2: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:25:32.63 ID:ndX3JznY0
~早朝、事務所にて
芽衣子「おはよーございまーす」
モバP(※以下表記P)「おはよう」
芽衣子「プロデューサー、今日も?」
P「ん、あぁ、帰っていない」
芽衣子「ちゃんと寝てる?」
P「少なくとも居眠りしない程度には休んでいるから」
芽衣子「いつでも膝貸すよ?」
P「あれは俺への負担が大きいからあの一回だけにしてくれ」
芽衣子「ちぇー」
3: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:26:11.11 ID:ndX3JznY0
P「そういう並木も随分早いな」
芽衣子「ふたりのときは芽衣子って呼んでもいいんだよ?」
P「別に恥ずかしいから苗字で呼んでいるわけじゃないし、なにがあっても名前で呼ばない」
芽衣子「強情なんだからー」
P「それで、朝早い理由は?」
4: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:26:39.78 ID:ndX3JznY0
芽衣子「プロデューサーが無理してないか、見張り?」
P「疑問系かよ」
芽衣子「すぐ無理するでしょ?」
P「俺はひとりしかいないからな」
芽衣子「だからだよ?」
P「手伝ってもらうことはないよ」
芽衣子「なんでもやるよっ」
P「気持ちだけでいい」
5: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:27:31.26 ID:ndX3JznY0
芽衣子「むぅ~、せっかく早起きしてきたのにぃ」
P「俺がいなかったらどうしていたんだ」
芽衣子「んー、絶対いるなって予感があったんだよね」
P「ニュータイプかよ」
芽衣子「プロデューサーが地球の裏側にいたって見つけちゃうよ♪」
P「……ふふっ」
芽衣子「あっ、笑われた!」
P「いや……並木なら本当にやりかねないなっておもって」
芽衣子「割と本気だよ?」
P「そうかい」
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6: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:27:58.89 ID:ndX3JznY0
芽衣子「いたわけだから私の予感てきちゅー、ってねー」
P「そうだな」
芽衣子「反応薄いよー」
P「なんだ、アメリカ人みたいな反応がお望みか」
芽衣子「それはそれで見たいかも」
P「しないけどな」
芽衣子「ワーオ、そりゃないぜ!」
P「そっちがやるんかい」
7: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:28:50.03 ID:ndX3JznY0
P「……しかし」
芽衣子「どうしたんだい、ジョニー」
P「誰がジョニーだ。いや、朝っぱらからテンション高すぎやしないか」
芽衣子「そうかな?」
P「もうやめるんかい」
芽衣子「文句ばっか!」
P「徹夜明けの俺もそこまでテンション振り切らない」
芽衣子「今日は6時間寝たかなー」
P「めちゃくちゃ普通だな」
8: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:29:32.36 ID:ndX3JznY0
芽衣子「そういうプロデューサーは?」
P「……3時間くらいか?」
芽衣子「仮眠だね」
P「しないよりはマシだろ」
芽衣子「そうだけどねー」
P「脳の休息はできているから問題ない」
芽衣子「そういう問題?」
P「1分間瞼を閉じるだけでも効果があるんだからな。視覚情報をシャットアウトして、脳の負担がその瞬間だけでも減れば……」
芽衣子「そういうのを聞いてるんじゃないってば、もーっ」
P「最後まで言わせろよ」
芽衣子「プロデューサーの薀蓄を聞きに来たわけじゃないの!」
9: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:30:15.75 ID:ndX3JznY0
P「仕事の邪魔でもしに来たか」
芽衣子「そんなんじゃないってばー。はい、これ」
P「……弁当?」
芽衣子「朝ごはんまだでしょ?」
P「まぁ、そうだけど……」
芽衣子「栄養くらいはしっかりとらないとね!」
P「並木……料理できたんだな……」
芽衣子「できるよ?」
P「なんか、ごめん……」
芽衣子「え~、できないっておもわれてたんだ~」
P「そういうキャラじゃないだろうって……」
芽衣子「ちょっとショック~」
P「いや、本当ごめん……」
10: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:31:34.33 ID:ndX3JznY0
芽衣子「ま、別にいいんだけどねー。ほら、食べよ食べよ♪」
P「……初めて作ったとかじゃないんだよな?」
芽衣子「地元にいたときは自分でお弁当作ってたりしてたんだよ?」
P「意外だ……」
芽衣子「たまーにだけどね」
11: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:32:08.93 ID:ndX3JznY0
P「おぉ……ちゃんとした弁当だ……」
芽衣子「これが私の女子力だよっ!」
P「並木の女子力舐めてたな。いや、感心したよ……はー……」
芽衣子「そこまで!?」
P「スクランブルエッグじゃなくて卵焼きだよ……俺、作れないんだよな……」
芽衣子「ふっふー、私の勝ちー♪」
P「本当に食べて大丈夫なの?」
芽衣子「そう確認するー? じゃああげなーい」
12: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:32:38.83 ID:ndX3JznY0
ぐぅ~……
芽衣子「……」
P「……」
芽衣子「盛大な鳴き声だね」
P「飲み物以外を摂取したのが日を跨ぐ前だからな……」
芽衣子「しょうがないなぁ、もう」
P「ありがたくいただきます……」
芽衣子「最初から素直になればよかったのにね?」
P「おっしゃる通りです……」
芽衣子「はいはい、どうぞめしあがれ♪」
P「……いただきます」
13: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:33:49.93 ID:ndX3JznY0
P「……」モグモグ
芽衣子「どう? どうかなー?」
P「……並木の家の卵焼きはだし巻きなんだな」
芽衣子「ってことは、プロデューサーの家は甘い卵焼き?」
P「あぁ、だからあんまりおかずって感じはしなかったんだけど」
芽衣子「口に合わなかった?」
P「いや……おにぎりもらっていいか?」
芽衣子「もちろん♪」
P「ん、うん。こっちのが米と合ってイケる」モグモグ
芽衣子「ホント? ホントに?」
P「うん」モグモグ
14: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:34:29.13 ID:ndX3JznY0
P「おー、きんぴら」
芽衣子「それ、それ冷食じゃないんだよ!」
P「手作り」モグモグ
芽衣子「そうっ、ちゃんと作ったんだ!」
P「うまい」
芽衣子「えへへ~♪」
P「これは?」
芽衣子「それはちくわだよ」
P「揚げたのか?」
芽衣子「半分に切って、マヨネーズをくぼみに入れたあとパン粉ふってトースターでチンッ、したもの!」
P「へぇ……んまい、つまみにもよさそうだな」
15: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:35:06.76 ID:ndX3JznY0
P「ピーマン……」
芽衣子「あ、もしかして苦手だったり?」
P「いや?」モグモグ
芽衣子「なんの間だったの!?」
P「ピーマンとツナ、いいな」
芽衣子「それ簡単にできるんだよ。鶏ガラスープで味付けてレンジでチンするだけー」
P「チンするの好きだな」
芽衣子「あっちでこっちでって効率よくできるからねっ」フンス
P「並木の口から効率なんて言葉が……」
芽衣子「意外と手際いいんだよー!」
P「自分から意外とって言うのか」
16: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:35:51.60 ID:ndX3JznY0
P「……」
芽衣子「きれいに全部食べちゃったね」
P「ごちそうさま」
芽衣子「よろしゅうおあがり」
P「……京都弁?」
芽衣子「うん。たぶんね?」
P「和歌山だろ?」
芽衣子「まぁ、関西だし?」
P「そういうもんなのか」
芽衣子「そーゆーもの!」
17: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:36:48.08 ID:ndX3JznY0
P「久しぶりに朝まともなものを食べた気がする」
芽衣子「食べないの?」
P「いや、食べるんだけど、コンビニでパンとかおにぎりとか買うだけだから」
芽衣子「朝はちゃんと食べないと!」
P「並木は作ってたりするのか?」
芽衣子「うん」
P「しっかりしてるんだな……」
芽衣子「さっきから、信じられない……みたいな顔してー」
P「まず料理できるとおもっていなかったから」
芽衣子「失礼しちゃうなっ!」プンプン
18: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:37:30.30 ID:ndX3JznY0
P「いや、でも朝起きて、とか大変だろ」
芽衣子「たまーにサボって食パン焼くだけ、って日もあるけどねー。もう慣れたかな?」
P「はー、ちゃんとしてるもんだ」
芽衣子「そうだよー、芽衣子さんちゃんとしてるんだよー」
P「これから認識を改めないとな」
芽衣子「いつでもお嫁にいけるから! およめーこ!」
P「結婚で電撃引退とかあまり笑えないからやめてくれよ」
芽衣子「……」
P「どうした?」
芽衣子「んー、そういう意味で言ったんじゃないけど、まっ、いっか」
P「?」
19: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:38:10.33 ID:ndX3JznY0
芽衣子「それにしても」
P「ん?」
芽衣子「誰もこないね」
P「8時にもなっていないからな」
芽衣子「まだそんな時間なんだね」
P「早く来すぎだ」
芽衣子「プロデューサーに言われたくないよ」
P「俺はずっと事務所にいたから」
芽衣子「すぐ屁理屈言うんだからさー」
20: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:38:43.11 ID:ndX3JznY0
芽衣子「事務所にふたりっきりなんだね」
P「そうだな」
芽衣子「静かだねー」
P「騒がしくなった印象だが」
芽衣子「私が来たから?」
P「それ以外にあるか?」
芽衣子「ひどー」
P「まぁ、これくらい音があった方がいいよ」
芽衣子「雑音扱いとか」
P「そこまで言ってないだろ」
芽衣子「せっかくプロデューサーのために早起きしてきたのに~」
P「恩着せがましく言うな」
21: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:39:13.47 ID:ndX3JznY0
芽衣子「大変なのはわかるけどさ」
P「あぁ」
芽衣子「無理はしないでね?」
P「いきなり真面目なトーンで、なんだ」
芽衣子「倒れたりしたら、やだよ」
P「社会人何年やってるとおもってるんだ」
芽衣子「だから余計、だよ。事務所で寝てるだけならいいけど」
P「自分のことは自分が一番よくわかっているから」
芽衣子「そういう発言する人ほどわかってないとおもうんですけどぉー」
22: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:39:53.72 ID:ndX3JznY0
P「心配かけたのは謝るよ。わざわざありがとう」
芽衣子「……」
P「……なんだよ。鳩が豆鉄砲くらってもそんな顔しないぞ」
芽衣子「今日のプロデューサーなんか素直」
P「なんだよ」
芽衣子「疲れてる?」
P「疲労がないわけじゃないな」
芽衣子「熱は?」ピトッ
P「ない」グイッ
23: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:40:35.84 ID:ndX3JznY0
芽衣子「あっ! もーっ、すぐ離したらわかんないよ!」
P「お前、お前な」
芽衣子「ほら、おでこ」
P「軽率に額を合わせようとするな!」
芽衣子「だってこれが一番わかりやすいんだもん」
P「だもん、じゃないよ! だいたい距離が近すぎるんだよ!」
芽衣子「近くないとできないじゃん!」
P「しなくていい!」
芽衣子「体温計は?」
P「ないよ」
芽衣子「じゃあこれで」
P「だからいいって!」
24: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:41:03.62 ID:ndX3JznY0
P「第一、熱があるかの確認なら手でやれ、手で!」
芽衣子「うん」
P「いや、やろうとするなよ!」
芽衣子「なんなの!」
P「大人同士でやることかよ」
芽衣子「心配してるのに!」
25: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:41:29.23 ID:ndX3JznY0
芽衣子「もう、いいからほら、おでこ出して」
P「いや、しつこいな!」
芽衣子「ほらほら、観念しー?」
P「いいって言ってんだろ、この……」
芽衣子「諦めも肝心だよ?」
P「俺は諦めが悪いんでね」
芽衣子「しーつーこーいー」
P「こっちのセリフだ!」
26: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:42:13.54 ID:ndX3JznY0
芽衣子「往生際が悪ーい!」
P「悪役みたいなこと言いやがって……!」
芽衣子「ふははは、おとなしく降参するのだー!」
P「だからテンション高……お、うわ、あんまりこっちに力」
芽衣子「え?」
P「うおあっ!」
芽衣子「ひゃあ!」
27: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:42:40.72 ID:ndX3JznY0
P「……」
芽衣子「……」
P「……あのー」
芽衣子「……はい」
P「どいてくれない?」
芽衣子「ヤダって言ったら?」
P「困る」
芽衣子「じゃあ」
P「朝から困らせるな」
芽衣子「えー」
P「えー、じゃありません」
28: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:43:16.80 ID:ndX3JznY0
芽衣子「これさ」
P「あぁ?」
芽衣子「普通なら反対だよね?」
P「なにが」
芽衣子「私が下で、プロデューサーが上ってこと」
P「そうだな」
芽衣子「ドキドキする?」
P「いろんな意味でな」
芽衣子「ふぅーん」
P「近いし」
芽衣子「もっと近づいた方がいい?」
P「逆がいい」
29: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:43:45.34 ID:ndX3JznY0
芽衣子「遠慮しなくてもいいのにー」
P「この状況を遠慮したい」
芽衣子「我慢は体によくないよ?」
P「今の状態が体と心によくないわ」
芽衣子「じゃあ無理に押しのければいいのに」
P「……できないとわかって言っているだろ」
芽衣子「どうかなー?」
30: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:44:17.79 ID:ndX3JznY0
P「とにかく、並木が離れてくれないと俺は動けない。わかるな?」
芽衣子「だねー。だからこのままでいるんだけど!」
P「突然話が通じなくなったな」
芽衣子「私もね」
P「なんだよ」
芽衣子「ドキドキしてるよ?」
P「……」
31: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:44:52.27 ID:ndX3JznY0
芽衣子「聞いてみる?」
P「待て、それ以上近づくな」
芽衣子「そろそろ腕がつらいなー」
P「じゃあどけろ」
芽衣子「あ~、倒れちゃう~」
P「しばらく演技の仕事は断るか」
芽衣子「あれ、意外と余裕?」
P「脇汗がひどい」
芽衣子「そりゃ大変」
P「目も冴えた」
芽衣子「それはいいことだね」
32: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:45:27.98 ID:ndX3JznY0
芽衣子「あ、でも本当に腕限界かも」
P「なら早くどきなさい」
芽衣子「プルプルしてきた!」
P「並木」
芽衣子「だからこれは事故、ってことかな?」
P「おい!」
33: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:46:13.87 ID:ndX3JznY0
34: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:46:56.03 ID:ndX3JznY0
P「……おはようございます」
ドサッ
P「うぐっ」
芽衣子「お、おはようございまーす……」
35: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:47:42.70 ID:ndX3JznY0
美里「えっとぉ……」
ちひろ「……プロデューサーさん。芽衣子ちゃん」ゴゴゴゴゴ
芽衣子「……はい」
P「……なんでしょうか」
ちひろ「 朝 っ ぱ ら か ら な に を や っ て い る ん で す か ? 」
36: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:48:15.96 ID:ndX3JznY0
おわり
このあと、ふたりは床に正座してこってり絞られましたとさ
37: ◆ksPx5/M7Wg 2016/12/18(日) 02:51:19.87 ID:ndX3JznY0
転載元:芽衣子「朝からめーこっ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481995478/
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