155 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:06:33.05 ID:mqA3c5BOo
第三十五夜 ひひ
茄子「それでは、本日のアイドル百物語へと参りましょうか」

ほたる「今日はどんなお話でしょう……?」

小梅「今日は……交通関係のお話、かな」

ほたる「交通、ですか?」
茄子「なにかが追いかけてきたりとかって話は、よくありますよね」
小梅「う、うん」
ほたる「ああ、なるほど……」
小梅「それだけじゃなくて……。実話怪談だと、車が関わる話は多い。あ、アイドルの人たちだとそう多くならないけど……」
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小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season 3 第三十四夜
シリーズスレ
白坂小梅のラジオ百物語
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156 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:07:16.49 ID:mqA3c5BOo
茄子「移動手段ですしね」
小梅「それに……密閉空間だし」
ほたる「閉じられた空間になにか現れたら……怖いです」
小梅「あとは……事故がらみも」
茄子「ああ、なるほど……。私たちは自分で運転しないから、そのあたりは身近ではないですが……」
小梅「うん」
ほたる「今回のお話はどんな感じなのか楽しみですが……。さて、どなたのお話なのでしょう?」
小梅「今日は大槻唯さん」
茄子「では、唯さんのお話です。お聞きください」
157 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:07:50.55 ID:mqA3c5BOo
158 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:11:06.86 ID:mqA3c5BOo
ちゃーす☆
ゆいだよ。
小梅ちゃん、キャンディ食べる?
うん、食べれ、食べれ。
それで、今日は怪談だよねー。
うーん。怪談かー。
そうだねー、怖い話はあんまり得意じゃないね。
ゆいはやっぱり楽しいほうがいいし。
といって、嫌いってわけじゃないよ。
たまにはぞくぞくするのも面白いもんねー?
じゃ、今日はゆいのとっておきの話をしちゃおうかな。
これは、少し前の……まだ暑くてしょうがなかった夏の日の出来事だよ。
みんなでちょっと遠くに営業に行ったんだ。
と言ってもそこまで遠くじゃないよ。
無理すれば日帰りできちゃう場所。
でも、その日のイベントのスポンサーさんが、とってもいい人でさ。
ちょうどそこから東京への帰り道にある温泉でゆっくりしていけって宿を手配してくれたの。
159 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:12:38.14 ID:mqA3c5BOo
ねー。
すごい嬉しいよね、そういうの!
それで、イベント参加したみんなで汗を流してゆっくりしてたら、事務所から……え?
あ、うん?
いつもみたいに呼ぶな?
あ、なるほど。
うん、わかったー♪
ごめんごめん。
それでね、ゆいたちの……えっと、プロデューサーに電話がかかってきて。
うん、事務所から。
それが、他の事務所がへましちゃったから助けてくれないかって話だったみたいなんだ。
ほら、ダブルブッキングとかね。
そういうの。
まあ、急に番組に出られなくなったりとかそういうのってどうしてもあるものだもんね。
そういうのは助け合いだよねー。
で、そのときヘルプに入れそうなのが、ゆいと、一緒にイベントに行ってたたくみんの二人だったのね。
そうそう、向井のたくみん。
160 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:15:02.31 ID:mqA3c5BOo
それでさ、ゆいにもたくみんにも悪い話じゃなかったから、プロデューサーはゆいたちを連れて一足先に戻ることに決めたわけ。
車を飛ばせば夜の内に東京に戻れちゃう距離ってのが、こう、絶妙だったわけだね。
後に残る子たちの面倒任されたちなったんはぶーぶー言ってたけど、しかたないよねー。
ああ、えーと。
ゆいたちもちょっとは文句言ってたかなー。
そりゃあ、温泉宿でゆっくり出来ると思ったら、帰らされる上に朝から急な仕事だもん。
少しは言いたいことも……ねえ?
でもでも、車に乗ったらたくみんもゆいもなにも言わなかったよ。
お仕事のことであんまり言ってもしかたないし、夜のドライブはドライブで楽しまないとね☆
そうして三人で戻ってきたわけだけど……。
もう夜も遅いから、車の流れが速いんだよね。
161 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:16:19.63 ID:mqA3c5BOo
走ってるのがさ、トラックとか、ゆいたちと同じく早く東京に戻りたい人たちだから、しょうがないんだけど。
うちのプロデューサーも普段は絶対飛ばしたりしない人なんだけど、ずいぶん速度上げてたよ。
そうしないと、周りとあわせられなくて危ないしねー。
それで……とあるトンネルを出たところでね。
プロデューサーが急にハンドルを切ったの。
もうタイヤとかすごい音させて、ゆいたちもシートベルトしてるのに振り回される感じ。
どっかこすってるような音もしてたかなー。
いったん対向車線にまではみ出てさ。
それから、なんとか元の車線に戻って……。
クラクション鳴らされまくりだし、ゆいたちも、たぶん、プロデューサーも心臓ばくばくだったと思うよ。
でも、ゆいもたくみんも、プロデューサーを責めたりはしなかったよ。
162 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:17:15.45 ID:mqA3c5BOo
だって……。
見たもん。
ゆいたちの車の先……。
ヘッドライトに照らされた、それを。
『なんだよ、あのでっかいの!』
たくみんはそう大声を上げるし、
『さ……ううん、5メートルはあったよね!』
ゆいも動転してそんなことしか言えないし、
『……ともかく、事務所に戻ろう』
プロデューサーは低い声でそう言うだけだし。
でもねー。
しょうがないよね。
路上で座り込んでる、5メートルもあるお猿さんなんて見ちゃったら。
163 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:18:27.39 ID:mqA3c5BOo
うん。
でっかい猿がね、いたんだよ。
ニホンザルじゃない。
ヒヒっていうの? ああいうやつが。
ぶつかってたら、もうゆいたちの車なんて木っ端微塵だよ。
あー、いや……。
実体があったかどうかはわからないけどね。
実際、たくみんにはヒヒじゃなくて、超巨大な赤ん坊に見えてたらしいし、プロデューサーはなにが見えたのか、絶対言おうとしないし。
それに、調べてみたらね、あのトンネルのあたりって、かなり事故多いんだって。
だから、なにかはいたんだよ、絶対。
そう見せかけてるだけのやつであっても、ね。
164 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:19:21.63 ID:mqA3c5BOo
茄子「事故を引き起こしている『なにか』がいるとしたら……恐ろしいですね」
ほたる「運転してる人がとてもじゃないけど……直進はできないなにかを見せて、ですか」
小梅「その場所に……なにかあるのかもしれないけど……」
茄子「そうですねえ……。移動している方は、わかりませんよね。その土地土地のことなんて」
小梅「たとえば、元から神隠しが多い土地だったりとか……」
ほたる「なるほど……。ヒヒにぶつかっていったら、どこかへ消えていた……なんてこともありえたわけですか……」
茄子「それはいやですねえ……。まあ、今回は対向車のほうが危なかったと思いますけど」
小梅「うん。無事で……よかった」
茄子「そうですね。もしかしたら、このラジオを車の中で聞いてくれているリスナーさんもいるかもしれませんが……」
ほたる「運転にはくれぐれも……お気をつけて」
小梅「安全……第一」
茄子「ええ。そうですね。では、次のコーナーでは、まさにこの夏に起きた怪談特集を……」
第三十五夜 終
165 : ◆E31EyGNamM [saga] :2013/09/13(金) 23:20:11.92 ID:mqA3c5BOo
本日は以上です。
ゆいたんの髪の毛わしゃわしゃしたい。
166 : 以下、新鯖からお送りいたします [sage] :2013/09/13(金) 23:27:52.80 ID:7j2lN5ZH0
運転するからこの怖さはよくわかるわ
乙
167 : 以下、新鯖からお送りいたします [sage] :2013/09/14(土) 00:17:45.32 ID:8/PGMZwFo
乙
恐ろしいやつだな……怪我がなくてなによりよ
転載元:小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377432933/
コメント
コメント一覧
車に乗ってても、逃げれるんじゃなくて待ち構えられてるってのが怖いな
いや、ワンセグ対応で見てる人って意味か?
とりあえずお腹を食い破るのはエイリアンなんだろうな。
夜の走行はただでさえ危ないのに、スピード感の感じにくい上に猛スピードで走る高速道路なんてマジで危険極まりないから、
みんなは真似しちゃ駄目だぞ♪
俺が知ってるのだと上半身しかないヤツが追い掛けてくるピタピタ?だったかなや、
これも物凄く速く迫ってくるヤツでダッシュ婆とか
そんで追いつかれたら事故って死ぬ的な
待ち伏せは初めて聞いたわ
テケテケじゃね?
この話プロデューサーには何が見えてたんですかねぇ…
最後の方までは皆怖がりながらも見てたわけ
そしてあと数分のところでテケテケがカメラの方に飛び掛かってくるシーンがあるんだ
飛び掛かられた瞬間暗転して、驚きながらもどうなったんだと続きをまってたんだけど、いつまでたっても続きが始まらない
どうしたんだとテレビをよく見ると、オンの時に灯ってる灯りが消えてたんだ
なぜかその瞬間、うちのクラスだけ電源が落ちたんだよ
車は酔うから乗らないけど、コレは体験したくないな
それは肘で追いかけて来る婆さんかな?
テケテケは貞子たんみたく出張するタイプだったと思うし
通常、障害物を見たら急ハンドルよりもブレーキだって習うんだが、
それでも急ハンドルやってまう時って急に障害物に遭遇した時なんだよな。
ドライバー視点からしたら、怖いって言うよりも迷惑千万だわ