1: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 21:45:56.50 ID:rFXlfG/x0
加蓮「あ、飛鳥ちゃん」

奏「あら、こんにちは」

飛鳥「やぁ、加蓮、奏さん」

加蓮「どしたのー、何か用事?」
飛鳥「ああ。奏さん、ちょっといいかい」
奏「ん、いいけれど……」
飛鳥「ああ、いや、手が塞がってるなら出直すよ」
奏「それは構わないけど……ちょっと、堅苦しくないかしら?」
飛鳥「堅苦しい、と言うと?」
奏「呼び方よ、その、さん、っていうの」
飛鳥「さん、成程、確かにありきたりな呼び方だ……ボクとしたことが、普通という殻に捕らわれていたみたいだ」
奏「うん?」
飛鳥「わかった、見つけてくるよ。君に相応しい響きを」
奏「え、ちょっと」
飛鳥「フフ……心が躍るな」
バタン
奏「……呼び捨てで良いのに」
加蓮「ていうか用事は良かったのかな」
奏「あ」
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3: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 21:54:17.43 ID:rFXlfG/x0
志希「それであたしのところに来ちゃうかー」

フレデリカ「頼られてるんだよ~、さすが志希にゃん!」

飛鳥「暇だろう?」
志希「ヒマじゃないよー」
フレ「ダラダラしてたんだよー♪」
飛鳥「そうかい、邪魔して悪かった。まぁ、お互い様だと思って諦めてくれ」
志希「ま、あたしとキミのよしみだ、許してあげよう」
飛鳥「それはどうも」
志希「でもー、難しく考える必要ないよ、ねーフレちゃん」
フレ「ねーシキちゃん♪」
飛鳥「成程」
飛鳥「奏ちゃん」
奏「えっ」
4: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 21:59:55.74 ID:rFXlfG/x0
飛鳥「ボクらに共鳴する響きではなかったみたいだ」
周子「奏ちゃん割りとそういう呼ばれ方嫌いじゃないと思うけどねー」

夕美「それって可も無く不可も無くじゃないかな……」

周子「ま、そうとも言う」
飛鳥「それで意見を聞きたい、と思ってね」
周子「そこでシューコちゃん頼ってくるとか、飛鳥ちゃんかわいい所あるじゃーん」
飛鳥「暇だろう?」
周子「やっぱかわいくなかった……」
夕美「周子ちゃん暇だーなんかしよーって伸びてたでしょ」
周子「それはそうなんやけど、そうじゃなくてね」
夕美「?」
飛鳥「邪魔したかい」
周子「ま、暇は暇やし気にしない気にしない……ちゃん、じゃなくてか。そうだなーあたしなら……」
飛鳥「成程」
飛鳥「奏はん」
奏「えっ」
5: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:07:22.46 ID:rFXlfG/x0
未央「別件でとりあえず謝るね。ごめんなさい」

飛鳥「別段心当たりはないが……問題ないよ」
未央「ありがとう」
藍子「えっと、飛鳥ちゃんの出身って」

飛鳥「静岡だ」
未央「だよね。似非すぎるよ」
飛鳥「心配しないでくれ、自覚はある」
未央「うーん……あ、私みたいに、自分で考えたあだ名なら自分がオリジナルだよ!」
飛鳥「ふむ、確かに」
藍子「あーちゃんって呼んでくれるの、未央ちゃんの特別ですもんね」
未央「そう、未央ちゃんの特別なのですよ。んー、私と被らないようにするなら下の名前で……」
飛鳥「成程」
飛鳥「かなっち」
奏「えっ」
かな子「? はーい?」

加奈「は、はいっ!」

6: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:12:18.32 ID:rFXlfG/x0
蘭子「ふむ、一なる呼び声の混濁か」

飛鳥「ああ、ボクとした事が汎用で凡庸な発想に捕らわれていたようだ」
蘭子「ならば容易い事よ、真に一なる洗礼名を創造すれば良いだけのこと」
飛鳥「本当の意味でオリジナル、か」
蘭子「我らが紡ぎし言霊が起源となるならば、其れは三千世界に唯一無二の響きであろうぞ!」
飛鳥「力を貸してくれるのかい?」
蘭子「フフ、聞くまでもないであろう」
飛鳥「ありがとう、感謝するよ蘭子。それで、だ、キミの意見を聞かせてくれないか」
蘭子「彼の者は麗しき唇の持ち主……然らば其を冠さぬ手はあるまい」
飛鳥「成程」
飛鳥「冥府の果実に口付けし蜜滴る乙女よ」
奏「えっ……」
飛鳥「……」
奏「あっえっ、私?」
周子(蜜滴るってべちゃべちゃやん)
7: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:17:54.95 ID:rFXlfG/x0
文香「なるほど……蘭子さんらしい言葉選びですが、愛称としては少し長いかもしれませんね」
飛鳥「本人にも何のことかわからないって顔をされてしまったからね」
文香「力をお貸しすることは吝かではありませんが……生憎と、そういったものを考えた経験があまり無く……」
飛鳥「協力してくれるだけでありがたいさ。キミから見た彼女の印象、ソレを聞かせてほしいんだ」
文香「印象……そうですね、奏さんは猫のような方だと思います」
飛鳥「猫、かい?」
文香「はい……満月の光を湛えた瞳に、夜明け前の空のような毛並みの猫。本来なら有り得ないその霊びな情景は、見る者を魅了し終わりの無い物語の満ちた迷路へと……あ……す、すみません」

飛鳥「いや、ボクの方こそすまない。こんなにも熱の入った姿は初めて……でも無いが、舞台の上でしか見たことが無かったものだからね。つい呆気にとられてしまったよ」
文香「お恥ずかしい限りです……」
飛鳥「いいや、参考になったよ。ありがとう」
文香「お力になれたなら幸いです」
飛鳥「……成程、猫か」
飛鳥「本人にも何のことかわからないって顔をされてしまったからね」
文香「力をお貸しすることは吝かではありませんが……生憎と、そういったものを考えた経験があまり無く……」
飛鳥「協力してくれるだけでありがたいさ。キミから見た彼女の印象、ソレを聞かせてほしいんだ」
文香「印象……そうですね、奏さんは猫のような方だと思います」
飛鳥「猫、かい?」
文香「はい……満月の光を湛えた瞳に、夜明け前の空のような毛並みの猫。本来なら有り得ないその霊びな情景は、見る者を魅了し終わりの無い物語の満ちた迷路へと……あ……す、すみません」

飛鳥「いや、ボクの方こそすまない。こんなにも熱の入った姿は初めて……でも無いが、舞台の上でしか見たことが無かったものだからね。つい呆気にとられてしまったよ」
文香「お恥ずかしい限りです……」
飛鳥「いいや、参考になったよ。ありがとう」
文香「お力になれたなら幸いです」
飛鳥「……成程、猫か」
8: ちょっとミスしたごめんね ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:23:29.46 ID:rFXlfG/x0
飛鳥「聞いてアロエ李衣菜」
李衣菜「どこで覚えてきたのそんなの」

飛鳥「こう唱えると相談に乗ってもらえると聞いてね」
みく「なーにやってるにゃ……」

李衣菜「私が初めたわけじゃないからね!? ……ちなみに誰に聞いたの」
飛鳥「未央さんに」
李衣菜「次会った時ばっこり行くから覚えとけよ」
飛鳥「しかしそうなると、どうしたものかな。猫なら、と思っていたんだが」
みく「! ネコチャンと仲良くなりたいの?」
飛鳥「そうだな……広い意味ではそう言い表すことも出来る、だろうね」
みく「そういうことなら猫じゃらし! 楽しく遊んだら自然と仲良くなっちゃうにゃ! はい、飛鳥チャンにあげるね」
飛鳥「成程」フリフリ
飛鳥「……」フリフリ
奏「……」
飛鳥「……」フリフリ
奏 ペチ
飛鳥「ん゙っ」
9: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:28:30.87 ID:rFXlfG/x0
比奈「え、じゃらしたんでスか? 奏さんを? ねこじゃらしで?」

飛鳥「ああ」
比奈「ねこじゃらしでっはっふふふふふ」
由里子「いかん比奈センセがツボった」

飛鳥「大丈夫かい?」
由里子「ゲラはいつもの事だから大丈夫だじぇ」
比奈「ふふふいやでもだいぶ煮詰まってるみたいスねんふふふふ」
飛鳥「お恥ずかしい限りだよ」
由里子「んー、ならこの辺でベッタベタなやつ行っとく?」
比奈「はー……この前話してたやつっスね。奏さんと飛鳥ちゃんなら絵になるかも」
飛鳥「と、いうと?」
比奈「名前じゃなくてでスね……」
飛鳥「成程」
飛鳥「お姉さま」
奏「?!」
飛鳥「……これも違う、か」スタスタ
奏「えっ」
美嘉「……」

奏「あっ」
美嘉「わかるよ、妹ってかわいいもんね」
奏「ちょ、違っ」
10: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:33:17.97 ID:rFXlfG/x0
亜季「姉妹の契りでありますか」

飛鳥「形だけ……呼び方だけだがね」
亜季「だ、そうでありますよ有香殿。残念でしたなぁ」
飛鳥「そういう嗜癖があるのかい?」
有香「無いですよ?!」

亜季「しかし奏どのでありますか……ふむ、隊長殿、というのは」
有香「何のですか」
飛鳥「有香も何か思いつかないかい?」
有香「ええと……し、師範代?」
亜季「何のでありますか」
拓海「何悩んでるか良くわかんねぇけどよ。もっとシンプルでいいんだよシンプルで」

飛鳥「と言うと?」
拓海「いいか、ビッと気合い入れてな……」
飛鳥「成程」
飛鳥「速水の姐御ォ!」
奏「えっ」
11: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:39:06.87 ID:rFXlfG/x0
杏「それでとうとう杏のとこまで来たのね」

飛鳥「ああ、なかなかいい案だと思ったんだがね。仏恥義ってしまったようだ」
杏「まぁ奏ちゃんはバイクより助手席の似合うアイドルNo1だからね」
飛鳥「そうなのかい?」
杏「適当に言った」
飛鳥「何の意味がある発言なんだい……」
杏「あれ、乗せられちゃった?」
飛鳥「からかいならノーセンキューだ。意見は欲しいけどね」
杏「んー……菜々ちゃーん」
菜々「はーい?」

杏「なんか意見ちょーだい」
飛鳥「丸投げなのかい……菜々。頼むよ」
菜々「お安い御用ですよ! うーん、と、そうですねー……うーん」
杏「お安い御用とは」
飛鳥「すまないな」
菜々「が、頑張って考えますから!」
杏「アレは? バイトしてたときのやつ」
菜々「あ、いいですね! 折角だから衣装も着ちゃいましょう!」
飛鳥「成程」
飛鳥「お帰りなさいませ、お嬢様」
奏「えっ」
伊吹「あ……へぇ……」

奏「待って、納得しないで」
12: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:43:18.86 ID:rFXlfG/x0
日菜子「それでメイドさんですかぁ」

飛鳥「我ながら慣れないことをしてる……いや、着てるとは思うよ」
日菜子「飛鳥ちゃん、コラボのお仕事のときも執事さんみたいな衣装でしたもんねぇ」
由愛「私はかわいくていいなぁって思いますけど……」
飛鳥「ありがとう。ま、新たなセカイへのちょっとした挑戦だ」
由愛「でも、奏さん……奏さん、って感じだから難しいですね……」

日菜子「そんなこと無いです、女の子ならきっと王子様に憧れたことがあるはずですからぁ~」
飛鳥「ああ、それは……日菜子らしい意見だな」
由愛「そういえば、私も王子様が出てくる絵本……大好きでした」
日菜子「もちろん日菜子も……」
由愛「日菜子さん?」
飛鳥「……旅立ったようだね」
日菜子「……奏さんもきっと王子様に憧れたことがあると思うんです」
飛鳥「帰ってきたようだね」
日菜子「だから白馬の王子様になるんです、飛鳥ちゃんが」
飛鳥「成程」
由愛「えっ、お、お馬さんは……」
飛鳥「いや、閃いた。なんとかしよう」
飛鳥「姫、お迎えにあがりました」
鈴帆「ヒヒーン」

奏「えっ」
美波「えっ」

奏「……」チラッ
美波「た、助けを求められても……」
鈴帆「ヒヒーン」
13: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:48:56.27 ID:rFXlfG/x0
法子「そっかー、それで王子様みたいなかっこなんだね」

飛鳥「我ながらこれは中々だと思っていたんだけど」
法子「あたしはかっこいいと思うけどなー」
飛鳥「ありがとう。ところで、そのドーナツの大箱は……」
時子「何か文句があると?」

飛鳥「いや、珍しい光景だと思ってね。パーティーでもあるのかい?」
時子「一度自分の姿を鏡で確認してから物を言いなさい」
法子「よかったらおひとつどうぞ♪ これね、時子さんが買ってくれたの」
飛鳥「良いのかい?」
時子「有難く施しを受けなさい」
飛鳥「それじゃ、有難くいただくよ……本当にすごい量だね」
時子「聞いて驚きなさい、一日分よ」
飛鳥「致死量の間違いじゃないのかい?」モグ
法子「んー、でも奏さんかー。むつかしいね」
時子「何を悩んでいるかわからないわ、簡単な話でしょう?」
飛鳥「と言うと?」
時子「単純よ、這いつくばりなさい。人であることを捨てて、豚として」
飛鳥「成程」
飛鳥「女王様」
奏「ちょ、ちょっと待って」
14: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:53:03.57 ID:rFXlfG/x0
飛鳥「なんだい」
奏「……もう、終わりにしない?」
飛鳥「お気に召さなかったかい?」
奏「私達の間にそんな風に飾られた言葉、必要無いでしょう」
飛鳥「ふむ……」
奏「あとあらぬ誤解を産んでるから」
飛鳥「そうか……キミも大変だな」
奏「あなたもよ」
飛鳥「そうか……ボクも大変だな」
奏「何で他人事なの」
飛鳥「でも、確かにその通りかもしれないな。飾らない言葉、生まれたままの言葉。それこそが必要だったわけだ」
奏「そう、そうね」
飛鳥「本当に廻り道だった。本当に、本当に、なんて遠い廻り道……最初からこう呼ぶべきだったね」
15: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 22:58:42.18 ID:rFXlfG/x0
16: ◆ganja..OLI 2017/08/25(金) 23:06:30.84 ID:rFXlfG/x0
そんな感じでおしまいおしまい
イベントも後半戦に入りましたね
エンブレムをムダにしないように気をつけていきましょう
直近のは→杏「ロックとスターと今日はココっス」
読んでくれた方ありがとうございます。次があればよろしくお願いしますね。
イベントも後半戦に入りましたね
エンブレムをムダにしないように気をつけていきましょう
直近のは→杏「ロックとスターと今日はココっス」
読んでくれた方ありがとうございます。次があればよろしくお願いしますね。
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