芽衣子「一番高いところで見られる景色はすごいんだろうなー、いつか見たいなーっておもってるし」

Ｐ「あぁ」

芽衣子「でも、そこに行くまでにもすっごい素敵な景色があるんだから、前ばっかり向いてそれを見逃したくないんだよね」

Ｐ「……欲張りだな」

芽衣子「えへへ」

Ｐ「褒めてはいない」

芽衣子「プロデューサーはどうなの？」

Ｐ「どうなのって、乱暴な聞き方だな」

芽衣子「頂上目指してる？」

Ｐ「まぁ、それはな」

芽衣子「ふぅーん」

Ｐ「ジャーニースター3人とも行って欲しい気持ちがある」

芽衣子「欲張りだね！」

Ｐ「お互い様だ」

芽衣子「3人ともっていうのは私より欲張りさんだよー」

Ｐ「俺はジャーニースターのプロデューサーだから」

芽衣子「こういうときは『芽衣子が一番だよ』とか言うんじゃないのー？」

Ｐ「言って欲しいのか？」

芽衣子「んー、ぜんぜん？」

Ｐ「だからだよ」

芽衣子「芽衣子博士だね！」

Ｐ「嬉しくない学位をもらったもんだな」

芽衣子「照れちゃってさ～」

Ｐ「この1ヶ月は忙しくなるな」

芽衣子「そだねー」

Ｐ「こうやってダラダラできなくなる」

芽衣子「それとこれとは別！」

Ｐ「別じゃないだろ」

芽衣子「そうやってこたつ片付けようとするんでしょ！」

Ｐ「もう4月だっていうのに」

芽衣子「でも寒いじゃん？」

Ｐ「昨日はな」

芽衣子「その前だって寒かったし、今日も肌寒いよ！」

Ｐ「明日はきっと晴れるから大丈夫」

芽衣子「どこかで聞いた曲みたいに言ったってダメだよ！」

Ｐ「往生際が悪い」

芽衣子「プロデューサーだって使ってるでしょ！　見たもん！」

Ｐ「それとこれとは話は別だ」

芽衣子「一緒でしょー！　説得力ない！」

Ｐ「もう使ってる人も少ないだろ」

芽衣子「私はずっと使ってるもん」

Ｐ「それがダメだって言ってるんだよ」

芽衣子「雪美ちゃんとペロもヘビーユーザーだから、ふたりの意見も聞かないとさー」

Ｐ「家のはもう片付けたらしい」

芽衣子「し、志乃さん！」

Ｐ「酒飲めばあたたまるって」

芽衣子「裏切りものーっ！」

Ｐ「観念するんだな」

芽衣子「時代劇の悪役みたいなこと言って！」

Ｐ「おぬしも悪よのう」

芽衣子「どっちかというと、私は襲われる町娘だよね？」

Ｐ「どっちでもいいわ。じゃあ片付けに」

芽衣子「イヤっ」ｷﾞｭｯ

Ｐ「離れなさい。何度目だよ、このやりとり」

芽衣子「プロデューサーが諦めるまで何度でも！」

Ｐ「なんなんだ」

芽衣子「まったく、諦めが悪いんだから」

Ｐ「そっくりそのまま返すよ」

芽衣子「でも本当に寒いよねー。春なのに」

Ｐ「一気に冬へ戻った気分になるな」

芽衣子「それは大げさかな？」

Ｐ「こたつでダラけている人間が言っていいセリフか」

芽衣子「まーまー」

芽衣子「片付けなくてよかったでしょ？」

Ｐ「ドヤ顔で言うな」

芽衣子「片付けなくてよかったでしょー？」

Ｐ「ノーコメント」

芽衣子「なにそれ、ズルいー」

Ｐ「大人だからズルくても許されるんだよ」

芽衣子「私もオトナだよっ」

Ｐ「そうかい」

芽衣子「ちゃんとした、オトナ！」

Ｐ「大人なら大人しくこたつ片付けられるだろうよ」

芽衣子「それとこれとは別ー」

芽衣子「ていうかプロデューサーも使ってるって！」

Ｐ「ズルい大人だからな」

芽衣子「ぶーぶー！」

Ｐ「何の話していたんだったか」

芽衣子「なんだったっけ？」

Ｐ「いろいろ飛びまくってすぐわからなくなるなぁ」

芽衣子「あっ、総選挙だね、総選挙」

Ｐ「そんな話だったか」

芽衣子「そだそだ、それでプロデューサーに聞きたいことがあったの」

Ｐ「聞きたいこと？」

芽衣子「プロデューサーって誰に投票するの？」

Ｐ「なんでそんなこと聞くんだ」

芽衣子「私たちにも投票権あるでしょ？」

Ｐ「あぁ」

芽衣子「この雨、美里ちゃん恵ちゃんとおしゃべりしてて、それぞれに投票するんだろうねーって」

Ｐ「3人だからちょうどいいのか、そういえば」

芽衣子「わたし、気になります！」

Ｐ「どうした急に」

芽衣子「美里ちゃんが『プロデューサーは誰に投票するんだろぉ？』って」

Ｐ「ものまねなかなかクオリティ高いな」

芽衣子「えへ、それほどでもぉ」ﾃﾚﾃﾚ

Ｐ「それは照れてもいい」

芽衣子「話を戻して。投票できるんだよね？　さっきも『3人のプロデューサーだから』って言ってたし、余計誰に入れるのか気になっちゃうなー」

Ｐ「……」

芽衣子「なっちゃうなー！」

Ｐ「プロデューサーは投票できない」

芽衣子「ウッソだー！」

Ｐ「嘘じゃない」

芽衣子「プロデューサーってウソつくときくちびる噛むクセあるよね」

Ｐ「……」

芽衣子「ホントだよ？」

Ｐ「かまをかけるな」

芽衣子「あ、バレた？」

Ｐ「さすがにわかる」

芽衣子「でもウソつくのはヘタだよねー」

Ｐ「さぁな」

芽衣子「ごまかし方が雑！」

芽衣子「それでそれで、誰にするの？」

Ｐ「誰にもしない」

芽衣子「そんなこと言ってー」

Ｐ「もし投票するなら」

芽衣子「うんうん！」

Ｐ「3人以外かな」

芽衣子「えーっ」

Ｐ「そのかわりプロデュースはしっかりな」

芽衣子「そんなの当たり前だよー、つまんなーい」

Ｐ「つまらなくない」

芽衣子「なら3人限定！」

Ｐ「そもそも入れない」

芽衣子「前提をひっくり返さないでよー！」

Ｐ「好きに投票させてくれよ」

芽衣子「じゃあ！　じゃあ誰に入れるの？」

Ｐ「そうだな」

芽衣子「事務所の誰か？」

Ｐ「さぁな」

芽衣子「すぐはぐらかす」

Ｐ「誰だっていいだろ」

芽衣子「だって、誰に入れるか気になるんだもん」

Ｐ「なら気にしていてくれ」

芽衣子「うー、いじわるー！」

Ｐ「個人情報だからな」

芽衣子「ささいなことだよ」

Ｐ「それ情報を得る側が言っちゃダメだろ」

芽衣子「気になって夜も眠れないんだよ？」

Ｐ「昨日寝たのは？」

芽衣子「11時かなぁ？」

Ｐ「起きたのは」

芽衣子「7時！」

Ｐ「健康的だな」

芽衣子「やっぱりカラダは資本だからね！」

Ｐ「きちんと睡眠取れているならなおのこと言う必要ない」

芽衣子「質！　睡眠の質が悪いんだって！」

Ｐ「何回起きたんだ」

芽衣子「トイレはちゃんと寝る前に行くから朝までぐっすり！」

Ｐ「えらいな」

芽衣子「目覚めもばっちり！」

Ｐ「めちゃめちゃいい睡眠とってるな」

芽衣子「えーっと、あとは……」

Ｐ「いい加減諦めろ」

芽衣子「待って！　まだあるから！」

Ｐ「そこまでして聞きたいことかよ」

芽衣子「大事じゃない？」

Ｐ「ひとりよりも多数に気を向けた方がいいとおもうけどなぁ」

芽衣子「それも大事だけど、今この一瞬じゃプロデューサーが誰に入れるかってのが大事なの！」

Ｐ「必死か」

芽衣子「そりゃもうね！」

Ｐ「じゃあ仕事しているから、その間に考えといてくれ」

芽衣子「ちょっとめんどくさくなってない？　大丈夫？」


＊　＊　＊

～後日


Ｐ「……」ｶﾀｶﾀｶﾀ

ちひろ「ふぅ……プロデューサーさん、お茶入れますけどなにがいいですか？」

Ｐ「あー、コーヒーでお願いします。ブラックで」

ちひろ「いつもの、ですね。目が覚めるのを入れてきます……あら、これは……」

Ｐ「どうしました？」

ちひろ「……落としてますよ。はい」

Ｐ「あぁ、ありがとうございます」

ちひろ「ちゃんと整理整頓してくださいね。すぐ山になるんですから」

Ｐ「これが済んだらやりますよ……なんだか嬉しそうですね。いいことでも？」

ちひろ「私ですか？」

Ｐ「えぇ」

ちひろ「なんでしょうね？」

Ｐ「それ言われたらお手上げですよ」

ちひろ「ふふっ、じゃあ入れてきますね」

Ｐ「あぁ、お願いします」

ちひろ（プロデューサーさんもなんだかんだ言って甘いなぁ）

あなたは誰に入れる？

おわり


これを読んで芽衣子さんに1票でも入れていただけたら本当に嬉しいです。

せっかくなので、今まで書いた芽衣子さんのSS一覧を置いておきます。
並木芽衣子さんをよろしくお願いします。


芽衣子「コール・ミー！」

芽衣子「この冬を過ごすとっておきの方法」

芽衣子「スイート・リグレット」

柚「芽衣子サンといっしょ！」

芽衣子「やわらか、かため」

芽衣子「こたつ・イン・サンタクロース」

芽衣子「ぽんこつセルフィー」

輝子「芽衣子さんが机の下で体育座りしてる……」

芽衣子「朝からめーこっ！」

芽衣子「こたつでだべろー！」

芽衣子「奈緒ちゃんって犬っぽいよね」

芽衣子「だらだらホリデイ、ちょっぴり甘口」

芽衣子「だらだらホリデイ、ちょっぴり辛口」

沙紀「最近芽衣子さんに構いすぎじゃないっすか？」

芽衣子「こたつ防衛戦！」