Ｐ「とりあえずみかんでも食べて落ち着きなさい」

芽衣子「それで機嫌がなおるとでも……おいひー♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

美里「チョロい」

Ｐ「チョロい」

芽衣子「ちょうどいい甘みー♪」

Ｐ「脱線したんで戻すけど」

美里「芽衣子さんもマメにやってますよねぇ」

Ｐ「そうだな。一番頻度が高い」

芽衣子「あっ、そうなんだ。やりすぎ？」

Ｐ「いや、全然問題ないよ。間中がバチッとキメたものが多い分、勢いとテンポよく投稿するのは違いがあって面白い」

美里「昨日のブログなんかすごかったぁ」

Ｐ「あれはな」

美里「タイトル、本文、写真……全部が『みかん』はズルいですよぉ」

Ｐ「しかも机の上に一個だけ置いて」

美里「みかん！　って、ふふ」

芽衣子「今日なにしたっけなー、って考えてたらみかんが見えてつい……てへっ」

美里「でもぉ、あれ見たときネタなくなったのかなぁって」

芽衣子「バレてた」

Ｐ「情報がなにもないのに、あれ見てみかんが食べたくなったからな」

美里「あぁ、だから……芽衣子さんに餌付けするためじゃなかったんですねぇ」

芽衣子「みかんひとつでどうにかなるほど安くないよ！」

美里「はぁい、あーん」

芽衣子「あーん♪」

Ｐ「チョロい」

美里「チョロすぎぃ」

芽衣子「今のとこ大丈夫そうだけど？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

Ｐ「なんとなくは気付いているだろ」

美里「ここまでくればなんとなく……ねぇ？」

芽衣子「そうかなーっておもってたけどねー」

Ｐ「とりあえずはこれを見てくれ」

芽衣子「惠ちゃんのブログだ」

美里「三日前の記事かぁ」

Ｐ「最近、ホットアイマスクだっけか、あれにハマってるみたいで」

芽衣子「空き時間にやってるの見るよ」

美里「一回やったんですけどぉ、あれすっごい気持ちよくてハマるのもわかりますよぉ」

Ｐ「並木の言葉を借りたら、みんなに教えたいってことなんだろうな」

Ｐ「伊集院のちょっとそっけない文章が宣伝ぽくなくてなかなかよかったんだよ。本文自体は」

美里「惠さんはシンプルな感じだなぁ」

Ｐ「……ただな」

芽衣子「ただ？」

Ｐ「やっぱり使用中の写真を使いたかったんだろうな。伊集院が珍しく自撮りにチャレンジしたらしくてな」

芽衣子「風景だけってのが多いもんね、惠ちゃんは」

Ｐ「で、『これで大丈夫かしら』って送られてきたのがこれ」

芽衣子「……」

美里「……ブレブレだぁ」

Ｐ「ブレているってレベルじゃないだろ」

芽衣子「惠ちゃんがいるっていうのはまだわかるけど……」

美里「肝心のアイマスクがわからない……」

Ｐ「伊集院のことだからなにか意味があるのかも、なんておもって了承した俺も俺だった」

美里「これぇ……もしかしてアイマスクしたまま……」

芽衣子「あぁー……」

Ｐ「本文に『ちょっとわかりづらいだろうけど』って、ちょっとどころかなにもわからんわ」

美里「手ブレ補正でどうにかできるレベルじゃないしぃ……」

芽衣子「い、いやっ、でもこういうのばっかじゃないしさ。おもしろいんじゃないかな？　ほら、コメントもしっかりついてるよ！」

Ｐ「ほぼツッコミで埋まっているけどな」

芽衣子「あ、あはは……」

Ｐ「……でも確かに、これが最近で一番おかしかったってだけで、普通の写真もある」

美里「タイトルが『リラックス』だから、お酒も入ってたのかも？」

Ｐ「おもったより飲むしな」

Ｐ「次はこれだ」

美里「私のツイッター？」

芽衣子「あっ、昨日のロケの写真だね。3人の」

Ｐ「あぁ、それぞれの携帯で撮ったものがジャニスタそれぞれのアカウントで見れるって、俺が望んでいた形そのものでな。まず間中の写真から」

美里「みんなかわいく撮れてますよねぇ♪」

Ｐ「ちょっと上からのいいアングルでばっちり3人も入っている。間中が一番目立つとはいえ、あとのふたりがおまけになっているわけじゃない。自撮りにかけては間中が一番うまいな」

美里「褒められちゃったぁ♪」

Ｐ「それで次は……」

芽衣子「おっ、私のアカウント」

美里「芽衣子さんのもいい写真ですよねぇ」

Ｐ「写真いっぱいに3人がいて、この距離の近さがなによりいいね。間中の写真よりわちゃわちゃしてるけど、とにかく楽しげな雰囲気が伝わってきてこれも俺は好きだな」

芽衣子「惠ちゃんがちょっと照れてるのもポイント高いよね！」

Ｐ「さて」

芽衣子「惠ちゃんの写真かぁ」

Ｐ「……これだな」

美里「ちゃんと写ってるんですよねぇ……」

芽衣子「うん。写ってるよ。私たちは」

Ｐ「伊集院もいるんだよ。存在がちゃんと確認できる。今回はブレてないし。アイマスクつけてないからな」

美里「写ってるけどぉ……」

芽衣子「半端に見切れてる」

Ｐ「伊集院の顔が右側の3分の1ほどしか写っていない」

美里「しかもピントが机の上にあるお茶に合ってますよねぇ」

芽衣子「あっ、ほんとだ」

Ｐ「知っているか。ファンの間で流れている噂を」

芽衣子「ウワサ？　惠ちゃんの？」

美里「うーん、もしかしてぇ……」

Ｐ「伊集院惠、自撮りヘタクソ説」

Ｐ「所詮サンプルがふたつだけじゃないか。たまたまだろうとおもってブログやツイッターにあげてる写真をざっと見直したんだよ」

芽衣子「ふんふん」

Ｐ「並木が言う通り風景が多い。俺は別にそれもいいとはおもっているけど、ファンはやっぱりたまには姿を見たいわけだ」

美里「ですよねぇ。ミステリアスなのもいいけど、見たくてフォローしてる人もいるだろうしぃ」

Ｐ「たまには撮ってもいいんじゃないかと前に言ったのを思い出したんだ。それで一時期から伊集院自身の写真も増えていたんだ」ｶﾁｶﾁ

芽衣子「……ブレてるか見切れてるか」

美里「ここまでできるのは才能なのかもぉ……」

Ｐ「自撮りがヘタクソな才能ってマイナスにもほどがある」

芽衣子「あっ！　これキレイに撮れてる、よ……」

美里「ちょっと怖い‥…」

Ｐ「なんで睨んでるんだ、って聞いたら『キメ顔よ』って返されて、俺はなにも言えなくなったよ」

芽衣子「こっちは……えっと、コミカルなポーズだね？」

美里「表情もポーズもちぐはぐ……」

Ｐ「フォークでも投げるつもりか、そしたら『フォークは3本でしょ』ってなぜか怒られた」

芽衣子「それはプロデューサーが悪いね？」

Ｐ「知ってるぞ。今日の惠さんってハッシュタグつけて伊集院の写真をあげてるだろ。つまりはふたりともそうおもってたんだろ！」

芽衣子「まぁ……ね？」

美里「さすがの私たちも……なにかできないかなぁっておもって」

Ｐ「大好評だよ……ありがとう……」

芽衣子「そんな肩震わせて言うことじゃ」

Ｐ「被写体がコーヒーみたいな静止物だと構図からなにまでめちゃくちゃうまいんだよ……なんで、なんで自撮りだけ……」

芽衣子「まだ慣れてないんだよ、きっと。私も最初はブレブレだったし！」

美里「一応、こうすればいいってアドバイスしてるんですけどねぇ」

惠「あら、3人揃って。お疲れさま」


芽衣子「惠ちゃんおつかれー」

美里「お疲れさまですぅ」

Ｐ「あぁ、お疲れ……」

惠「Ｐさんが一番疲れていそうだけど」

Ｐ「なんでもない。なんでも」

惠「ふたりにも言われてるだろうけど、あまり無茶しないようにね」

美里「惠さん惠さん」

惠「なに？」

美里「今日レッスンでしたよねぇ」

惠「えぇ、そうよ。珍しく志乃さんたちとだったわ」

芽衣子「へぇー、志乃さんちゃんとお酒飲んでなかった？」

惠「多分……あまり自信はないけど、アルコールの匂いはしなかったわね」

Ｐ「まずレッスン前に酒をキメるやつがあるか」

芽衣子「前科持ちだからね、志乃さん」

美里「もしかしてぇ、写真とか撮ってきましたぁ？」

惠「そうだけど、よくわかったわね」

美里「惠さんのことならなんでもわかってますからねぇ♪」

芽衣子「私も！」

美里「見せてもらっていいですかぁ？」

惠「えぇ、いいわよ。はい」

芽衣子「どれどれー？」

美里「……」

芽衣子「……」

惠「ふふ、最近自撮りがうまくなった気がするわ。ちゃんとピントも合ってるでしょ？」

芽衣子「……惠ちゃん」

惠「Ｐさん、これブログに載せていいかしら？」

Ｐ「とりあえず確認させてくれ」

美里「あっ、プロデューサー、ダメぇ……」

Ｐ「……」

惠「どう？　うまく撮れてるわよね？」ﾌﾌﾝ

Ｐ「伊集院、お前……」

Ｐ「……かわいらしい色の下着つけているんだな」

惠「……」

惠「えっ」

おわり


写真を撮るときは映り込みとか鏡に気をつけましょうね

前前前作と前前作と前作です。よかったらこちらもどうぞ。


柚「芽衣子サンといっしょ！」

芽衣子「やわらか、かため」


芽衣子「こたつ・イン・サンタクロース」