1: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:06:39.36 ID:T5/dPRPSo
2: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:07:36.96 ID:T5/dPRPSo
智香「最近、調子がいいね。ほたるちゃんっ☆」
ほたる「はい。なんだか……レッスンもお仕事もうまくいって。なんだか……恐いぐらいです」
智香「ほたるちゃんの努力が、きっと実ったんだよっ☆」
ほたる「きっと……プロデューサーさんのおかげです。私がこれまで不運だったのは、プロデューサーさんに出会う為に運をすべて……使ってしまったからだったのかも、って」
ちひろ「ほたるちゃん。CD、売り上げが好調で、歌番組への出演も決まったわよ」
ほたる「ええっ!?」
智香「すごいねっ☆」
ほたる「こんなに好調なんて……私……いいんでしょうか……」
智香「この調子でがんばろうね」
ほたる「はい……あら?」
ほたる「はい。なんだか……レッスンもお仕事もうまくいって。なんだか……恐いぐらいです」
智香「ほたるちゃんの努力が、きっと実ったんだよっ☆」
ほたる「きっと……プロデューサーさんのおかげです。私がこれまで不運だったのは、プロデューサーさんに出会う為に運をすべて……使ってしまったからだったのかも、って」
ちひろ「ほたるちゃん。CD、売り上げが好調で、歌番組への出演も決まったわよ」
ほたる「ええっ!?」
智香「すごいねっ☆」
ほたる「こんなに好調なんて……私……いいんでしょうか……」
智香「この調子でがんばろうね」
ほたる「はい……あら?」
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3: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:08:03.64 ID:T5/dPRPSo
緒方智絵里「ない……ここにも……どこに……」

智香「あれっ? どうしたの智絵里ちゃん」
智絵里「その、私が大切にしていた四つ葉のクローバーがひとつ……ないんです」
ほたる「智絵里ちゃんが大切にしている、あのクローバーが?」
智絵里「はい。どうしよう……どこで落としたかもわからないし……私……」
ほたる「あ、も、もしかして、私の不幸のせいで……」
智香「ほたるちゃん、最近は調子がいいって言ってたのにそういうこと考えちゃダメだよっ! そうだ」
智絵里「智香さん、心当たりがあるんですか……」
智香「心当たりっていうか、こういうのは朋さんとか芳乃ちゃんに聞くといいんじゃないかなっ☆」
ほたる「そ、そうか……朋さんの占いはよくあたるし、芳乃さんは失せ物探しが得意だし」
智香「さっそく、2人に会いにいこうよっ!」
智絵里「は、はい……!」
4: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:08:40.95 ID:T5/dPRPSo
これからしばらくの間、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議なお話の中に入っていくのです
若林智香「シンデレラQっ☆」
白菊ほたる「遺失物預かり所は西へ」
5: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:10:38.37 ID:T5/dPRPSo
朋「うーんと……でた! 卦は西の方角、と出たわよ」

芳乃「朋殿と同じでしてー。西の方角へ向かえば、失せ物は見つかると思しきものなりけりー」

智香「2人がそろって同じ結果ってことは、とっても頼もしいねっ☆」
智絵里「はい。なんだか嬉しいです……西、ですね」
ほたる「ここから西っていうと……」
松山久美子「あら、どうしたの? どこかでかけるの?」

大和亜季「今、方角を知りたがっていたでありますか? ここに方位磁針があります!」

ほたる「あ、久美子さんに亜季さん。今……智絵里ちゃんの四つ葉のクローバーを探しているんです」
智香「朋さんと芳乃ちゃんに、西にあるって教えてもらったんですよっ☆」
久美子「そうなの。私も探すの、つき合うわ」
亜季「方角の指示は、自分に任せて欲しいであります!」
智絵里「いいんですか? 2人とも」
久美子「ええ。今日はオフだし」
亜季「何かを探すというのは、ワクワクするであります!」
ほたる「じゃあ……行きましょう」
6: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:11:24.72 ID:T5/dPRPSo
久美子「方角は、こっちで合ってるのよね?」
亜季「間違いないであります。しかし……本日は晴れとの予報でありましたが、何やら雲行きがあやしいでありますな」
ほたる「もしかして、私のせいで天気が……」
智絵里「そんなことないと思います。最近は、ほたるちゃんとっても運がいいし」
久美子「そうなの?」
智香「仕事もプライベートも、とっても幸運続きなんだよねっ☆」
ほたる「はい……なんだか、恐いぐらいで……」
亜季「いい事であります。天は自ら助ける者をたすく、であります!」
久美子「それにしても、方角はいいとしても距離がわからないのは失敗だったわね」
智香「そうですね。あの2人が揃って同じ結果だったから安心してましたけど、距離までは……あれっ?」
智絵里「なんだか……霧が……」
亜季「おかしいでありますな。そんな予報はなかったし、気象図からもそんな感じは見てとれなかったのでありますが……」
ほたる「やっぱり、私の不運が……」
久美子「大丈夫よ。亜季、方角は合ってるのよね?」
亜季「それは間違いないであります」
智絵里「霧、なんだかどんどん濃くなって……あ」
亜季「間違いないであります。しかし……本日は晴れとの予報でありましたが、何やら雲行きがあやしいでありますな」
ほたる「もしかして、私のせいで天気が……」
智絵里「そんなことないと思います。最近は、ほたるちゃんとっても運がいいし」
久美子「そうなの?」
智香「仕事もプライベートも、とっても幸運続きなんだよねっ☆」
ほたる「はい……なんだか、恐いぐらいで……」
亜季「いい事であります。天は自ら助ける者をたすく、であります!」
久美子「それにしても、方角はいいとしても距離がわからないのは失敗だったわね」
智香「そうですね。あの2人が揃って同じ結果だったから安心してましたけど、距離までは……あれっ?」
智絵里「なんだか……霧が……」
亜季「おかしいでありますな。そんな予報はなかったし、気象図からもそんな感じは見てとれなかったのでありますが……」
ほたる「やっぱり、私の不運が……」
久美子「大丈夫よ。亜季、方角は合ってるのよね?」
亜季「それは間違いないであります」
智絵里「霧、なんだかどんどん濃くなって……あ」
7: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:12:07.22 ID:T5/dPRPSo
智香「どうしたのっ? 智絵里ちゃん」
智絵里「ここ、看板に」
ほたる「ええと……遺失物預かり所……?」
久美子「遺失物、っていうのは無くした物ってことよね? じゃあここなんじゃない? 朋や芳乃ちゃんの見立てたのは」
亜季「さっそく、入ってみるであります!」
智絵里「ここ、看板に」
ほたる「ええと……遺失物預かり所……?」
久美子「遺失物、っていうのは無くした物ってことよね? じゃあここなんじゃない? 朋や芳乃ちゃんの見立てたのは」
亜季「さっそく、入ってみるであります!」
8: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:14:42.35 ID:T5/dPRPSo
ガチャッ
P「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
久美子「え? あれ? プロデューサー?」
P「プロ……デューサー? いいえ。わたくしは、この遺失物預かり所の職員です」
智香「そうなんですかっ? でも、プロデューサーさんによく似ていますねっ☆」
P「遺失物の引き取りにおいでになったのですよね」
亜季「それは……そうなんでありますが」
智絵里「あ、あのっ。私の……」
P「お預かりしていますよ。緒方智絵里様」
智絵里「えっ?」
ほたる「あの……どうして、智絵里ちゃんの名前を……」
P「それはここに、緒方智絵里様の遺失物をお預かりしていますので」
ほたる「あ、あの、そうじゃなくて……」
P「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
久美子「え? あれ? プロデューサー?」
P「プロ……デューサー? いいえ。わたくしは、この遺失物預かり所の職員です」
智香「そうなんですかっ? でも、プロデューサーさんによく似ていますねっ☆」
P「遺失物の引き取りにおいでになったのですよね」
亜季「それは……そうなんでありますが」
智絵里「あ、あのっ。私の……」
P「お預かりしていますよ。緒方智絵里様」
智絵里「えっ?」
ほたる「あの……どうして、智絵里ちゃんの名前を……」
P「それはここに、緒方智絵里様の遺失物をお預かりしていますので」
ほたる「あ、あの、そうじゃなくて……」
9: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:15:22.48 ID:T5/dPRPSo
久美子「ほたるちゃん、ほたるちゃん」
ほたる「は、はい……なんですか、久美子さん」
久美子「智絵里ちゃんもアイドルなんだから、それは顔も知られているのよ。きっと」
智香「なるほど、そうですねっ☆」
ほたる「あ、ええと……でも」
亜季「それよりも、智絵里ちゃんがなくした四つ葉のクローバーを預かっていてくださっているのでありますか?」
P「はい。四つ葉のクローバーと」
智絵里「え?」
P「もうひとつ」
ほたる「は、はい……なんですか、久美子さん」
久美子「智絵里ちゃんもアイドルなんだから、それは顔も知られているのよ。きっと」
智香「なるほど、そうですねっ☆」
ほたる「あ、ええと……でも」
亜季「それよりも、智絵里ちゃんがなくした四つ葉のクローバーを預かっていてくださっているのでありますか?」
P「はい。四つ葉のクローバーと」
智絵里「え?」
P「もうひとつ」
10: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:17:23.07 ID:T5/dPRPSo
智絵里「私がなくしたのは、四つ葉のクローバーだけだと思うんですけど」
P「まずこちらが、四つ葉のクローバーとなります」
久美子「どうなの? 智絵里ちゃん」
智絵里「あ……はい。私の四つ葉のクローバーです」
智香「良かったねっ! 智絵里ちゃん」
P「ではこちらの伝票に、サインを」
智絵里「わかりました……これで、いいんですか?」
P「はい。では四つ葉のクローバーは、お持ち帰り下さい」
久美子「お金は? 要らないの?」
P「はい。こちらは営利団体ではありませんので。あくまでも、遺失物をお預かりして保管し、こうして引き取りにおいでになった方にお渡しするのが、わたくしの業務です」
久美子「太っ腹なのねー」
P「まずこちらが、四つ葉のクローバーとなります」
久美子「どうなの? 智絵里ちゃん」
智絵里「あ……はい。私の四つ葉のクローバーです」
智香「良かったねっ! 智絵里ちゃん」
P「ではこちらの伝票に、サインを」
智絵里「わかりました……これで、いいんですか?」
P「はい。では四つ葉のクローバーは、お持ち帰り下さい」
久美子「お金は? 要らないの?」
P「はい。こちらは営利団体ではありませんので。あくまでも、遺失物をお預かりして保管し、こうして引き取りにおいでになった方にお渡しするのが、わたくしの業務です」
久美子「太っ腹なのねー」
12: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:18:40.85 ID:T5/dPRPSo
ほたる「あ、あの……」
P「なんでしょうか?」
ほたる「あの……智絵里ちゃんの遺失物を、もうひとつ預かっているってさっき……」
P「左様でございます。緒方智絵里様の遺失物、こちら……一家団欒の思い出の写真、です」
智絵里「……えっ?」
P「家族3人が、仲良く夕食を摂っていたという思い出の写真です」
智絵里「それって……あ」
亜季「どうしたでありますか? 智絵里殿」
智絵里「そうだ……はい、そうです。私が小さい頃……こんなことがありました。パパもママも……笑顔で……」
P「こちらにサインをして、お持ち帰りください。お父様やお母様にも、見せて差し上げるとよろしいかと」
智絵里「はい……はい!」
智香「なんだかよくわからないけど、良かったね智絵里ちゃんっ☆」
P「若林智香様、貴女の遺失物もお預かりしております」
P「なんでしょうか?」
ほたる「あの……智絵里ちゃんの遺失物を、もうひとつ預かっているってさっき……」
P「左様でございます。緒方智絵里様の遺失物、こちら……一家団欒の思い出の写真、です」
智絵里「……えっ?」
P「家族3人が、仲良く夕食を摂っていたという思い出の写真です」
智絵里「それって……あ」
亜季「どうしたでありますか? 智絵里殿」
智絵里「そうだ……はい、そうです。私が小さい頃……こんなことがありました。パパもママも……笑顔で……」
P「こちらにサインをして、お持ち帰りください。お父様やお母様にも、見せて差し上げるとよろしいかと」
智絵里「はい……はい!」
智香「なんだかよくわからないけど、良かったね智絵里ちゃんっ☆」
P「若林智香様、貴女の遺失物もお預かりしております」
13: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:19:07.97 ID:T5/dPRPSo
智香「えっ!? アタシの? でもアタシ、別に何もなくしていませんよっ?」
P「こちら、若林智香様のポンポンです」
智香「え……あ、これ中学生の頃のっ!?」
久美子「そうなの? あれ? でも智香ちゃん、中学はアイドルになる前だから確か鹿児島よね?」
ほたる「それなのに、ここに智香さんのポンポンがあるんですか……?」
P「ここへは、あらゆる遺失物が集まりますので」
智香「確かに、アタシが大事にしていたポンポンですよっ! 応援の後でなくしたんだけど……」
P「では、こちらにサインを」
智香「あ、はいっ……うわあ、懐かしいなっ☆」
久美子「へえ。じゃあ探し物は見つかったし、帰りましょうか」
P「お待ち下さい。松山久美子様」
久美子「え?」
P「こちら、若林智香様のポンポンです」
智香「え……あ、これ中学生の頃のっ!?」
久美子「そうなの? あれ? でも智香ちゃん、中学はアイドルになる前だから確か鹿児島よね?」
ほたる「それなのに、ここに智香さんのポンポンがあるんですか……?」
P「ここへは、あらゆる遺失物が集まりますので」
智香「確かに、アタシが大事にしていたポンポンですよっ! 応援の後でなくしたんだけど……」
P「では、こちらにサインを」
智香「あ、はいっ……うわあ、懐かしいなっ☆」
久美子「へえ。じゃあ探し物は見つかったし、帰りましょうか」
P「お待ち下さい。松山久美子様」
久美子「え?」
14: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:20:01.91 ID:T5/dPRPSo
P「貴女の遺失物も、お預かりしております」
久美子「私の? 私、別に……」
P「こちらが、貴女のトイピアノでございます」
久美子「え? ええええっ!? このトイピアノ、私が子供の頃に買ってもらった……でも、え?」
P「とても大事にしておられたのですよね。そして、とても熱心に弾いて遊ばれておられた」
久美子「だけど……これ……」
智絵里「どうしたんですか?」
久美子「中学の時、コンクールに落ちちゃって……それでヤケになってこのトイピアノは、私が……」
P「ご両親が」
久美子「え?」
久美子「私の? 私、別に……」
P「こちらが、貴女のトイピアノでございます」
久美子「え? ええええっ!? このトイピアノ、私が子供の頃に買ってもらった……でも、え?」
P「とても大事にしておられたのですよね。そして、とても熱心に弾いて遊ばれておられた」
久美子「だけど……これ……」
智絵里「どうしたんですか?」
久美子「中学の時、コンクールに落ちちゃって……それでヤケになってこのトイピアノは、私が……」
P「ご両親が」
久美子「え?」
15: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:20:30.23 ID:T5/dPRPSo
P「いつか、また貴女がこのトイピアノを喜んで弾いてくれるのではないかと、こっそりと直しておられたのですよ。ですが、貴女も大人になられ大掃除の際に間違えて処分されてしまったのですよ。それが、ここに運ばれてしまったようなのですよ」
久美子「そう……だったの? そうか……うん。私、今はまたピアノが好きになったのよ。ピアノと……自分が」
P「では、こちらにサインを」
久美子「……ありがとう。これ、持って帰ってまた弾くわ」
P「よろしゅうございました」
亜季「良かったでありますな!」
P「大和亜季様、貴女の遺失物もお預かりしております」
亜季「なんですと!?」
久美子「そう……だったの? そうか……うん。私、今はまたピアノが好きになったのよ。ピアノと……自分が」
P「では、こちらにサインを」
久美子「……ありがとう。これ、持って帰ってまた弾くわ」
P「よろしゅうございました」
亜季「良かったでありますな!」
P「大和亜季様、貴女の遺失物もお預かりしております」
亜季「なんですと!?」
16: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:22:18.91 ID:T5/dPRPSo
P「こちらです。フェイファー・ツェリザカ・ハンドキャノンのモデルガンと、S&WのM500モデルガンでございます」
亜季「こ、これは、自分が最初に上官殿……じゃなかった父親と兄にそれぞれ買ってもらったモデルガンではありませんか! 確か壊れて修理に出したっきりになっていたはずでありますが……」
P「なんらかの手違いがあったようで、届け先不明となっていました。間違いなければ、サインをこちらに」
亜季「わ、わかったであります……これで!」
P「はい。結構です」
亜季「懐かしいであります。久々にこれで、2丁拳銃撃ちをしてみるであります」
ほたる「よ、良かったですね……じゃあ、帰りましょうか」
P「最期に、白菊ほたる様」
ほたる「え?」
亜季「こ、これは、自分が最初に上官殿……じゃなかった父親と兄にそれぞれ買ってもらったモデルガンではありませんか! 確か壊れて修理に出したっきりになっていたはずでありますが……」
P「なんらかの手違いがあったようで、届け先不明となっていました。間違いなければ、サインをこちらに」
亜季「わ、わかったであります……これで!」
P「はい。結構です」
亜季「懐かしいであります。久々にこれで、2丁拳銃撃ちをしてみるであります」
ほたる「よ、良かったですね……じゃあ、帰りましょうか」
P「最期に、白菊ほたる様」
ほたる「え?」
19: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:45:18.86 ID:T5/dPRPSo
P「貴女の遺失物も、こちらでお預かりいたしております」
ほたる「私……の? でも私、別に何もなくしていないと思うんですけど……」
P「こちらが、貴女の遺失物となります……」
ほたる「あ、はい……」
P「白菊ほたるさん。貴女の、遺失物……」
ほたる「はあ」
ほたる「私……の? でも私、別に何もなくしていないと思うんですけど……」
P「こちらが、貴女の遺失物となります……」
ほたる「あ、はい……」
P「白菊ほたるさん。貴女の、遺失物……」
ほたる「はあ」
20: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:45:53.76 ID:T5/dPRPSo
P「貴女の、不運です」
21: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:46:22.49 ID:T5/dPRPSo
ほたる「……え!?」
P「貴女の、不運です」
ほたる「不運って……あの、私の……不運ですか?」
智香「ほたるちゃん、不運をなくしていたっていうことなの!?」
智絵里「もしかして、それで最近調子が……」
ほたる「そ、そうなんですか? でもそれなら……はい、最近とっても調子が良かったのもわかります」
久美子「え? でも、ほたるちゃんその不運を返してもらっちゃったら、また不運になっちゃうってこと?」
亜季「それならこのまま、返してもらわない方が良いのではありませんか?」
P「……いかがなさいますか?」
ほたる「え? あの……間違いなく、私の不運……なんですよね?」
P「はい。それは、間違いございません」
P「貴女の、不運です」
ほたる「不運って……あの、私の……不運ですか?」
智香「ほたるちゃん、不運をなくしていたっていうことなの!?」
智絵里「もしかして、それで最近調子が……」
ほたる「そ、そうなんですか? でもそれなら……はい、最近とっても調子が良かったのもわかります」
久美子「え? でも、ほたるちゃんその不運を返してもらっちゃったら、また不運になっちゃうってこと?」
亜季「それならこのまま、返してもらわない方が良いのではありませんか?」
P「……いかがなさいますか?」
ほたる「え? あの……間違いなく、私の不運……なんですよね?」
P「はい。それは、間違いございません」
22: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:47:28.49 ID:T5/dPRPSo
ほたる「そうですか……わかりました。持って帰ります……サインします」
久美子「え? いいの?」
智絵里「仕事もプライベートも順調なら、無理に持って帰らなくても」
亜季「そうでありますよ」
ほたる「うん。でも……私はずっと私の不運と一緒にがんばってきたし、だから……私の一部みたいなものですし……」
智香「うーん。でもまたほたるちゃん、不運体質になっちゃうんだよっ?」
ほたる「そうなんですけど……やっぱり私、私の不運と一緒に……夢を叶えたいです。私の不運にも……夢を……うん、一緒に」
久美子「そう……なら、そうする方がいいわね」
亜季「ほたる殿は、強い女であります」
智絵里「はい。すごいです」
智香「自分の不運に対しても、優しいんだねっ☆」
ほたる「そんな……ただ長いつき合いですから、やっぱり別々は寂しいだろうって思いますから……」
久美子「え? いいの?」
智絵里「仕事もプライベートも順調なら、無理に持って帰らなくても」
亜季「そうでありますよ」
ほたる「うん。でも……私はずっと私の不運と一緒にがんばってきたし、だから……私の一部みたいなものですし……」
智香「うーん。でもまたほたるちゃん、不運体質になっちゃうんだよっ?」
ほたる「そうなんですけど……やっぱり私、私の不運と一緒に……夢を叶えたいです。私の不運にも……夢を……うん、一緒に」
久美子「そう……なら、そうする方がいいわね」
亜季「ほたる殿は、強い女であります」
智絵里「はい。すごいです」
智香「自分の不運に対しても、優しいんだねっ☆」
ほたる「そんな……ただ長いつき合いですから、やっぱり別々は寂しいだろうって思いますから……」
23: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:48:19.05 ID:T5/dPRPSo
P「では、こちらにサインを」
ほたる「ええと……これでいいんでしょうか」
P「結構でございます。不運は既に、貴女に戻っています」
ほたる「そうなんですか? 自分では全然わかりませんけど……じゃあ、色々とありがとうございました」
久美子「うん。お世話になったわね」
亜季「感謝であります!」
智絵里「もうなくさいなよう、気をつけます」
智香「ありがとうございましたっ☆」
P「はい。寂しくもありますがどうぞみな様、二度とお目にかかることがありませんよう……なにしろここは、何かをなくした方がおいでになる場所ですので……」
智香「え? あれっ?」
ほたる「ええと……これでいいんでしょうか」
P「結構でございます。不運は既に、貴女に戻っています」
ほたる「そうなんですか? 自分では全然わかりませんけど……じゃあ、色々とありがとうございました」
久美子「うん。お世話になったわね」
亜季「感謝であります!」
智絵里「もうなくさいなよう、気をつけます」
智香「ありがとうございましたっ☆」
P「はい。寂しくもありますがどうぞみな様、二度とお目にかかることがありませんよう……なにしろここは、何かをなくした方がおいでになる場所ですので……」
智香「え? あれっ?」
24: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:48:48.63 ID:T5/dPRPSo
ほたる「いつのまにか……外に……」
久美子「変ね。私たち、入ってきたあのドアから出たかしら」
亜季「霧もはれているでありますな」
智絵里「でも、こうしてちゃんと四つ葉のクローバーも写真も……ほら、あります」
智香「うん。夢じゃないみたいだね」
ほたる「じゃあ……帰りましょうか」
久美子「変ね。私たち、入ってきたあのドアから出たかしら」
亜季「霧もはれているでありますな」
智絵里「でも、こうしてちゃんと四つ葉のクローバーも写真も……ほら、あります」
智香「うん。夢じゃないみたいだね」
ほたる「じゃあ……帰りましょうか」
25: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:49:48.56 ID:T5/dPRPSo
久美子「ただいま帰りました」
朋「あ、どうだった? 四つ葉のクローバーは見つかった?」
智絵里「はい。朋さんの占い、すごいです」
芳乃「それは祝着なのでしてー」
智香「芳乃ちゃんもすごいねっ☆」
亜季「それだけでなく、我々全員なくした物を返していただいたであります」
芳乃「久美子殿、それは随分と小さなピアノなのでしてー」
久美子「ええ、トイピアノ。でもちゃんと音は鳴るのよ」
芳乃「聞きたいのでしてー」
久美子「いいわよ。なんならホラ貝とコラボする?」
芳乃「それは良い考えなのでしてー」ブオオー
朋「あ、どうだった? 四つ葉のクローバーは見つかった?」
智絵里「はい。朋さんの占い、すごいです」
芳乃「それは祝着なのでしてー」
智香「芳乃ちゃんもすごいねっ☆」
亜季「それだけでなく、我々全員なくした物を返していただいたであります」
芳乃「久美子殿、それは随分と小さなピアノなのでしてー」
久美子「ええ、トイピアノ。でもちゃんと音は鳴るのよ」
芳乃「聞きたいのでしてー」
久美子「いいわよ。なんならホラ貝とコラボする?」
芳乃「それは良い考えなのでしてー」ブオオー
26: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:51:53.40 ID:T5/dPRPSo
朋「亜季さんのそれは、モデルガン? へえ、格好いいわね」
亜季「お、わかるのでありますか? 朋殿もサバゲをやってみるでありますか?」
朋「そうね……ちょっと興味出てきた……かな?」
智香「みんな、無くし物を見つけられて良かったよねっ☆」
ほたる「……はい」
ちひろ「あ、いたいた。ほたるちゃん」
ほたる「はい。どうしましたか、ちひろさん」
ちひろ「さっき言ってた歌番組の出演、急遽キャンセルになっちゃったのよ」
ほたる「そうなんですか……はい、わかりました」
ちひろ「? ほたるちゃん、あんまり残念そうじゃないのね」
ほたる「なんとなく……そんな予感というか……気がしてましたから」
ちひろ「?」
亜季「お、わかるのでありますか? 朋殿もサバゲをやってみるでありますか?」
朋「そうね……ちょっと興味出てきた……かな?」
智香「みんな、無くし物を見つけられて良かったよねっ☆」
ほたる「……はい」
ちひろ「あ、いたいた。ほたるちゃん」
ほたる「はい。どうしましたか、ちひろさん」
ちひろ「さっき言ってた歌番組の出演、急遽キャンセルになっちゃったのよ」
ほたる「そうなんですか……はい、わかりました」
ちひろ「? ほたるちゃん、あんまり残念そうじゃないのね」
ほたる「なんとなく……そんな予感というか……気がしてましたから」
ちひろ「?」
27: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:52:27.23 ID:T5/dPRPSo
智香「ほたるちゃん、やっぱりほたるちゃんの不運……」
ほたる「大丈夫です、智香さん」
智香「えっ?」
ほたる「私……負けませんから。この不運とも一緒に……アイドル、がんばります」
智香「そうか……そうだねっ! じゃあそんなほたるちゃんを、アタシは応援するよっ☆」
ほたる「じゃあ……今日はもう寮に帰りましょうか」
智香「そうだねっ☆」
ほたる「大丈夫です、智香さん」
智香「えっ?」
ほたる「私……負けませんから。この不運とも一緒に……アイドル、がんばります」
智香「そうか……そうだねっ! じゃあそんなほたるちゃんを、アタシは応援するよっ☆」
ほたる「じゃあ……今日はもう寮に帰りましょうか」
智香「そうだねっ☆」
28: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:52:57.21 ID:T5/dPRPSo
「大変申し訳ありませんー! 山手線ただ今トラブルにより一時運行を見合わせておりますー!」
智香「えっ!? ほたるちゃん、どうしよう」
ほたる「すみません……」
智香「?」
ほたる「さっそく、私の不運が……」
智香「えへへっ☆ このぐらいなんでもないよっ! それに、前から思っていたけど」
ほたる「え? なんですか?」
智香「ほたるちゃんの不運って、確かに色々と起こすけど、そんなに悪いこととかほたるちゃんが本当に不幸になっちゃう事って起こさないような気がするんだっ☆」
ほたる「確かに……今の事務所は、みなさん本当に仲良くして下さるし……そんなに困らせるようなことはおきないんですけど……」
智香「もしかして今までの事務所のことだって、私たちの事務所に来るためだったのかも知れないよっ!」
ほたる「それは……あ、スマホの着信……はい、もしもし」
ちひろ『あ、ほたるちゃんもう電車乗っちゃった?』
ほたる「いえ……まだですけど」
智香「えっ!? ほたるちゃん、どうしよう」
ほたる「すみません……」
智香「?」
ほたる「さっそく、私の不運が……」
智香「えへへっ☆ このぐらいなんでもないよっ! それに、前から思っていたけど」
ほたる「え? なんですか?」
智香「ほたるちゃんの不運って、確かに色々と起こすけど、そんなに悪いこととかほたるちゃんが本当に不幸になっちゃう事って起こさないような気がするんだっ☆」
ほたる「確かに……今の事務所は、みなさん本当に仲良くして下さるし……そんなに困らせるようなことはおきないんですけど……」
智香「もしかして今までの事務所のことだって、私たちの事務所に来るためだったのかも知れないよっ!」
ほたる「それは……あ、スマホの着信……はい、もしもし」
ちひろ『あ、ほたるちゃんもう電車乗っちゃった?』
ほたる「いえ……まだですけど」
29: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:54:20.63 ID:T5/dPRPSo
ちひろ『生番組がこれからあって、来られない人の代わりにほたるちゃんと智香ちゃんがまだ近くにいるなら、ってプロデューサーさんが』
ほたる「え!? あ、はい。大丈夫です」
ちひろ『じゃあ用意しておくから、2人ですぐに事務所に戻ってきてくれるかしら』
ほたる「わかりました……じゃあ、はい。智香さん、これから生番組に出られるそうです。歌番組だ、ってちひろさんが」
智香「本当に? うわあ、やったねっ☆」
ほたる「はい……じゃあ事務所に……」
ほたる「え!? あ、はい。大丈夫です」
ちひろ『じゃあ用意しておくから、2人ですぐに事務所に戻ってきてくれるかしら』
ほたる「わかりました……じゃあ、はい。智香さん、これから生番組に出られるそうです。歌番組だ、ってちひろさんが」
智香「本当に? うわあ、やったねっ☆」
ほたる「はい……じゃあ事務所に……」
30: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:54:53.60 ID:T5/dPRPSo
ちひろ「あ、ほたるちゃんに智香ちゃん! 大丈夫だった?」
智香「え?」
ほたる「何か……あったんですか?」
ちひろ「今、ニュースで駅の構内で事件があったって……くわしくはわからないけど情報も錯綜してて大騒ぎなのよ。最寄り駅だから、2人を心配してたんだけど、無事で良かったわ」
智香「もしかして……」
ほたる「あのまま、駅で運行再開を待ってたら……」
ちひろ「?」
智香「やっぱり」
ほたる「え?」
智香「ほたるちゃんの不運って、ほたるちゃんを……守ってくれてるんじゃないかな」
ほたる「……そう……かも、知れませんね……はい。ありがとう、私の不運……これからも……一緒にがんばろうね……」
ちひろ「? なになに? なんの話?」
智香「えへへっ☆ あのですね……」
31: ◆hhWakiPNok 2017/02/14(火) 16:55:21.38 ID:T5/dPRPSo
不運は悪いことばかりとは限りません。
昔の人は『禍福はあざなえる縄のごとし』と言っています。
良い事、悪い事、それはすべてその人の主観で、一歩離れてみればそれは……
すべて、その人の心がけということになっていくのかも知れません。
あなたも……そう、そこのあなたも、自分を不運だと嘆いてはいませんか?
でもそれも、もしかしたら……幸福への第一歩なのかも知れませんよ……
お わ り
昔の人は『禍福はあざなえる縄のごとし』と言っています。
良い事、悪い事、それはすべてその人の主観で、一歩離れてみればそれは……
すべて、その人の心がけということになっていくのかも知れません。
あなたも……そう、そこのあなたも、自分を不運だと嘆いてはいませんか?
でもそれも、もしかしたら……幸福への第一歩なのかも知れませんよ……
お わ り
転載元:若林智香「シンデレラQ」白菊ほたる「遺失物預かり所は西へ」
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