫


私はやっぱり弱い人間だ。
一人でモノクマに立ち向かう勇気なんて全く持っていないし、いざそうなっても膝はガクガクで体の震えも止まらないだろう。
今だって、逃げ出したい思いを必死に抑え込んでいる。


709: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 20:58:28.11 ID:PKHgrFLn0


≪大丈夫 泣いたりしないよもう
ちゃんと胸に 刻まれてる
あなたの優しい笑顔≫


それでも、折れたりなんかしない。
絶望がどれほど押し寄せようとも、不安がのしかかってこようとも、私たちには絆がある。
お互いを信じて、背中を託せる仲間がいる。私たちに思いを託してくれた仲間がいる。

……だから、戦える。戦わなきゃ、いけないんだ。


≪奏でるよ 私が 貰ってきた
輝きのハーモニー
ほら スマイルシンフォニア≫


「……真乃、めぐる。ありがとう」

最後まで聞き遂げた私はプレーヤーの電源を落として、部屋を後にした。

本当は、もっとずっと見ていたいし、聞いていたい。思い出の中の記憶に浸っていたい。
でも、二人はそんなことを望んでいないはずだ。
夜空を彩る星が二晩として同じ位置に出ることがないように、私たちの行く道に停滞はない。
星座ごと、夜空ごと、ゆっくりとでも着実に進んでいかなくちゃいけないんだ。


_____最高の輝きは、その行きつく先でこそ生まれる。


710: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:01:00.95 ID:PKHgrFLn0


___

_____

_______


【灯織の部屋】

キーンコーンカーンコーン……

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!』

モノクマ『今日、ついにオマエラとの共同生活も終わる……クックックッ、今日の晩酌が勝利の美酒になるか、敗北の苦汁になるか……ボクもドキがムネムネだよね!』

……ついに最後の朝が来た。
それは間違っても最期ではなく、【最後】。この学園で過ごす上での最後の朝だ。

昨晩は不思議とよく眠れた。寝る前に二人を見たからか自然と心臓の鼓動も穏やかで、むしろ落ち着いてすらいた。
やっと終わらせられるという安堵感のほうが強かったのかもしれない。

「……よし」

鏡の前で身だしなみを整え、大きく息をついた。鏡に映る私は顔色も悪くない、体調は万全みたいだ。


711: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:02:29.94 ID:PKHgrFLn0


ただ、少しばかり表情は硬い。
眉はセメントで固まったのかと思うぐらいに動かず、口元はへの字のアーチがかかっている。


「……これじゃだめだよね」


両の指で口元を吊り上げた。
無理やりに押し上げられた頬はニィっと不器用な微笑みになって、それが自分でも少し滑稽で思わず吹き出してしまった。


「……大丈夫、落ち着いていこう」


信じるべきものを信じて、疑うべきものを疑うだけ。
ちょっとばかり疑うことは苦手だけど、それを補ってくれる“仲間”だっている。

この合宿生活で犠牲になった皆さんの遺志を継ぐためにも立ち向かわないといけない。
その遺志をダイレクトに受け取り、前に進む覚悟を決めた“仲間”だっている。

学園の謎に迫ることで、不安や緊張にかられる場面だってあるかもしれないけど、逃げたりしない。
いつだって皆を気遣って精神の支えになってくれる“仲間”だっている。

協力して謎に挑めば、解けない謎なんてない。
私たちのことを認めてくれて、全幅の信頼を寄せてくれた、そんな勇気ある選択をしてくれた“仲間”だっている。


そんな仲間たちと挑む、いつも通りの戦いだ。何も身構えることはない。


「行こう……!!」


最後に鏡で確認した私の表情は、ほぐれていたと思う。


712: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:04:04.96 ID:PKHgrFLn0

-------------------------------------------------
【食堂】

摩美々「さて、裁判に備えて作戦をしっかりと固めておこうかー。今回の目的は二つ、灯織の無実の証明と学園の謎の解明だよー」

智代子「だったらめぐるちゃんの事件を改めて調べる必要があるよね?」

雛菜「でももう死体も全部片づけられちゃってるよね~?」

摩美々「だから別の方向性で捜査をしていくしかないねー。例えば円香の部屋を調べるとか、そういうのでー」

灯織「可能性はわずかでも拾い集めなくちゃいけませんしね……」

愛依「学園の謎はどーすんの? これまでにも結構学園自体は調べてきたけどあんま手掛かりはなかったよね?」

摩美々「うーん……一応まだ未解禁なエリアはいくつかあったと思うケド……」

モノクマ「はいよ! もちろん解放してあげますよ!」

灯織「モノクマ……!!」

智代子「相変わらず突然だね……」

モノクマ「せっかく最終決戦をやるならフェアにいかないとね。お互い全力を尽くした勝負だからこそ、カタストロフィってあるわけじゃん?」

愛依「肩ローストロフィー……?」

モノクマ「だから情報の出し惜しみはしないよ! この学園の謎を最後まで解き明かしてもらうため、それに必要なものは全て調べられるようにしてあげます!」

雛菜「ってなると~、寄宿舎エリアの2Fが開くの~?」

灯織「あとこの学園で調べてないのはそれぐらいだよね……」


713: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:05:30.11 ID:PKHgrFLn0


モノクマ「チッチッチッ、それだけではございませんよ!」

摩美々「えー? でもこの学園って5階建てって話でしょー? もう階段もなかったし、ほかにどこを調べるっていうのー?」

モノクマ「その認識が間違ってるんでございますな! この学園は確かに地上5階建てですが……地下はまだまだあるんですぞ!」

灯織「え!? 裁判場だけじゃないんですか?!」

モノクマ「そういうわけでございますな!」

雛菜「え~? でも地下に行く階段なんかないよ~?」

(そうだ……地上にある階段は上に上るもののみ……地下階になんかどうやって行けば……)

モノクマ「ま、それは各々頭を働かせてよね! さすがにそこまでは面倒見切れないからさ!」

摩美々「えー……なにソレ、ケチくさー……」

灯織「……となると、当面の方針としては寄宿舎エリアの二階、学校エリア地下階の捜索……ですか?」

摩美々「だねー、特に地下階はこれまでに情報がないから見つけたらすぐに共有するコトー」

智代子「承知しました!」

モノクマ「ま、せいぜい頑張ってチョーダイ! ボクはオマエラをおしおきするための準備を進めておくからさ!」


モノクマはそう言い残すと姿を消した。最後に脅しを入れたつもりだろうか、おしおきなんて文言をわざわざ持ち出して。
ただそれに怯むはずもなく、私たちはお互いの目を見合わせて深くうなずいた。


714: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:06:48.88 ID:PKHgrFLn0


摩美々「……これが正真正銘最後の戦いになるから、出し惜しみなんかしたら承知しないからねー」

雛菜「は~い! 全力で行きま~す!」

智代子「あはは、なんだか雛菜ちゃんが言うと気が抜けちゃうかな」

灯織「ふふっ、でもそれぐらいリラックスしてやったほうがいいかも。変に肩の力を入れると、逆に視野が狭くなっちゃうかも」

愛依「あっ、それ急がば回れってやつ?!」

摩美々「多分違うと思うー……」

灯織「……皆さん、頑張りましょう。絶対に……生きて帰りましょうね」


さあ、ここからが正念場だ。
泣いても笑っても……いや、生きても死んでも、これが最後。
ありとあらゆる可能性を拾い集め、どんなに小さな疑問であってもそれを昇華する。
この学園にあるすべてのものを検討し尽くした果てに残るもの。


_____それが私たちに残された道、黒幕の首筋に突き付けられる唯一の武器になるはずだから……!


715: 導入が長かった……ここから安価になります ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:08:32.85 ID:PKHgrFLn0

-------------------------------------------------
【捜査開始】

今回は捜査の労力もいつも以上だ。
すぐに私たちは個人で別れてそれぞれ別に調査することになった。
そうでもしないとこの学園のすべてを調べ尽くすのは困難だろう。

「ただし、危険を感じた場合はすぐにほかの人の助けを求めるコトー」

摩美々さんはそれだけ釘を刺していた。
もし、万が一ということがあれば私も他の皆さんを頼ることにしよう。


……さて、ひとまずは【寄宿舎エリアの2F】の捜査に、【学校エリア地下階】の捜索をしないとだよね。

寄宿舎エリアの2Fは今すぐにでも調べに行ける。
食堂からも近いし、これまでに一度も踏み入れてない場所。

地下階に関しては特に今のところ手掛かりはないから……とにかく調べ回らなきゃいけない、かな?
でも、地下に行けそうな場所って言うと一つぐらいしか思いつかないような……

-------------------------------------------------
☆最終章における捜査パートについて

最終章は非日常編から開始いたしますが、
新しい調査エリアに踏み込むたびに行動指定安価でコンマ判定を行い、
末尾と同じ枚数のモノクマメダルを手に入れることができます。

自由行動がないのにメダルだけ手に入れても意味がない?

……ん?それでは前回の裁判で手に入れたメダルの使い道がないのでは?
ご安心を、前回の裁判同様開始前に購買パートを挟む予定です。
購買パートで各種裁判を有利に働かせるアイテムを購入することもできますし、
前回習得した八宮さんのスキル【アップ・トゥ・ユー】でもメダルは使うことができます。
メダルの持ち腐れなんてことはございません、じゃんじゃん集めてくださいませ。

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1.寄宿舎エリア2F
2.エレベーターホール

↓1


716: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:09:27.38 ID:1UTcyhAT0

エレベーターホール


717: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:12:32.64 ID:PKHgrFLn0

【コンマ判定 38】

【モノクマメダル8枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…51枚】

-------------------------------------------------
【エレベーターホール】


愛依「あっ、灯織ちゃん! お疲れ~!」

灯織「愛依さん……もしかして、地下階に行く方法を探して?」

愛依「せーかい! 学校の地下に行くと言ったら、やっぱりここしかないと思ってさ! でもショージキ全然手掛かりもなくて困ってたんだよね……」

灯織「……ぱっと見では何もなさそうですね」

愛依「でしょ? なんか謎解きとかならうちは割とお手上げだしさぁ……」

灯織「まあまあ、ここはひとつ諦めずに調査を続けてみましょう。案外発見があるかもしれませんよ」


普段は閉まっている空間ということもあり、私たちが日常生活で偶然に地下階に行ってしまうこともない。
黒幕が存在を隠すならこの上なくうってつけの場所だ。
でも、エレベーター自体は裁判場に行く機能しか私の知る限りでは存在しない。
……ほかに、なにか方法が?
もう一度この部屋を隅々まで調べてみよう……何か新しい手掛かりがあるかもしれない!


1.観葉植物を調べる
2.エレベーターのパネルを調べる
3.置物を調べる

↓1


718: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:14:54.87 ID:FI0JBYoK0

2


719: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:20:49.37 ID:PKHgrFLn0

2 選択
-------------------------------------------------
【エレベーターパネル】

壁に取り付けられたこのボタンを押せば、すぐに扉が開いて裁判場への道が開ける。
でも逆に、それ以外の用途は見えないように思えるけど……?


愛依「……あれ? 灯織ちゃん、こんなところにタッチパネルなんかあったっけ?」


愛依さんの指さした先、そこには彼女言うとおり見覚えのないパネルが鎮座していた。
私たちがこれまで見てきたパネルがスライドしてその下にあったパネルが姿を現しているらしかった。


灯織「モノクマなりの譲歩ということでしょうか……私たちが地下階を見つけやすくなるようにした、とか」

愛依「せっかくならもう直接行けるようにしてくれたら早かった系なんだけど……」

灯織「それはそうですね……」


どうやらこのパネルはパスワード入力式らしい。
今の私たちの状況を見るに、差し詰め『地下に行きたいならこのパスワード』を解いてみろってところかな。
そっちがそのつもりなら私たちだって引くつもりはない。

この程度のパスワード、すぐに解いて地下への道をすぐに暴き出してやる!

-------------------------------------------------
☆学校エリア地下階について

学校エリア地下階に行くためにはパネルにパスワードを入力する必要があります。
パスワードは数字四桁、このエリア内にそれを特定する手掛かりが隠されております。
簡単な謎解き、ショートショート脱出ゲームのようなものとお考え下さい。

学校の謎という真実を解き明かす前に、このささやかな真実を明らかにしてウォーミングアップと参りましょう!
-------------------------------------------------

【謎解きパート開始】

1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる
3.置物を調べる
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


720: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:24:45.11 ID:b8DDtyV00

1


721: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:27:33.89 ID:PKHgrFLn0

※パスワード入力を安価指定する際には合わせて四桁の数字も記載する形でよろしくおねがいします

1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる
3.置物を調べる
4.愛依に相談する(ヒント)

再安価↓1


722: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:29:26.31 ID:b8DDtyV00

2


723: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:31:53.05 ID:PKHgrFLn0

2 指定
-------------------------------------------------
【観葉植物】

部屋に置かれたあまり見なれない観葉植物だ……。
葉っぱには極細い産毛のようなものが立っていてなんとも薄気味悪い。
あまりこれまで触れてこなかったけど、なにか手掛かりがあるのかも……


愛依「もしかして、その植木鉢を調べる感じ?」

灯織「ええ……もしかすると、なにかあるかもしれませんし……」

愛依「オッケー! それじゃあうち、こっち側持ち上げるわ!」

灯織「ありがとうございます、それじゃあいっせーのーでで行きましょう……いっせーのーで!」


思い切ってその鉢を持ち上げてみると……あった。
これは……暗号だろうか?

『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』


灯織「不規則な文字の並び方ですね……」

愛依「んー……なんか意味ありげなスペース、ここが区切りってことなんかな?」

灯織「となると、四つのブロックに分かれていることになりますね」

愛依「4……4……四文字熟語?!」

灯織「そもそも漢字じゃないですね……」

愛依「ありゃりゃ、そりゃそうか……」


でも、重要なキーワードであることは間違いないはず。
しっかりと覚えておいたほうがよさそう。
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


724: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:32:36.05 ID:b8DDtyV00

3


725: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:34:36.27 ID:PKHgrFLn0

3 選択
-------------------------------------------------
【置物】

どこまでも自分のことが好きなんだなと思わずため息が出る。
これ見よがしに置かれたモノクマの銅像は気色の悪いセクシーポーズを決めている。
しかたない、これも捜査のためだ……
自分にそう言い聞かせて四方八方から見つめると……銅像の碑文に見せかけたプレートが実はそうではないことを発見した。
これはきっと……地下階に向かうために必要な手がかりだ。


『問26 8×3 余りは切り捨て』


灯織「これは算数の計算式……でしょうか……」

愛依「あちゃー……うち数学とか苦手だなぁ……」

灯織「愛依さん、落ち着いてください。数学じゃなくて算数です、できないと困るレベルの問題ですよ」

愛依「ホントだ! うち、これならわかるよ! 答えは24! ……ってあれ? 余り……?」

灯織「……どういうことなんでしょうか、掛け算に余りなんか生じないはずですが」

愛依「それに、問26って何? うちら、そんなに問題解いてきたっけ?」

……こうなったら、これは算数としてみない方がいいのかも?
何か別のメッセージでもあるのかな……?

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


726: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:35:16.43 ID:FI0JBYoKo

4


727: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:39:19.12 ID:PKHgrFLn0

4 選択

灯織「愛依さん、どうでしょう……地下に行くためのパスワード、わかりますか?」

愛依「うーん……現状はサッパリかなぁ……観葉植物と置物、これ以外に調べるものは特にないし、【材料はそろってる】系だと思うんだけど……」

(愛依さんの言うとおり、この部屋でほかに目につくものはない)

『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』

『問26 8×3 余りは切り捨て』

(この二つでパスワード自体は導き出せるんだろう……)

愛依「でも、この暗号意味わかんないんだよね……よく家族で見るクイズ番組だと、問題文を別の見方すると新しい意味になる……とかありがちなんだけどね」

(別の見方……)

(算数の問題……これって本当に問題なのかな……)

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


728: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:43:59.72 ID:1UTcyhAT0

4


729: ◆zbOQ645F4s 2021/09/30(木) 21:48:46.80 ID:PKHgrFLn0

4 選択

愛依「ねえ、灯織ちゃん? ここまでで算数の問題なんか解いたことってあった系?」

灯織「い、いえ……特に身に覚えはないですが……」

愛依「じゃあ、なんでこの問題【26問目】なんだろう……ほかに問題なんかないのに……」

(26問目……そう、それが妙なんだよね……)

(1問目や2問目じゃダメだったのかな……? なにか26という数字に意味があるんだろうか……?)

(身近にある、26という数字から考えてみるのがいいかも……)

愛依「てか、8×3のケーサンも割と答えは26に近いよね」

灯織「……確かにそうですね、24ですからその差は2……」

(もしかして、余りって……?)

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


730: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/30(木) 21:54:18.05 ID:1UTcyhAT0

4


732: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 20:55:01.65 ID:/fY6YMbW0

昨日は申し訳ありませんでした、謎解きの最中に電話が来るとは思わず……
愛依のヒントより再開しますが、一日経ちましたしもう皆さん答えは分かったかもしれませんね。

-------------------------------------------------
4 選択

愛依「あっ!うち、分かったかも……26って、アルファベットの総数と全く同じなんじゃん?!」

灯織「Aから数えてZまで……確かに全部合わせると26ですね」

愛依「問26って、アルファベットを使う問ってことなんだ!」

(アルファベットを使う問……!)

灯織「それと先ほども話したような、8×3に対する考察を含めると……」

愛依「アルファベットの総数との差は2……これが余りなんだとしたら、最後の二個を切り捨てる……的な?」

灯織「アルファベットの順序で言えば、YとZ、ですかね……?」

愛依「YとZ……YとZ……あれ?! よくみたらこっちの暗号にもYとZが出てきてないよ?!」

『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』

灯織「……どうやらここまでの推理は間違っていないようですね……!」

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


733: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 21:03:12.10 ID:unkD6adb0

4


734: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:10:42.36 ID:/fY6YMbW0

4 選択

灯織「……8×3、これが計算式でないのは薄々感じていましたが……」

愛依「列と行にしろってことだったんだ……!」

AIQ
BJR
CKS
DLT
EMU
FNV
GOW
HPX

愛依「うーん、でもこれじゃまだよくわかんないよね……」

灯織「愛依さん、算数の基本です! 掛け算は左右を入れ替えても問題ない、ですよね!」

愛依「そっか……!」

AB CD EF GH
IJ KL MN OP
QR ST UV WX

愛依「あ、こっちのほうが……なんか、見えてきそう……!」

灯織「アルファベットを8×3(3×8)に整列させて、あまりのYとZはないものとして考える……プレートのメッセージはそれを指していたんです!」

愛依「てなると……あとは、あの暗号だけだね!」

『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)

↓1


735: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:31:01.50 ID:/fY6YMbW0

30分が来たので一部修正
ヒントとしてもさっきのが出せるのは最後になるかなといった形なので
4を自動進行にして再安価

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(自動進行)

↓1


736: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 21:34:09.17 ID:unkD6adb0

1.パスワードを入力する【1234】


737: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:36:02.45 ID:/fY6YMbW0

1 選択

【1234】

灯織「とりあえず入れてみましたが……」

ブブー!

灯織「さすがに違いますね……」

愛依「まぁこれで通ったらセキュリティがガバいって感じだよね……」

(うーん……あと少しまで、出かかってるんだけどな……)

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(自動進行)

↓1


738: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 21:42:19.90 ID:unkD6adb0

1.パスワードを入力する【1331】


739: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:44:27.87 ID:/fY6YMbW0

1 選択

【1331】

ブブー!

灯織「これも違うみたいですね……」

愛依「うーん、さっきの暗号をやっぱ読み解かなきゃいけない系だよね……?」

灯織「8×3で作った表、あれにも意味があるはずなんですが……」

-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(自動進行)

↓1


740: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 21:45:30.05 ID:ahL0JSiRO

パスワードを入力する 0816


741: ヒントなし版のテキストになるので一部かぶります、ご容赦ください ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:47:01.22 ID:/fY6YMbW0

1 選択

『0816』

ピピッ 

よかった、正解みたいだ。
なんとか導き出したパスワードを入力するとその液晶は緑色に光り、部屋のそこら中から駆動音が聞こえてくる。
これでようやっと、この学園最後のエリア・地下階に行けるようになる……!


愛依「灯織ちゃんスゴ! なんでパスワードわかったん?!」

灯織「いえ、そう難しいものではありませんでしたよ。あの算数の問題を、別の形のものだと捉えなおすとすぐに結論にたどり着けました」

愛依「算数の問題を……?」

灯織「3×8の計算式。あれは計算式ではなく、集合の形式を現していたんです」

愛依「シューゴー……?」

灯織「……ほかのところから説明いたしますね。問26、あれは問題番号が26なのではなく、『26』という数字がまつわる問いだという意味なんです。身近なもので26というと何か思いつきませんか?」

愛依「んー……?」

灯織「……アルファベットです。AからZまでその総数は26。これを3×8の形式で並べなおします」

愛依「……あっ! 余り2ってそっから?! 26個のものを3×8で並べなおすから!」

(よかった、なんとかついてきてくださっているようだ)

『アルファベットは26個存在しているが、これを無理やり3×8で並べなおす。その時発生する末尾のあまり2個の文字、YとZは【切り捨て】=【なかったもの】とする』

灯織「この規則に従って並べなおすとこのようになります」

AB CD EF GH
IJ KL ML OP
QR ST UV WX

愛依「……あれ、この並びって!」

灯織「そうです、ちょうど四分割すると、それぞれのブロックと重なるような並びになって植木鉢下の暗号と合致するんです。あとはあの暗号の通りにアルファベットをなぞっていくと……」

『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』

愛依「……あっ、『0816』!」

灯織「そう、ちょうどその軌跡が数字を現すことになるんです。デジタル時計と同じ要領ですね。それに従ってパスワードを入力すれば、無事解決といったところです」

愛依「は~……すっご、よく考えつくわ」

灯織「そんな……大したことないですよ」


742: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:48:05.91 ID:/fY6YMbW0


べた褒めする愛依さんを前に謙遜していた、その時だった。
ついに準備が整ったらしく、地下階への入り口が開かれた。

……想定外の形で。


ドッカーーーーーーーン!!


愛依「え、えええええ?! か、壁が崩れ落ちたんだけど?!」

灯織「み、見てください愛依さん! あそこ、階段が見えます……下に下る階段が!」


てっきりエレベーターの行く先に地下階が追加されるものだとばかり思っていたけど、当てが外れた。
いや、モノクマならこういう意味のない裏の掻き方をしてくるものだとわかっていたのに。
すっかり騙されてしまったことが少し腹立たしい。


愛依「うち、みんなを呼んでくるね! 地下に行く階段が見つかったって!」

灯織「あっ、愛依さん……行っちゃった」


愛依さん、すっかり張り切って……制止する間もなく行ってしまった。
まだ崩れ落ちたばかりの壁からは砂煙が舞い上がっている。
……でも、私も愛依さんほどではないがどこか体が舞い上がっているようで落ち着かない。
この砂煙が収まるまで、なんて待っていられないのだ。


「……よし」


私ははやる気持ちを抑えることも知らず、そのままその中へ飛び込んでいった。


743: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:49:26.38 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【学園地下階】

突如として現れた階段を下っていくと、ついにこの学園の最後のエリア・地下階にたどり着いた。

学園の地上階は一応は学園としての体裁を守ってはいた。
教室然とした教室に、実際学校といえばで名前の挙がる専門教室の数々。
希望ヶ峰学園という高次元の尺度でそれらが再現されていた。

……にも拘らず、地下階はそれらを鼻で笑うような。


「……なに、これは」


形容するなら研究所とでも言おうか。
あの目にどぎつい発色の電灯は廊下にも点灯していない、白を基調とした清潔感すら漂う内装。
それでいてどこかゴージャスな雰囲気もある装飾が為されている。正直地上とはまるで同じ建物とは思えない、こちら側が黒幕の趣味ということなのだろうか。

そんなこれまでにない雰囲気に気圧されながら、私は地下階の探索を開始した。

さて、どこから調べようか……

-------------------------------------------------
1.中央制御室
2.モノクマプライベートルーム
3.おしおきメンテナンスルーム
4.トレーニングルーム
5.技術開発室

↓1


744: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 21:49:47.25 ID:ahL0JSiRO

1


745: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:52:50.87 ID:/fY6YMbW0


【コンマ判定25】

【モノクマメダル5枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…56枚】

-------------------------------------------------
【中央制御室】

地下階の文字通り中央に構えているのがこの大きな部屋。
円柱状のその間取りをはじめ理解しがたかったが、実際に足を踏み入れてみると即座にその意味を理解する。

この部屋は、学園の中枢なのだ。
私が十人以上縦に並んでも足りないだろう巨大な発電機が堂々と鎮座し、そこから枝分かれするような無数のケーブルが壁に接続している。
この学園の設備ははっきり言って規格外だ。
高校、大学、研究施設……そんなどころの話ではない、下手すれば一自治体レベルの電力が必要になるやもしれない。

それをこの発電機一つで賄っているんだろう。


モノクマ「どう? すごいでしょ、これがこの学園の心臓……中央制御室だよ!」

灯織「……やっぱりそうなんですね、この学園の設備はすべてここで?」

モノクマ「うん! 原動力となる電力はこいつが生み出してるし、ここから機械も制御できるよ? 試しに空気清浄機を暴走させて学園を真空にしてみようか?」

灯織「や、やめてください!」

(……まったく、油断も隙もありゃしない)


ひとまずこの学園にいるうちはこの部屋で暴れたりはしない方がよさそう。
巨大な発電機からは一度離れて、周囲を調べることにした。


746: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:55:15.93 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【ジェネレーター】

部屋には中央の発電機から直接電力を引いている機械が置いてある。
これまた規格外のサイズ……だけど操作するモニターはかなり小さなものだ。触っては見たけど反応はない。
何かライセンス的なものが必要みたい。


「……あれ?」


操作はできないものの、ある程度いじることはできる。
手の届くところには透明なフィルター、その取っ手を引くとすんなりと開き……見覚えのあるそれが姿を現した。

これは……【思い出しライト】だ。
私たちがこの学園に踏み入る際にモノクマに奪われていた希望ヶ峰学園と第78期生の記憶。
それを取り戻すきっかけになった機械なんだけど、なぜこんなところに?
モノクマはここからこのライトを持ち出したのだろうか、と改めて機械を観察すると操作盤とは別にまたモニターを見つけた。
しかもこっちは点灯していて、何か文字を読むことができる。

『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』

……これって?

コトダマゲット!【思い出しライト】
〔照射した相手の記憶を呼び起こす不思議なライト。中央制御室の一角に落ちており、その近くの装置のモニターには『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』とあった〕


747: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:57:09.94 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【マザーコンピューター】

正直なところ、触れるか触れまいかずっと悩んでいたんだけど……
この部屋には明らかに異質なものがもう一つ。
それはなんなら超巨大発電機よりも存在感を放っていて……今にもこちらに話しかけてほしそうに視線を寄せているのだ。

『巨大なモノクマの頭部』、そうとしか形容のできない物体がコードに繋がれている。


『おーい! いい加減ボクにもかまってよ! ここに人が来るなんてめったにないんだしさ、お話の相手ぐらい……ねえ、いいでしょ?! ウサギとモノクマは寂しいと死んじゃうんだよ?!』

灯織「うさぎが孤独だと死ぬなんてデマカセですよ……ただ病気が他の動物に比べてわかりづらいから飼い主が放っておくと死んでしまうケースが多くて、そこから誤解されたそうです」

『おっ! やっとこっち向いてくれたね! お話、お話ししようよ!』

(……しまった、ついマメ知識を披露してしまった……)

(まあ、いいか……どうせこれも調べる予定ではあったんだし)

灯織「……雑談の相手をしている暇はありません、我々の調査に協力していただけるなら少しの間聞き取りということで応じることはできますが」

『チェー、なんだか事務的だなぁ……風野さんって、情報通りの人なんだねー』

灯織「……情報?」

(今、何か気になることをこぼしたような……)


748: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 21:59:26.68 ID:/fY6YMbW0


(というか、このモノクマ……なんだか様子がおかしい、私たちが普段接するモノクマとまるで人格が違うような……そこまで不快感のない人懐っこさがあるというか……)

『うん、ボクはオマエラコロシアイ合宿生活の参加者全員のデータはインプットされてるけど、逆に言えばデータでしかオマエラのことを知らないんだ』

灯織「……あなたは黒幕とはまた別の存在、ということですか?」

『うーん……まあ、そういうことになるのかな? いや、でも黒幕って言えば黒幕なのかな……』

灯織「なんだか随分と歯切れが悪いですね……」

『うん、風野さんの言う黒幕の定義が今の文脈からではわからないんだ。ボクはこの学園の管理系統を指揮している、その意味合いでは黒幕ともいえるけど……コロシアイ合宿生活に招集した張本人ではないから、その意味合いでは黒幕ではないんだよ』

灯織「……え?」

『うーん、せっかくこの部屋に来てくれたお客さんだから正確な回答をしたいんだけど……なんだか難しいなぁ』

灯織「ちょ、ちょっと待ってください!? い、今あなたは……この学園を管理している、そう言ったんですか?!」

『うん、そうだよ。なんたってボク、モノクマはこの学園の学園長なんだからね!』

(それって……黒幕がすべてを管理していたわけではないってこと……?)

灯織「すみません、あなたの言う学園の管理、もう少し詳しくうかがえますか?」

『うぷぷぷ……興味津々って感じだね。いいよ、なんだかボクも話すのが楽しくなってきたところだから!』


749: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:00:43.10 ID:/fY6YMbW0


『このコロシアイ合宿生活の黒幕は当然だけど風野さんと同じく人間だからね。どうしても体力には限界があるし、休憩が必要になるタイミングがあるんだよ。だからそういうときに学園の監視を行っていたのはボクになるね!』

灯織「……! それはつまり、深夜などのタイミングなどは黒幕本人は監視していなかったってことですか?!」

『そうだね……一応、事件や異常が起きたら報告するプログラムになってるけどね。それ以外の情報は基本的にボクが預かる形かな。誰かが誰かを殺したり、脱出のために学園設備を破壊したり、そういうのはすぐに緊急事態として報告することになってたんだ』

(……それって、深夜なら一部黒幕の監視を免れることができたってことなんじゃ)

『あとはどうしても人間の力じゃ難しい物資の補給とかかな。黒幕の正体がうっかりばれてしまうリスクもあるし、ボクの管理のもとオートメーション化されてたんだよ、エッヘン!』

(……よくよく考えてみたら当然のことだ。もうここでの生活は一か月にも及ぶ。それを人間一人で管理しきれるはずがない)

(なら、必然的にそこに付け入るスキは生まれるはず……!)


コトダマゲット!【コロシアイ合宿生活の運営】
〔コロシアイ合宿生活の運営はすべてがすべて人力で行われていたわけではない。物資の搬入などはオートメーション化されており、深夜の監視は黒幕自身は行わずAIに任せていた〕


750: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:02:44.51 ID:/fY6YMbW0


灯織「ありがとうございます、大変有意義なお話が聞けました……でも、いいんですか? あなたは黒幕の側のコンピューターなのでは……?」

『大丈夫大丈夫! ボクは別にどっちの味方でもないんだ、だってそうでしょ? 完全に黒幕の側ならこんな情報を話しもしないし、キミたちの味方ならとっくにこの学園系統をすべて停止させて玄関ホールの扉だって開けてる』

『ボクはただ、このコロシアイ合宿生活を観測し続けるだけのAIなんだよ。本当にそれだけさ』

灯織「……なるほど」

なんだか不思議な体験をした気分だ。自立思考するAIとの会話なんて、テレビの中でしか見なかった……それでいえば貴重な体験なのかもしれないけど。ただ、このAIは本人が言う通り私たちにとって敵でも味方でもない。
私がすべきなのは、この体験に歓喜することでもAIに同情することでもない。
得た情報を使うべき使い方をするだけのことなんだ。

……だって、ほら。振り向いたらマザーコンピュータは黒幕と全く同じ笑みを浮かべているんだから。

-------------------------------------------------

この部屋で調べられるのはこれくらいかな……?
少しでも真相に近づけているならいいんだけど……

1.モノクマプライベートルーム
2.おしおきメンテナンスルーム
3.トレーニングルーム
4.技術開発室

↓1


751: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:03:52.13 ID:unkD6adb0

2


752: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:07:12.28 ID:/fY6YMbW0

【コンマ判定13】

【モノクマメダルを3枚獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…59枚】

-------------------------------------------------
2 選択

【おしおきメンテナンスルーム】

部屋の名前を見た時から、背中に悪寒が走っていた。
真乃、樹里、霧子さん、凛世、そして私。
5人の人間に牙をむいて、私を除いた全員の命を奪ってきた最悪の存在。
それを管理し、維持するためだけに存在する空間。
今すぐにでも爆弾を放り込んでめちゃくちゃにしてやりたくなる。
この部屋にいる限り、彼女たちの死が心臓を内側から刺してならないから。

でも、この痛みをぐっとこらえて調査を進めるしかない。
私には武力も、黒幕を凌駕する知力もないから。

____それが彼女たちの死に報いる唯一の筋道だ。


753: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:08:58.47 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【おしおきセット】

「…………」

真乃が命を落としたステージセットだ。
私たちがこの学園で最初に目撃することになった、『おしおき』……その光景は今でも焼き付いている。
おしおきの進行とともにステージと衣装とが華やかになっていき、最終的にはカラスに目をつけられて、その輝きごと啄み殺される。
私の目の前にある衣装セットにも真乃の流したであろう血液の赤黒いシミがついたままになっている。


「…………」

樹里のおしおきに使われた放クラの皆さんのお面だ。これをつけたモノクマたちに樹里は袋叩きにされて、その結果……
彼女が最期の最期、その一瞬まで仲間のことを思って戦い続けていたことを私たちはこの先一生忘れることはない。


「…………」

霧子さんを絞め殺した巨大なモーターだ。先端に取り付けられた棒にその体を拘束され、高速回転で帯を巻き取り、最終的には窒息死。
霧子さんは、人格を破綻させて事件を起こしてしまったし、おしおきの最中でさえもそれは変わらなかった。彼女は最後に、何を思っていたんだろう。


754: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:11:10.40 ID:/fY6YMbW0


「…………」

凛世が切腹に使おうとした短刀だ。
彼女は事件に踏み切るうえでとてつもない覚悟をしていたというのに、モノクマはそれを一蹴して、踏みにじるようなおしおきを行った。
あのとき、頬を撫でた爆風の冷たさがまだ感触として残っている。


「…………」

そして、私を裁断して殺そうとした巨大なカメラのシャッター。
もはやシュレッダーにも近しい鋭利な切断面、もしこれをまともに受けていたら私は骨一つとしてまともに残ってはいなかっただろう。
こうして遠目に見ているだけでも寒気が押し寄せる。


……この部屋には、この学園でこれまでに起きた事件がそのままに写し取られている。
この機械に命を奪われた彼女たちの苦悶と葛藤、それが空気中に漂い、呼吸をするだけでむせ返るような思いだ。

だけど、それに目を背けてはいけない。
死の証というのは裏を返せば彼女たちの生きた証でもある。
彼女たちの流した血は、彼女たちの味わった苦しみは、彼女たちの抱え込んだ絶望は、彼女たち自身を形作る要素の一つであることは否定できないのだ。


今ひとたび、そんな彼女たちに触れたことで一つ想起されたものがある。それは、【コロシアイの動機】だ。
彼女たちが事件を起こすきっかけ、命を落とすきっかけとなった事件の動機。

思えばモノクマはあの手この手でコロシアイに精力的でない私たちを無理やりに動かしてきた。
あれには、ただ動機としての意味以上のものを感じてしまう。ただコロシアイをさせたいだけなら食料を取り上げたり、睡眠を奪ったりしてしまえばいい。
そうではなくあくまで私たち自身の葛藤の中から殺意を引き出したことには何か目的意識があったのではないだろうか。

……もう一度、【動機】は確認しておいたほうがいいかも。


-------------------------------------------------

【捜査パートの行先に学園長室が追加されました!】


755: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:13:20.96 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【管理者コンピュータ】

おしおきセットはいずれもケーブルのようなものと繋がっており、この一つのコンピュータで制御されているようだ。
専門的な装置なのだろうか、妙に仰々しい設備で触るのが少し気が引ける。

少し操作してみたけど、基本は私たちの良く知るコンピュータと相違はない。
インターネットには接続していないようで、データの保管とこれらおしおきセットの管理が目的のものらしい。

……流石におしおきセットをいじる気にはならない、保管されているデータを確認することとした。
中で確認できるデータは、一つのファイルのみ。しかも中身が暗号化されていて読むことができない。わかるのはそのファイルの名前のみだ。

暗号化されたファイルにも一応の目は通す。
データ自体は解析不可能、特殊な操作やパスワードが必要みたい。現状わかるのは、そのファイル名のみ。

ファイルの名前は……『方舟計画』。
方舟と聞くと、神話の『ノアの方舟』をすぐにイメージするけど、これって一体……?


コトダマゲット!【方舟計画】
〔おしおきメンテナンスルームのパソコンに隠されていた謎の計画のファイル。詳細は一切不明〕

-------------------------------------------------

この部屋で調べられるのはこれくらいかな。
……あんまりここに長居はしたくない、ほかのところに行こう。

1.モノクマプライベートルーム
2.トレーニングルーム
3.技術開発室

↓1


756: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:15:41.24 ID:unkD6adb0

3


757: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:18:35.51 ID:/fY6YMbW0


【コンマ判定24】

【モノクマメダル4枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…63枚】

-------------------------------------------------
【技術開発室】

機械の駆動音が響き渡る中鼻を刺すのは化学薬品の香り。
かと思えば窓の向こうには手術台の姿が見える。一体ここは何を研究している場所なんだろうか、ジャンルがまるで分らない……


摩美々「とにかく詰め込みましたって感じだよねー……あんなたいそうなロボットアームじゃ手術なんかできないでしょー……」

灯織「摩美々さん……いらしてたんですね」

摩美々「まあねー、灯織が地下階見つけてくれたんでしょー? お手柄じゃーん」

灯織「い、いえ……そんな……」

摩美々「この部屋にも何かしらの手掛かりはあるだろうし、とりあえず協力してあそこでも漁ろうかぁ」


摩美々さんが指さした先は研究設備とはまた別の区画。
どうやらここで行われている研究について詳細に記した報告記録が集積されているらしい棚だ。
パラパラとめくっていくとどこか見覚えのある内容がちらほら。


摩美々「科学室の薬品ってここで作られてたんだねー、薬品A・Bの調合記録なんかもあるよー」

灯織「空気清浄機の整備記録もありますね……ロボットに改造した時の記録まで」

摩美々「……あれ、なんだったんだろうねー」


こちらの報告記録も化学も物理もないまぜになっていてまるでまとまりがない……
頭痛がしそうな記録を眺めているうちに、あるページに行きついた。ここに書いてあるのは……どちらかというと“生物”の内容みたい。


758: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:20:44.92 ID:/fY6YMbW0


『我々の開発も一定の成果をあげた。マウスによる生体実験も無事に成功、いよいよ続いての段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。彼女はもとより性格面で類似性があったためか、特に拒絶反応も発生することなく実験も成功した』

摩美々「『神経系統に基づく移植実験』……?」

灯織「これって一体……?」

摩美々「……なんだか変な記述だよねー、マウス実験の後の臨床実験っぽいケド」

灯織「はい……【性格面】だなんて、精神科の診断か何かでしょうか?」

摩美々「【全被験者への適用】……【性格面で類似性】……」

摩美々「なんか、藪蛇な気分だよー……なんか嫌な予感がする……」

(……なんなんだろう、この報告書は)

(摩美々さんの言うとおりだ……書いてあることはまるで理解できないのに、なぜか胸のあたりがざわつくような……)


コトダマゲット!【被検体α】
〔我々の開発も一定の成果をあげた。マウスによる生体実験も無事に成功、いよいよ続いての段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。彼女はもとより性格面で類似性があったためか、特に拒絶反応も発生することなく実験も成功した〕

-------------------------------------------------

この部屋で調べられるのはこれくらいかな。
なんだか情報が得られたような、そうじゃないような……

1.モノクマプライベートルーム
2.トレーニングルーム

↓1


759: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:22:02.07 ID:unkD6adb0

1


760: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:24:57.32 ID:/fY6YMbW0

1 選択

【コンマ判定07】

【モノクマメダル7枚を手に入れました!】

【現在のモノクマメダル枚数…70枚】

-------------------------------------------------
【モノクマプライベートルーム】

学園内でも異質な地下階、その中でもさらに異質な部屋がある。
というよりもこれは場違いといったほうがいいだろうか。
胃もたれがしそうなほどにゴテゴテの装飾が為された扉にはへたくそな字で『モノクマの部屋』と書かれている。
これ一つで雰囲気ぶち壊しもいいところだ。


「……はぁ」


その残念なデザインセンスに対する失望なのかなんなのか。自分でもよくわからないため息とともにその扉を開けた。


「……うわぁ」


中に入ると更にどぎつい。床、壁、天井。360度すべてを覆い尽くすモノクマの顔。
世界一のナルシストでもなかなかこうはいかないだろうに、よくやるものだ。


モノクマ「ようこそ! ボクの勝負部屋へ!」

灯織「……はぁ」

モノクマ「はぁって何さ! なんなのさ! この部屋でボクがどれほど激しいプレイをしてきたと思ってるんだ!?」

灯織「ぷ、プレイ……って……やめてください、そういうの……」

モノクマ「ん? ボクはプレイとしか言ってないよ? ただちょっと格闘ゲームの“プレイ”が熱くなりがちだって……そういうお話なんだけど?」

灯織「……」

モノクマ「むきー! なんだよ、冷たいな! せっかく人がセクハラ弄りしてやってるのに!」

(……地獄だ)


761: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:26:18.02 ID:/fY6YMbW0


ガチャ

雛菜「あれ~? 灯織ちゃんだ~!」

灯織「雛菜……雛菜も捜査の途中?」

雛菜「うん~! 地下室がいけるようになったって聞いたから~、それでこの部屋に来たんだけど~?」

モノクマ「市川さん、ようこそボクのしょ___」

雛菜「なにこれ~! この部屋気持ち悪い~~~~~~!」

(……あっ)

雛菜「なんだかこの部屋に長くいたくないかも~、雛菜もう行くね~……」

灯織「えっ、ちょっ……雛菜?!」

モノクマ「」

(……二人きりにされてしまった)


なんとも気まずい思いだけど、モノクマが精神崩壊している今のうちに調べさせてもらおう。
モノクマの個人部屋だというなら、何か手掛かりはあるかもしれないし……


モノクマ「」


モノクマ自身に話を聞くのもありなんじゃないかな……


762: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:28:20.49 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【アルバム】

手に取ってまず後悔した。部屋の節々から感じてはいたけど、ナルシストとかいうレベルの話ではなく自分に酔っている。
幼稚園のスモックを着ているモノクマ、サッカー部のユニフォームを着ているモノクマ、成人式でがちがちの袴を着ているモノクマ、マイクロビキニを着ているモノクマ……
どれも悪趣味な写真ばかり。あまり人の思い出に文句を言うものではないけど、深いという言葉をつけずにはいられない。
それでもこれも調査のうちと自分に言い聞かせてページをめくると……

助かった。ちゃんと有益な情報だ。

モノクマの写真の数々はカモフラージュ。木を隠すなら森の中、写真を隠すならアルバムの中。
モノクマの醜悪な写真には途中から私たち自身の写真が混じるようになっていた。

「……なに、これ」

しかし、その写真の悉くに見覚えがない。
恋鐘さんと屋外で料理をしている写真、果穂と川で草の船を浮かべて遊んでいる写真……樋口さんと一緒にバーベキューを食べている写真。
それは何も私だけではない、めぐるがあさひと一緒に木登りしている様子なんかこれまでに見たこともない。
ほかにも摩美々さんが冬優子さんにいたずらを仕掛けている写真なんかもあるし、283プロの全員が写真に登場しているのだ。
特に加工や編集がされたような痕跡も残っていない、この写真は素人目に見ても本物。それなのに、当の本人に記憶がないというのもおかしな話だろう。

そして、最後に見つけた写真は……

「真乃と、小糸の写真……これって」

-------------------------------------------------
灯織「写真……?誰が撮ったんだろう……?」

そう、純粋な興味で私はその写真を手に取った。
この学校に関係するものだろうか、外の世界に関係するものだろうか。ただそれだけの興味だった。
でも、そこに残されていたのは。

(……え?)

_______真乃と小糸が二人で料理をしている写真だった。

(……な、なんで?)

めぐる「こ、これって……?」

モノクマ「わーーーーー!!なに見てるのさーーーー!!」

-------------------------------------------------
あの時、美術倉庫でモノクマに回収された写真そのものだった。


コトダマゲット!【キャンプの写真】
〔灯織を含む283プロ全員が登場しているキャンプの写真。加工編集がされたようには見えないが、灯織たちにその記憶は全く存在しない〕


763: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:29:48.79 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【モノクマ】

……この合宿生活を引き起こした諸悪の根源。
私たちの命をそのエゴで奪い去り、人生そのものを勝手に踏み荒らしてきた憎き存在。
だが、この学園で唯一すべての真相を知る存在でもある。
それなら、話を聞かない理由はない。私たちが真実に少しでも近づくため、勝利をもぎ取るためにも……なんとしても有効な証言を引き出してやる!


灯織「モノクマ!」

モノクマ「」

灯織「話してもらいますよ……この学園の真相について……少しでも!」

モノクマ「……は!? しまった、センスを否定されたショックで思わず三途の川を反復横跳びしてしまっていた……!」

灯織「死にかけてるじゃないですか……そ、そんなことより! あなたにお伺いしたいことがこちらは山ほどあるんですよ!」

モノクマ「だろうね、ボクの魅力的なボデェを前にしたら質問の一つや二つや三億ぐらいは湧いてくるよね!」

灯織「モノクマ自身のことはどうでもいいです、それより学園生活についてです!……どうしてあなたは私たちをこの学園に集めてコロシアイをさせたんですか?! なぜ私たちを選んだんですか?!」

モノクマ「なんだよ、どうでもいいってさ。いじけちゃうよね、チェッ!」

灯織「誤魔化さないでください、今回ばかりは逃がしませんよ!」

モノクマ「むむむ……シリアスモードの風野さんはいつも以上にノリが悪いぜ……」

(モノクマの小ボケにいちいち反応している暇はない……!)

(一歩も引くな、風野灯織……!)


764: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:31:15.98 ID:/fY6YMbW0


モノクマ「……はぁ、しょうがないね。核心的な部分は教えてあげれないけどさ、オマエラを選んだことには確かに明確な理由が存在するよ!」

灯織「……! もちろん、聞かせてもらえるんですよね?」

モノクマ「いいかい? コロシアイ合宿生活に参加できるのはあくまで現役の高校生のみなんだ。だからオマエラ283プロダクションの人間でもお姉さん方やお子さん連中は参加できないんだよね」

灯織「それはこの生活が始まるときにも言っていたことですよね?」

モノクマ「うん、宣言したね。そしてこれこそがオマエラを参加者に選んだ理由でもある。オマエラが現役の高校生で、かつ283プロダクションのアイドルだったから……これ以上でもこれ以下でもないよ!」

灯織「……え?」

モノクマ「だからこの15人でなくてはならなかったってことだね! ほかの人間では替えが利かないんだよ!」

灯織「ちょっと待ってください、これじゃ前に伺ったのと何も変わらな……!」

モノクマ「まあもっといろいろ知りたいって言うんなら図書室の書庫でも調べればいいんじゃないかな? 現役の高校生アイドルにこだわった理由を推理するヒントになるかもね」

灯織「と、図書室の書庫……ですか……?」

モノクマ「今ボクからいえるのはこれぐらいのもんだよ、こっから先はモロに答えになっちゃうからね~!」

灯織「あっ……ちょっと……!」

(だめだ……摩美々さんのようにはうまくはいかないな……)


765: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:34:25.26 ID:/fY6YMbW0


モノクマはすぐにその場を立ち去ってしまった。
聞き出せたのは、以前にも確認したとおりの内容。私たちが現役の高校生で、アイドルだなんてわかりきっていることだ。


灯織「……はぁ」


仕方ない、モノクマから情報を引き出すのはほかの方にお任せしよう。

……ん? ちょっと待って。
今回モノクマに改めて質問して、全く同じ内容が返ってきた。

……それってつまりは、それだけその情報に意味があることの証明にならないかな。
モノクマにとって、よっぽど【現役の高校生】で【アイドル】であることに意味があるっていうことなんじゃ……

大丈夫、自信を失うな風野灯織。
今の問答にだって、きっと意味があったに違いない……!


コトダマゲット!【モノクマの証言】
〔今回のコロシアイ合宿生活の参加者は、283プロの現役高校生アイドル15人のみ。そしてこのコロシアイはこの15人でなくては意味がなかったらしい〕

-------------------------------------------------
それに、モノクマは去り際に興味深い一言も残していた。
【図書室 書庫】、知りたければそこを調べなくてはならないらしい。

小糸の事件以来だ、ほこりのかぶった空間には悪趣味な事件資料の数々が収められていたと思うけど、そこに何か手掛かりが……?
余裕があれば向かうようにしよう。


【捜査パートの行先に図書室 書庫が追加されました!】

-------------------------------------------------

この部屋で調べられるのはこれくらいかな……
モノクマという存在、ますますわからなくなってしまった気がする……

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】

【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】

↓1


766: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:36:06.40 ID:unkD6adb0

どうもです!


767: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:37:39.37 ID:/fY6YMbW0


【コンマ判定40】

【モノクマメダル10枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…80枚】

-------------------------------------------------
【トレーニングルーム】

この一角は黒幕のプライベート用なのだろうか。
学校エリアの2階にもプール前の更衣室でトレーニングのできる空間はあったけど設備が段違いだ。
ルームランナーにベンチプレス、その他もろもろトレーニング器具が一通りそろっているし、壁は鏡張り。
肉体を仕上げるにはもってこいの設備が整っている。


智代子「ひゃ~~~! なんだかここにいるだけでカ口リーを消費しちゃいそうな部屋だね!」

灯織「チョコ、捜査の進捗はどう?」

智代子「うん、順調かな! ……それにしても、すごい部屋だよね! トレーニングジムが丸ごと一個入ってるみたい!」

灯織「うん……シャワーもロッカーもあるみたいだし、なんなら冷蔵庫にプロテインまで完備されてるよ」

智代子「……ん?」

(どうしたんだろう、チョコ……何か引っ掛かってるみたいだ)

(深く考え込んでる、ひとまずはそっとしておこう)


768: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:40:22.45 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【ポスター】

部屋の一角には一枚のポスターが飾られている。
華々しいステージの上でパフォーマンスを披露するアイドルの写真、そのアイドルはこの国の人間ならだれもが知っている往年の伝説的なアイドルだ。


智代子「あっ、それって【VERTEX】のポスター?」

灯織「うん……どうしてここに……」


【VERTEX】、この業界の人間なら知らない人間はいない最高規模のオーディションだ。
最高とは文字通りの最高、優勝して得られる恩恵は並大抵のものではない。
アイドルはモチロン事務所も一気に注目が集まり、それだけで芸能の歴史に名を刻むことになるとまで言われる代物。

実際優勝者はいずれもアイドルを引退した後でもいわゆる“大御所”としての椅子を用意されて一生くいっぱぐれることはない。
だが、それゆえに優勝の道は険しく、審査員の判定も厳しい。開催は定期的に行われるものの、基本的に優勝者を出さないことのほうが多いのだ。


智代子「やっぱりアイドルになったからには一番の夢だよね、VERTEX優勝!」

灯織「うん……まだまだ私たちには遠い道のりだけど、いつかあの舞台で歌ってみたいな……」

智代子「やっぱりコロシアイ合宿生活の参加者がわたしたち283プロのアイドルだからこのポスターも貼ってあったのかな? 世間的にVERTEXは知名度はあるといっても、わざわざこんなポスターを貼るなんて……」

灯織「うーん……どうなんだろう、そもそもこの地下階ってもともとは隠されていた場所なんだし、私たちのために用意したのなら学校エリアの地上階に貼りそうなものだけど……」

智代子「そ、それもそうか……! あれ? それじゃあこのポスターは……?」

灯織「黒幕が、黒幕自身のために貼った……?」


コトダマゲット!【VERTEX】
〔アイドルのオーディションとして別格の規模を誇る最高峰のオーディション。これに優勝すればアイドルとその所属事務所は至上の名誉を得られると言われている。そのポスターがなぜか地下一階のトレーニングルームに貼られていた〕


769: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:43:15.50 ID:/fY6YMbW0


さて、地下階での捜査もひと段落かな。
少しずつだけど、黒幕の正体や学園の真実に近づけているような気がする。
まだ時間は少し残っている、悔いのないように最後まで調べ尽くさないと……!

【地下階の捜査が終了しました】

【別のエリアの捜査に移行します】

-------------------------------------------------

1.寄宿舎エリア2F
2.学園長室
3.図書室 書庫

↓1


770: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:44:49.90 ID:unkD6adb0

2


771: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:49:06.24 ID:/fY6YMbW0

2 選択

【コンマ判定90】

【モノクマメダル10枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…90枚】

-------------------------------------------------
【学園長室】

おしおきメンテナンスルームを調べた時から気になっていた。
なぜモノクマは回りくどい動機を渡してコロシアイを強いるんだろうか。
人の生き死にが見たいだけなら、いくらでももっと強制する方法はある。
あくまで私たちが自分の手で殺害を選ぶことに意味があるといわんばかりの動機の数々……
改めて検討して、モノクマの真意を探らないと……!

ショーケースを開けて、そのファイルを手に取った。
『コロシアイ合宿生活動機概要』、モノクマがわたしたちにぶつけてきた動機のその全てが収められている一冊だ。


『一つ目の動機は【疑心暗鬼】、あえて黒幕との接点を公開することにより必要のない疑いあいに持ち込む。お互いがお互いを信じ合えない状況下でアイドルたちは信頼をどんな形で発揮してくれるのか』

『二つ目の動機は【焦燥】、フェイク映像による近縁者の危機を告示する。この学園から出たいという意思を一層駆り立てた上で、真のアイドルになるための決断力を養成する』

『三つ目の動機は【才能】、各人の才能を伸ばすためのヒントを授ける。柔軟な思考力のもと、与えられた道具をどう活用するかに着目したい。
備考:当初の予定と異なり、コロシアイがそこまで精力的に行われなかったため一部変更。後の計画の予備実験としての役割も兼ね、被験体αに人格の移植を行う』

『4つ目の動機は【犠牲】、集団としての生存のために1人を切り捨てる決断を迫る。損得勘定と個人の感情との間のすり合わせを適正化し、これから先生き残っていく上での野心を研ぎ澄ますのも狙いの一つである』


こうやって改めて見直すとやはり殺意を抱かせる動機としては異質なものを感じる。
動機にそれぞれ題されたものはもちろんのこと、文章の結びにあるのは黒幕から私たちに対する期待や狙いといった記述なのである。
まるでこの合宿生活で私たち自身に成長を促しているかのような、教育者ぶった顔がよぎってしまうような書き方だ。

(……もしかして、このコロシアイって……)

いや、さすがに考えすぎだ……
このコロシアイで私たちはあまりにも多くのものを失いすぎている。その失ったものと引き換えに、何かを手にするなんて……そんな……

黒幕は、私たちに何をさせたいの……?


コトダマゲット!【コロシアイの動機】
〔これまでの事件の引き金となったモノクマ提供の動機の数々。
①【疑心暗鬼】黒幕が事務所の仲間内にいるという情報
②【焦燥】身近な人物の身に危険が及ぶフェイク映像
③【才能】それぞれに与えられたさいのうにかんれんする物品
④【犠牲】裏切り者の暴露
そのいずれにおいても黒幕には何かしらの期待や狙いが存在していると思われる〕

-------------------------------------------------

1.寄宿舎エリア2F
2.図書室 書庫

↓1


772: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:51:43.89 ID:unkD6adb0

1


773: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:53:41.68 ID:/fY6YMbW0

【コンマ判定89】

【モノクマメダル9枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…99枚】

-------------------------------------------------
【寄宿舎エリア 2F】

「……っ!?」

踏み入れた瞬間に言葉を失った。学園内の他のエリアの中でも異質……このエリアは、荒らされている?
壁面は崩れかけ、鉄筋は剥き出し。床にはそこら中にコンクリ片が落ちている。
倒壊寸前だと聞いても信じてしまうだろう。

下手に捜査を行ってケガをしないようにしないと。
慎重な足取りで捜査へと向かった。

どこから調べようかな……?

1.ロッカールーム
2.学園長の個人部屋

↓1


774: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:54:07.27 ID:unkD6adb0

1


775: これいる? ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 22:57:32.26 ID:/fY6YMbW0

1 選択

【コンマ判定27】

【モノクマメダル7枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…106枚】
-------------------------------------------------

【ロッカールーム】

壮観な光景だ。部屋の右から左、所狭しと配置されているのは金属製のロッカー。
見上げるばかりの背丈のロッカーにはそれぞれカードリーダーが備え付けられていて、セキュリティも万全といった感じ。

……誰かのこじ開けようとした痕がなければ。
しかし、人の力でこんなことになるだろうか。
まるで鉄球をぶつけられたように歪曲した鉄の箱は言い知れぬ不気味さをにじませる。
まるで人よりもはるか大きな怪物が暴れたような……そんなことはあり得ないんだけども。


入室時にも確認したとおり、この部屋のロッカーにはすべてカードキーがついている。
つまりは持ち主本人でなくては開錠できない仕組み。


……【今の私では調べることは出来なさそうだ】。

-------------------------------------------------

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】

【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】

↓1


776: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 22:59:15.39 ID:unkD6adb0

むんっ


777: そろそろ終了します…… ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 23:01:42.38 ID:/fY6YMbW0

【コンマ判定39】

【モノクマメダル9枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…115枚】
-------------------------------------------------
【学園長の個人部屋】

寄宿舎エリアの二階ということもあり、誰かの部屋がまた存在していることはある程度予想していた。
ただ、まさかここまでの部屋があるとは……
私たちの部屋とは大違い、部屋のサイズも倍以上で家具も一通りは整っている。
部屋の雰囲気もあの悪趣味な目につく刺激的な配色ではなく、落ち着いた大人な雰囲気すら漂っている。


摩美々「まるでホテルの一室だよねー……」

灯織「摩美々さん……いらっしゃってたんですね」

摩美々「寄宿舎エリアの2Fで一番目に付くのはここだからねー……ったく、私たちにあんなタコ部屋押し付けておいてこんな部屋にいた人間って何様なんでしょうねー」

灯織「タコ……?」

摩美々「……なんでもなーい」


さて、この部屋にも手掛かりは結構ありそうだ。
念入りに調べることにしよう。

1.パソコン
2.デスクの引き出し
3.ブックラック

↓1


778: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 23:03:20.45 ID:unkD6adb0

3


779: もうちょっとだけ… ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 23:06:22.71 ID:/fY6YMbW0

3 選択

【ブックラック】

木造シックなブックラックにはギチギチに教育書やビジネス書といった書類が詰め込まれている。
『経営者目線の学園運営』『褒めちぎり教育』……どれも字が小さくて、挿絵や図も見当たらない。読んでいたらかなりの時間がかかりそうだ。

摩美々「灯織、そんなの読んでても仕方ないでしょー? 将来の夢学校の先生だったりした感じー?」

灯織「あ、いえ……すみません」

摩美々「んー……ぱっと見重要そうなのは、これですかねー……」

私の脇から顔をのぞかせた摩美々さんが手に取ったのは白いファイル。ほかのファイルとは違って、ラベリングやタイトル付けがされていない。

摩美々「露骨に怪しいですねー」

パラパラとめくっていくと、目についたのは数々のスライドが小分けに収録されたページ。
わかりやすく大きな文字のタイトル付けで、文字の説明は最小限。何かの発表で使う、プレゼン用のスライドだろう。


『新時代のアイドルを生み出す革新的発想』
『希望を新たに生み出す新・希望ヶ峰的アプローチ』
『成功すればどんなに凡庸なアイドルでもトップアイドルへ』
『見違えるような成果』
『無から有を生み出す発想』
『アイドル…新しい自分との出会い』
『すべてのアイドルを過去にするアイドルの創造』


灯織「新時代の、アイドル……」

摩美々「希望ヶ峰学園といえば才能の研究……それを利用してアイドルの育成を行うってのはありそうな話ですよねー」


780: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 23:07:05.19 ID:/fY6YMbW0


灯織「摩美々さん、これって……前に話した『希望ヶ峰学園歌姫計画』の話なんじゃ……」

摩美々「え、それって確か男子トイレ奥のファイルで見たやつー?」

灯織「はい……あのファイルは、樋口さんによって回収されてしまったんですが……」

摩美々「ふーん、その計画に希望ヶ峰学園の学園長も絡んでたんだったら、やっぱり歌姫計画ってのは公認だったのかなぁ……」

灯織「……あれ? 摩美々さん、これって少し変じゃないですか?」

摩美々「んー?」

灯織「希望ヶ峰歌姫計画とこのプレゼン資料……似てるようで、矛盾があるような気が……」

摩美々「摩美々はそっちの計画のファイルを見たわけじゃないから滅多なことは言えないなぁ……」

(そうだ……実際にあのファイルを自分の目で確認した私だから気づいた違和感)

(これは、改めて確認しておくべきかもしれない……)

(いけるタイミングがあれば【樋口さんの部屋】を改めて調査しよう……!)


コトダマゲット!【プレゼン資料】
〔寄宿舎2Fの学園長の個室にあったプレゼン資料。新時代のアイドルを作り出すための計画について、プレゼンのスライドがまとめられている〕

-------------------------------------------------
【捜査パートの行先に円香の部屋が追加されました!】
-------------------------------------------------

1.パソコン
2.デスクの引き出し

↓1


782: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 23:08:31.73 ID:unkD6adb0

2
にへへ、甜花、お金好き……


783: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 23:10:22.34 ID:/fY6YMbW0

2 選択

【デスクの引き出し】

デスク脇には私の腰よりすこし低いぐらいのキャビネットが備え付けられている。
実際にここで過ごしていた人間がいるのなら、何かしらの痕跡が残っているだろう。
一番上の引き出しから慎重に見ていくことにした……


うーん、一番上の段にあったのは【娘さんとの家族写真】、ぐらい?
紫髪の女の子が嬉しそうに高い高いをされている。
ほほえましい一枚だけど、手掛かりにはならなそうかな……?
合宿生活の黒幕はあくまで私たちと同じ事務所の人間だったはずだ。
こんな親族がいるなんて話は聞いたこともない。

続いての段は……黒いノート?
でも、特に何も書いてないな、人の名前ぐらい?
どれも見たことも聞いたこともないような名前……『渋井丸』……?
変わった苗字だな……

最後の段にようやく一定の成果が出た。
これはカードキーだろうか。私たちの電子生徒手帳によく似ている。


摩美々「……それって、マスターキーなんじゃないー?」

灯織「マスターキー、ですか!?」

摩美々「学園長の部屋に意味ありげに保管されていたあたり、重要なものっぽいし……これなら今までにいけなかった部屋とか、閉まってる部屋とかにも入れるんじゃないかなぁ」

灯織「寄宿舎のそれぞれの個室なども調べられそうですね……」

摩美々「うわぁ……プライバシーゼロ発言、今言質とったからねー」

灯織「え、ええっ?!」

摩美々「冗談ですよー、多分灯織の言った通り……誰かの部屋を調べたりするのも重要、今回ばかりは手段も選んでられないでしょー」

(こんなところで思わぬ武器を手に入れちゃったな……)

(この学園の真実に近づく重要なカギだ、大切に扱おう)

(これがあれば、【ロッカールーム】も調べられるかな……?)

-------------------------------------------------

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】


784: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/01(金) 23:11:29.16 ID:unkD6adb0



785: ◆zbOQ645F4s 2021/10/01(金) 23:13:47.68 ID:/fY6YMbW0

-------------------------------------------------
【パソコン】

やはり調べるべきはパソコンだろう。
この部屋の持ち主が希望ヶ峰学園の学園長だというなら、それ相応の価値ある情報がこのパソコンには入っているはず……!
そう思ってキーを押したけど……だめだ、パスワードロックがかかっている。


摩美々「まぁ、そりゃそうだよねー……今時そんなセキュリティが甘いことなんてないかぁ……」

灯織「【7文字のパスワード入力】……」

摩美々「はぁ……しょうがない、ここはいったん諦め……」

灯織「……いえ、摩美々さん、やりましょう」

摩美々「えぇー?」

灯織「パスワードの解除、そのための糸口はどこかにあるはずです……ここで立ち止まるわけにはいきません!」

摩美々「……なぁんかカ口リー使いそう……」

(つい先ほど地下階を解放するためのパスワードを私は明らかにしたばかり……)

(このパソコンのロックだって……なんとかなるはずだ……!)


791: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 21:20:30.69 ID:6uSYVKAc0


【パスワードロック開錠】

摩美々「じゃあまずは状況の確認からしようかー、このパスワードは【7文字】入力するシステムになってるみたいだねー」

灯織「アルファベットか……数字でしょうか?」

摩美々「何か手掛かりが少しでもあるといいんだケド……」

(摩美々さんはガサゴソのデスクの上を漁っている……)

摩美々「あ、これっぽいねー。パソコンの裏側に貼ってあったよー」

灯織「パスワードを示したメモ……でしょうか?」

『たえそふえちく』

摩美々「うーん……これだけじゃ意味はわかんないかなぁ……」

灯織「何かの言葉なのでしょうか……?」

摩美々「机の上には他にも気になるものがあるし、それを踏まえて検討したほうがいいかもねー」

(これ一つで完結しない謎の可能性もあるってことか……)

摩美々「謎解きはここからって感じだねー、基本は灯織にお任せするケド、私も私なりに考えてはみるからぁ……相談したければ声をかけてよねー」

(なんとしてもこのパスコードロック……開錠して見せるぞ……!)

-------------------------------------------------
【開錠開始】

『たえそふえちく』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる
3.カレンダーを調べる
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する

↓1


792: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 21:22:09.00 ID:PI3NxXyx0

2


793: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 21:24:11.75 ID:6uSYVKAc0

2 選択

【パソコン】

さっき摩美々さんがこのメモ用紙を見つけてくれたんだし、何か他にも隠されたヒントがあるかも!

そう思って自分でもあちこち見てみたけど……特に変わった様子はないかな。
普通のノートパソコンで、モニターと【キーボード】があるだけ。
外付けの設備なんかもない、ごく最低限のものだ。

うーん……
最終的にはこのパソコンでパスワードを入力するんだけど、新しい手掛かりはなさそうかな……

『たえそふえちく』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する

↓1


794: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 21:35:34.32 ID:PI3NxXyx0

3


795: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 21:37:29.91 ID:6uSYVKAc0

3 選択

【カレンダー】

卓上カレンダーだ。月が替わるごとにめくる形式のものらしいけど、これも特に変わった様子はない。
日付が一定の区間ごとに区切られて色が変わっているけど、これは【12星座】に基づく色分けみたいだ。私の誕生日は3月4日でうお座。
……うん、2月19日から3月20日の区間で着色されているあたり間違いない。

他には特定の日付にマークがされているような様子もないし、特に予定表なんかも書き込まれていない。

うーん、ここにヒントは特にないのかな?

-------------------------------------------------
『たえそふえちく』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する

↓1


796: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 21:38:16.81 ID:6uSYVKAc0

別に大きな意味で違いはないですが……
一応誤解を生まないように修正して再安価

-------------------------------------------------
『たえそふえちく』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する

↓1


797: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 21:43:22.11 ID:PI3NxXyx0

4


798: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 21:44:20.24 ID:6uSYVKAc0

4 選択

【机の上】

さっきからなんだか気になっていたけど、この机はなんだかごちゃついている。
ペンやメモが出しっぱなしだし、紙がくしゃくしゃに丸められたまんまなのも目につく。

……仕方ないので整理することにした。
ゴミを除けて、鉛筆やペンはあるべき場所へ。
よし、これでパソコン周りもきれいに……あれ?

さっきは気づかなかったけど、ペンケースの中に押し込められたぐしゃぐしゃの紙がある。
急いで取り出してその場に広げると……

『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』

こ、これって……何かしらのメッセージだよね……?
パスワードを読み解くうえで必要になるものに違いない……ちゃんと覚えておかないと……!

-------------------------------------------------
『たえそふえちく』

『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(ヒント)

↓1


799: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 21:50:16.87 ID:PI3NxXyx0

5


800: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 21:56:31.98 ID:6uSYVKAc0

5 選択

灯織「摩美々さん……とりあえず材料はそろったみたいですが何か思いついたことなどは……」

摩美々「えー、さっそく摩美々頼りですかぁ……?」

灯織「す、すみません……摩美々さんの頭脳が必要なんです……!」

摩美々「……まあ、一つ言えるのはあのカレンダーもこの意味深な暗号も全部全部無関係なはずはないってコトだよねー」

灯織「ええ、おそらくは……特にこちらの暗号はパスワードを求めるうえでは大きな役割を果たすのではないでしょうか……」

『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』

摩美々「……この左辺の二文字と繋がれた右辺の【数字と矢印】には何かしらの意味があるよねー、となるとこの左辺の二文字が何を指すのかを考えたほうがいいカモ……?」

灯織「確かに、クイズ番組などでもありがちですよね……意味不明に見える文字列が実は何かの頭文字だった、のように……」

摩美々「NEWSで北東西南……みたいなことだねー」

(……なにか『しか』『ふさ』『てい』が頭文字になるような組み合わせはあるだろうか……)

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(ヒント)

↓1


801: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 22:13:42.54 ID:PI3NxXyx0

5


802: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 22:20:53.94 ID:6uSYVKAc0

5 選択

摩美々「……灯織、わかったかも」

灯織「摩美々さん、本当ですか?!」

摩美々「今摩美々たちの身近にあるキーワードで、ちょうどこの二文字ずつが頭文字になる組み合わせ……それって12星座なんじゃないかなー」

灯織「……!」

摩美々「わざわざこんな予定も空白な卓上カレンダーおいてる辺り妙だと思ってたんだよねー。このカレンダーの特徴ってば12星座ごとに色塗りされてることぐらいのものだしー」

灯織「となると……『しか』は『しし座』と『かに座』。『ふさ』は『ふたご座』と『さそり座』。『てい』は『てんびん座』と『いて座』……ですか?」

摩美々「多分ねー。で、そうなると、右辺の数字と矢印の意味も見えてこないー?」

灯織「……! もしかして、関係性、ですか……?!」

摩美々「そういうコト、かに座はしし座の一つ後。さそり座はふたご座の5つ前。……ほら、右辺の数字と矢印、それに一致するでしょー?」

灯織「となると『てい』の右辺に来るのは……二つ前、つまり『2←』なんですね!」

摩美々「……でも、問題はそれが何を意味するかってこと……この暗号の答えを、どこかで使うとは思うんだケド……」

-------------------------------------------------
『たえそふえちく』

『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(ヒント)

↓1


803: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 22:37:03.84 ID:PI3NxXyx0

5


804: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 22:40:54.72 ID:6uSYVKAc0

5 選択

灯織「うーん……」

摩美々「……灯織、何を迷ってるのー?」

灯織「え? いや、先ほどの暗号の答えはわかっても、それを当てはめる先が……」

摩美々「シーザー暗号」

灯織「え?」

摩美々「シーザー暗号、聞いたことないー? 意味不明の文章でも、ある一定の文字数前または後ろにずらすと意味のある文章になるっていうやつだよー」

灯織「は、はぁ……」

摩美々「いま、摩美々たちの前には謎の暗号がひとつありますよねー?」

灯織「……!!」

摩美々「それを二つ前にずらす、ただそれだけの簡単なことじゃないかなぁ」

灯織「な、なるほど……」

摩美々「……まあ、それがパスワードとして正しいかは別として、ねー」

(……え?)

-------------------------------------------------
『たえそふえちく』

『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』

1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(自動進行)

↓1


805: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 22:53:51.90 ID:PI3NxXyx0

1 せいすはいそか


806: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:03:09.55 ID:6uSYVKAc0

正確には微妙に正解ではないのですが、時間の都合もあるので正解ということにします。

-------------------------------------------------

私は一文字一文字、丁寧に丁寧に入力していく。
先の暗号二つで明らかになった、『せいすはいそか』

これは、これこそが、本当のパスワード……



……を入力するための手順だ。


『PERECT』


灯織「いけました……!」

摩美々「ナイス灯織ー、よくできましたー」

灯織「いえ、ほとんど摩美々さんのおかげですよ……摩美々さんの言う通りに暗号を解いていっただけですから」

『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』

灯織「12星座の二つを取り出した組み合わせ、その頭文字から関係性を割り出して……」

『たえそふえちく』

『せいすはいそか』

灯織「それをそのままシーザー暗号の解法として適用する。でもこれだけではまだ、意味として通りませんから」

摩美々「あとはその平仮名に合わせて【キーボード入力】ってことなんだねー」

灯織「はい、パソコンのキーボードのかな入力でこの七文字を入力する際に経由するアルファベットキー。それが一つの単語になるんです」

摩美々「【PERFECT】……随分なメッセージだねー」

【開錠成功】


807: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:04:17.02 ID:6uSYVKAc0


暗号化されたパスワードに隠していた情報、そこには何かしら重要な意味があるのは間違いないはず。
宝物を見つけた冒険家のように、モニターに飛びついて一つ一つ入念に確認していく。


灯織「……どうやら、このパソコンの持ち主はこの学園の学園長のようですね」

摩美々「みたいだねー、摩美々たちがこの学園に来る前に見ていた【希望ヶ峰学園第78期生】についての情報もあるしー」

灯織「……これ、なんでしょう……【絶望の残党】……?」

摩美々「あんまり聞きなじみがない言葉……ちょっと開いてみてー」

灯織「は、はい……」

『絶望の残党と呼ばれる人間たちがついに我が希望ヶ峰学園への襲撃を始めた。絶望に心酔する彼らが希望の象徴を憎しみ目の敵にする道理はわかる。だが、なんとしてもこの一線を彼らに譲るわけにはいかない。希望を守り、はぐくむ者の宿命として、この身を賭してでも、なんとしても彼らを守ってみせる』

摩美々「いや、結局何にもわからないんですケドー……」

灯織「でも、どうやらこの絶望の残党と呼ばれる人たちは希望ヶ峰学園を襲っていた……それって私たちの状況と何か関係があるのではないでしょうか……?」

摩美々「うーん……そもそも【絶望】って何―? なんだか抽象的な話ばっかりでつかめない感じー……」

(……まるで具体的な情報はないけれど、見過ごしていい情報ではない気がする……)


コトダマゲット!【絶望の残党】
〔希望ヶ峰学園を襲っていたとされる集団の俗称。正体素性に関する情報はまるでない〕


808: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:07:00.70 ID:6uSYVKAc0


摩美々「それと見逃せないのがメールだよねー、そっちのアイコンクリックしてよー」

灯織「は、はい……!」

摩美々「……結構数あるねー、全部見てる時間はなさそうだケド……」


摩美々さんに促されるままクリックするとメールリストがポップアップ。
上から下までずらりと表示され、私たちはそれを流し流しで確認していく。
その一つ一つに目を通すことは難しかったけど、俯瞰的にとらえていると一つ感じるところがあった。
____それは明確な違和感。


灯織「……摩美々さん、これ、少し変じゃないですか?」

摩美々「灯織も気づいたー? このメールのやり取り……全部一方的なんだよねー」


メールは特定の相手とばかり為されている様子で、しかもこちらからはほとんど返信がされていない。
一方的に向こうが送り付けている様子、このコンピュータの持ち主はものぐさな人物なのだろうか。

こちらにメールを送り付けている何かプロジェクトに携わっているかのように見えるその人物は、
はじめは穏やかな口調の文面だったが、一向に返信しないとみるやその様子は変わっていく。
最終的には、かなり冷淡な口調となってしまっていた。


809: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:11:14.83 ID:6uSYVKAc0


『A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む』

摩美々「これ、どういう関係性なんだろうねー」

灯織「どうなんでしょう……これだけでは見えてきませんが、『これまでの功績』『立場』などといった言葉からしても同一の組織に属する人間であることは間違いなさそうに思います」

摩美々「……希望ヶ峰学園の管理者団体……?」

灯織「にしては文面に違和感を感じてしまいますね……」


まるで明確な情報はそこにはない。
だけど、何か不吉な空気が漂っているという確信だけは抱かせるような不気味な違和感が声高々に主張しているのだ。

……これは、一体……?

コトダマゲット!【Aへのメール】
〔A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む〕

-------------------------------------------------

この部屋で調べられるのはこれくらいかな。
結局、この部屋の持ち主は本当に希望ヶ峰学園の学園長、だったのかな……?

でも、収穫は大きい。
何よりこの【マスターキー】だ。これがあれば、今まで行けなかったところもいけるようになるし、開けられなかったところも開けられるようになる!
まずは【ロッカールーム】の調査のやり直しだけど……ほかにも使えそう!

樋口さんの部屋を見るのもそうだし……

なにより、これまで一度も踏み入れることのなかった、【あの部屋】だ……!


【捜査パートの行先に情報処理室が追加されました!】


810: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:12:30.14 ID:6uSYVKAc0

-------------------------------------------------
【ロッカールーム】

壮観な光景だ。部屋の右から左、所狭しと配置されているのは金属製のロッカー。
見上げるばかりの背丈のロッカーにはそれぞれカードリーダーが備え付けられていて、セキュリティも万全といった感じ。

……誰かのこじ開けようとした痕がなければ。
しかし、人の力でこんなことになるだろうか。まるで鉄球をぶつけられたように歪曲した鉄の箱は言い知れぬ不気味さをにじませる。
まるで人よりもはるか大きな怪物が暴れたような……そんなことはあり得ないんだけども。

入室時にも確認したとおり、この部屋のロッカーにはすべてカードキーがついている。
つまりは持ち主本人でなくては開錠できない仕組み。本来なら捜査なんて全くできないんだけど……


つい先ほど学園長室で手に入れた【マスターキー】。
これならすべてのロッカーを開けられるはず!
私は目につくロッカーを片っ端から開けていくことにした……


811: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:13:56.03 ID:6uSYVKAc0

___
____
_____

いくつかの収穫はあったな。
どうやらこのロッカーはこの学園の生徒のもの……だけではないらしい。
科学の実験に使うような白衣、しかも着古されたような痕跡のあるものがいくつも入っていた。学園の職員の備品なのだろうか?

白衣の入っていたロッカーには他にも興味深いものが入っていた。
【候補者リスト】と題されたノートだ。複数人で使いまわされている様子で、筆跡も異なる記述がいくつも入っている。
そして何より重要なのが、その記述は【私たちの名前】であることだ。


『櫻木真乃:【超高校級の飼育委員】【超高校級の調教師】【超高校級の獣医】
 風野灯織:【超高校級の占い師】【超高校級のうたのおねえさん】【超高校級の料理人】
 八宮めぐる:【超高級の助っ人】【超高校級のチアリーダー】【超高校級のバスケ部】』


この合宿生活に参加している16名全員の名前、その横には【超高校級の才能】が書き添えられている。
今現在割り当てられている、才能の他にもいくつか。
もとより身に覚えがない才能では有るけども、こうも沢山書かれているとどうしても気になってしまう。

そして、一番気になったのは……浅倉さんの記述だ。

『浅倉透:【超高校級のカリスマ】【超高校級のクライマー】【超高校級の■■】→風野灯織』

才能のうち一つが黒塗りされて、そこから延ばされた矢印の先には私の名前があるのだ。
学園長室で浅倉さんの才能は確認した、あの時は確か【超高校級のカリスマ】だったはずだ。
なのに、なぜ……割り当てられていない才能をわざわざ隠すような工作が?

何が意味があるのは間違いない。
このリストは後に何か重要な意味を持つはずだ……!


コトダマゲット!【候補者リスト】
〔灯織たちコロシアイの参加者全員の名前と共に、謎の候補が書き添えられている。なぜか透の候補だけ黒塗りされ、矢印で灯織にその候補が切り替えられた旨が記されている〕


812: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:15:25.56 ID:6uSYVKAc0


そして、それとは別に気になるものがもう一つ。
これは学園の関係者のロッカーとはまた別のロッカーのようだ。
ほかのロッカーとは異なり、それ以外のものが何も置いていない。あったのは【手帳】ただ一つだけ。
人の目をはばかるように置かれたその手帳には、どこか見覚えがあり、親しみすら覚えるほどだ。

思わず手に取り、手帳を開いた。
ページの上から下まで隅々に至るまで緻密な記述がある、書きなぐった様子でもなく、整然とした字体だ。
誰かに見せるもの、といった様子ではないし、持ち主は余程几帳面な人間だったのだろう。
そんな持ち主の方にはすこし申し訳ないけど、今は手掛かりが少しでもほしい。遠慮がちに目を落とした。


『灯織とともにここまで歩んできて、彼女自身の変化を時折感じることがある。はじめはアイドルとしての自分自身に対するとらえ方も定まっていなかったけど、自分に向けられる行為と興味のベクトルをしっかりと受け止めらるようになった。自分自身の力で、ファンの期待に応えるような発信をできるようになったことを、彼女自身はまだ気づいていないのかもしれないが確かな成長だ。しっかりと伸ばしていけられるように、俺がそのすぐ側で見守っていきたい』


……これって。
そこに書いてあったのは疑いようもない私の話、しかもそれは私をプロデュースする側の、目線から書いてある話だ。
間違いない、この手帳の持ち主は……『プロデューサー』だ。


コトダマゲット!【プロデューサーの手記】
〔プロデューサーによる灯織を始めとした283プロのアイドルのプロデュース録。出会ってから今日に至るまでの記録に加え、これからの方針まで書き漏らしなく彼の所感と共に記されている〕


813: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:17:00.19 ID:6uSYVKAc0


寄宿舎エリアの2階はこれで調査し終えたかな……?
ひとまずの大きな収穫としてマスターキーがある、これを使えば今まで入れなかった部屋にも入れるようになるはずだ。
【樋口さんの部屋】にも一度入っておきたいな、私が二階男子トイレ奥の空間で見つけたファイルを樋口さんが持ち出していたはず。
再度そのファイルの検討はしておくべきだ。
そして何より【情報処理室】。学校エリアで唯一いまだに入ることができなかった部屋、黒幕にとっても重要な意味を持つ部屋だろう。
これから先は、その二部屋も捜索の対象に入れておくべきかな。

-------------------------------------------------

1.図書室 書庫
2.円香の部屋
3.情報処理室

↓1


814: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/02(土) 23:19:23.40 ID:bUoQR+Y90

情報処理室


815: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:23:16.26 ID:6uSYVKAc0

【コンマ判定 40】

【モノクマメダル10枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…125枚】

-------------------------------------------------
【情報処理室前】

……いよいよといった感じだ。
この部屋はやはり異質。今までずっと開かなかったその扉は見た目以上の威圧感を感じるというか、何もしていないのに心臓の音がうるさくなってしまう。
一応は学園の見取り図で中を確認はしている。
電気設備が充実しているいわゆる情報教室なのだけど、
黒幕がここまでひた隠しにしてきた部屋ということもあって嫌な予感というものを色濃く感じてしまうのだ。

流石に一人で入る勇気は持てず、皆さんに声をかけて回った。
調査中でいらっしゃったのにすぐに皆さんは首を縦に振ってくださり、全員が集まった。本当に快い方々ばかりだ。


愛依「だ、大丈夫かな……バクハツとかしないよね?!」

智代子「め、愛依ちゃん……怖いこと言わないでぇ……」

摩美々「そんな心配しなくてもー、部屋の扉を開けるのは灯織なんだしー」

灯織「わ、私ですか?!」

雛菜「がんばれ~! 灯織ちゃん~~~~!」

(うう……そんな殺生な……)


816: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:26:18.73 ID:6uSYVKAc0


皆さんは廊下に散り散りになって私だけが扉の前に。
……うう、これでは皆さんを招集した意味が……

ピピッ

意を決して、開錠。
爆発は……起きなかった。


灯織「……はぁ」

ほっと胸をなでおろす。
こんなところで私たちをみすみす爆殺するようなことはないとは頭ではわかっているものの、
この学園で過ごしているとどんな行動にもリスクが付きまとって感じられてしまうのが嫌なところ。


摩美々「それじゃあ探検開始―」

灯織「少しくらいねぎらいの言葉をかけていただいても……」

摩美々「……そうだねー、灯織の尊い犠牲のおかげで私たちは前に進めるわけだし、敬礼ぐらいしとくー?」

灯織「この学園だと笑えませんよ……」

(うぅ……世知辛い……)


817: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:26:55.19 ID:6uSYVKAc0

-------------------------------------------------
【情報処理室内部】

実際に踏み込んだ情報処理室は、思っていたよりもさらに近未来的な空間だった。
壁面一帯はモニターで覆い尽くされ、テレビの報道で目にするようなスーパーコンピューターが我が物顔で部屋の一角を占拠している。
デスクトップパソコン……なんだろうか、やたらと厚みあるモニターにはよくわからない設備も付属している。


智代子「いかにも飲食厳禁って感じの部屋だね……」

愛依「やば……ウカツに触れないカンジ……?」

摩美々「まぁ専門的な話はわからないケドさぁ、手掛かりになりそうなものだらけじゃーん?」


情報機器がこれだけ多いというのは文字通りそれだけの情報があるということ。どこまで引き出せるかはわからないけど、調べないことには始まらない……!


818: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:27:37.25 ID:6uSYVKAc0

-------------------------------------------------
【テレビ】

部屋には薄型の大きめなテレビが置いてある……
とくにテレビ自体に変わったところはない、よくある市販品のものだ。


摩美々「電源にもつながってるし、スイッチを押せば見られそうだねー」

愛依「こっちにリモコンもあるし、押してみる?」

雛菜「もしかして、外の世界のニュースとかも見られるかも~~~~!」

……と、思ったのだけど。

智代子「あれ……?! 電源を入れてもつかないね?!」

灯織「……うーん、アンテナと繋がってないのかな……?」

摩美々「……ただの電源コードであくまでここら辺のパソコンと同期するためだけのものって感じだねー」

雛菜「なーんだ……テレビが見れればいろんな情報が手に入ると思ったのになぁ……」

(そう易々とは情報はつかませてはくれないか……)


819: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:28:27.32 ID:6uSYVKAc0

-------------------------------------------------
【モニター】

壁面には無数のモニターが取り付けられており、その全てが異なる映像を流している。
だが、そのいずれにも見覚えがある……というよりもむしろ。


摩美々「この学園の監視カメラ映像だよね、明らかにー」


脱衣所などを除いたほぼすべての部屋と廊下の監視カメラ映像がライブ映像で流れている。
それは勿論私たちの今いる情報処理室も含めて。


愛依「これって……黒幕はこの部屋でうちらを監視してたってことなん?!」

雛菜「なるほど~、これだけたくさんのモニターがあればどこで誰が何をしてたかもすぐにわかっちゃうね~!」

智代子「だからモノクマは事件の犯人もそのトリックもわかってたんだ……」


思わず歯ぎしりしてしまう。黒幕はこの部屋からすべてを見ていた。
それはつまり、すべての事件について被害者を見殺しにしていたことに他ならないのである。

……コロシアイ合宿生活の黒幕に人の心を求めるなんてお門違いなことだとはわかっている。
ただ、私の中の良心が叫びだしそうになってしまうのは止めることもできやしない。


摩美々「でも、あくまで黒幕にわかるのはこのモニターに映る範囲のことだけ……なら、灯織を救い出す道はまだあることの証明でもあるよねー」

灯織「……摩美々さん」

摩美々「めぐるの体は覆面にタオルに凛世の左手にいろいろと工作がされていたからねー、こんな俯瞰視点だけじゃ全部は把握しきれないでしょー」

愛依「あっ、それじゃあうちらで円香ちゃんが事件を起こした時の映像を見るのはどう?! そしたらこれまでの調査で分からなかったことも見えたりするかもしんないじゃん!?」

摩美々「このモニターの操作方法もわからないしー、その映像は黒幕もしっかりと調べてはいるだろうし……あんまり新しい情報のあてにはならなそうじゃないー?」

愛依「そ、そっか……」

(うーん……このモニター映像、手掛かりの一歩手前までは迫れそうなんだけど……)


820: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:29:42.66 ID:6uSYVKAc0

___
____
_____

しばらく調査をしたものの、目立った成果としては上げることはできなかった。
ここは黒幕にとって重要な部屋であることこそ間違いないが、この学園の核心に迫るものとはまた別だ。
実際操作の仕方もわからない機器を前にして攻めあぐねているところもあり、無為な時間ばかりが流れてしまった。

せっかくこれまで開かなかった部屋に入れたのに……その焦りの念ばかりが押し寄せる。
ここまでの努力が徒労に終わる、そう思いかけた時だった。


『……ザザ……ザ……』

智代子「……あれ?」

雛菜「チョコちゃんどうしたの~?」

智代子「……今、そこのパソコンから何か音がしたような……」


すぐにチョコの指摘の下にパソコンモニターの前に集まる。
つい先ほどはファイルを開こうとしてもパスワードに阻まれ匙を投げたのだが、改めて向き直ると何か通話アプリのようなものが起動している。
暗闇の中に白い線が不規則に流れていく砂嵐。

____画面の向こうに、何者かの存在が感じ取れた。


821: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:30:24.15 ID:6uSYVKAc0


『……ザ……ザザ……るか……聞こ……か……』


音声は乱れていて、声の持ち主はだれかはっきりとわからない。
だが、その何者かは間違いなく、リアルタイムで私たちに呼びかけている。


灯織「あの……! もしかしてこの学園の外の方ですか……!?」

『……りか……ザザ……無事……ザザ……』

摩美々「……電波障害が激しくて、何言ってるかはほとんどわからないねー」

『……す……ザザ……もっと……けに……行……な……ザザ……』

智代子「だ、だとしてもこっちからの声は聞こえてるかもだよ! た、助けを呼ぼうよ、この人が助けてくれるかも!」

愛依「そ、そうじゃん! あの、ケーサツ! ケーサツに電話して!」

『……でに……ごい……ザザ……る……ザザ……』

雛菜「うーん……こっちの声が届いてるのかどうかも怪しそうだけどな~」

『……す……ザザ……ん……ザザ……』


画面の向こうの人物の声のトーンが少し下がったような気がする。
おそらく私たちの状況をある程度分かった上の通信なんだろう、私たちを救出できないことに責任を感じているような、そんなニュアンスを感じ取れる。
しばらくこちらとの通信を取り図ろうと四苦八苦している様子だったが、砂嵐はやむこともなく、むしろ一層激しくなろうかという勢いだった。


摩美々「うーん……せっかくチャンスだと思ったんだケド……」


822: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:32:07.43 ID:6uSYVKAc0


____と、その時。


智代子「……あ、あれ!」

灯織「チョコ? どうかした……?」

智代子「あのモニター、見て! なんか、変だよ……!?」


今度は壁のモニターに異変が起きたのだ。
学園内の監視カメラ映像をリアルタイムで映しているはずのモニター、その一つが突然に急速巻き戻り始めた。
その映像は……寄宿舎エリアの【大浴場前】の監視カメラ映像だ。


『……れでは……ザザ……で精……ザザ……』

灯織「こ、これはもしかしてあなたが……!?」

『……ザザ……ああ……』


画面の向こうの人物は確かに肯定した。
首を縦に振るのが見えたわけでも、まして『ああ』の二文字以上の言葉が聞こえたわけでもない。
だが、意思伝達というのはそれ以上を必要としないこともある。
私たちには、このモニターの巻き戻りがこの人物によってもたらされた千載一遇のチャンスであることが、即座に確信できた。
そこに理由はない、本能にも近しい“勘”というやつだ。

摩美々さんもその勘に従ってすぐに動いた。近くにあったメモリーカードをすぐにつかみ取り、コンピューターにつないだ。


823: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:34:11.27 ID:6uSYVKAc0


摩美々「もしもしー? あのモニター映像、何か意味があるのならこっちに移してもらえますー?」

(す、すごい……摩美々さん、即座に反応したぞ……)

『……ザザ……』


パソコンの画面にはまた別のウィンドウがポップアップ。
データの授受が行われている表示だ、どうやら画面の向こうの人物もまた摩美々さんの行動を“勘”で理解したらしい。


摩美々「とりあえずデータはこれで手に入る、その内容は自分の目でも見ておくべきだよー」


摩美々さんは迅速に対応したかと思うと、これまた迅速に私たちに指示を出した。
モニターを注視しろ、その指示通りにすぐに私たちはかじりついた。
映像はなおも巻き戻り続け、数時間、数日前……めぐるが命を落とした事件の前夜にまで戻ると、再生を始めた。


愛依「こ、これってうちらが円香ちゃんに監禁されてた時の映像……?」

雛菜「し~~~! だれか出てきたよ~?」


画面の手前側の死角から歩いて出てきたのは……【樋口さん】そして【めぐる】の二人だ。
事件の首謀者と被害者その関係性は明らか……なのに、だからこその違和感を感じる光景だ。

めぐるの歩き方があまりにも自然すぎるのだ。自分の意志で歩いていて、迷いがない。
今命の危機にさらされている状態のはずなのに、怯えたり不安に駆られたりしているときの体の揺らぎのようなものもほとんどない。
加えて、樋口さんも何も脅しているような素振りすらない。
武器を手に持っているわけでもない、めぐるの手は拘束されてはいるものの、足は全くの手付かず。
突然走り去って逃げてしまうリスクもありそうな状態なのに、樋口さんは何も手を打つ様子がない。

そんな不自然な散歩をしている二人は、そのまま脱衣所へと入ってしまった。


824: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:36:04.96 ID:6uSYVKAc0


灯織「こ、この映像は……?」

摩美々「めぐるが命を落とす直前の映像……二人が大浴場に入った映像……」

愛依「こ、これがうちらにとって重要な意味を持つの?」

智代子「最期の晩餐ならぬ最期の入浴……なわけ、ないよね……?」

雛菜「わざわざ雛菜のためにこの映像を見せてくれてることを考えても、二人でお風呂に行った以上の意味があるのは間違いないよね~」

摩美々「まあ、お風呂に入ったんじゃないみたいだよー?」


摩美々さんの指摘通り、映像の中の二人は大浴場からものの数分で出てきてしまった。
衣服が乱れた様子も特になく、何事もなかったようにそのままスタスタと歩いて学校エリアへとその姿は消えていった。


灯織「……行ってしまいましたね」

智代子「……行っちゃったね」


正直、これだけでは何が何だかわからないといったところだ。
目に見えて大きな何かが起きたわけでも、新しい登場人物が出てきたわけでもない。


『……きっと……ザザ……くも……ザザ……らな……』


ただ、この映像を私たちに見せるために動いてくれた人物がいるという事実がある以上、これは黙って見過ごせるものでないのも事実。
きっとこの謎が私たちを真相に近づけさせる大きな一手になるはず……


コトダマゲット!【脱衣所前の監視カメラ映像】
〔めぐる殺害の事件の発生前夜のカメラ映像。円香とめぐるが二人で脱衣所に入り、物の数分で退室、学校エリアに向かうまでが記録されている〕


825: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:38:32.85 ID:6uSYVKAc0


摩美々さんはメモリーカードにデータを移し終えたことを確認すると、丁重にポケットにしまい込んだ。


摩美々「とりあえず、ありがとうございましたー。あとは私たちでまた調べてみますー」

灯織「あ、ありがとうございました!」


満足に意思疎通が取れている相手ではないにしろ、この人物が私たちのために動いてくれたのも事実。
それに対するお礼はしっかりと自分の口で述べておきたい。私は摩美々さんに続いて慌てて頭を下げた。


『……ザザ……らこそ……ザザ……ない……』


私たちのお礼を受け取るような拒むようなそぶりをしたかと思うと、砂嵐はにわかにその勢いを増した。
どうやら電波障害がさらに激しくなってきたようで、これ以上の通信は難しくなりそうだ。


『……ザザ……れ……たすザザ……』


声はどんどん雑音に飲み込まれていき、もうほとんど聞き取れない。


『……ザザ……ひお……ザザ……』


だが、その断片的に聞こえてくる声を拾い集めていくと、何か意味のある言葉のようにも聞こえてくるのだ。


826: ◆zbOQ645F4s 2021/10/02(土) 23:39:18.47 ID:6uSYVKAc0


『待……ザザ……れ……ザザ……』

灯織「あ、あの……!!なんとお礼を申し上げたらいいか……!!私の命を救ってもらっただけでなく、裁判に挑む準備まで手伝ってもらって……」

『ザザ……おをあげ……くれ……俺は……ザザ……無事なら……れでいい……ザザ……大丈……対助け……るからな……ザザ』

灯織「あの……あなたは……もしかして……」


完全に通信が途絶えるその僅か数コンマの時間。一瞬にも満たないその刹那に、言葉と思いとが通った瞬間があった。


『灯織、待っててくれ』


それが聞こえたわけではない。画面の中でうねる人影と砂嵐に飲み込まれた音と声とが織りなした奇跡ともいうべきか。文章を読んでいるかのように鮮明に脳内にそのメッセージが浮かび上がったのだ。

____プツン!

その浮上とともに、通信は途絶えた。


愛依「切れちゃった……ね」

雛菜「う~ん、結局何言ってるのかは全然わかんなかったね~」

智代子「それでも何かしら意味のある情報が得られたのは事実だよね!? 大浴場に入っていく二人、これまでになかった情報だもん!」

摩美々「だねー、今はその意味は分からないケド、調査していけばモノクマののどに突き付けるナイフになるかもしれないしー……」

灯織「そうですね……後であの監視カメラ映像に映っていた脱衣所は調査しておくべきかもしれません……」

-------------------------------------------------

【捜査パートの行先に脱衣所が追加されました!】


829: 少し早いですが再開します ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 20:51:53.93 ID:aL/1oNSF0


突然の外部との通信をし終えた私たちは情報処理室の調査にひと段落をつけた。
自分たちの手でできることには限界もある、そろそろ先に進めないとだめだろう。

……ともなると、いよいよここを調べるタイミング。
この部屋に踏み入れた瞬間から目についていた扉。
監視カメラモニターと同じ壁面に取り付けられた扉には、なぜかモノクマの顔がそっくりそのまま描かれている。

これは学園の見取り図でもその存在を確認していた【奥の部屋】の扉だと思われる。特に鍵のかかっている様子もない。


雛菜「悪趣味な扉だね~~~~!」

摩美々「この学園でモノクマの顔を模した扉ってだけでその部屋の持つ重要さが隠せてないよねー……この部屋、絶対やばいでしょー」

愛依「こ、今度こそバクハツとかすんのかな?!」

摩美々「じゃあ灯織の出番だぁ」

灯織「ま、またですか?! というか私はいつから爆発物担当になったんですか!?」

智代子「ふ、ファイトだよ灯織ちゃん!」

(うぅ……世知辛い……)


すぐに皆さんは部屋の隅へと引っ込んでしまった。残された私は一人で扉を開けるしかない。
……意を決して開錠。

ガチャ

扉は意外なほどにすんなりと何事もなく開いてしまった。


830: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 20:54:23.24 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【???】

手前の部屋である情報処理室も大概なフィクションだったけど、この部屋においてはレベルが違う。
ロボットアニメでしか見ないような立体的な360度にも近しいモニター、
それと接続しているのはこれまたロボットアニメでしか見ないようなレバーとボタンの並んだ操縦桿。
そう、一言で言うならそこにあったのは【コックピット】だ。果穂やあさひがここにいたら目を輝かせていただろうな。


愛依「すっご~~~! マジでかっこいい~~~~!」

摩美々「えー? そうー?」

愛依「うちの弟がこういうのマジで好きでよくアニメとか見てんの! 銀河で撃ち合ったりするやつとか、ダンボールの中で戦ったりするやつとか!」

智代子「スケールの差が激しいね……」

雛菜「でも、何を動かす設備なのかな~? ロボットなんかこの学園にいたっけ~?」

愛依「もしかして、学校が変形してロボットになるんじゃ……!?」

智代子「変形ボタンがどこかにあるのかな!?」

摩美々「自爆ボタンもあったりしてー」


皆興味津々といった様子でコックピットへと駆け寄る。
まるで操作方法のわからないそれを嘗め回すように見つめてはああでもないこうでもないと首をかしげる人もいれば、
手当たり次第にボタンを押そうとする人もいて、さすがに止めようとしたんだけど……


831: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 20:55:22.32 ID:aL/1oNSF0


灯織「ちょ、ちょっと皆さん……あんまり下手に触らない方が……」

雛菜「へ~~~~?」


ポチッ

____間に合わず。


灯織「ひ、雛菜……今何か押した?」

雛菜「あは~?」

智代子「……な、何も起きないね?」


とりあえず自爆ボタンなんかではなかったと胸をなでおろした、その瞬間。
背後からなんだか妙な音が聞こえてきた。何かが勢いよく射出されたような音ののちに、クッションのように柔らかいものが落下したような音。


灯織「い、今のは……?」

愛依「なんか……情報処理室から聞こえたよね?」

雛菜「そう~? 雛菜気づかなかったな~」

摩美々「灯織、出番だよー」

灯織「わ、私ですか!?」

摩美々「だってホラ、爆発するかもしれないしー」

灯織「だからいつから私は爆発物担当になったんですか!?」

(うぅ……世知辛い……)


やたら非情な摩美々さんに押し切られるままに、不安を抱いたまま私は一人情報処理室に戻ることになった……


832: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 20:56:31.09 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【情報処理室】

摩美々さんの意地悪さと世間の世知辛さとを噛みしめている私を待ち受けていたのは、爆発物なんかよりよっぽど危険で凶悪なものだった。


モノクマ「……」

灯織「も、モノクマ……!?」


堂々たる態度で無駄に姿勢よく仁王立ちして部屋の中央に立ち尽くすモノクマ。
この学園で嫌というほど見てきた絶望の象徴が突然に姿を現したのである。


(……しまった、この部屋を調べていることをかぎつけて姿を現したんだ!)


最初に考えたのはそのリスク。
私たちが今踏み入っているのは黒幕がひた隠しにしていた暗部ともいうべき一室。私たちを部屋から追い出すためにやってきたのだと思った。
だけど、モノクマが口にしたのは驚くべき一言だった。


モノクマ「ガオー! お菓子よこせー!」

灯織「……え?」

モノクマ「お菓子くれなきゃロボットパンチをお見舞いするぞー!」

灯織「……チョコ?」

モノクマ「ええっ!? なんでわかったの!?」


833: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 20:57:42.17 ID:aL/1oNSF0


これまで私たちが接してきたモノクマとは全くの別物。
いや、正確にはガワは同じだ。モノクマの中にいる人、操縦している人間が違うんだ。
あの聞き覚えのある濁声でチョコのかわいらしいお菓子のおねだりが為されているのがなんとも素っ頓狂。
ともなると、さっきの部屋は……


モノクマ「モノクマのコックピットだったってワケだねー」

灯織「摩美々さん……そのようです、学園内に姿を見せていたモノクマはおそらくその部屋から操縦していたものかと」

モノクマ「マジで!?キョーダイもとぐらしってやつ!?」

灯織「新しい都のほうですね……」

モノクマ「ここからモノクマが出る部屋とかも選べるみたいだね~、灯織ちゃんの部屋にも出したげよっか~?」

灯織「……なんとなく遠慮しておこうかな」


やっぱりこの情報処理室とその奥の部屋は黒幕にとって要ともいうべき部屋だったんだ。
モノクマの操作を行う部屋なら私たちの侵入をこれまで拒み続けたのも納得がいく。

この部屋は、実質的にコロシアイの運営部屋なんだから。


834: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:00:06.47 ID:aL/1oNSF0


灯織「とりあえずは何の部屋かはわかりましたね……私もそちらに戻りますので調査を再開しましょう」

モノクマ「おいで~! モノクマの操作、難しいけど楽しいよ~!」

灯織「い、一応モノクマの体には爆弾も入ってるし気を付けてね……」


モノクマ越しに通信し終えた私が部屋に戻ろうとしたその瞬間だった。


『ブー!!ブー!!』


モノクマのスピーカー越しに聞こえてきたのは耳鳴りがするほどのブザー音。さらには皆さんの慌てふためく声もそれに交じる。


灯織「な、なにが起きてるんですか!?」

モノクマ「ひ、灯織ちゃん! 逃げて! こ、この部屋……バクハツするって!」

灯織「え、えええええっ!?」

モノクマ「自爆ボタンとか押しちゃったんじゃないのー?」

モノクマ「雛菜何にも触ってないよ~?」

モノクマ「そ、それどころじゃないよ二人とも!?」

モノクマ「へ、部屋がブザーとランプでめちゃくちゃなんだけど!?」

灯織「み、皆さん落ち着いて……ひとまず身の安全の確保を……近くに机などは……!?」


突然の出来事にパニックになるばかり、事態を冷静に見極める余裕などあるはずもなく、
私たちは全員で警告に従うままに情報処理室から急いで逃げ出してしまった……


835: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:01:40.51 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【情報処理室前】

愛依「はぁ……はぁ……なんとか、間に合った……?」

雛菜「も~、嫌な汗かいちゃった~……」

灯織「ひ、ひとまずは全員無事でよかったです……」

摩美々「……慌てて全員出てきちゃったケドさぁ……」

ガチャン

摩美々「……だよねー」

灯織「……!? こ、これって……」


慌てて教室から飛び出した私たちを待っていたのは爆発の轟音ではなく、背後の扉の鍵が閉めなおされる小さな音。
慌ててマスターキーをかざしなおすも無反応。だめだ、設定から変えられている。


摩美々「黒幕にとってあのコックピットは行動拠点、なんとしても摩美々たちを追い出したかったんだろうねー……」

智代子「じゃ、じゃああのブザーは全部嘘だったの!?」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ! 引っかかってやんのー!」


そして私たちを嘲笑いながらモノクマはその姿を現した。
今度はその中身も元通り、私たちが散々かき乱され、憎しみをぶつけてきた黒幕そのもの。


836: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:03:17.06 ID:aL/1oNSF0


摩美々「はぁ……やっぱりモノクマの仕業だったんだー」

モノクマ「そりゃあね、ボクの灰色の脳細胞をフル稼働させてオマエラを追い出しましたとも!」

智代子「すっかり騙されちゃった……」

モノクマ「しっかし惜しかったね! 僅か数メートルの距離までボクに近づいちゃってたっていうのに、オマエラったらあんなフェイクに踊らされちゃってさ! ケッサクだよ、ケッサク!」

雛菜「へ~?」

モノクマ「だから、あのコックピットにはボクもいたんだよ! オマエラの足元にね!」

(……!?)


そういえば、床があのコックピットだけ他と少し違っていた。
鉄製の金具で固定されていたけど、あれってもしかして床下空間に通じる扉だったの……?


モノクマ「せっかくボクの正体を見る大チャンスだったのにね! 真実は案外すぐそばにあったんだね!」

愛依「まさにキューダイもと暗しだったんだ……」

灯織「なんだかさっきより西に行ってませんか……?」

雛菜「む~~~~! せっかくのチャンスだったのに~~~~!」

モノクマ「まあこればっかりはしょうがないね! 時間というのは不可逆ですから! せいぜい電子レンジでもこねくり回すこったね!」

智代子「行っちゃった……」


837: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:05:38.43 ID:aL/1oNSF0


真実まで一歩手前というところでとんだ邪魔が入ってしまった。
知らなかったとはいえ黒幕をあと少しのところで取り逃すとはなんとも歯がゆい。
思わず地団太を踏みそうになったが、摩美々さんはこの状況でも冷静だった。


摩美々「ま、いいんじゃないですかぁ? 黒幕の弱点を掴んだのは間違いないんだしー」

愛依「へ……? ジャクテン……?」

摩美々「脱衣所前のカメラ映像、あれはこれ以上ない手掛かりでしょー」

灯織「そ、そうですね……脱衣所を改めて調べると何かわかるかも……」

摩美々「それに加えて、外部の人間と連絡が取れた。これだけで大きなアドバンテージじゃーん」

雛菜「でもまともにお話しできなかったよ~?」

摩美々「でも意思疎通は出来た、おそらくあっちは摩美々たちの状況もある程度わかってるはずだし……プラスに働くとみていいんじゃないかなぁ」

(……!!)

『灯織、待っててくれ』


あの時浮かび上がってきたメッセージ。
何か確証があるわけでもない、状況から証明するなんてたいそうなことをしたわけでもない。


838: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:07:20.32 ID:aL/1oNSF0


でも、それとは無関係に確信を抱いていた。
私たちのために動いてくれる人が、あの方が私たちのために動いてくれている。
いつだって私たちのそばで、誰よりも私たちのことを考えてくれた【あの人】が、今も。

それなら……信じる以外の道はない。


灯織「……状況は大きく好転したと私も思います。モノクマが私たちを慌てて締め出したのもその証拠です。黒幕も焦っているんですよ、私たちが真実に迫りつつあることに」

愛依「そ、それはそーかも……」

雛菜「まぁ雛菜たちはもう立ち止まってる時間もないしね~!」

摩美々「よくわかってるじゃーん、この部屋がだめならまた別のとこ、それもだめならまた別のとこ……その繰り返しだよー」

智代子「そっか、そうだよね! コツコツは勝つコツ!」

灯織「うん、何か別のアプローチを模索しよう。絶対に黒幕の正体を暴いてやろう!」


摩美々さんの言うとおりだ、私たちは一歩ずつ着実に真実に迫っているのは間違いない。
それならこの足が疲れ果てようとも、千切れようとも、歩み続けるのみ……!


【捜査パートの行先に脱衣所が追加されました!】

-------------------------------------------------

1.図書室 書庫
2.円香の部屋
3.脱衣所

↓1


839: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/03(日) 21:08:15.06 ID:ZZYsxayY0

3


840: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:12:43.17 ID:aL/1oNSF0

【コンマ判定06】

【モノクマメダル6枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…131枚】

-------------------------------------------------
【大浴場前】

私たちが調査の中で手に入れた新事実。
『めぐると樋口さんは事件の前夜に一緒に大浴場に向かっていた』
あの監視カメラ映像に隠された本当の意味合いは今の私にはまだわからない。
ただ、あの映像を手に入れさせてくれた、あの人物の思い。そしてあの映像の中にいためぐるの振る舞い。

……それらを含めると、見過ごすわけにはいかない重要なパーツとなる確信があった。


愛依「あ、灯織ちゃん! やっぱ気になっちゃったカンジ?」

灯織「愛依さん……ええ、あの映像に隠された事実……自分の目で確かめなくてはいけませんから」


めぐると樋口さんの行動、その全てを明らかにしないことには私の判定は覆らない。
皆さんが私の無実を信じてくださるというのなら、それを現実にすべく私も尽力しないと……!


841: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:13:59.65 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【脱衣所】

愛依「……とくに、なんもないね」


だけど、脱衣所の中自体に違和感は特にない。
大きく何かが乱れたり、新しいものがあったりといったこともない。それもそのはず、あの動画でも二人はものの数分で退室していたのだから。


灯織「……二人がここに立ち寄ったこと自体は間違いないはずなんですが」


二人がこの脱衣所で何をしたのかを明らかにする手掛かり、どんな些細なものでもいいんだ……!なんとしても見つけ出さないと……!


愛依「……ありゃ?」

灯織「愛依さん、どうかしましたか?!」

愛依「灯織ちゃん……何か踏んでない?」

灯織「えっ」


愛依さんに促されるまま元居た場所、【簀子】の上から降りるとそれは姿を現した。

灯織「こ、このシミは……!?」


簀子にはこれまでに見たことのない青紫色の変色痕が浮き上がっていたのである。
人の血ではこうはならない、何かしらの成分が木目に作用しない限りはこんな色には変わらない。

(……!?)

そんな特殊な成分のものなんて限られている。まして私たちの知る中でとなると、もはや可能性は一つに帰結するだろう。


灯織「なにか、化学薬品がここで使われたのではないでしょうか……科学室から持ち出された薬、それこそ毒薬かもしれません……」

愛依「ど、毒薬!?」


……そういえば、ずっと所在が分からなくなっている薬品があったんだっけ。
頭の中で点と点とが結びつき、線になろうとしている。一直線にひかれたこのラインの行きつく先、それはきっと……


コトダマゲット!【変色した簀子】
〔事件前夜、めぐると円香が寄っていた脱衣所では簀子の一部が変色していた。何かしらの液体がそこにこぼれたことを意味しているようだ〕

-------------------------------------------------

1.図書室 書庫
2.円香の部屋

↓1


842: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/03(日) 21:14:46.16 ID:F5koFPG20

2


843: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:18:37.30 ID:aL/1oNSF0


【コンマ判定16】

【モノクマメダル6枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…137枚】

-------------------------------------------------

【円香の部屋前】

雛菜「あ、灯織ちゃんだ~~~!」

灯織「雛菜……捜査はどう? 進んでる?」

雛菜「ん~、ぼちぼちかな~。それより、今から円香先輩の部屋に入るんだよね~? 雛菜も一緒に行ってもいい~?」

(なるほど、摩美々さんから話を聞いてきたのか……)

(そうだよね、幼馴染なんだもん……雛菜からすればもう一度彼女のいた部屋には立ち入りたいよね……)

灯織「うん、それじゃあ捜査を手伝ってもらえるかな?」

雛菜「やは~~~~~♡ うん、雛菜も頑張るね~~~~~!」


私は雛菜を連れて樋口さんの部屋に改めて踏み込んだ……


844: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:22:03.94 ID:aL/1oNSF0

【円香の部屋】

樋口さんの部屋は相変わらず必要最低限のものしか置いていない。
なのに、ここで感じるのは彼女自身の敵意と殺意。それが立っているだけの私の肌をひりつかせる。
ただ、それに臆しているような時間はモチロンない。
私は雛菜と顔を見合わせ、再度彼女の敵意の中へと進んでいく。

調べなおすべきなのは、私が男子トイレ奥の空間で目撃したファイルの数々。
たしかそれらはすべて、デスクの中だったっけ……


灯織「雛菜、デスクを開けてもいいかな?」

雛菜「ん~? ……あ~、灯織ちゃん、別に遠慮するコトなんかないのに~。円香先輩だって、変に気使われるほうが嫌だったりすると思うよ~」

灯織「そ、そっか……」


雛菜に促されるままにデスクを開けた。といっても前回の事件でも一度改めたものになる。
相変わらず一段目には薬品A・Bの空き瓶が鎮座。人の体に害性を持つ薬品のお出迎えは否が応でも身構えてしまうな。


雛菜「ホントこの前の事件の時は大変だったよね~、確かこの薬品Aを使ってめぐるちゃんを昏倒させてたんだよね~?」

(そうだ……それで身動きの取れなかっためぐるを、私は……)

(いや、違う……雛菜たちも、みんな……今は私がクロじゃない可能性を探ってくれてる、その本人の私がここで立ち止まるわけにはいかない……!)

雛菜「この二つの薬品を調合すると強い毒性を持つ気体が発生しちゃうから、それを円香先輩は身に着けて自己防衛に使ってたんだよね~」


845: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:23:39.61 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------

円香「……どうしました?私をここで止めるのでは?」

めぐる「ど、どうしたの摩美々…………って!?」

雛菜「ま、円香先輩その薬……!!」

円香「持ってきて正解でしたね、この前の事件でも使われた薬品A・B。既にこのボトルの中で調合済み。私は刺された瞬間ここでこれを開封しますよ」

摩美々「……」

円香「私の邪魔をすれば、即座に全員が共倒れ。さて、どうしますか?」

-------------------------------------------------


灯織「さらにその前の事件、凛世が咲耶さんを殺害した事件にもこの薬品は絡んでいた……樋口さんはそれにも関与していた」

雛菜「その時からこの薬を持ち出していたんだよね~?」

(……あれ?)

雛菜「ん~? 灯織ちゃん、どうしたの~?」

灯織「いや……ごめん、雛菜。そういえば咲耶さんの事件の時って、使われた薬品はこのA・Bだけだったけど……もう一つ持ち出されてた薬があったよね?」

雛菜「……そういえばあったような気がする~、確か【コトキレルX】だったっけ~?」


-------------------------------------------------

灯織「そして、個数が合わないものがもう一つ。毒薬の『コトキレルX』、これが無くなってるよ」

めぐる「備品リストによると、コトキレルXは液体の薬みたいだね」

灯織「犯人が持ち出したものとみて良さそうだけど……どうなんだろう」

めぐる「うーん、やっぱり事件に関係はあるよね……」

灯織「うん、しっかり覚えておこう」

-------------------------------------------------


灯織「飲用の毒薬が科学室の薬品棚からなくなってたんだよ。でも実際に事件には使われていない、咲耶さんは感電して亡くなったからね。ともすれば……」

雛菜「そのお薬が行方不明なままなんだ~~~!」

(そういうことになる……事件の流れからして樋口さんが薬を持ち出していたとみて間違いはないはず。ただここにもその【コトキレルX】は存在していない)

(一体、この薬はいまどこにあるんだろう……)


コトダマゲット!【コトキレルX】
〔液体型の遅効性の毒薬。咲耶と凛世の事件以降その所在がわからなくなっており、化学室に補充されることもなかった〕


846: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:27:41.71 ID:aL/1oNSF0


続いて二段目の引き出しを開けた。確かここにあのファイルたちは収められていたはず。
内容をしっかりと検討しなおさないと。

雛菜「こっちが希望ヶ峰学園歌姫計画で~、こっちが学園の見取り図だね~?」

灯織「まずは希望ヶ峰学園歌姫計画から見てみようか……」

(つい先ほど学園長の個人部屋でみたプレゼン資料。そこに感じた違和感を確認しておきたい……)

(きっと希望ヶ峰学園歌姫計画と決定的な矛盾が存在するはずだ……!)


『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』
『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』
『計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』


雛菜「へ~、こんな計画があったんだ~」

灯織「……やっぱり」

雛菜「灯織ちゃん~? どうかしたの~?」

灯織「……! ご、ごめん雛菜……こっちの話」

雛菜「む~、仲間に隠し事は無しでしょ~?」

灯織「い、いやその……ちゃんと確証を持ってから話したいことだから……後でちゃんと話すよ」

雛菜「……灯織ちゃんがそういうなら、雛菜は信じるけど~……」

(……うん、間違いない。あのプレゼン資料と希望ヶ峰学園歌姫計画は……同じものじゃなりえない)

(こんなに大きな矛盾を抱えているんだもん)

(……なら、あのプレゼン資料は一体……?)


コトダマゲット!【希望ヶ峰歌姫計画】
〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園のシステムを利用したアイドル育成計画。『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画。人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする。計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定。』〕


847: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:30:52.72 ID:aL/1oNSF0


雛菜「じゃあもう一個のファイルを見ておこっか~、学園内の見取り図~!」


雛菜は目の前でパラパラと図を確かめる。
特にこの前確認したのと相違点はない。この学園内のほぼすべての部屋と廊下とが三次元的な図で詳細に示されている。


灯織「……相変わらず情報処理室の奥の部屋の情報はないね」


これは自分の手と足で調べないといけなさそうだ。幸い私の手にはマスターキーがある。部屋に入ること自体はたやすいだろう。
そして、これまで入ることができなかった寄宿舎エリア2Fと学校地下室の情報も仕入れておきたい。……そう思って、隅々まで読み込んだのだけど。


雛菜「情報ないね~……」

灯織「うん……どうやら意図的に秘匿されているみたい。これ以上これを調べても新しい情報はなさそうかな」


実際、このファイル自体は早い段階から入手は可能だった資料。
モノクマもそれを認識していたのなら、みすみす重要な情報を渡すことはしないだろう。
新しい収穫はなかったけど、これもどこかで使う機会があるかもしれない。
しっかり情報として押さえておこう。


コトダマゲット!【学園内の見取り図】
〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園内における見取り図。寄宿舎エリア2Fと学校エリア地下1Fの情報はない〕


848: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:34:37.39 ID:aL/1oNSF0


そして最後の引き出し。ここにあるのは、彼女の日記だ。
私たちに敵意と殺意とを抱くようになった心中の変化、そしてどんどんと煮詰まっていく憎悪の念とが克明に残されている。
流石にこの日記を再度検証するのは心にずっしりとのしかかるものがあった。
彼女から向けられる敵意だけじゃない、彼女がここでの生活で感じていた悲嘆と重責ともすべてがないまぜになった感情が私に伝播するのだ。


灯織「……」

雛菜「……」


気づけば言葉を失っていた。
私も真乃とめぐるという心のよりどころを失っては来たものの、幼馴染を失うという感覚のその全てを理解は出来ていない。
心臓を握りつぶされる感覚、そう形容せざるを得ないだけの衝動が押し寄せる。

胸にこみあげるものをぐっと押し込んで沈黙の中文字を送った。
きっとこの中にも手掛かりがあるはず。私たちは彼女のことを信じたのだ。
そしてその信用は、ある種実を結んだ。

『意味が分からない』

彼女自身の考え、思いはその一言で完結していた。ただ、その字の乱れとうねりとが雄弁に彼女自身の動揺を現してならなかった。
この記述のその真上、そこには一枚のメモが貼付してあったのだ。

『このコロシアイは浅倉透のため』

……男子トイレ奥の空間で私が目撃した、あのメモだった。


雛菜「……これ、前に灯織ちゃんが教えてくれたやつだよね~」

灯織「うん……雛菜にも心当たりはないんだよね?」

雛菜「だよ~……円香先輩と全く同じだな~、意味が分からないって感じ~」

(やっぱり、この謎に帰結するのか……)

(私たちがこの学園でコロシアイをしている理由、その謎の答えは、いったい……)


コトダマゲット!【2F男子トイレ奥の空間に存在したメモ】
〔このコロシアイは浅倉透のため〕


849: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:36:27.95 ID:aL/1oNSF0


樋口さんの部屋の調査を一通りし終えて私は立ち上がった。
かがみこんでいただけに少しだけ腰が痛み、思わず弱弱しい声を上げる。
ただ、雛菜はそんな私の声にピクリとも反応はしなかった。

真剣に、改めて樋口さんの日記を読み込んでいる。

……邪魔をすべきじゃないな。
私は雛菜の集中を乱さないように、慎重に、静かに部屋を後にした。

-------------------------------------------------

【選択肢が残り一つになったので自動進行します】

【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】

【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】

↓1


850: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/03(日) 21:37:23.81 ID:ZZYsxayY0



851: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:40:35.10 ID:aL/1oNSF0


【コンマ判定81】

【モノクマメダル1枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…138枚】

-------------------------------------------------

【図書室 書庫】

相変わらずの萎びた空間だ。長く収められた本のカビたような匂いが鼻を刺す。
ぎゅうぎゅうに押し込まれた本は埃をかぶって、誰かが取り出したような痕跡すらない。
おそらく凛世が亡くなってからはこの部屋に立ち入る人間もほとんどいないんだろう。

……口元をハンカチで抑えるようにしながら捜査を開始した。

-------------------------------------------------

【書架】

モノクマが調べるように言っていたのはやっぱりここに並べられている本のこと、だよね……?
書架にはどこかで聞いたことのあるような事件の名前がずらりと並ぶ。
『連続殺人』やら『強盗致傷』やら物騒な響きの言葉ばかりだ。小糸の事件で登場した『日本殺人鬼大観』と『世界殺人鬼名鑑』も変わらず。
手掛かりを探して気分が沈むような背表紙の文字列を右から左へどんどん送っていく。私たちが今ここにいる理由、コロシアイをさせられることになった理由。その答えを求めて流す視線は、ある一点で止まった。

『人類史上最大最悪の絶望的事件』

それはあまりにも大げさすぎて、馬鹿馬鹿しくて、フィクションか何かと疑ってしまうような文字列。
子供が考えってひねり出したような響きの文言、これだけを見るときっと笑ってしまう人だっているだろう。

……でも、私はこの事件の名前を見て笑うことは出来ず、むしろ押し黙ってしまった。
荒唐無稽で非実在的な名前なのに、その一冊はほかのどの事件よりも分厚くて、存在を否定させないだけの威圧感があったから。


852: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:42:31.34 ID:aL/1oNSF0


『人類史上最大最悪の絶望的事件とは、超高校級の絶望が引き起こした同時多発的世界規模のテ口リズム行為およびそれに感化された人間たちが引き起こした各種事件を総称した呼称である。まさに人類史に類を見ない規模の事件であり、犠牲となった人間の数は正確に観測することは適わず、一国二国の総人口は優に超すとみられている』


『どこか発端だったのかは研究者たちでも把握しておらず、超高校級の絶望・江ノ島盾子は超高校級のギャルとして入学する前からその工作を行っていたとみられる。学園の内部崩壊を起こしたかと思うと政府要人を巻き込んだテ口リズム的な事件を起こし、この国の実ならず世界中を震撼させた。コロシアイ学園生活が起こるまでの二年のうちに、既に絶望の伝播はその土台を盤石なものにしていたのである』


『大きく事件が動く契機となったのは超高校級の絶望自身の引き起こした【コロシアイ学園生活】である。世界中から才能ある高校生を集めていた研究学園施設・希望ヶ峰学園の第78期生を監禁して仲間同士でのコロシアイを強要。その一部始終を世界中にリアルタイム配信した。超高校級の絶望はこのコロシアイの最後に自死したが、希望の象徴である彼らがコロシアイを行う様子は人々を絶望させる材料としては十分であり、彼女の目論見は成功したといえる』


『もはや政治の力でかじ取りをすることもかなわない状況に陥ったことにより、事件の連鎖は加速した。警察という組織は機能しなくなり、防衛のための武力もいつしか暴力のための道具として使われるようになり、人々の倫理観というものはほとんどその意味をなさなくなった。抑止力を失った暴走はとどまるところを知らず、事件は終結を見ないままに人類の文明そのものを壊滅させるほどになった』


『超高校級の絶望というシンボルを失った今現在でも、彼女を信仰するものは後を絶たない。鎮圧のために動く未来機関との間の抗争は激化するばかりである。絶望の残党と呼ばれる彼ら崇拝者は、仲間を増やすことに躍起になっており拉致監禁および洗脳行為を行っていることも確認されている。彼らには単一の指導者は存在しておらず、それぞれが江ノ島盾子の意志を継ぐものとして行動している。それゆえに叩く拠点も存在しないため未来機関の対滅作戦は難航しているというのが実情だ』


853: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:45:41.83 ID:aL/1oNSF0


そして最終的に行きついたのは、先の記述でもあった世界に絶望が伝播する発端、『コロシアイ学園生活』であった。超高校級の絶望が引き起こしたとされるそれは後のページでもっと事細かに描かれており、その当事者の名前と顔写真、さらにはだれが命を落として、だれが生き残ったかまでが詳細に書かれていた。

『コロシアイ学園生活の参加者に選ばれたのは希望ヶ峰学園第78期生の15名。超高校級の絶望・江ノ島盾子とは同期に当たる面々である。コロシアイの舞台となったのは彼らの通っていた希望ヶ峰学園そのもの。かつて机を並べてともに学んだ学友たちはペンを凶器に持ち替えて、己のエゴイズムのために次々と仲間内でコロシアイを始めた』

……一気に血の気が引いた。
今の私たちの状況は、あまりにもこれに酷似しすぎている。
コロシアイに参加している人間の数、コロシアイの舞台……そして、参加者の間柄。学園に通う生徒ではないにせよ私たちは長い時を共に過ごした仲間同士。
私には偶然の符合には思えなかった。何かしらの意図がこの合致を引き起こして、それを私に噛みしめさせている。この学園裏で回る歯車機構がミシミシと耳元で軋んでいるようだ。

嫌なもの同士が、がっちりと嚙み合った。


コトダマゲット!【人類史上最大最悪の絶望的事件】
〔超高校級の絶望が引き起こした、彼女と彼女に魅せられた者たちによる世界的なテ口リズム事件。世界の文明は彼女らによって一度崩壊したと書いてある。代表者たる超高校級の絶望は既に死亡したが、彼女を崇拝する絶望の残党はなおも仲間を増やそうと暗躍しているらしい〕

コトダマゲット!【コロシアイ学園生活】
〔希望ヶ峰学園第78期生を集めてのコロシアイ。開催場所、参加人数はどちらも灯織たちの今参加しているコロシアイ合宿生活と一致している〕


854: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:48:43.05 ID:aL/1oNSF0

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【新聞】

書庫には各社新聞を保管しているラックも収められている。
といっても私たちがこの学園に来てからは更新されていない。一番新しい日にちで私たちが合宿に出る当日の分までだ。

もうこの学園に来てから一か月ほどの日にちが経つ、情勢も随分と変わってしまっているだろう。
大した期待もせずに一部を手に取った。見開きで大々的に報じられているのはどこかの国で行われた首脳会談。
関税やら協定やら……重要な話であるのは間違いないんだけど、今の私たちにとっては必要な情報ではない。
やっぱり期待するだけ無駄か、そう呟きながらも淡い期待はやっぱり持っていて。漫然と一面、二面、三面とめくった。

「……ん?」

隅っこにあった、大して大きく取り扱われてもいない記事。刺身のツマのように、ほかの記事に添えられていたその記事が妙に目についた。

『未成年者失踪再び』

どことなくその事件は自分たちと重なっているように思えた。
この学園に集まっているのも未成年者だし、外の世界では今頃私たちも失踪者として同じように記事になっているかもしれない。

でも、この記事と私たちとでは決定的ともいえる相違点がある。
それは、この記事で失踪している人たちは全員その直前にある【闇サイト】とやらにアクセスした痕跡があるらしいのだ。
インターネットの深層で、通常ではたどり着けないようなサイトのことをそういった呼び方をすると以前聞いたことがある。
勿論私はそんなサイトにアクセスした覚えもないし、かかわったことすらない。

……流石に私たちとは関係なさそうかな。


コトダマゲット!【新聞記事】
〔未成年の連続失踪事件を取材した記事。全国的に発生している事件であり、犠牲となった人数も少なくない。失踪者の全員が直前に闇サイトにアクセスしていた痕跡がある〕


855: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:50:21.06 ID:aL/1oNSF0

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キーンコーンカーンコーン……

『ラストエリクサー病って知ってる? RPGとかで道中手に入る一品限りのアイテムを大事にしすぎるあまり最後まで使えないおまぬけさんのことを指した言葉なんだけどさ』

『それって本当にもったいないことだよね! どうせゲームなんて一回やったらそれっきり、だったら一回のプレイで100%、いや300%は堪能しないと元が取れないと思わない?』

『だからさ、オマエラにもそういう気分でいてもらいたいって思うんだよね。この学園にやってきて、せっかくコロシアイをしてるんだから……』

『人生のラストエリクサー病にかかってもらって、真実を知ることなく無駄死にしてもらいたいんだよねー! ぶひゃひゃひゃひゃ!』

『最後の戦いでも舞台は同じだよー! 裁判場ですべての決着つけちゃいましょうね! 学校エリア一階の赤い扉の向こう側に全員集合~~~~!』


________プツン


大きく深呼吸した。
ついに、その時が来てしまった。もう泣いても笑っても、生きても死んでも……これが最後。
今モノクマが言った通り、この裁判で真実を解き明かさないことには、待っているのは……破滅。
それもこれまでにない最低最悪の絶望的な破滅だ。

……毎回、裁判の前になると逃げだしたくなる気持ちだ。
クロとシロとでお互いの命をかけて騙しあい、裏切りあい、暴きあう。
自分の命を懸けていることもそうだけど、なにより仲間内で疑心暗鬼に陥らざるを得ないその状況が嫌だった。
何度経験しても、胸からこみあげてくる胃酸のようなものが不快だった。

でも、今回は違う。
私たちは全員仲間で、モノクマという共通の敵に立ち向かう。黒幕が隠し続けた真実を暴くための戦いだから。

もう逃げ出したいなんて弱音は吐かない。むしろ、今は戦いたい。戦って、勝って、証明したい。
私たちの絆はそんな絶望なんかには引き裂けない、負けないんだとその鼻を明かしてやりたい。

ピンチの時ほど笑ってみせろ。
昔そんなことを言っていた人がいたような気がする。

……本当に、その通りだ。


856: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:52:40.21 ID:aL/1oNSF0

【エレベーターホール】

これから始まる戦いを前に、その表情がこわばるのは当然のことだった。
口元には力がこもり、背筋も妙に張ってしまう。それは私だけではなく、その場に居合わせた全員がそうだった。


愛依「すぅ…………はぁ…………」

智代子「すぅ……………はぁ……………」

摩美々「深呼吸はいいケド、あんまりやりすぎると逆効果だよー?」

智代子「うぅ……そうはいっても心臓がバクバクうるさいんだよぉ……」

雛菜「さすがに緊張しちゃうよね~……これで全部決まっちゃうんだし~」

摩美々「まぁ、無理もないケドさぁ……」

(呆れたふりをしているけど、摩美々さんの声もいつもみたいな余裕はなさそうだな……)

モノクマ「お集まりですね!」

灯織「モノクマ……」

モノクマ「どうよ、オマエラ! めぐるさん殺しの真犯人とやらは見つかったのかな?」

摩美々「……ノーコメント」

モノクマ「学園の真実とやらはわかったのかな?」

灯織「……ノーコメントです」

モノクマ「うぷぷぷ……いいよいいよ、そんななれない真似しなくてもさ! 表情を見ればまるっとすりっとお見通しだからね!」


857: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:54:21.43 ID:aL/1oNSF0


正直なところ、そのどちらも現段階では明確な回答は持ち合わせてはいない。
でも大丈夫、回答にたどり着くための証拠品……その道筋は見えているはずだ。
あとはそれを繋いでいくだけ、この工程はこれまでの学級裁判でも何度もやってきた推理という工程。
仲間と協力して成し遂げてきた工程だから、きっと今回も。


灯織「モノクマ、その調子でいられるのも今のうちだけです」

モノクマ「お、言うねぇ……まぁ楽しみにはしておくよ、結果がどうあれこれが文字通りの最後なんだからね。せいぜい楽しませてちょ!」

雛菜「あは~? むしろこっちのセリフだよね~!」

愛依「あはは、雛菜ちゃん頼もしすぎ~!」


私たちはエレベーターに乗り込む。

黒幕に対する絶対的な憎しみをもって。
真実への絶対的な渇望をもって。
仲間たちへの絶対的な信頼をもって。


勝利に対する絶対的な確信をもって。


____その一歩を、踏み出した。


858: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:56:10.80 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【エレベーター】

ゴウンゴウンと音を立てて下っていくエレベーター。
ズッシリと響く低音が臓器を揺さぶるこの感覚にももう慣れてしまった。
ただ慣れないのはこのエレベーターの中の空白。
かつてぎゅうぎゅうに乗り込んでいたこの部屋も、もはやそれぞれが隅に立つのみ。
随分と広くなってしまったものだ。

この裁判が終わるころ、このエレベーターはどうなっているのだろう。
同じ頭数でまた地上に上っていけるだろうか。二度と上がらないなんてことは起こりはしないだろうか。
そんなどうしようもない思考が浮かんでは消え、浮かんでは消え。

「……ねぇ」

口を開いたのは誰だったか。
エレベーターの轟音は不思議とその刹那に聞こえなくなり、やけに通った彼女の声だけが響いた。
カクテルパーティ効果という奴だろうか、私の耳は自然と音を瞬時に取捨選択して、絶望ではなく希望を拾い上げたのである。

「絶対、生きて帰ろうね」

急激に代謝が激しくなるのを感じた。血液が循環し熱を帯びていき、鼓動が激しくなる。
これは緊張とはまた別、鼓舞のためにおこった作用だ。
「生きて帰る」それだけの言葉なのに、仲間の口から発せられた音として聞くとすさまじい効用を発揮した。

「生きて帰ろう」

そして、代謝はなにも私だけに起こったものではなかったらしい。
また別のところからその声が上がった。そしてまたそれに呼応するように声が上がる。
生還を誓う宣誓がそこら中から上がりだし、いつしか私も口を開いてその言葉を口にしていた。

「生きて帰ろう」

気づけばエレベーターの駆動音は大合唱にかき消され、

チーン!

あっという間にその終着駅にたどり着いた。


859: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:57:34.60 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【地下裁判場】

モノクマ「ようこそいらっしゃい! ここが天下分け目の関ケ原、希望と絶望の裁判場でございますよー!」

智代子「なんかこれまた仰々しい内装……コンクリートが打ちっぱなしだよ……」

雛菜「無機質な感じがなんだか冷たいね~」

灯織「大丈夫、こんな冷たさなんかに私たちの熱は負けないから」

摩美々「ふふー、熱血プレイって感じかなぁ」

愛依「絶対、生きて帰ろうね!」


私たちはすぐにそれぞれの証言台へと立つ。


……この期に及んで体が震える自分が嫌いだ。
不安を感じているのなんか自分だけじゃない、何を一人だけ被害者ぶっているんだ。
摩美々さんも、愛依さんも、チョコも、雛菜も……みんなみんなこの不安と緊張とを必死に抑えて立ち向かっているというのに。

でも、ここで体が震えなきゃ自分じゃないと思う。
自分の命を危険にさらす、そのことに恐怖する気持ちが自分自身の生を証明している。
その弱さを持っている自分だからこそ、皆さんとの間に絆を築くことができた。


860: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:58:17.91 ID:aL/1oNSF0


……だから。

パァンッ!

自分の頬を両手でたたいた。
気合を入れろ……歯を食いしばれ……!

震えながらでも泣きながらでも、どれほど惨めになったっていい。
それでも、進むことだけは絶対に止めちゃだめだ。皆さんとの間にあるこの絆を裏切るような真似だけはしちゃいけない……!

私たちは絶対にこの裁判ですべての真実を暴き出す。
そのうえで黒幕を引っ張り出して、思いのたけのダンガンをすべてぶつけて、思惑を正面からロンパしてやるんだ。
その末にある勝利、希望の行く道、私たちの絆が目指す未来を絶対につかみ取って見せる……!


861: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 21:59:03.79 ID:aL/1oNSF0






この、最後の【学級裁判】で______!








864: ◆zbOQ645F4s 2021/10/03(日) 22:09:39.89 ID:aL/1oNSF0

-------------------------------------------------
【購買】

灯織「さて……せっかくだし何か買っておこうかな?」

-------------------------------------------------
【自動販売機】

【お役立ち品】

・ロボット掃除機 30枚…生活が豊かなものになるかも?
・283プロのタオル 30枚…裁判で有利に働くかも?
・サイリウムブレード 40枚…裁判で有利に働くかも?
・はじまりのメッセージカード 50枚…裁判で有利に働くかも?
・敏腕記者の名刺 60枚…交流がやりやすくなるかも?
・※アイドルコミュの鍵 60枚…新しい力が手に入るかも?

-------------------------------------------------

【現在のモノクマメダル枚数…138枚】

【購入したい品物があれば次回までに書き込んでください、相談などもご自由にどうぞ】

【複数購入可能なものは※がついています】


※前回裁判で習得したスキル
【アップ・トゥ・ユー】
〔学級裁判中任意のタイミングで発動可能。モノクマメダルを消費することで回答を導く。要求枚数は回数ごとに増加(5→10→15→...)〕


867: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 20:11:03.97 ID:mxYXoMoI0


【283プロのタオル・サイリウムブレード・アイドルコミュの鍵を手に入れました!】

【283プロのタオル】
〔ライブで流した汗は宝石の輝き。アイドルを応援する気持ちを吸ったタオルはそれだけ重くなる。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+10される〕


【サイリウムブレード】
〔二つに折れば開戦の合図。アイドル各色の明かりは星々の輝き。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+20される〕


【アイドルコミュの鍵】
〔あるかもしれなかった未来への分岐をこじ開ける不思議な鍵。アイドルを一人指定することで、そのアイドルから本来手に入るはずだったスキルを獲得できる〕


灯織「ふぅ……結構色々買っちゃったな。これで裁判がうまくいけばいいけど……」


【アイドルコミュの鍵の使用先の指定に移ります】

【これまでで親愛度がマックスになっていないアイドルを指定することでスキルを獲得できます】


真乃・めぐる・霧子・咲耶・智代子・樹里・凛世・甜花・甘奈・愛依・透・円香から一人選んで指定


868: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 20:47:48.75 ID:E/p55OsC0

円香


869: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:00:37.62 ID:mxYXoMoI0

円香選択

【アイドルコミュの鍵が光り輝く……!】

【樋口円香の閉ざされたロックが解放されたようだ……】

-------------------------------------------------

【アイテム:髪留めを手に入れました!】
〔円香にもらった髪留め。飾りっ気のないシンプルなデザイン、それ以上のものは必要ないでしょ?〕

【スキル:ギンコ・ビローバを習得しました!】
〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕


870: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:03:50.15 ID:mxYXoMoI0

【スキル】

【意地っ張りサンセット】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕

【摩的・アンチテーゼ】
〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕

【スキル:ギンコ・ビローバを習得しました!】
〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕

【アイテム】

【283プロのタオル】
〔ライブで流した汗は宝石の輝き。アイドルを応援する気持ちを吸ったタオルはそれだけ重くなる。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+10される〕

【サイリウムブレード】
〔二つに折れば開戦の合図。アイドル各色の明かりは星々の輝き。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+20される〕


以上合算して今後コンマ判定では+70されます……なんだこのインフレ
それではコトダマの羅列より裁判開始いたします。


871: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:04:59.62 ID:mxYXoMoI0

【コトダマ】

‣【思い出しライト】
〔照射した相手の記憶を呼び起こす不思議なライト。中央制御室の一角に落ちており、その近くの装置のモニターには『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』とあった〕

‣【キャンプの写真】
〔灯織を含む283プロ全員が登場しているキャンプの写真。加工編集がされたようには見えないが、灯織たちにその記憶は全く存在しない〕

‣【コロシアイ合宿生活の運営】
〔コロシアイ合宿生活の運営はすべてがすべて人力で行われていたわけではない。物資の搬入などはオートメーション化されており、深夜の監視は黒幕自身は行わずAIに任せていた〕

‣【モノクマの証言】
〔今回のコロシアイ合宿生活の参加者は、283プロの現役高校生アイドル15人のみ。そしてこのコロシアイはこの15人でなくては意味がなかったらしい〕

‣【Aへのメール】
〔A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む〕


872: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:06:12.77 ID:mxYXoMoI0


‣【VERTEX】
〔アイドルのオーディションとして別格の規模を誇る最高峰のオーディション。これに優勝すればアイドルとその所属事務所は至上の名誉を得られると言われている。そのポスターがなぜか地下一階のトレーニングルームに貼られていた〕

‣【コトキレルX】
〔液体型の遅効性の毒薬。咲耶と凛世の事件以降その所在がわからなくなっており、化学室に補充されることもなかった〕

‣【被検体α】
〔我々の開発も一定の成果をあげた。マウスによる生体実験も無事に成功、いよいよ続いての段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。彼女はもとより性格面で類似性があったためか、特に拒絶反応も発生することなく実験も成功した〕

‣【絶望の残党】
〔希望ヶ峰学園を襲っていたとされる集団の俗称。正体素性に関する情報はまるでない〕

‣【プレゼン資料】
〔寄宿舎2Fの学園長の個室にあったプレゼン資料。新時代のアイドルを作り出すための計画について、プレゼンのスライドがまとめられている〕

‣【プロデューサーの手記】
〔プロデューサーによる灯織を始めとした283プロのアイドルのプロデュース録。出会ってから今日に至るまでの記録に加え、これからの方針まで書き漏らしなく彼の所感と共に記されている〕

‣【候補者リスト】
〔灯織たちコロシアイの参加者全員の名前と共に、謎の候補が書き添えられている。なぜか透の候補だけ黒塗りされ、矢印で灯織にその候補が切り替えられた旨が記されている〕

‣【希望ヶ峰歌姫計画】
〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園のシステムを利用したアイドル育成計画。『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画。人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする。計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定。』〕


873: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:07:17.63 ID:mxYXoMoI0


‣【学園内の見取り図】
〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園内における見取り図。寄宿舎エリア2Fと学校エリア地下1Fの情報はない〕

‣【2F男子トイレ奥の空間に存在したメモ】
〔このコロシアイは浅倉透のため〕

‣【脱衣所前の監視カメラ映像】
〔めぐる殺害の事件の発生前夜のカメラ映像。円香とめぐるが二人で脱衣所に入り、物の数分で退室、学校エリアに向かうまでが記録されている〕

‣【方舟計画】
〔おしおきメンテナンスルームのパソコンに隠されていた謎の計画のファイル。詳細は一切不明〕

‣【新聞記事】
〔未成年の連続失踪事件を取材した記事。全国的に発生している事件であり、犠牲となった人数も少なくない。失踪者の全員が直前に闇サイトにアクセスしていた痕跡がある〕

‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】
〔超高校級の絶望が引き起こした、彼女と彼女に魅せられた者たちによる世界的なテ口リズム事件。世界の文明は彼女らによって一度崩壊したと書いてある。代表者たる超高校級の絶望は既に死亡したが、彼女を崇拝する絶望の残党はなおも仲間を増やそうと暗躍しているらしい〕

‣【コロシアイ学園生活】
〔希望ヶ峰学園第78期生を集めてのコロシアイ。開催場所、参加人数はどちらも灯織たちの今参加しているコロシアイ合宿生活と一致している〕

‣【変色した簀子】
〔事件前夜、めぐると円香が寄っていた脱衣所では簀子の一部が変色していた。何かしらの液体がそこにこぼれたことを意味しているようだ〕

‣【コロシアイの動機】
〔これまでの事件の引き金となったモノクマ提供の動機の数々。
①【疑心暗鬼】黒幕が事務所の仲間内にいるという情報
②【焦燥】身近な人物の身に危険が及ぶフェイク映像
③【才能】それぞれに与えられた才能に関連する物品
④【犠牲】裏切り者の暴露
そのいずれにおいても黒幕には何かしらの期待や狙いが存在していると思われる〕


874: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:08:01.26 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------



【学級裁判 開廷!】



-------------------------------------------------


875: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:09:01.21 ID:mxYXoMoI0


モノクマ「それでは早速始めようか。オマエラとボクとの最終決戦」

モノクマ「最後の学級裁判をーーーーーーーー!!」

灯織「……モノクマ、条件は事前に確認した通りです」

灯織「めぐるを殺害した犯人が私でなかったことが立証でき、この合宿生活の破綻を証明すればモノクマは私たちの脱出、この学園からの卒業を認める。……よろしいですね?」

モノクマ「オマエラこそそれでいいの?こんな荒唐無稽な、おしおきを前提から覆すなんて無謀な挑戦に命を懸けてさ」

愛依「トーゼン!呉越ドウシュ―って言うじゃん?」

智代子「それ使い方あってるのかな……?」

摩美々「ま、今更でしょー、ここでビビるほどメンタル弱くもないのでー」

雛菜「あは~!雛菜もむしろワクワクしてる~~~~!」

モノクマ「ふーん、その無謀な勇気がどこまで続くのか確かめさせてもらおっか!……さてと」


モノクマは私たちの意気込みを鼻で笑うと、そのまま裁判長席を下りた。
とてとてと歩いて行き着く先は、私たちの横。証言台の一席にモノクマが並んだのである。


876: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:10:34.18 ID:mxYXoMoI0


モノクマ「今回はボク自身にもかかわる話だからね!当然議論にも参加させてもらうよ!」

摩美々「下手な証言でかき乱したりとかはしないでくださいよー?」

モノクマ「その点は安心しなよ!いつだって僕らはリベラルな立場からお話しさせてもらうからね!」

(……何がリベラルだ)

モノクマ「それじゃあまずは問題の八宮さん殺しについて整理をするところから始めよっか!」

(前回の裁判、投票の段階では私自身犯人は自分だと確信していた)

(自分の命をなげうってでも、皆さんを守る。そのためにした覚悟……それは無駄なんかじゃない)

(今ここで、改めて立ち向かうための力になる……!)

灯織「……そうですね、そこではっきりさせましょうか」

灯織「めぐるを殺したのが本当は誰だったのかを!」


877: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:13:01.36 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【候補者リスト】
‣【モノクマの証言】
‣【コロシアイ学園生活】
‣【コトキレルX】
‣【プロデューサーの手記】
‣【コロシアイ合宿生活の運営】
‣【絶望の残党】
‣【方舟計画】


モノクマ「それじゃあ早速八宮さん殺しについて振り返ってみよっか!」

愛依「基本は【円香ちゃんが全部仕掛けを作った】んだよね?!」

智代子「まずわたしたち全員を監禁して、【めぐるちゃんだけ植物庭園で拘束しておいた】んだよ!」

雛菜「後は雛菜たちが推理を間違えるように【ミスリードを生物室から用意】して~」

摩美々「死体の覆面に【爆弾をトラップとして用意した】んですよねー」

モノクマ「後はその覆面を剥いだことで爆弾が作動!」

モノクマ「覆面を剥いだのは風野さん!やっぱり【犯人は風野さん】なんだよ!」

モノクマ「あの爆弾で死んじゃったんだもんねー!」

モノクマ「うぷぷぷ!大親友を自分の手で殺しちゃった気分はどう?!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1


878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:18:12.25 ID:nmB2YWjT0

【犯人は風野さん】に【コトキレルX】


879: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:20:51.74 ID:mxYXoMoI0


灯織「それは違います!」

【BREAK!】

灯織「確かにあの状況だけ見れば、めぐるの死因として有力になるのはあの爆発でしょうね。胸に刺さっていたナイフは実際、タオルを刺していただけで刃も届いていませんでしたし、他に外傷もない」

灯織「でも、外傷はなくとも殺害は可能ですよね?」

摩美々「それをモノクマも含むこの場の全員が一度は頭に入れた知識ですよー」

智代子「それってもしかして咲耶ちゃんと凛世ちゃんの事件の時の……!?」

灯織「そう、毒薬だよ。咲耶さんの事件以降、化学室からは危険な薬品である『コトキレルX』が消えたまま……その所在がずっとわからないままだった」

灯織「貴重な材料を用いる薬品だったために化学室の薬品棚にも長い間補充されることがなかった、そうですよねモノクマ」

モノクマ「そうだけど……だったら余計にダメじゃん?所在不明の薬なんでしょ、それでどうやって人を殺すのさ」

摩美々「所在不明……確かに表面上はそう……でも、誰がその薬を隠し持ってたかなんて自明でしょー。見た目の上での状況に託けて誤魔化そうったってそれは許さないのでー」

雛菜「そっか、円香先輩がずっと持ってたんだ~!円香先輩の机の引き出しには薬品ABが入ってたし、他の薬が入っててもおかしくないよね~?」

愛依「てゆーか、他のみんなが持ち出すとは思えないしね……」

モノクマ「ふ~ん……?じゃあその薬で樋口さんが八宮さんを殺したって言いたいんだね?」

モノクマ「でもさ、そんなのいつ飲んだか証明できる?証明ができないならそれこそ机上の空論、砂上の楼閣だよ!」

灯織「もちろん証明だってできます」

モノクマ「ハァ?」

(そう、これは私たちも今まで知らなかった情報)

(というか、本来得ることのできなかった情報なんだ)

(あの人が私たちに託してくれた希望、これでモノクマの急所を突く……!)


【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>871~873

↓1


881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:23:10.25 ID:YdVNnsuY0

【変色した簀子】


883: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:25:52.10 ID:mxYXoMoI0

880ずれて881を採用

(いや……違う、簀子は確かに二人がコトキレルXを使った証拠にはなりうるけど、今モノクマに問われているのは使った【タイミング】)

(時間を示す証拠なら、別にあるはず……)

【スキル:包・帯・組・曲の効果で誤答ペナルティが無効化されました】

-------------------------------------------------

モノクマ「ふ~ん……?じゃあその薬で樋口さんが八宮さんを殺したって言いたいんだね?」

モノクマ「でもさ、そんなのいつ飲んだか証明できる?証明ができないならそれこそ机上の空論、砂上の楼閣だよ!」

灯織「もちろん証明だってできます」

モノクマ「ハァ?」

(そう、これは私たちも今まで知らなかった情報)

(というか、本来得ることのできなかった情報なんだ)

(あの人が私たちに託してくれた希望、これでモノクマの急所を突く……!)


【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>871~873

↓1


884: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:26:23.31 ID:nmB2YWjT0

【脱衣所前の監視カメラ映像】


885: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:28:18.31 ID:mxYXoMoI0


灯織「これです!」

【解!】

灯織「いつ飲んだか……それはこれを見れば一目瞭然ですよ」

モノクマ「なにそれ?メモリーカード?そんなの何に使うっていうのさ」

摩美々「メモリーカードの使い道なんて一つしかないでしょー」

灯織「この中には事件が起きる直前、二人で行動している樋口さんとめぐるの姿が残されています。この彼女たちの行動が、コトキレルXを飲んだ可能性を示唆しているんですよ」

智代子「みんなで情報処理室に行った時に手に入った映像だよね!この学園の外にいる人がわたしたちのためにモニターの監視カメラ映像をハッキングしてくれて手に入れることができた映像!」

愛依「確かこれって、二人が一緒に脱衣所に入っていく映像だったよね……」

モノクマ「ちょ、ちょっと待ちなよ!なにさ、その映像……そんな映像……ボクは知らないんだけど!」

雛菜「え~?なんで監視カメラの映像なのにモノクマがびっくりしてるの~?」

雛菜「モノクマはこの動画も知ってるはずじゃないの~?」

灯織「この映像は、モノクマを操っている人間である黒幕が知らなくても何ら不自然じゃないよ」

雛菜「ん~?」

(黒幕の監視カメラによる監視は完全なものでは無かった……それは間違いない)


【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>871~>>873

↓1


886: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:29:30.81 ID:YdVNnsuY0

【コロシアイ合宿生活の運営】


887: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:30:50.62 ID:mxYXoMoI0


灯織「これです!」

【解!】

灯織「このコロシアイ合宿生活を運営してる黒幕、モノクマの裏にいる人物も私たちと同じくあくまで一人の人間です」

灯織「監視カメラの監視もここまでの毎日、24時間全て把握するなんてことは物理的に不可能、事実モノクマ自身の証言でもありましたから」

灯織「この学校の運営は一部オートメーション化されている、監視カメラも深夜はAIによる監視がされているって」

摩美々「まぁ入退室のログぐらいは取ってるのかもしれないケド、わざわざ事件も起きてない脱衣所のログを確認はしてなかったのかもねー」

智代子「深夜にふとお風呂に入りたくなる……そういうことがあってもおかしくはないもんね!」

智代子「うん、きっとそうだよ!深夜に倉庫で夜食を漁るのと同じようなものだもんね!」

モノクマ「……」

灯織「そうなると、この映像はモノクマにとっては感知できなかった弱点……急所になりうる証拠なんですよ!」


888: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:31:49.93 ID:mxYXoMoI0


モノクマ「……急所?オマエラの世界ではこんなものを急所って言うの?」

モノクマ「こんな取るに足らないくだらない証拠未満の映像で?」

愛依「ちょい待ち!モノクマだって見てんじゃん!二人が脱衣所に入っていく映像……こんなんどうみても事件に関係してんじゃん!」

モノクマ「ええ、ええ。ボクもしっかり確認しましたよ?二人が仲良くお風呂に入ろうとしている映像をね」

摩美々「あくまで認めない気ぃ?」

モノクマ「認めるも何も、風野さんたちが持ち出したのはあくまで可能性、しかも吹けば飛ぶような脆弱極まりないやつだね」

モノクマ「こんな不確定要素しかないような映像、証拠としては受理できませんよー!」

灯織「不確定要素、ですか……それなら裏付けがあればいいってことですよね?」

雛菜「灯織ちゃん、そんな裏付けがあるの~?」

灯織「……多分」

モノクマ「ビッグマウスもいい加減にしなよ!そんなに口が大きくてもマスクからはみ出ちゃうでしょーが!」

摩美々「や、どうみても灯織は小顔じゃーん……」

灯織「あ、ありがとうございます……」

智代子「い、言ってる場合?!」

(可能性のピースを集めて行けば、たどり着くポイントは必ず存在する)

(黒幕にこれ以上言い逃れさせる隙を与えるわけにはいかない……!!)


889: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:33:36.66 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

【コトダマ】

‣【脱衣所前の監視カメラ映像】
‣【モノクマの証言】
‣【プレゼン資料】
‣【方舟計画】
‣【コロシアイ合宿生活の運営】
‣【変色した簀子】
‣【コトキレルX】
‣【学園内の見取り図】


摩美々「円香とめぐるが二人で脱衣所に入っていく映像はどうみても有力な証拠じゃーん」

モノクマ「有力?何をもって有力だって定義するの?」

モノクマ「情報処理室には高度な設備が整ってるからね!≪オマエラが捏造した≫かもわからないじゃん!」

愛依「うちらってばシロートじゃん!捏造なんか無理っしょ!」

モノクマ「大体脱衣所の中で何が行われたのかなんてわからないじゃん!」

智代子「だ、≪脱衣所の監視カメラ映像≫を確認すれば……!」

モノクマ「≪コトキレルXが脱衣所の中にあった≫?無いよね?」

雛菜「≪ロッカーの中に入ってた≫かもしれないですよ~?」

モノクマ「大体映像の樋口さんも八宮さんも薬を持っているようには見えないけど?」

摩美々「……隠し持ってる可能性はあるでしょー」

モノクマ「【薬を中で飲んだ証拠がない】以上は」

モノクマ「ぜんぶがぜーんぶ可能性どまりなんだよー!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1


890: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:35:07.63 ID:YdVNnsuY0

≪コトキレルXが脱衣所の中にあった≫に 【変色した簀子】


891: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:37:59.80 ID:mxYXoMoI0


(いや、簀子はあくまでコトキレルXが垂れて変色したと思われるもの……)

(これが脱衣所にあったからと言って、脱衣所に今もコトキレルXが存在する……わけではない)

(でも、これがモノクマにとどめを刺す切り札になる証拠なのは間違いないはず……)

(議論の流れを見極めろ……風野灯織!)

【スキル:包・帯・組・曲の効果で誤答ペナルティが無効化されました】

【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

【コトダマ】

‣【脱衣所前の監視カメラ映像】
‣【モノクマの証言】
‣【プレゼン資料】
‣【コロシアイ合宿生活の運営】
‣【変色した簀子】
‣【コトキレルX】
‣【学園内の見取り図】


摩美々「円香とめぐるが二人で脱衣所に入っていく映像はどうみても有力な証拠じゃーん」

モノクマ「有力?何をもって有力だって定義するの?」

モノクマ「情報処理室には高度な設備が整ってるからね!≪オマエラが捏造した≫かもわからないじゃん!」

愛依「うちらってばシロートじゃん!捏造なんか無理っしょ!」

モノクマ「大体脱衣所の中で何が行われたのかなんてわからないじゃん!」

智代子「だ、≪脱衣所の監視カメラ映像≫を確認すれば……!」

モノクマ「≪コトキレルXが脱衣所の中にあった≫?無いよね?」

雛菜「≪ロッカーの中に入ってた≫かもしれないですよ~?」

モノクマ「大体映像の樋口さんも八宮さんも薬を持っているようには見えないけど?」

摩美々「……隠し持ってる可能性はあるでしょー」

モノクマ「【薬を中で飲んだ証拠がない】以上は」

モノクマ「ぜんぶがぜーんぶ可能性どまりなんだよー!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1


892: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:42:22.46 ID:nmB2YWjT0

【薬を中で飲んだ証拠がない】に【変色した簀子】


893: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:45:11.50 ID:mxYXoMoI0


灯織「それは違います!」論破!

【BREAK!】

灯織「薬を脱衣所の中で飲んだ証拠なら存在しますよ」

モノクマ「う、嘘だッ!ボクはそんなの知らないぞ!」

灯織「ええ、だってこれもまたモノクマの見ることができないところ……監視カメラのない、脱衣所の中にあった証拠なんですから」

灯織「この簀子を見てください。形状、大きさ……特徴はどれも他の簀子と同じですがこの一部分だけ明らかに変色してますよね?」

愛依「ホントだ……運動会で転んだ時の弟の脛みたいな色じゃん……!」

摩美々「通常濡れただけじゃこんな色にはならない、酸性やアルカリ性に傾向のある液体でも滴り落ちない限りはねー」

モノクマ「ぶふぉう!!!」

(よし、モノクマに手痛い一撃を与えられたはず……!!)

灯織「たとえ薬品が今この段階で発見できずとも、樋口さんとめぐるがなんらかの形でからんでいたことは今更疑うべくもありません!」

モノクマ「……ぐ、ぐぎぎ」

灯織「なんなら今この場で簀子の染みについて成分調査にかけてもらいましょうか!」

モノクマ「……ぐ、ぐぎぎぎぎぎ」

モノクマ「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎ……」


これは、全員で見つけた細い細い可能性。
この学園で生きる私たち、犠牲となった樋口さんとめぐる、そして外の世界の協力者。
それぞれの持ち寄ったか細い可能性と可能性とをより合わせて……強固な一本の糸となる。

前回の裁判の結論をその糸が引っ張りあげてひっくりかえす。


シロとクロとが裏返る、その瞬間がいま目前に……


894: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:47:16.16 ID:mxYXoMoI0




モノクマ「ぐーっぎっぎっぎっぎ!笑っちゃうね!」




摩美々「……はぁ?ど、どういうコトぉ?今って悔しさで歯ぎしりしてたんじゃ……」

モノクマ「歯ぎしりって『ぐぎぎ』のこと?やだなぁ、ボクのエキセントリックな笑い声じゃないか」

智代子「笑い声にしては独特過ぎるよ!?」

モノクマ「あのねぇ、そんな簀子が何になるって言うのさ。確かになにかの液体が滴ってついた染みみたいだけどさ。それがなんなの?」

モノクマ「たとえ成分を調べてコトキレルXだったからって、この映像の前後でついた染みだって証明できる?」

灯織「……!!」

モノクマ「コトキレルXが簀子に滴る瞬間をとらえた映像でもない限りは無理だよね?なんだよ、やけに自信満々に言ってくるから確証があるのかと思ったけどとんだ拍子抜け!」

モノクマ「これもあくまで可能性の範疇での議論に過ぎなかったね!ぐーっぎっぎっぎっぎ!」

雛菜「む~!そんなの屁理屈だよ~~~~!」

モノクマ「屁理屈大いにケッコウ!」

(……くそ、悔しいけどモノクマの言う通り。あの簀子はあくまであの場所で薬品が使われたことを指し示す証拠)

(時間までの情報は内包していない……!!)

愛依「ど、どーしよ!これじゃ裁判の結果が覆んないし……灯織ちゃんが殺されちゃうよ!」

摩美々「それどころか私たち全員の命だよー」

智代子「わわわ、そ、その簀子にもっと情報はないのかな?!」

雛菜「ちゃんとした設備があれば染みが出来た時間まで調べられるかもだけど~、この状況じゃモノクマに揉みつぶされちゃう情報かもね~」

(……考えよう、考えるんだ)

(あの映像に映っていた時間時刻でめぐるが薬を飲んだのは間違いないはず……なら、あと必要な情報は時間の情報だけ)

(時間と薬とを紐づける何か……それを思いつけば事態は拓けるはず……!!)


895: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:49:04.11 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.めぐるの本当の死因は?
A.爆殺 B.刺殺 C.毒殺 D.絞殺

Q.2コトキレルXが脱衣所で服用されたことを示す証拠は?
A.監視カメラ映像 B.薬品ボトル C.簀子 D.めぐるの死体

Q3.円香とめぐるの映像が撮られたときに薬が服用されたことを証明するのに必要な情報は?
A.事件前に簀子は汚れていなかったこと 
B.簀子の出どころ
C.コトキレルXが簀子に滴った場合にできるシミの特徴
D.コトキレルXの薬効

Q4.それを証明するために必要なのは?
A.映像前の脱衣所の中の写真
B.簀子のスペア
C.脱衣所の入退室のログ
D.脱衣所内の監視カメラ映像


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1
-------------------------------------------------


896: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 21:55:11.83 ID:YdVNnsuY0

CBDC


897: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 21:58:46.41 ID:mxYXoMoI0


【CBDC】

(いや……違う。この事件において、あの簀子の持つ意味合いは大きい)

(あの簀子に起きた変色がコトキレルXの使用があったという事実そのものなんだ)

(となると、あの前後でそれが起きたことを証明する必要がある……)

【スキル:包・帯・組・曲の効果で誤答ペナルティが無効化されました】

【スキル:包・帯・組・曲の効果を使い切りました】

【虹の羽が輝き、行く道を照らす……!】

【どうやらQ2とQ3とQ4で選んだ道が異なるようだ……】

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.めぐるの本当の死因は?
A.爆殺 B.刺殺 C.毒殺 D.絞殺

Q.2コトキレルXが脱衣所で服用されたことを示す証拠は?
A.監視カメラ映像 B.薬品ボトル C.簀子 D.めぐるの死体

Q3.円香とめぐるの映像が撮られたときに薬が服用されたことを証明するのに必要な情報は?
A.事件前に簀子は汚れていなかったこと 
B.簀子の出どころ
C.コトキレルXが簀子に滴った場合にできるシミの特徴
D.コトキレルXの薬効

Q4.それを証明するために必要なのは?
A.映像前の脱衣所の中の写真
B.簀子のスペア
C.脱衣所の入退室のログ
D.脱衣所内の監視カメラ映像


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1
-------------------------------------------------


898: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:00:11.75 ID:+/gZB9mm0

caad


900: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:04:30.38 ID:mxYXoMoI0


【CAAD】

(いや、脱衣所は唯一黒幕の監視から逃れている場所……)

(あの中には監視カメラはなかったはず……となると、簀子が映像の前後で変化したことを示すのに必要になるのは)

(……常識にとらわれていちゃたどり着けない)

(一見突拍子のない発想でも、それが活路になるかもしれない……!)

【虹の羽が輝き、行く道を照らす……!】

【どうやらQ4で選んだ道が異なるようだ……】

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.めぐるの本当の死因は?
A.爆殺 B.刺殺 C.毒殺 D.絞殺

Q.2コトキレルXが脱衣所で服用されたことを示す証拠は?
A.監視カメラ映像 B.薬品ボトル C.簀子 D.めぐるの死体

Q3.円香とめぐるの映像が撮られたときに薬が服用されたことを証明するのに必要な情報は?
A.事件前に簀子は汚れていなかったこと 
B.簀子の出どころ
C.コトキレルXが簀子に滴った場合にできるシミの特徴
D.コトキレルXの薬効

Q4.それを証明するために必要なのは?
A.映像前の脱衣所の中の写真
B.簀子のスペア
C.脱衣所の入退室のログ
D.脱衣所内の監視カメラ映像


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1
-------------------------------------------------


901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:05:46.84 ID:+/gZB9mm0

caaa


903: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:06:59.11 ID:mxYXoMoI0


【CAAA】

灯織「推理は繋がりました!」

【COMPLETE!】

灯織「めぐるが毒薬“コトキレルX”を服用して死んだ……それが事実だとすると、あの映像に映っていた脱衣所の中で飲んだと考えるのが自然。というか他にめぐるが口にするタイミングはありませんからね」

灯織「その途中でめぐるが手を滑らせたのか、それとも私たちがここまでたどり着くことを見越してのことだったのか……簀子に零した薬で簀子の色が変わってしまった」

灯織「でも、モノクマの主張はその簀子がいつ汚れていたのかがわからない以上は可能性は無効だということ。それなら、今私たちが証明すべきなのは、あの映像の直前まで簀子が汚れていなかったこと……!」

モノクマ「ぐっぎっぎ!そんなの悪魔の証明だよ!簀子が汚れた証明は簡単でも、汚れてなかったことなんて証明できないんだ!」

智代子「大浴場に直前で行ってた人とかは……都合よくはいない、よね……」

摩美々「基本はシャワーで済ませる事が多かったしねー」

灯織「一つ、それを証明できるかもしれない物があります」

愛依「えっ!?マジ!?そんなんあったっけ!?」



904: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:08:52.10 ID:mxYXoMoI0


……あの監視モニターの映像を見た時から引っ掛かるところがあった。
そもそも、彼女が【めぐるに毒薬を盛る必要がない】という点。
これまで通りの行動なら、私の手でめぐるを殺させさえすればそれで目的は果たされる、めぐるを気絶させてしまえばそれでいいだけなんだ。


そして二つ目に、【なぜわざわざ脱衣所に行ったのか】。監視カメラのないところを彼女が選ぶ理由は別段ない。
むしろあそこまで私たちの推理の裏をかく計画を立てた樋口さんなら、黒幕に監視カメラで毒殺を見せつけた方が私たちの誤答を導きやすくなるし効率的だ。なのに彼女は、むしろ黒幕の目を避けるようにして毒薬を飲ませた。


最後に、【あの樋口さんがここまでわかりやすいミスをするだろうか】。
簀子に薬をこぼさせたまま、なんてのがまず考えづらい。
私の知る限り樋口さんは入念な準備に、慎重な姿勢でわずかな油断ものぞかせない、そんな人物だったはず。それは脱衣所を出た時の映像もそう。
めぐるにわざわざ口元を拭かせて、今この部屋で毒薬を飲みましたよ、と証言しているよう。


そう、ここまで行動をまとめて振り返れば振り返るほど、彼女の行動原理はブレてくる。
私たちに対する復讐なら、こんな面倒を踏む必要性はない。


ともすれば、これは私たちに対する何かのメッセージ……?
『私の仕掛けた謎に気づいてみせろ』、樋口さんはそう言っているんじゃないの……?


905: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:10:14.09 ID:mxYXoMoI0


灯織「……皆さん、樋口さんに監禁されたときのことを覚えていますか?」

雛菜「覚えてるよ~?確か雛菜は、部屋に一人でいた時に灯織ちゃんの監禁されてる写真を見せられて、慌てて部屋を出ようとしたところで意識を奪われちゃったんだよね~」

摩美々「摩美々も一緒でしたね、あの時は冷静じゃなくなってたしー」

灯織「……その写真ってどこから来たものだと思います?」

智代子「えっ……?あれ、そういえばそうだよね……写真なんか撮れるものって……」

愛依「あっ!【凛世ちゃんのカメラ】!ほら、霧子ちゃんの事件の時にデビ太郎の写真撮ってなかったっけ?!」

雛菜「あのカメラを円香先輩が~?」

摩美々「可能性は結構ある……だって、咲耶殺しの時に凛世と円香は協力関係だったわけだし、そこに取引があった可能性もないわけじゃ……」

愛依「で、でもさ!?カメラを円香ちゃんが持ってたとしてもさ、そんな自分の首を絞めるみたいな……うちらに有利な情報なんか残さないっしょ!?」





灯織「……今一度、樋口さんを信じてみませんか」





雛菜「……!!」


906: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:12:06.33 ID:mxYXoMoI0


灯織「本当に、彼女が私たちのことを殺したくて殺したくて仕方なかったのか……」

灯織「モノクマ!おそらくですけど……脱衣所のロッカーのどれかに凛世のカメラが入っているものと思われます。捜査をしてもよろしいでしょうか」

モノクマ「ちょ、ちょっと待ちなよ!そんなの……そんなの……あり得ないって!」

モノクマ「オマエラ何を見てたのさ!樋口さんはオマエラ全員をぶっ殺したくて、ぶっ殺したくてあそこまでの凶行に至ったんじゃん!?そんな都合よく簀子の写真を撮ってるとか思うわけ!?イかれてるよ!!」

灯織「それならそれで構いません」

灯織「狂気的なまでの仲間に対する信頼……それが私にとっての武器です」

モノクマ「ぐぎぎぎ……」

智代子「ま、また笑った!?」

摩美々「……これはどうやら、文字通りの歯ぎしりみたいだよー」

モノクマ「ああああああ!もういい!ほらよ、お探しのブツはこれですか!?」


モノクマはイライラが噴出したのか、裁判場内に響き渡るぐらいの叫び声のと共に私に向かって何かを投げ飛ばしてきた。

なんとか間に合わせてのギリギリのキャッチ。
間違いない。確かに凛世がアンティーカのみなさんから譲り受けた結華さんと同モデルの【デジタルカメラ】だ。


907: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:13:16.26 ID:mxYXoMoI0


摩美々「……モノクマ、もしかしてここまで裁判が始まる前に把握してたのー?」

モノクマ「ぷんすこぷんすこ!これ、ずっと隠したままにする気だったのにな!」

愛依「ひ、灯織ちゃん!?中身どうよ!?」

灯織「ま、待ってください……今確認します!」


皆さんにせかされて慌てて操作。背面の小型液晶に内蔵メモリの画像が表示される。
デビ太郎の事件の時の不審者もそのまま残っていたし、凛世が撮影した私たちの合宿生活の思い出も残っている。
それを眺めたい感慨から必死に目をそらし、どんどんどんどんスクロール。


灯織「この辺りですね……」

徐々に画像に私たちの監禁の画像が混じりだす。アイマスクに耳栓をされて無防備にうなだれる私。私をおびき出すために使われためぐるの監禁写真。そんな悪意の写真をめくってめくって……


……ついに行き着いた。


908: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:15:10.08 ID:mxYXoMoI0


灯織「……あった、ありましたよ!」


脱衣所の写真は撮影日時もあの監視カメラ映像と同じ。
それなのに、そこに写りこんでいる簀子には、微塵も汚れなどついていない。ましてやあの、ビビットな色合いのシミなどは皆無だ。


灯織「モノクマ、認めてもらえますよね?」

灯織「間違いない……めぐるは事件が起きる前に、脱衣所で既にコトキレルXを服用済みだったんです!」


ついに突き付けた人差し指。先端はモノクマを刺して揺るがなかった。
間違いない。この結論が真実、これこそがすべて。
私はついに樋口さんの謀略を看破したんだ……!

いや、正確にはそうじゃない。
さっきも回顧したばかり、樋口さんがこんな毒殺を……まるでモノクマに一杯食わせるためのような毒殺を行ったという事実。
これが出てきた以上は、私たちの彼女に対する認識を改める必要がある。


……樋口さんの私たちを憎しむ心は偽りはない。あの日記にもない、敵意としては純度の高いものだった。
でも、そこに一切の混じりっ気がなかったとは言い切れないんじゃないのだろうか。
私の手を汚させるためのめぐる殺し、私にめぐるを殺したと思わせるためのダミー計画。
完璧に成し遂げたはずのそれに、わざわざ自分でほころびを加えたこと。


それを考えたなら、彼女は______________________


909: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:16:55.65 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------

「……まずい」

私がこの隠し部屋に入ろうとした瞬間に、誰かが近づいてくるのに気づいたので咄嗟に入口とは別の個室に隠れた。
私と入れ違いになった人物は、そのまま素通りして隠し部屋へ。中で私が隠していた書類を読み漁り始めたらしい。

……別にあの情報は私が占有しようとして占有していたものでもなかったけど、
あの中の一部には……彼女たちに希望を与えうる、私に揺らぎを与えたものも混ざっている。

『このコロシアイは浅倉透のためのもの』
あのよくわからない怪文書のメモ書きの向こう側、隠し引き出しの中には彼が何かしらの形で隠したであろうボイスレコーダー。
……あれを聞かれるとまずい。

だから私はなんとか手ごろな武器はないかと捜索し、やっとで手に取ったトイレ用モップの柄の部分で思いっきり灯織の後頭部を叩きつけた。
打ち所が良かったのか一発で意識を奪うことに成功。

「……はぁ……はぁ……」

興奮と不安であがる息。慌てて書類の数々、そしてボイスレコーダーも回収。隠し引き出しには手を付けた痕跡もない。一応は大丈夫みたい。
……でも、私以外の人間が初めてここに足を踏み入れた事実が何と話に不安を掻き立てる。気が付けば私はそのレコーダーの音声を再生していた。

『……ザザ』


910: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:18:39.60 ID:mxYXoMoI0


『……これを聞いているのが誰かはわからないが、黒幕でないことを祈る。もう声で分かったか?俺は君たちをプロデュースしている_____』


ああ、変わらず覇気のある誠実そうな声。いやでも聞きなれてしまった、【あの男】の声だ。


『もう遅いのは分かってる、それでも謝らせてくれ。俺はあの人を……コロシアイ合宿生活を止めることができなかった、みんなの身を危険にさらしてしまった』


もうそれどころじゃない事態になっているだろ、とこの音声を聞くのも初めてでないのに突っ込んでしまう。


『……いや、そうじゃないよな。俺が伝えるべきなのは……』

『俺が必ずみんなを助け出す。だから俺のことを信じて、自分自身のことを信じて生き残ってほしい。必ず助けは来る、それまで仲間たちでお互いを支え合って生き延びてほしい。たとえ警察や機動隊が無理でも、俺一人でも助け出して見せるから』

『……なんて、口だけじゃ信用ならないよな。大丈夫、行動で証明する』


私じゃなければ、灯織たちであれば、このメッセージを聞けばさぞ奮い立って結束も強固なものとなったことだろう。
でもおあいにく様、お涙頂戴感動のこもった熱いエールは私にしか届かない。
生き残ることなんか考えず、仲間の足を引っ張ることしか考えていない私にしか。現実とはつくづく皮肉なものだ。
それに大体、こんな学園設備を乗っ取ってしまうようなのが相手なのに個人で立ち向かうなんてそれこそ絵空事。できるはずがない。


911: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:20:51.05 ID:mxYXoMoI0


≪高望みしようよ≫


……相変わらず夢物語がお上手ですね、ミスター・ストーリーテラー。
弁舌巧みに口八丁で人を動かしてしまうのだからあなたの恐ろしいところ。
きっとあなたは私にも他の子に向けるように期待をしているのでしょうね。

ですが、私はそうはならない。この犯行計画を止めるつもりはない。
あなたが望むのとは摩反対に仲間とやらの命を奪うことに躊躇は無いし、そのうえで私は自分の手も仲間の手も汚す。

でも、あなたの言葉をすべて無為にするのでは面白くない。
あなたへの反抗の意志表明をするのなら、少しだけ譲歩する方がお誂え向き。
あなたが信じてやまないアイドルなら、そのわずかな希望をつかみ取ることだってできるんでしょう?



きっと灯織なら_______


912: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:22:08.99 ID:mxYXoMoI0





_____あなたの期待にこたえてくれますよ。





913: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:23:00.36 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------

モノクマ「なんで樋口さんがそんな証拠を握ってるのさ……!彼女は絶望計画で風野さんたちを絶望させようとしてたんじゃないの……!?」

灯織「……それはある分では真意で、ある分では真意じゃなかったんですよ」

灯織「樋口さんは私たちのことを憎しむ一方で、助け出したい気持ちも持ってくれていた。それは殺意に比べれば些細な感情だったのかもしれません」

灯織「でもその揺らぎがこの突破口を開いたんです……!!」

摩美々「さて、これでどう見てもめぐるが脱衣所に入ったタイミングでコトキレルXを服用したのは明らかなワケなんですがぁ」

摩美々「これでも灯織をおしおきするのー?」

モノクマ「ぐぐぐぐぐ……」

灯織「これが樋口さんとの間に築かれた絆……!!樋口さんの力で私たちはモノクマを打ち破りますよ!!」

モノクマ「ぐぐぐぐぐ……」


914: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:24:19.06 ID:mxYXoMoI0




モノクマ「認めない!認めるもんかーーーーーーー!!」



愛依「はぁ!?ちょ、モノクマ、今の話聞いてたん!?」

智代子「そうだよ!もう認める認めないの範疇の話じゃなくなってるんだよ!?」

灯織「ええ、樋口さんの残したカメラの写真。これが動かぬ証拠____」

モノクマ「うるさいうるさい!それだって確実な証拠じゃないでしょ!もしかしたら薬を飲まずに垂らしただけかもしれないし!」

雛菜「ぶ~~~~!そんなの屁理屈じゃないですか~~~~~!」

モノクマ「あのね、八宮さんを消し飛ばしたあの爆発。あれを起こしたのが風野さんなことは動かぬ事実なの!不確かな証拠と動かぬ事実、どちらを取るべきかは明白でしょ!」

愛依「や、でもこの証拠だってほぼ百パーの証拠じゃん!そんなにユーレツつかんって!」

灯織「モノクマ……あくまで認めないつもりですか」

モノクマ「ふん!ボクの了見で確認した限りは風野さんがクロで間違いないんだよ!だからあのおしおきも何も問題なし!」

智代子「き、聞く耳を持たないって感じだね……」

愛依「ど、どどどどーすんの!?こんなんじゃ、いくら議論しても仕方な____」

摩美々「じゃあ攻め方を変えてみよっかぁ」

灯織「摩美々さん?」

摩美々「こういうのは摩美々の得意分野なので、ちょっと見ててくれればいいよー」


そう言うと摩美々さんは舌なめずりしてから、モノクマに向き直る。


915: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:26:58.40 ID:mxYXoMoI0


摩美々「ねぇ、モノクマぁ。摩美々たちはモノクマの言う通り自分の了見でおしおきして済ませるとしてさぁ」

摩美々「それってこの“世界”で許されることなのー?」

モノクマ「……は?なにさ、それってどういう意味―?」

摩美々「樹里の事件の時に言ってたよねー、この“世界”ではプログラミングなんか意味がないって」

摩美々「あの時からずっと気になってたんだよねー、“この”世界なんてまるで別の世界があるみたいじゃないー?」

モノクマ「ちょ、ちょっと待ちなよ!その時も言ったけど、それはただの言葉の綾で!」

摩美々「んー、でも摩美々たちは知っちゃってますからねー」

摩美々「この学園の外の世界に、摩美々たちのことを見ている人がいるって」

灯織「……!!」

(それってきっと……『あの人』、のことだよね)

摩美々「大体モノクマ自体が気づいてることでしょー、モノクマの緊急停止におしおきの失敗。そのいずれも外部からの干渉の結果だと思ってるんですケド」

愛依「そういえばそうだよね……あんなんどうみてもモノクマのミスとかじゃないし……」

摩美々「大体これだけの規模でコロシアイをしておきながら、ただモノクマの趣味とかで終わるとは思えないじゃーん」

雛菜「ん~、確かに漫画とかだとお金持ちがワイン片手に見てたりするイメージですよね~」

摩美々「普通、何かしらの目的があって開くんですよねー、こういうデスゲームって」

(そして、その目的ならなんとなく見当がつく……)

灯織「摩美々さん、その目的の説明は私がしても?」

摩美々「……!!そっか、任せたよー」

灯織「モノクマ、あなたはこのコロシアイ……これが目的なのではないですか?」


【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>871~>>873

↓1


916: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:30:07.62 ID:YdVNnsuY0

【コロシアイ学園生活】


917: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:32:59.75 ID:mxYXoMoI0


灯織「……」

【解!】

灯織「あなたに言われて図書館でこの学校について調べさせてもらいました。無人になってしまっているこの学園で何が起きているのか、そしてこの世界で何が起きているのか」

(あまりにも荒唐無稽な話だけど……モノクマの行動を説明するのなら、それしかない……!!)

灯織「皆さん、『人類史上最大最悪の絶望的事件』という言葉に聞き覚えはないですか?」

愛依「え、ええ?!な、なにそれ……そんな漫画みたいな……」

智代子「全然、聞いたことないよ……」

灯織「私も正直なところ、図書室で見るまでは一度も聞いたことすらありませんでした……事件の名前も出たらめなものですし、規模だって非現実じみている。でも、ここに書いてあることは……あまりにも身に覚えがあるんです」

摩美々「どういう意味―?」

灯織「見ていただいた方が早いですね……」


私はみなさんに改めてその馬鹿げた規模の、ありえない存在してはいけない、現実に実際起こった事件について説明した。
世界の文明が一度滅んでいること、世界が絶望で満たされていること、そして江ノ島盾子という一人の少女がそれを引き起こしたこと。
江ノ島盾子が、私たちの状況にあまりにも酷似したコロシアイ学園生活を開いたこと。

そんな非現実じみた現実を聞いた皆さんの反応は……


918: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:34:32.18 ID:mxYXoMoI0


摩美々「そんなの……あるわけないじゃん……こんなの、どうみてもフィクションでしょー」

愛依「ないないないない!だってうちら、この学園に来るまでの記憶とかしっかりしてるけど、こんな事件聞いたことも見たこともないって!」

智代子「流石にちょっと信じがたいと言いますか……冷静になった方がいいかも?」

雛菜「だよ~?」


____拒絶。

私だってそうだ、理性の半分以上は今でもこの情報を理解できずにいるし、呑み込めていない。
でも、このコロシアイ学園生活の文字列は……無関係だとは到底思えない。

それに、この情報を持ち出したモノクマが


モノクマ「うぷぷぷ……」


不敵に笑いだしたんだから。


919: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:36:33.41 ID:mxYXoMoI0


灯織「……私もまだ、そこに書いてることは信用はできていません。ですが、そこに書かれている『コロシアイ学園生活』、それは嫌気がするほど私たちのコロシアイ合宿生活と合致しているんです」

灯織「場所に参加人数、参加者が高校生に限られていることもそう……」

灯織「もし仮に、このコロシアイがそれに準えて行われていたのだとしたら、モノクマの目的とはつまり……」

摩美々「絶望を振りまくコト……?」

灯織「……摩美々さんの推理とも合致します、モノクマは今の私たちのコロシアイを中継で放映して絶望を世界中に波及させようとしている……そんな可能性だって」

愛依「いやいやいや!待って灯織ちゃん!そんなん無理だって!」

愛依「世界中に放映ったってめちゃくちゃお金かかるよ!?そんなんいくらモノクマが馬鹿げた力を持ってっからって……」







雛菜「____でも世界が滅んでたら関係ないですよね~?」





智代子「ひ、雛菜ちゃん!?」


920: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:38:20.49 ID:mxYXoMoI0


雛菜「別にこの事件のことを信じたわけじゃないけど~……」

雛菜「かれこれ一か月も監禁されてるのに一切助けも来ないし、こんなにおっきな学校を丸々一つ占拠したりするなんてそうじゃないと説明付かない部分があるなってふと思ったんですよね~」

摩美々「……それはそうだけどー」

(いや……でも……そんな、世界が滅んだなんて、そんなわけ……あるはずない、あっていいはずない)

愛依「で、でもさ!?だとしたらうちらがそれを知らないなんて、おかしくない!?」

灯織「……愛依さん、これまた馬鹿げた話なんですが一つ可能性としては考えられるものがあります」

愛依「え……!?」

(……というよりも、私たちはそれに伴う体験も一度経験している)

(私たちは人類史上最大最悪の絶望的事件を、知らなかったわけじゃなく……)

(きっと……)

-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】

つ/く/し/お/き/そ/う

【正しい順番に並べ替えろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1
-------------------------------------------------


921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:39:16.03 ID:YdVNnsuY0

きおくそうしつ


923: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:41:04.24 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------
【記憶喪失】
-------------------------------------------------

灯織「そうか、分かりましたよ!」

【解!】

灯織「……人類史上最大最悪の絶望的事件、それを私たちは知らなかったわけじゃない」

灯織「……忘れてしまっていたんです」

智代子「わ、忘れてた……?」

灯織「ここに居合わせている全員が揃って記憶喪失に陥っているということです……この事件に関する記憶を抜き取られて」

摩美々「……頭が痛くなってくるような話なんだケド」

灯織「私だってこんなのあり得ない、馬鹿げてるとは思いますよ!……でも、それなら、他にも説明がつくこともあるんですよ」

愛依「ほ、他にも……?」

(捜査中に見つけた身に覚えのないものはこれだけじゃない……)

(確かにそこに存在している情報なのに、私自身にまるで記憶がない……)

(きっとこれも……)


【正しいコトダマを選べ!】

>>871~873

↓1


924: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:42:02.14 ID:YdVNnsuY0

【キャンプの写真】


925: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:45:10.95 ID:mxYXoMoI0


灯織「これです!」

【解!】

灯織「前に一度、捜査中に私がある写真を見たという話をしたのを覚えていらっしゃいますか?」

智代子「そういえば……真乃ちゃんと小糸ちゃんの二人の写真があったんだっけ?」

雛菜「小糸ちゃんがそんなに仲良しだったのかぁってその時は雛菜も思いましたけど~」

雛菜「今ここで持ってくるってことは灯織ちゃん、そういうことなんだね~?」

灯織「うん……雛菜と一緒に確認した通り。この写真は、一枚で終わるものでは無かったんです……」

愛依「え……?こ、これって……うち……?」

摩美々「随分と楽しそうにしていらっしゃいますねー……」

愛依「い、いやいや知らない!こんなの、うちマジで知らないよ!?」

灯織「私もそうです……ここに映り込んではいますが、記憶はない……それは、全員がそうなんじゃないですか?」

智代子「うん……まるで覚えてないや」

智代子「こんなキャンプ、参加した覚えも……あれ?このキャンプ場って……」

摩美々「希望ヶ峰キャンプ場……摩美々たちが本来合宿で行くはずだった場所じゃないですかぁ?」

愛依「え?!で、でも合宿の途中でうちらはこのコロシアイに巻き込まれてるしさ……」

雛菜「その前提からおかしいんだよね~」

雛菜「発想の逆転、でしょ~~~~~?」

灯織「雛菜の言う通りです。私たちは、この写真にあったことを忘れている」

灯織「合宿に行った記憶を、喪失しているんです……!」

智代子「そ、そんなの……そんなのおかしいよ……」

愛依「うちらが集団で記憶喪失……?」

(困惑するのも仕方ない、非現実を非現実で煮詰めたような奇怪な事実……)

(でも、これを突き付けないことには、前に進めない……)


926: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:48:22.56 ID:mxYXoMoI0

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】
‣【キャンプの写真】
‣【新聞記事】
‣【絶望の残党】
‣【Aへのメール】
‣【脱衣所前の監視カメラ映像】
‣【方舟計画】
‣【思い出しライト】


愛依「うちらが集団で記憶喪失!?そんなのってあり得るん!?」

摩美々「バスで気絶した時に、≪何か薬を飲まされた≫……とかぁ?」

雛菜「記憶を飛ばすなんてそんな都合のいい薬あるんですか~?」

愛依「うちらはバスで合宿に行く途中だったんでしょ?」

愛依「だったら途中でもしかして≪事故った≫んかも!そのショックで記憶が飛んだとか!?」

摩美々「や、だとしたら摩美々たち無傷なのがおかしいでしょー」

智代子「い、一旦落ち着こうよ!」

智代子「そ、そんな【人の記憶を弄るなんてできっこない】よ!」

智代子「写真はきっと加工した写真で……」

智代子「人類史上最大最悪の絶望的事件とかも、【後付け設定】なんだよ!」

智代子「だから……今までの話は……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1


927: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:49:12.03 ID:+/gZB9mm0

人の記憶を弄るなんてできっこない に 思い出しライト


929: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:52:10.40 ID:mxYXoMoI0


灯織「それは違うよ!」論破!

【BREAK!】

灯織「人の記憶に干渉する技術なら、私たちは知ってるよ」

智代子「え?」

灯織「チョコ、忘れた?希望ヶ峰学園に関する記憶、第78期生が今年の入学者に選ばれたっていう記憶……あれは思い出しライトを使うことでやっと思い出せた」

灯織「むしろそれまでは忘れてしまってたんだよ」

智代子「……そ、それはそうかもだけど」

灯織「黒幕は意図的に私たちに与える記憶、失う記憶を操ることができる……そう考えた方がいいのかも」

灯織「だから、合宿の時の記憶は残ってないし人類史上最大最悪の絶望的事件も今の今まで忘れてた」

摩美々「……本当に、そんな事件があったって言うのー?」

愛依「う、うちらは……世界が滅んだ記憶を失ってる……?」

智代子「そんなの、そんなのあり得ないよ……だって、つい一か月前まで変わらない日常を送ってたんだし……」

雛菜「でも、状況証拠から考えると、それが一番すんなり通りますよね~?」

摩美々「や、でも流石に……そんな常識はずれな……」

灯織「この学園では常識なんて通用しない……それは私たちがここでの生活で学び取ったものです」


【モノクマ「事実は小説より奇なり!」】意見対立!


930: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 22:53:31.45 ID:mxYXoMoI0


モノクマ「うぷぷぷ……これはこれは面白い議論で白熱していますね」

灯織「モノクマ……」

モノクマ「自分たちの記憶をめぐる議論、存在しない記憶が本当に実在したのか、そうでないのか……現実対非現実の対決と言い換えてもいいかもしれないね」

モノクマ「アイドルなんて幻想の世界の住人たちがこんな議論をするなんて、ああなんてファビュラス!」

雛菜「灯織ちゃん、ここはみんなになんとか納得してもらうしかないみたいだよ~」

雛菜「まあ、雛菜も納得してはないけどね~」

(……やるしかないんだね)

(悲痛極まりない可能性を、現実のものに変えるための対決を……!)

-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「人類史上最大最悪の絶望的事件はフィクションだ!」vs【人類史上最大最悪の絶望的事件は現実に起きた!】


智代子「狙ったところだけ、全員記憶喪失にさせるなんてそんな技術……存在するわけないよ!」

摩美々「摩美々たちの住んでた世界ってそんなに脆い存在だったのー?映画や小説みたいに、そんな簡単に崩壊してしまうものだったのー?」

智代子「この合宿写真だって加工したもので……そんなの、いくらでも捏造可能だよ!」

愛依「うちらとこの事件とじゃあまりにも規模感が違いすぎて、自分の身に近しい話って感じられなくない?こんなんマジで無関係だって!」

摩美々「文明が摩美々たちの知らない内に滅んでたなんてそんな非現実的な話、本気で言ってるわけー?」


-------------------------------------------------
【意見スロット】

【技術】
【第78期生】
【世界】
【写真】
【現実】

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能

↓1


931: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 22:56:56.28 ID:YdVNnsuY0


【技術】
【世界】
【写真】
【第78期生】
【現実】


932: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 23:00:30.37 ID:mxYXoMoI0


「人類史上最大最悪の絶望的事件はフィクションだ!」vs【人類史上最大最悪の絶望的事件は現実に起きた!】

【灯織「これが……現実!」】

智代子「狙ったところだけ、全員記憶喪失にさせるなんてそんな技術……存在するわけないよ!」
【灯織「ここは私が!」
灯織「思い出しライト、全員がその身をもって体験したよね?人の記憶に干渉する技術を黒幕は有しているんだよ!」】

摩美々「摩美々たちの住んでた世界ってそんなに脆い存在だったのー?映画や小説みたいに、そんな簡単に崩壊してしまうものだったのー?」
【灯織「雛菜!」
雛菜「でも現に雛菜たちを助けに警察も来ませんし~、こんなコロシアイが成立してること自体おかしなことじゃないですか~?」

智代子「この合宿写真だって加工したもので……そんなの、いくらでも捏造可能だよ!」
【灯織「雛菜!」
雛菜「それならもう一回ちゃんと見る~?雛菜には本物の写真にしか見えないけどな~!」】

愛依「うちらとこの事件とじゃあまりにも規模感が違いすぎて、自分の身に近しい話って感じられなくない?こんなんマジで無関係だって!」
【灯織「ここは私が!」
灯織「希望ヶ峰第78期生によるコロシアイ、私たちによるコロシアイとの間の類似点を無視することはできません!」】

摩美々「文明が摩美々たちの知らない内に滅んでたなんてそんな非現実的な話、本気で言ってるわけー?」
【灯織「ここは私が!」
灯織「現実か非現実かなんて我々の主観だけで判断するものじゃありません……たとえ受け入れがたい非現実でも!」】


-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値500以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】

↓直下より5回連続でコンマ判定


933: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 23:01:41.23 ID:nmB2YWjT0



934: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 23:01:55.23 ID:E/p55OsC0



935: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 23:02:18.86 ID:YdVNnsuY0



936: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 23:03:02.18 ID:YdVNnsuY0

ひぃん


937: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/10/04(月) 23:03:26.58 ID:+/gZB9mm0



939: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 23:07:08.68 ID:mxYXoMoI0


【コンマ 23+23+86+18+58+70×5>350】

【全論破】

「「「これが私たちの答えだよ!」」」

【BREAK!】

灯織「……こんな現実、受け入れようったってそう受け入れられるものでもないです。それでも、もうこれを否定できるものでもないんです」

灯織「……私たちは、記憶を失っている。この世界が滅んでしまった、その記憶を」

摩美々「……はぁ、気が狂いそう」

智代子「もしかして……凛世ちゃんがおしおきの直前に言ってた、わたしたちを守るためって言葉はそういう意味だったのかな……」

智代子「外の世界の現実を、凛世ちゃんが知ってたからこそ……滅んだ世界に私たちが出会わないように……咲耶ちゃんを……」

愛依「じゃあ、うちらは本当に二年の記憶を失ってるの……?」

愛依「だとしたら……兄弟たちは今、どうなってんの……?」


場内に漂う陰鬱とした空気。外の世界は滅んでいる、そんな言葉は受け止めようとして受け止められるものでもない。
視線を落としてしまうのも致し方ないこと。
そんな空気の中、モノクマは不敵に笑う。


モノクマ「うぷぷぷ……うぷぷぷ……」

灯織「モノクマ……これが、狙いだったんですか……私たちをこの局面で絶望させて、糾弾を退け____」


940: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 23:09:05.59 ID:mxYXoMoI0


モノクマの笑い声に食って掛かろうとしたその時だった。
モノクマは懐から何かリモコンのようなものを取り出し、そのボタンを押す。すると同時に場内のモニターにスイッチが入る。
すぐにその液晶には……信じがたい映像が流れだす。


「……は?」


そこに写っていたのは単純な暴力。暴力が暴力を呑み込み、更なる暴力が暴力を破壊する。
私が図書室で見た、あの写真よりもはるかに凄惨な、生きたままの暴力が映像として流れている。


モノクマ「その両目をかっぴらいてご覧あれ!これがオマエラの知りたがってた、その世界の真実だよ!」


その輝かしいステージに立つことを夢見てきたスタジアムは人々の血にまみれ、座席も破壊され見る影もない。
空は立ち上る煙と火柱に照らされ、橙色に染め上がる。がれきにまみれた街を行くのは、ぼろきれのような服をまとう子供たち。
大人の亡骸を引きずりながら、楽しそうに歌を歌っている子供たち。


「……!!」


_____その歌は、私たちの歌だ。


941: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 23:10:54.00 ID:mxYXoMoI0


愛依「ゆ、夢だって……こんなの、悪夢っしょ……」

摩美々「…………っ!」

モノクマ「あはははははは!オマエラが帰りたがってた世界なんてもう、この世には存在しないんだよ!オマエラが夢見たステージも、一緒にレッスンした場所も、第二の家と言うべき事務所も!」

モノクマ「ぜーんぶぜんぶ木っ端みじん!何一つ残っちゃいないんだよー!」


視界の焦点が合わない、手足からは力が抜けていき、証言台を握っていないと崩れ落ちてしまいそう。
世界が滅びた映像のもたらした衝撃が、今まさに私の脳内を破壊していく。思い出という思い出が、爆撃を受けているよう。

____記憶の中の景色は、もはやどこにもない。

-------------------------------------------------

真乃「ごめんね、最後まで一緒にいられなくて……アイドルの夢を追い続けられなくて」

真乃「でも、私二人なら頑張れる……アイドルとしてもっともっと輝けるって信じてるよ……っ!」

真乃「灯織ちゃん……めぐるちゃん……負けちゃダメだよ!むんっ!」

-------------------------------------------------

真乃に託された夢を叶えられる場所もない。


942: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 23:11:40.97 ID:mxYXoMoI0


モノクマ「おやおや?どうしたのみんな、急に黙りこくっちゃってさ!」

摩美々「……モノクマ、この映像は」

モノクマ「いうまでもなく本物、なんならリアルタイム映像でんがな!この学園は核シェルター並みの強度を誇っているから安全だけど、外の世界はそうはいかない。毎日そこらこちらでミサイルと手りゅう弾が飛び交って、人間の頭も飛び交うそんな賑やかな状態なんだよね!」

灯織「……」

雛菜「……」

愛依「……」

智代子「……」

摩美々「……」

モノクマ「やれやれ、みんなこんなんになっちゃったら議論が進まないじゃない!しょうがないなぁ、このままだんまりじゃつまらないし無理やりにでも議論を進めさせてもらうよ!」

モノクマ「さて、人類史上最大最悪の絶望的事件が実在したと明らかになったわけですが、これによって一つ証明できることがありますね?風野さん」

灯織「証明……?」

モノクマ「さ、学級裁判はまだまだ止まらないよー!むしろここからが本番なんだから……」


943: ◆zbOQ645F4s 2021/10/04(月) 23:12:17.34 ID:mxYXoMoI0






モノクマ「絶望のその先に行こうよ」









転載元:【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1622871300/

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