2: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:11:02.33 ID:ONYGXU1k0
~事務所にて
美里(芽衣子さんが休憩室のこたつでうなだれてる……)
芽衣子「……」
美里「あ、あのぅ……どうしたんですかぁ?」
芽衣子「あぁ……美里ちゃん……」
美里「この世の終わりみたいな表情ですけど、まだ水曜ですよぉ?」
芽衣子「月の終わりだけどね……」
美里「明日から12月ですねぇ」
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3: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:11:37.11 ID:ONYGXU1k0
美里「今年も気づいたらすっかり冬で」
芽衣子「うん……」
美里「この前、雪も降りましたよねぇ」
芽衣子「うん……」
美里「行楽の秋、なんて言いますけど、結局どこにも行けなかったなぁ」
芽衣子「うん……」
美里「……心ここに在らず、って感じですねぇ」
芽衣子「……えっ、あ、ごめん。ぼーっとしちゃって」
4: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:13:19.12 ID:ONYGXU1k0
美里「風邪ですかぁ?」
芽衣子「どう、だろ。熱っぽくはないような……」
美里「元気ないように見えますけどぉ……」
芽衣子「うーん、自分じゃわかんないや」
美里(風邪じゃないとなると……)
5: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:14:30.28 ID:ONYGXU1k0
美里「……もしかして」
芽衣子「うん?」
美里「ケンカしちゃったとかぁ」
芽衣子「そんなのじゃないよ。プロデューサーとは普通、だとおもう」
美里(誰と、なんて言ってないのになぁ)
芽衣子「もっとくだらないことだよ……私個人の」
美里「聞いていいこと?」
芽衣子「んー、ちょっと恥ずかしいけど、美里ちゃんが聞いてくれるなら」
美里「こう見えて口は堅いんですよぉ」
6: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:16:34.38 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「えっとね……本当にくだらないことなんだけど」
美里「その人の悩みはどんなものだって大変なことですからぁ」
芽衣子「……月末にいろいろ測るでしょ?」
美里「ですねぇ。テストみたいですよね、あれ」
芽衣子「うん……それでね、あの……」
美里(なぁんとなく察しはつくなぁ)
7: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:17:02.56 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「えっと、その……体重、が……」
美里「うん……」
芽衣子「……そういうこと、です。はい……」
美里「少しなら誤差みたいなもの……」
芽衣子「……」スッ
美里「い、一ヶ月でかぁ……」
芽衣子「うぅっ……」
8: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:17:51.19 ID:ONYGXU1k0
美里「見た感じ、そういう風には見えませんけど……」
芽衣子「……最近太ももとか胸がちょおっとキツくて……いや、着れるんだよ? 着れるんだけどね?」
美里「あぁ……」
芽衣子「この歳で成長期きたかーって」
美里「捉え方がポジティブすぎですよぉ」
芽衣子「誤魔化すのがうまくなってくる……」
9: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:19:41.99 ID:ONYGXU1k0
美里「でも、そんなに増えることありましたかぁ?」
芽衣子「……」
美里「レッスンだって同じ量をやってるわけだし……」
芽衣子「……えーっとね」
美里「思い当たることが?」
芽衣子「たぶん……」
10: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:21:22.89 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「最近、事務所にこれ、こたつ置いたでしょ?」
美里「みんなの憩いの場になってますねぇ」
芽衣子「私もよくだらーってしてるんだけど」
美里「今もそうですよねぇ」
芽衣子「プロデューサーもよく休憩にくるんだよね」
美里(休憩にくる、というか、芽衣子さんがさせてるというかぁ)
11: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:22:20.07 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「こたつだからみかんは絶対置いてあるし、小さい子にってお菓子もあって」
美里「ついそれに手が伸びちゃうと」
芽衣子「プロデューサーが食べさせてくるんだよ~」
美里(餌付け)
芽衣子「みかんを、はいって渡されたら美里ちゃんも食べちゃうでしょー?」
美里「まぁ……そう、ですかねぇ」
美里(そういう状況になったことがないからわからないけどぉ)
12: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:23:38.09 ID:ONYGXU1k0
美里「それくらいじゃ……」
芽衣子「それだけじゃないんだよ!」
美里「他にも?」
芽衣子「今年ってたぶん去年より寒いじゃない?」
美里「そうですねぇ。あっ、この前買ったコート、早速使ってますよねぇ」
芽衣子「あれすっごいお気に入り! みんな似合ってるって言ってくれてー」
美里「惠さんと3人で選びましたからねぇ。よかったぁ~」
芽衣子「プロデューサーも珍しくいいなって……じゃなくて!」
美里(まさかノロケが入るなんて)
13: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:24:33.95 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「寒いとさ、コンビニの肉まんとかおでんがすっごいおいしく感じない?」
美里「あっ、それはちょっとわかるかもぉ」
芽衣子「自分ひとりだと我慢できるんだけど、いっつもプロデューサーがいるからすぐ誘惑に負けちゃって」
美里「そ、そうなんですかぁ?」
芽衣子「だって、ひとつの肉まんを分けたりできるわけだし」
美里(もはやカップルのそれ)
芽衣子「おでんだってあれもこれも食べたいって欲張っても大丈夫だし」
美里「な、なるほどぉ~」
美里(惠さんじゃないけど、至近距離で聞くと胃が重いぃ……)
14: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:25:06.62 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「だからプロデューサーのせい! 焼きいもも食べさせられたし!」プンプン
美里「でも、結局食べたのって芽衣子さんですよねぇ」
芽衣子「だって『並木はうまそうに食べるな』って言うんだよ! そんなの食べちゃうに決まってるよ!」プリプリ
美里「理不尽だぁ……」
芽衣子「だってプロデューサーと帰ってなかったら食べてないもん!」
15: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:27:16.51 ID:ONYGXU1k0
美里「最近はコンビニのスイーツもおいしいですからねぇ」
芽衣子「新作が出てるたびに食べてる気がする」
美里「それは……」
芽衣子「だってプロデューサーが買ってくるから……」
美里「もう一回言いますけど、食べる必要はないですよねぇ」
芽衣子「……だって、目の前に新発売ってシールが貼られたプリンが置いてあって、我慢できる?」
美里「たぶん……無理ですぅ~」
芽衣子「だよねぇ~」
16: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:28:03.55 ID:ONYGXU1k0
美里「でもさすがに我慢はしないとぉ……」
芽衣子「後悔って後に悔やむって書くんだよ~」
美里「まぁ、今日からやればまたすぐ戻りますよぉ、きっと」
芽衣子「う~……がんばる……」
美里「気づいたときは私も言いますから、プロデューサーにも協力してもらいましょぉ」
芽衣子「だね~……もうトレーナーさんに怒られたくないし……」
17: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:29:01.80 ID:ONYGXU1k0
モバP(※以下表記P)「ふぅ……あら、ふたりとも戻ってたのか。お疲れ」
美里「お疲れ様ですぅ」
芽衣子「……」
P「間中」
美里「はいぃ?」
P「俺はなんで並木に睨まれてるんだ」
美里「……さぁ?」
芽衣子「……お疲れ様ですー」
P「あぁ、お疲れ。別になにもやってないよな?」
美里「なんで私に聞くんですかぁ」
18: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:29:49.63 ID:ONYGXU1k0
P「ま、いいけど……ほら、これ」ガサッ
美里「これは?」
P「コンビニで買い物したついでに、新しいの出てたからふたりにあげるよ」
芽衣子「むぅ~~~~~!」
P「だからなんだよ」
美里「あぁ、えっとぉ……とにかくこれはいただいときますねぇ。ありがとうございますぅ」
19: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:30:26.71 ID:ONYGXU1k0
P「あぁ、あと」
美里「?」
P「この前、並木がおいしいって言ってたやつも買ってきたから」
美里(あぁ、これは……)
芽衣子「……美里ちゃん」
美里「……なんですぅ?」
20: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:30:54.30 ID:ONYGXU1k0
芽衣子「明日からでいいかな?」
美里「……イインジャナイデスカァ」
芽衣子「棒読み!」
21: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/01(木) 00:34:43.12 ID:ONYGXU1k0
おわり
コンビニのおでんってなんであんなに美味しいんでしょう。
続きものではないですけど、同じ世界観のお話です。
よかったらどうぞ。
芽衣子「コール・ミー!」
芽衣子「この冬を過ごすとっておきの方法」
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