所恵美「なになに？　琴葉がスイーツになったって？」


琴葉「ふふふ、違うわよ。これはね、朝風呂したの。ちょっと入浴剤の量を間違えちゃって……」

恵美「どんな入浴剤？」

琴葉「可憐さんブレンド。バニラベースの香りなの」

恵美「なるほどっ、バニラか～。琴葉、アイス大好きだもんね」

琴葉「うん。もう、アイスに囲まれてるみたいで、幸せだったな……」

エレナ「……」

エレナ「ペロッ」

琴葉「ひゃっ」

恵美「にゃははっ」

琴葉「ちょ、ちょっとエレナ！」

エレナ「エヘヘ、こんなに甘い匂いなんだもん、仕方ないよネ？」

琴葉「聞いてたよね？入浴剤だから、甘くないわよ」

恵美「エレナ、どうだった？」

エレナ「うーん……コトハの味だったヨ♪」

恵美「本当？じゃあアタシも」

琴葉「ふ、二人とも！　悪ふざけはその辺にして！」

エレナ「でもいいナー、カレンの入浴剤、ワタシも使ってみたーい」

恵美「可憐にお願いしてみよっか？　きっと、いろいろ作ってると思うよ」

エレナ「コトハの甘いのがいいナー」

琴葉「それじゃあ、今度持ってくるから……」

エレナ「あ！いいコト思いついたヨ！」

エレナ「コトハの家にお泊まりしたいナ♪」

恵美「お、いいね～」

琴葉「え？」

エレナ「一緒にはいろーヨ！」

恵美「アタシも賛成！」

琴葉「……いいけど、3人だと狭いんじゃないかな」

恵美「それはそれで楽しそうじゃん」

エレナ「ワタシ、ヒヨコさん持っていくネ！」

琴葉「えっと……今日？」

エレナ「うん！早くカレンのに入りたーい！」

恵美「そこは琴葉に任せるけどさ、エレナもこう言ってるし、ね？」

琴葉「……わかった、連絡してみるね」

(その日の夜、田中家、風呂)

恵美「わー、本当、すっごく甘い香りだねー」

エレナ「……飲んでイイ？」

琴葉「ダメ。甘くないし、お腹壊すわよ」

エレナ「じゃ、とりあえず、ヒヨコさんゴー！」

恵美「それ、ヒヨコなんだ。アヒルっぽいよね」

エレナ「アヒルは黄色くないヨ？」

恵美「でも、ヒヨコって泳がないよね？」

エレナ「あ！そっか！」

恵美「琴葉、どっちだと思う？」

琴葉「ふふふ……体洗ってから、ゆっくりしゃべろ？」

恵美エレナ「はーい」

……

ｶﾎﾟｰﾝ

恵美「せまいね」

エレナ「せまいネー」

琴葉「だから言ったじゃない……」

恵美「これがいいんだよー」

エレナ「うんうん、ハダとハダをかさねておつきあい、だよネ？」

琴葉「あ、え……は、裸のつきあい、のこと？」

エレナ「そう！　サスガコトハ！」

恵美「にゃはは、さっきのはちょっとアブナイねー」

琴葉「本当、焦ったわ……」

エレナ「？」

琴葉「それにしても、こうやって3人で入るのも久しぶりね」

エレナ「あのツアーの時以来だよネ？」

恵美「そうだねー。あの時は琴葉がプロデューサーに半裸を見られたねー」

琴葉「ちょ、ちょっと！　それは違……違う、違うから！」

恵美「にゃはは、あの時の琴葉の顔。今まで見たことない焦った顔だったねー」

エレナ「見たかったナー」

琴葉「待って待って、そうかもしれないけど、恥ずかしいところは見えてないって言ってたし！ギリギリセーフだから！」

恵美「エレナ、どう思う？」

エレナ「プロデューサー、優しいから、ネ？」

琴葉「ええっ！嘘！？」

恵美「プロデューサーも罪な男だねー。こりゃ、琴葉は責任取ってもらわないと、ね？」

琴葉「あ、せ、責任って、そんな、まだ……」

エレナ「あの時、一緒に入りたかったナー」

琴葉「え、エレナ！？は、恥ずかしくないの？」

エレナ「タオル巻いたら大丈夫だヨー。それで、お背中お流ししマス！って言ってみたいナ」

恵美「エレナ、大胆だねー」

琴葉「ちょっとそれは不味いんじゃ……」

エレナ「エー、でもさ、ミナコはプロデューサーに言ったことあるって」

琴葉「は？」

恵美「琴葉、怖い怖い」

エレナ「そのあと、マッサージもしたとかナントカ……」

琴葉「お？お？」

恵美「琴葉、怖いって！　ほらほら、甘い香りでリラックスリラックス」

エレナ「いやしのヒヨコさんもいるヨー」

琴葉「……そう、ね」

3人「はふ～」

琴葉(美奈子ちゃん、か……)

琴葉(私に足りないものを、たくさん持ってる……)

琴葉(積極的で、料理上手で、かわいくて……)

琴葉(それに……)

ﾁﾗｯ↓

琴葉(……くっ)

エレナ「コトハ？どうしたノ？」

恵美「え！？泣いてるの！？」

おわり