1: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:06:28 ID:wAYV
―――事務所
ちりん……
ちりんちりん……
P「……良い音色だな」
泰葉「ですね……。風鈴なんて、今年も素敵な誕生日プレゼントをもらいました」

P「色もいいよな。濃紺色なのかな、これは」
泰葉「ふふ、夜空みたいで綺麗ですよね」
P「うん。まさしく泰葉の色だ」
泰葉「えへへ。私のことを考えてくれてると思うと嬉しくなっちゃいますね♪」
P「2人のことだから『形もまるいし!』とか考えてそうだけど」
泰葉「あっ。……そう思ったらそうとしか思えなくなっちゃうじゃないですか、もうっ」
P「あはは、ごめんごめん」
2: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:07:19 ID:wAYV
泰葉「途端にこの風鈴が憎たらしく見えてきました」プンス
P「悪かったって。そんなこと言ったら2人が悲しむぞ」
泰葉「いえ、絶対悲しむフリをしてからかってきますよ」
P「……だよなぁ」
泰葉「はぁ……出会った頃はもっと可愛げがあったのに」
P「『小さい頃テレビで観てたよー』とか言ってたな」
泰葉「……キラキラした目で言われて悪い気はしませんでした、正直」
P「悪かったって。そんなこと言ったら2人が悲しむぞ」
泰葉「いえ、絶対悲しむフリをしてからかってきますよ」
P「……だよなぁ」
泰葉「はぁ……出会った頃はもっと可愛げがあったのに」
P「『小さい頃テレビで観てたよー』とか言ってたな」
泰葉「……キラキラした目で言われて悪い気はしませんでした、正直」
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3: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:08:05 ID:wAYV
P「あの時の泰葉、困ったような嬉しいような顔してて面白かったよ」
泰葉「お、面白いってなんですか……。確かに少しくすぐったかったというか、どう反応すればいいか分かりませんでしたけど」
P「うん。でも2人に会えて良かっただろ? 李衣菜と加蓮と友達になれて」
泰葉「……そうですね。2人とも音楽やアイドルに強い憧れを持ってますから。昔の私がその一助になっていたのかなって思うと……」
P「『昔の私、間違いじゃなかった』って?」
泰葉「! ……も~、いつまで覚えてるんですか、それ」
泰葉「お、面白いってなんですか……。確かに少しくすぐったかったというか、どう反応すればいいか分かりませんでしたけど」
P「うん。でも2人に会えて良かっただろ? 李衣菜と加蓮と友達になれて」
泰葉「……そうですね。2人とも音楽やアイドルに強い憧れを持ってますから。昔の私がその一助になっていたのかなって思うと……」
P「『昔の私、間違いじゃなかった』って?」
泰葉「! ……も~、いつまで覚えてるんですか、それ」
4: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:08:48 ID:wAYV
P「いやいや、いつまでだって忘れないぞ? 泰葉の言葉」
泰葉「むぅ。別に、あの時言ったことは李衣菜と加蓮に向けた言葉じゃないですし」
P「応用が効くのは名言の証!」
泰葉「Pさんまでからかわないでくださいっ!」ペシッ
P「いてっ」
泰葉「あんまりいじめると嫌いになっちゃいますよ、Pさんのことも」
P「うっ、そ、それは困るっ。ごめん、謝るから!」
泰葉「むぅ。別に、あの時言ったことは李衣菜と加蓮に向けた言葉じゃないですし」
P「応用が効くのは名言の証!」
泰葉「Pさんまでからかわないでくださいっ!」ペシッ
P「いてっ」
泰葉「あんまりいじめると嫌いになっちゃいますよ、Pさんのことも」
P「うっ、そ、それは困るっ。ごめん、謝るから!」
5: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:09:34 ID:wAYV
泰葉「いーえ、ただ謝っただけじゃ許しません。……そういえば、まだPさんから誕生日プレゼントをもらってませんね?」
P「でぃ、ディナーを少々考えておりましてですね……」
泰葉「ディナー、素敵ですね♪ それと?」
P「それと!?」
泰葉「ふふふ、年に一度ですから。とことんわがままになっちゃいます♪」
P「出会った頃とは大違いだ……!」
P「でぃ、ディナーを少々考えておりましてですね……」
泰葉「ディナー、素敵ですね♪ それと?」
P「それと!?」
泰葉「ふふふ、年に一度ですから。とことんわがままになっちゃいます♪」
P「出会った頃とは大違いだ……!」
6: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:10:15 ID:wAYV
泰葉「私に楽しむことを教えてくれたのはPさんです。アイドルとしても、女の子としても」
P「それは……まぁ。泰葉の本当の笑顔が見たかったからさ」
泰葉「はい。忘れかけてた笑顔、今は自信を持って出すことができます」ニコッ
P「うん。もはや敵無しな笑顔だ」
泰葉「ふふっ、まだまだですよ。これからもずっと、見守っていてください」
P「……泣きそう」
泰葉「泣く前に、私スイーツビュッフェに行きたい気分なんですよね♪」
P「涙引っ込んだ」
P「それは……まぁ。泰葉の本当の笑顔が見たかったからさ」
泰葉「はい。忘れかけてた笑顔、今は自信を持って出すことができます」ニコッ
P「うん。もはや敵無しな笑顔だ」
泰葉「ふふっ、まだまだですよ。これからもずっと、見守っていてください」
P「……泣きそう」
泰葉「泣く前に、私スイーツビュッフェに行きたい気分なんですよね♪」
P「涙引っ込んだ」
7: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:10:53 ID:wAYV
泰葉「湿った空気にしたくありません、せっかく風鈴が良い音を鳴らしてるのに」
P「そうかい……。で、スイーツビュッフェ?」
泰葉「です。生クリームたっぷりのメロンパンがあるらしくて」
P「あはは、やっぱりメロンパンか。分かった、予定を組んでおくよ」
泰葉「やった♪ ありがとうございます、李衣菜と加蓮にも伝えときますね♪」
P「あれ、デートを所望してたんじゃなくて!?」
P「そうかい……。で、スイーツビュッフェ?」
泰葉「です。生クリームたっぷりのメロンパンがあるらしくて」
P「あはは、やっぱりメロンパンか。分かった、予定を組んでおくよ」
泰葉「やった♪ ありがとうございます、李衣菜と加蓮にも伝えときますね♪」
P「あれ、デートを所望してたんじゃなくて!?」
8: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:11:27 ID:wAYV
泰葉「デートでもいいんですけどね。芸能隠遁術もあるのでバレませんし」
P「その謎技術すごいよな……」
泰葉「私、芸歴長いので」フンス
P「芸歴ネタも積極的な泰葉、誇らしいよ」
泰葉「ラジオでの掴みもバッチリですからね」
P「仕事に手を抜かないプロで偉い」
泰葉「えへへ。あ、ちひろさんにも声かけよう♪」
P「どんどん人数が増えていく!」
P「その謎技術すごいよな……」
泰葉「私、芸歴長いので」フンス
P「芸歴ネタも積極的な泰葉、誇らしいよ」
泰葉「ラジオでの掴みもバッチリですからね」
P「仕事に手を抜かないプロで偉い」
泰葉「えへへ。あ、ちひろさんにも声かけよう♪」
P「どんどん人数が増えていく!」
9: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:12:07 ID:wAYV
泰葉「女性は生クリームが好き。覚えておいてくださいPさん」
P「主語が大きい気がするけど……分かった、覚えとくよ」
泰葉「全人類はメロンパンが好きです」
P「主語がビッグバン級すぎる」
泰葉「……よし、今のフレーズを次の収録で使おう。Pさんのツッコミも使わせていただきます」メモメモ
P「ど、どうぞ。ほんとに隙がないな泰葉は」
泰葉「隙だらけですよ? だからこうして準備をしっかりしてるんです」
P「主語が大きい気がするけど……分かった、覚えとくよ」
泰葉「全人類はメロンパンが好きです」
P「主語がビッグバン級すぎる」
泰葉「……よし、今のフレーズを次の収録で使おう。Pさんのツッコミも使わせていただきます」メモメモ
P「ど、どうぞ。ほんとに隙がないな泰葉は」
泰葉「隙だらけですよ? だからこうして準備をしっかりしてるんです」
10: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:12:51 ID:wAYV
P「ものは言い様だなぁ。李衣菜と加蓮も見習って……はいるか。ミーティングも熟れてきたし」
泰葉「ふふ。3人でふざけて笑って過ごして、それを力に変えて頑張る。それが今の私たちの在り方です」
P「ん、大事な心がけだ。人を笑顔にするなら――」
泰葉「まずは自分が笑顔に。……そうすることで皆が笑えるなら、一歩を踏み出す勇気を与えられるなら……それが、私たちの役目ですから」
P「……名言だ」
泰葉「いま茶化していいところじゃないです」ペシッ
P「いてっ」
泰葉「ふふ。3人でふざけて笑って過ごして、それを力に変えて頑張る。それが今の私たちの在り方です」
P「ん、大事な心がけだ。人を笑顔にするなら――」
泰葉「まずは自分が笑顔に。……そうすることで皆が笑えるなら、一歩を踏み出す勇気を与えられるなら……それが、私たちの役目ですから」
P「……名言だ」
泰葉「いま茶化していいところじゃないです」ペシッ
P「いてっ」
11: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:13:36 ID:wAYV
泰葉「まったく……なんでこんな流れになるんですか」プンス
P「泰葉は真面目だなぁ」
泰葉「真面目が取り柄ですので」
P「自分で言った」
泰葉「2人にはポエミィだとよくイジられます。この、このっ、よくもよくも」ペシペシ
P「理不尽な暴力が風鈴の短冊を襲う」
泰葉「ストレス解消にいいですね、これ」ペシペシ
P「泰葉は真面目だなぁ」
泰葉「真面目が取り柄ですので」
P「自分で言った」
泰葉「2人にはポエミィだとよくイジられます。この、このっ、よくもよくも」ペシペシ
P「理不尽な暴力が風鈴の短冊を襲う」
泰葉「ストレス解消にいいですね、これ」ペシペシ
12: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:14:15 ID:wAYV
P「李衣菜も加蓮も、泰葉が大好きだからついからかっちゃうんだよ」
泰葉「私も2人が大好きだからつい許しちゃうんですよね……」
P「相思相愛でいいな。というか泰葉も結構2人のことからかってるよな?」
泰葉「だって面白いですから」
P「身も蓋もない……」
泰葉「色んな表情を見せてくれますからね、2人とも。接してると鏡みたいに私の表情も緩んじゃう」
P「毎日きゃっきゃしてるもんな」
泰葉「きゃっきゃなんて……ふふ、してますね。今の私、いっぱい笑えてますか?」
泰葉「私も2人が大好きだからつい許しちゃうんですよね……」
P「相思相愛でいいな。というか泰葉も結構2人のことからかってるよな?」
泰葉「だって面白いですから」
P「身も蓋もない……」
泰葉「色んな表情を見せてくれますからね、2人とも。接してると鏡みたいに私の表情も緩んじゃう」
P「毎日きゃっきゃしてるもんな」
泰葉「きゃっきゃなんて……ふふ、してますね。今の私、いっぱい笑えてますか?」
13: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:15:04 ID:wAYV
P「ああ、輝いてるよ。今の泰葉はキラキラだ」
泰葉「えへ、嬉しいです。…………ただ、ですけど。また変に真剣なことなんですけど……聞いてくれますか?」
P「ん? うん、なんでも聞くよ」
泰葉「ありがとうございます。……今、こうして笑ってると……ふと思い出すことがあるんです」
P「うん」
泰葉「後悔……と言ってもいいかもしれません。あの時ああしていたら、こうしていたら……って」
P「……それは、……難しいな。後悔は俺もたくさんあるよ、数えきれないほどね」
泰葉「えへ、嬉しいです。…………ただ、ですけど。また変に真剣なことなんですけど……聞いてくれますか?」
P「ん? うん、なんでも聞くよ」
泰葉「ありがとうございます。……今、こうして笑ってると……ふと思い出すことがあるんです」
P「うん」
泰葉「後悔……と言ってもいいかもしれません。あの時ああしていたら、こうしていたら……って」
P「……それは、……難しいな。後悔は俺もたくさんあるよ、数えきれないほどね」
14: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:16:07 ID:wAYV
泰葉「Pさんもですか?」
P「そりゃもう。でもな」
泰葉「? はい」
P「今の俺には泰葉がいる。李衣菜も加蓮も、ちひろさんだっている。今の俺は後悔なんてない」
泰葉「!」
P「出会えてよかった。俺が声をかけた時、名刺を受け取ってくれた。ここに来て『アイドルになります』って言ってくれた」
泰葉「っ……!」
P「いつまでも後悔を引きずることはない……なんて言わない。ただ、これから――」
泰葉「……Pさんっ」
P「そりゃもう。でもな」
泰葉「? はい」
P「今の俺には泰葉がいる。李衣菜も加蓮も、ちひろさんだっている。今の俺は後悔なんてない」
泰葉「!」
P「出会えてよかった。俺が声をかけた時、名刺を受け取ってくれた。ここに来て『アイドルになります』って言ってくれた」
泰葉「っ……!」
P「いつまでも後悔を引きずることはない……なんて言わない。ただ、これから――」
泰葉「……Pさんっ」
15: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:16:54 ID:wAYV
P「ん、どした」
泰葉「遮ってすみません。もう大丈夫です……出会えてよかったって言ってくれただけで、私……私、もう胸がいっぱいです」
P「そうか? いや、俺も今のは説教臭かったかな……」
泰葉「ポエミィでした」
P「……このやろう」ナデナデ
泰葉「わ……えへへへ♪」
P「言って後悔した」
泰葉「いい大人が拗ねないでください。心に響きました、私も後悔の先を考えていこうと思います!」
泰葉「遮ってすみません。もう大丈夫です……出会えてよかったって言ってくれただけで、私……私、もう胸がいっぱいです」
P「そうか? いや、俺も今のは説教臭かったかな……」
泰葉「ポエミィでした」
P「……このやろう」ナデナデ
泰葉「わ……えへへへ♪」
P「言って後悔した」
泰葉「いい大人が拗ねないでください。心に響きました、私も後悔の先を考えていこうと思います!」
16: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:17:31 ID:wAYV
P「後悔の先?」
泰葉「はい。一番大きな後悔があったんです。でも、またいつか出会える機会があったら――ううん、必ず……!」
P「……何かあったのか、昔?」
泰葉「そう、ですね。まだ時間もありますし、聞いてくれますか――」
がちゃっ
加蓮「おっはよー!」

李衣菜「ございまーす!」

泰葉「あ」
P「あ」
泰葉「はい。一番大きな後悔があったんです。でも、またいつか出会える機会があったら――ううん、必ず……!」
P「……何かあったのか、昔?」
泰葉「そう、ですね。まだ時間もありますし、聞いてくれますか――」
がちゃっ
加蓮「おっはよー!」

李衣菜「ございまーす!」

泰葉「あ」
P「あ」
17: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:18:36 ID:wAYV
李衣菜「おはようございますPさん、泰葉もおはよう!」
加蓮「2人でなに話してたのー? デートの約束でもしてた?♪」
P「あーいや、みんなでスイーツビュッフェ行こうなーって話をさ」
スイーツ~!?
ビュッフェ~!?
P「ははは、まぁまぁ落ち着けって。……時間切れかな?」ヒソ
泰葉「あ、いえ……どうせ2人にも話そうかなと思ってたので、Pさんが良ければ今からでも」ヒソ
加蓮「2人でなに話してたのー? デートの約束でもしてた?♪」
P「あーいや、みんなでスイーツビュッフェ行こうなーって話をさ」
スイーツ~!?
ビュッフェ~!?
P「ははは、まぁまぁ落ち着けって。……時間切れかな?」ヒソ
泰葉「あ、いえ……どうせ2人にも話そうかなと思ってたので、Pさんが良ければ今からでも」ヒソ
18: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:19:17 ID:wAYV
加蓮「なんか内緒話してるね。ねぇ泰葉?」チリン
李衣菜「ほんとだねぇ。泰葉、なんか聞いてなかった?」チリンチリン
加蓮「なになに? 『ウソついてるよ、ほんとは抜け駆けしようとしてるよ』だって!」チリリンリン
李衣菜「『Pさんからの誕生日プレゼントだから抜け駆けも許されるんだよ』だって!?」チリチリンリン
加蓮「私がゆるさーん!」
李衣菜「そうだそうだー!」
P「……風鈴に事情聴取してる」
泰葉「…………Pさん、やっぱりさっきの話は今度にしましょう……」フルフル…
P「お、おう」
李衣菜「ほんとだねぇ。泰葉、なんか聞いてなかった?」チリンチリン
加蓮「なになに? 『ウソついてるよ、ほんとは抜け駆けしようとしてるよ』だって!」チリリンリン
李衣菜「『Pさんからの誕生日プレゼントだから抜け駆けも許されるんだよ』だって!?」チリチリンリン
加蓮「私がゆるさーん!」
李衣菜「そうだそうだー!」
P「……風鈴に事情聴取してる」
泰葉「…………Pさん、やっぱりさっきの話は今度にしましょう……」フルフル…
P「お、おう」
19: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:19:59 ID:wAYV
泰葉「ちょっと」
加蓮「ん? ……はっ!! 泰葉が2人!?」チリーン
李衣菜「ええっ!? どっちが本物!?」チリリーン
泰葉「」プチッ
も~~~~~~~~っ!!!
キャーッ ヤスハガオコッター♪
ニゲロー♪
マチナサーーーーイ
P「……ほんとに仲良しだなぁ。おーい、そろそろレッスンの時間なんだけどー!」
おわり
加蓮「ん? ……はっ!! 泰葉が2人!?」チリーン
李衣菜「ええっ!? どっちが本物!?」チリリーン
泰葉「」プチッ
も~~~~~~~~っ!!!
キャーッ ヤスハガオコッター♪
ニゲロー♪
マチナサーーーーイ
P「……ほんとに仲良しだなぁ。おーい、そろそろレッスンの時間なんだけどー!」
おわり
20: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:21:05 ID:wAYV
泰葉誕生日おめでとう~~~~!!っていうだりやすかれん8周年
21: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:21:20 ID:wAYV
以下蛇足
22: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:22:22 ID:wAYV
―――
――
―
マストレ「――多田! ステップが遅れているぞ! 北条、もうバテたのか!?」
李衣菜「すみませんっ!」キュッ タンッ
加蓮「バテて、なんか……いませんっ!」タタンッ
マストレ「よし、その調子だ。岡崎、全体の流れを常に意識しろ!」
泰葉「はいっ!」
泰葉(――5年前。とある番組で共演したご夫婦がいた)
泰葉(収録が終わっても、楽屋でとても親身にしてくれた。同じ歳ほどの娘がいるんだと……笑顔で話してくれた)
泰葉(その子に会ってみたいな、とぼんやり思っていた矢先)
泰葉(当のご夫婦が、火事で亡くなった……と報せを受けた)
23: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:23:06 ID:wAYV
泰葉(思えば、あれもわがままだったのかもしれない。スケジュールを押してでも、少しでもお葬式に顔を出したかった)
泰葉(そして……降りしきる雨の中)
泰葉(――黒髪の女の子が、呆然と立ち尽くしていた。涙が枯れ果て、心さえも壊れてしまったかのように)
泰葉(ひと目で分かった。亡くなったご夫婦の……娘だ。顔立ちは母親に、瞳は父親にそっくりだった)
泰葉(かける言葉が見つからなかった。……当時の私に何ができただろう? 11歳の私に、何が?)
泰葉(そして……降りしきる雨の中)
泰葉(――黒髪の女の子が、呆然と立ち尽くしていた。涙が枯れ果て、心さえも壊れてしまったかのように)
泰葉(ひと目で分かった。亡くなったご夫婦の……娘だ。顔立ちは母親に、瞳は父親にそっくりだった)
泰葉(かける言葉が見つからなかった。……当時の私に何ができただろう? 11歳の私に、何が?)
24: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:23:44 ID:wAYV
泰葉「――でも」ポソリ
李衣菜「うん? なに、泰葉?」
泰葉「あ。……ううん、なんでも」
加蓮「どしたの? おねーさんに話してみなさい」
泰葉「こないだ年下になったでしょう、加蓮は」
加蓮「あ、あと2ヶ月くらいでまた同い年だし!」
李衣菜「まぁまぁ。とりあえず話してみなよ、悩みなら力になるよ!」
李衣菜「うん? なに、泰葉?」
泰葉「あ。……ううん、なんでも」
加蓮「どしたの? おねーさんに話してみなさい」
泰葉「こないだ年下になったでしょう、加蓮は」
加蓮「あ、あと2ヶ月くらいでまた同い年だし!」
李衣菜「まぁまぁ。とりあえず話してみなよ、悩みなら力になるよ!」
25: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:24:20 ID:wAYV
加蓮「うんうんっ。たまには頼りにしてよね、私たちのこと♪」
泰葉「ふふ、いつも頼りにしてるよ。じゃあ……レッスンが終わったら、改めて話すね」
李衣菜「うん、了解っ。よし、休憩終わり! やるぞー!」
加蓮「おーっ!」
泰葉「おー!」
泰葉(あの頃は、あまりにも未熟だった)
泰葉(遠目で見ていることしかできなかった、あの頃)
泰葉(唯一の救いは、今にも消えゆきそうなその子を精一杯抱きしめて繋ぎ止めようとしている……金髪の女の子がいたことだろうか)
泰葉(今も……そばにいるのかな。彼女もまた、苦しそうだった)
泰葉「ふふ、いつも頼りにしてるよ。じゃあ……レッスンが終わったら、改めて話すね」
李衣菜「うん、了解っ。よし、休憩終わり! やるぞー!」
加蓮「おーっ!」
泰葉「おー!」
泰葉(あの頃は、あまりにも未熟だった)
泰葉(遠目で見ていることしかできなかった、あの頃)
泰葉(唯一の救いは、今にも消えゆきそうなその子を精一杯抱きしめて繋ぎ止めようとしている……金髪の女の子がいたことだろうか)
泰葉(今も……そばにいるのかな。彼女もまた、苦しそうだった)
26: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:25:06 ID:wAYV
泰葉(私にできることは少ない。……いや、ないかもしれない)
泰葉(それでも、あの光景は忘れられない。忘れるわけにはいかない)
泰葉(傲慢かもしれない。それでも、私は今、この世界にいる。その意味を……示したい)
泰葉(この笑顔を、この仲間と一緒に――)
泰葉「必ず、届けるから……!」
泰葉(それでも、あの光景は忘れられない。忘れるわけにはいかない)
泰葉(傲慢かもしれない。それでも、私は今、この世界にいる。その意味を……示したい)
泰葉(この笑顔を、この仲間と一緒に――)
泰葉「必ず、届けるから……!」
27: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:25:45 ID:wAYV
―――
ちりん……
「――聞こえた? 今の」
「ええ。……風鈴でしょうか」
「夏だね。溶けちゃいそう……」
「直ちに家へ帰りましょう」
「ああっ、もう少しで楽しいことが始まりそうなのに――」
「お嬢さまのお体が最優先です。さぁ――」
ちりりん……
P「――ん?」
ちひろ「どうしました?」
P「ティンと来る女の子の気配! しかも2人!」
ちひろ「……あの子たちに蹴飛ばされますよ、そんなこと言ってたら」
28: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:26:02 ID:wAYV
蛇足終わり
29: ◆5F5enKB7wjS6 21/07/16(金)00:26:28 ID:wAYV
転載元:加蓮「まんまる頭の」李衣菜「涼しげな声!」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1626361588/
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1626361588/
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