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トップページモバマス > 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 第七夜



79VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:00:06.12 ID:W0F/MLyAo


第七夜 追悼集会


茄子「さて、本日のアイドル百物語ですが……」
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小梅「じ、実は、今回は、前回の早苗さんと同じ時に、し、収録してきた」
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ほたる「へえ。……同じ事務所の方、とかですか?」
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小梅「うん……。向井拓海さん」

茄子「仲良しさんなんですね」

小梅「う、うん。昔……からの知り合い、だって」

ほたる「なるほど……」

小梅「な、なので……ちょっと趣向を変えて、そ、そのときの様子を……」






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80VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:00:34.50 ID:W0F/MLyAo


拓海『おい。さっきの質問の答えはなんだよ』

早苗『え?』

拓海『え、じゃねえよ。あれ、アタシのことだろ!』

早苗『そんな、誤解ですよ』

拓海『うわ、なんだよ。気持ちわりぃ言葉遣いすんなよ!』

早苗『そんな。あたしは先輩に敬意を表しているだけですよ、拓海せんぱい』

拓海『なっ! だ、だから、その先輩ってのやめろよ、バカ!』

早苗『なんでですかー、拓海せんぱーい。バカなあたしに教えてくださーい』

拓海『ああ、もう、調子狂うだろ!』




ほたる「ええと……」

茄子「じゃれあってるって感じですよね」

小梅「う、うん。たのしそう……だった」

ほたる「は、はい。では、その……怪談に参りましょう。どうぞ」




81VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:01:10.77 ID:W0F/MLyAo


向井拓海(18)
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○一言質問
小梅「これまでで一番戦慄した時……は?」
拓海「知り合いの婦警が、アイドルの後輩として事務所に入ってきやがった時」




82VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:03:02.00 ID:W0F/MLyAo


 おう、小梅。
 こないだ、涼と一緒に飯食いに行って以来だっけ?

 あー、しかし、お前、相変わらずまっちろけだなー。
 ちゃんと飯食ってっか?

 ま、それはいいか。

 で、あー、なんだ。
 怪談だっけか。
 
 うーん……。
 なんかあったけかなあ。

 喧嘩の話とかはあるけど、そりゃ怪談じゃねえよな?

 んー……そうなると.
 あれか。

 アタシがバイクとか好きなのは、当然知ってんだろうけどさ。
 バイク乗りっつっても、いろいろな奴がいんだよ。

 バイクをいじるのが好きなやつ、その中でもカスタムが好きな奴、ただ走んのが好きな奴、遠出するのが好きな奴、
目立ちたい奴、スリルを楽しみたい奴……ってな。

 今回は最後の類の奴の話だ。

 走り屋とか聞いたことあるか?

 え?
 たまにホラー映画に出てきて、最初に殺人鬼に会う役?

 あー、夜道とか走っててか。
 ありそうな話だな。
 だいたい、あの手のは、不良がおかしなことしでかしておおごとになっちまうって感じだろ?

 ん?
 様式美か。なるほどな。




83VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:04:25.69 ID:W0F/MLyAo


 おっと、話がそれたな。

 ともかく、普通の奴には走りにくい道を、すげえスピードで走り抜けて、技術と度胸を競う。
 そんな奴らだよ。

 そうは言っても、ストイックな野郎ばっかじゃねえけどな。
 連中も目立ちたい欲があって、わざとうるさくしたり、光らせたりなんかもすっからさ。

 ただ、中には本当にひたすら走りの腕だけを追求するバカがいるんだ。

 そこらの連中がやってる派手なだけのレースなんかには目もくれねえ。
 ただただ、自分がどれだけ早くそこを抜けられたかを突き詰めるなんてのがよ。

 アタシの知り合いにも、そういうバカがいた。

 ……うん、いたんだ。

 いまはもう死んじまった。

 そいつは、有名無名とかなんも気にせずに、自分が走りたいところにせっせと通うような奴だった。
 あの峠を抜けるのを二十秒早く出来たんだぜ、とか、当人しか喜ばねえ話を、にこにこと吹聴する野郎だったよ。

 一緒にたむろってたりはしたけど、そこまで親しいわけでもなかったからな。
 黙って聞いてたよ。

 正直、こいつなに言ってんだとは思ったけど、なにしろ本人はすげえ嬉しそうだから、いらつくこともなかったな。




85VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:05:58.35 ID:W0F/MLyAo


 でさ、そいつが死んだって報せがある日来たんだ。

 ああ、ついに事故ったか、ってみんな思っただろうぜ。
 そりゃあ、ぎりぎりまで速さを追求するような奴はさ、いずれはどかーんと逝っちまうもんだからな。

 でもな、違うって言うんだよ。

 そいつな、幽霊を追いかけて死んだんだって。

 わけわからねえだろ?
 あたしたちもふざけんなって言ってやったよ。

 でも、そいつの一番の親友だった野郎が、マジな顔で言うんだよ。

 自分は、幽霊とあいつが勝負するのを見届けた、ってな。
 ある峠に出るゴーストライダー、そいつを打ち負かそうとして、あいつは死んじまったんだと。

 小梅なら詳しいんだろうけどよ。
 でけえ事故があったとか、事故が連続して起きたってなところでは、自然と幽霊の話も出てくるもんなんだよな。

 たいていはすぐ消えちまう噂だったとしても、な。

 よくあるのは、乗ってるやつがいねえバイクとか車が走ってるってやつだな。
 今回のは、それの変形で、首のない幽霊が乗ったバイクが、峠を走ってるってやつだった。

 ただ、走ってるだけじゃなくて、とてつもなく速いんだと。
 普通のライダーなんかはぶっちぎりで抜き去っていくから、首がないって気づかないやつもいるくらいだったらしいぜ。

 もう、そうなると幽霊話じゃなくて……なんだろうな。
 笑い話だよな。

 でもよ、あいつはそれを信じて、追いかけて、ついにその首無しのライダーと勝負したらしい。




86VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:07:40.20 ID:W0F/MLyAo


 結果として、自分も死んじまったわけだけどな。

 そりゃアタシらも、親友が死んじまったもんでこいつもおかしくなっちまったか、とは思ったけどさ。
 でも、一番の親友だと誰もが認めてる野郎がそう信じてるんだったら、それを信じてやるのが仁義ってやつだろ?

 だから、そいつの言うとおり、みんなでその峠に向かったんだ。
 何十台もバイクを押し立ててさ。

 追悼集会ってやつだよ。

 どっちにしろ、そこで死んじまったんだからな。
 走ってやるのが供養なんだよ。
 アタシらには、な。

 夜中にそんだけ集まる時点で、周りは迷惑だろうけどよ。
 いまはその是非は置いといてくれ。

 それで、みんなで走ってたわけだけど、真夜中に集団で走ってっから、さすがに、そんなにスピードは出してなかった。

 そこに、後ろからバイクが来んだよ。
 うん、灯りが見えてさ。

 なんだ、誰か遅れやがったか、と全員思ったんじゃねえかな?

 それがさ、そのライトがすげえ速さで追いかけてくんだ。
 そらもう、こっちに突っ込んでくるような勢いでな。

 そうなると、こりゃ、仲間じゃねえってなるわな。
 邪魔するやつがいるぜって、血の気の多いやつが早速切れたりしてたよ。

 だけどな、近づいてくるにつれて、わかったんだよ。
 なにしろぐんぐん近づいてくるからよ。

 見えるんだ。




87VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:09:08.90 ID:W0F/MLyAo




 突っ込んでくるバイクに乗ってる奴の、首が、無え。


 そう、あいつが追いかけて、死ぬことになった首無し野郎が出やがったんだ。

 アタシらはかっとなって、そいつの進路をふさいでやろうとしたよ。
 そしたら、この集会の言い出しっぺ……あいつの親友が叫んだんだ。

『あいつの邪魔するな!』

 はっとして、みんな振り返ったりミラーを見たりした。

 いたよ。

 首無しライダーの後ろにぴったりくっついて、がちがちにチューンしたバイクにのった、あいつがさ。

 二台は本当に少しも離れずに、突っ走ってた。
 いや、あいつが、首無しに食いついて離さなかったんだ。

 そいつらは、アタシらの横を、とんでもねえ速さで駆け抜けてさ。

 そのまま、崖に直進したよ。

 あいつが曲がりきれずに、落ちて死んだ崖にな。
 下にはぐしゃぐしゃのバイクがまだ残ってるはずの、崖にな。

 でも、曲がりきれなかったんじゃなかったんだ。
 あいつは、追いかけてただけだったんだよ。

 崖の上の空を飛んでく首無し野郎を、な。

『ああ、あいつ、まだ追いかけてやがるよ』
『ばかだなあ。死んでまでよお』

 そんなこと言って、みんな、泣きながら笑ってたよ。

 空を昇っていく二つのテールランプを見つめながら……。


 本当に……バカだよな。




88VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:09:37.60 ID:W0F/MLyAo


茄子「なんだか……切ないお話ですね」

ほたる「亡くなった方は……。いえ、私たちが言えることではないのかもしれませんね……」

小梅「死者と生者は……き、基本的に、相容れない。は、話が出来る場合もあったり……するけど、それでも……」

茄子「やはり、生きているときとは、違う、と」

小梅「……う、うん」

ほたる「寂しいですが……。きっと、そういうものなのでしょう……ね」

小梅「思いすぎる、のも、い、いけない。ただ……たまに……思い出すのが、いいの、かも」

茄子「そうですね。さて、ここからは話を切り替えまして……」


 第七夜 終




89VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] :2013/04/27(土) 01:10:40.07 ID:W0F/MLyAo


本日は以上です。
拓海は小梅ちゃんを甘やかすタイプだと思います。




90VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/04/27(土) 01:12:15.90 ID:AgGVDkfh0


乙。リアルタイムで見れたの初めてだ。

>拓海は小梅ちゃんを甘やかすタイプだと思います。
わかる




91VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/04/27(土) 06:48:17.19 ID:ge5l/ZW70


小梅ちゃんは天使
今回はせつない話だったな
首無しライダーは怖いけど




92VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/04/27(土) 09:25:46.86 ID:e6SyJGgQo


こういう切ない話はいいね



転載元:小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365945798/

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コメント

コメント一覧

    • 1 名無しさん@ニュース2ちゃん
    • 2013年04月29日 02:49
    • もしかすると1げと?
      馬鹿なヤツだったな、と思うのと同時に
      ソッチの方に居た好敵手に手を出す程飢えてたのか?っていう・・・
    • 2 名も無い春香さん
    • 2013年04月29日 09:35
    • 実際に走り屋や珍走団にありそうな話だな
    • 3 名無し春香さん
    • 2013年04月29日 09:46
    • 首なしの方ももう未練はないんだろうな
    • 4 名無し春香さん
    • 2013年04月29日 19:42
    • 首無しライダーって聞いてセルティがでてきた俺はダメかもしれない
    • 5 名無し春香さん
    • 2013年04月29日 20:07
    • 凄いありそうでリアリティがあった
      首無しや死んだ走り屋は、多分今の状態に満足してるのかもな……
    • 6 名無し春香さん
    • 2013年05月02日 01:29
    • だから首ナシライダーは、ノーヘルの松崎しげるだと
    • 7
    • 2013年05月02日 02:00
    • 子ども向けのホラー短編集に似たような話があったなぁ、そちらは首が折れてしんだ奴が首なしでバイクに乗って仲間にお別れを伝えにくる話だったかな
    • 8 にゃーん
    • 2015年02月08日 14:05
    • 50夜まで読んでやっぱりこの話が一番好きだ。
      シーズン5、来ないかなぁ
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