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トップページCo > 渋谷凛「ホームシック」

1: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:26:08.83 ID:DOI7V5600


奈緒(――始まりは、あたし達トライアドプリムスが合同ライブに出演した時だった)

奈緒(――別に、レッスンや仕事に影響が出てるわけじゃない。その間は、ちゃんと集中してる)


奈緒(――ただ、『アイドル』の役目が終わった時)

奈緒(――凛はスイッチが切れたみたいに、その場の椅子に座りこむ)

奈緒(――そして、ぼーっとしながらスマホの画面を眺めている)


奈緒(――今日なんか……)



凛「……」

ナデナデ


ハナコ「キューン?」



奈緒「……なあ加蓮? この間のライブから凛の様子がおかしいよな?」

加蓮「だねー。体調が悪いわけじゃないってことは言ってたけど、聞いても教えてくれないし」

奈緒「ライブで何があったんだろ? 確か一緒に出てた子って……」

加蓮「他の会社のアイドルと、あとはうちから3人。確かさくらちゃんと泉ちゃんと亜子ちゃ……」


加蓮「あっ」


奈緒(――それきり加蓮は、プルプル震えているだけで何も教えてくれなかった)

奈緒(――凛が落ち込んでいる原因が分かったみたいだけど、


加蓮「少なくとも大ごとじゃないよ」

加蓮「今日はオフだし、ちょっと聞き込みでもしてみたら?」


としか言わなかった)


奈緒(――あとは……)



加蓮「ホームシックじゃないんだからっ……!!」



奈緒(……???)


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3: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:27:08.33 ID:DOI7V5600


――――――――――――――――――――


武内P「…なるほど……ホームシック……?」

奈緒「ああ。家にはちゃんと帰ってると思うんだけどな」

杏「それで、奈緒ちゃんは杏達に話を聞きに来たんだね。ほんと友達思いだよねえ」

奈緒「あっあたしのことは別にいいだろ!? 気になるじゃんか元気ないんだから!」


P「いえ。仲間として渋谷さんのことを気にかけていただけることは、大変ありがたく思っています」

P「今は私もシンデレラプロジェクトの皆さんも、それぞれの仕事があり……互いのことに手が回り辛い状況です」

杏「今だって話を聞ける余裕があったのは杏たちだけだったもんね」

P「ええ」


P「…だからこそ。神谷さんの存在はきっと、渋谷さんにとって大きな支えになっています」


奈緒「~~~ッ!!」カー

奈緒「分かった、分かったから! なんか分かること無い!? 加蓮は気付いてたみたいだけど教えてくれないんだよ!」


4: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:28:09.70 ID:DOI7V5600


杏「んー…普段は凛ちゃん、何してんの?」

奈緒「仕事以外で? …んー……ハナコを撫でてたり、散歩に行ったり、スマホで音楽聞いてたり、画面をじっと見てたり……」

奈緒「あとはこっそり付いて行ってみて分かったんだけど、よく公園に行ってるな」

奈緒「ベンチに座ってぼーっとしてる」


杏「公園?」

P「公園……ベンチ……あっ」

杏「あれ、何か気付いた?」

P「……おそらくは。……神谷さん、もしかしてその公園は、~~~のところにあるものでは……」

奈緒「そうだよ? よく分かったな」

P「やはり……」


P「…………ッ」プルプル

杏「どしたのプロデューサー。震えてる? 答え分かったの?」

奈緒「! 分かったのか!? 凛は何を悩んでるんだっ!?」

P「い、いえ……渋谷さんの心境を考慮して……話すべきかどうか……っ!」プルプル

奈緒「?」

杏「へー。とりあえず杏には話してみたら?」

P「そ、そうします……っ!」プルプル

P「で、では、耳を……」ヒソヒソ


杏「ふんふん。へー、そういう場所……あー……」


杏「…ホームシックじゃないんだからさあ……杏もたまになるけど」


奈緒「??????」


5: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:30:03.36 ID:DOI7V5600


――――――――――――――――――――


奈緒(――結局…凛のプロデューサーも杏も、凛が何に悩んでるのか教えてくれなかった……)

奈緒(――こういう時、未央や卯月なら教えてくれたかな?)


奈緒(――ま、あいつらに聞くのは最後にするか)

奈緒(――未央はドラマの撮影でアメリカに)

奈緒(――卯月は五代目シンデレラガールとして、ライブで台湾に)

奈緒(――連絡とか取りたくても、忙しくて返信できないかもしれないからなー……)


奈緒「……つーか!」

奈緒「加蓮も凛のプロデューサーも杏も何なんだ! 冷たくないか!?」

奈緒「凛が悩んでるって言うのにさー! ちょっと失望したぞ!」プリプリ


奈緒「こうなったら凛に直接聞くしかない!」

奈緒「凛が悩んでるんだ! あたしが聞いていいものか悩むところだけど……」


奈緒「それでも大事な仲間なんだからなー!!!」


――――――――――――――――――――


6: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:30:29.72 ID:DOI7V5600


――――――――――――――――――――


凛「~♪」シャカシャカ

凛「……」シャカシャカ

凛「……はあ……」


バーンッ


凛「!?」ビクッ


奈緒「凛! お前一体何を悩んでるんだ!?」

凛「奈緒!? …えっ? べ、別に悩んでないよ!? そんな悩むことなんて……」ガシッ

奈緒「凛のばかー!!」

凛「ばっ…!?」


奈緒「あっ……あたしだって! 凛のことは大事な仲間なんだからな!」

奈緒「凛が落ち込んでるときは力になりたいんだよ!」

奈緒「そりゃ、卯月や未央に比べたら付き合った時間も短いし! あたしじゃ頼りないかもしれないけど!」

奈緒「それでもっ……凛は大切な友達なんだよ!!」


7: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:31:16.17 ID:DOI7V5600


凛「奈緒……」

奈緒「だから! 話すだけ話してくれ!」グワシ

奈緒「あたしじゃ解決できないことかもしれないけど! それでも話した方が楽になると思うから!」ユッサユッサ

奈緒「だからっ……!」ユッサユッサ

凛「お、落ち着いて奈緒! 話すから! 話すから揺らすのはやめ―――」グワングワン


イヤホン「」スポッ


凛「……あっ」

奈緒「え?」


凛のスマホ < ナーガーレーボーシヲーサガソーヨー☆

奈緒「ご、ごめん凛……流れ星キセキ聞いてたんだな」スッ

奈緒「……あれ? これループ再生にして聞いてたのか?」

奈緒「あ、再生リストもうつって……」


再生リスト

『s(mie)ing!!』

『ミツボシ☆☆★』

『できたてEvo! Revo! Generation!』

『流れ星キセキ』

『心もよう』

『輝く世界の魔法(NG ver.)』

『We're the friends!』

『メッセージ』

『Snow Wings』

『STORY』


奈緒「…………」


8: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:31:44.14 ID:DOI7V5600


奈緒「……なあ、凛。もしかして凛が落ち込んでたのって……」

凛「……あ。えっと、その……」


凛「…この間のライブで、ニューウェーブの皆をみたら……卯月と未央を思い出しちゃって」

凛「もっ、もちろん! 週一でメールはくれるから! だから、寂しいとか言ったら贅沢かなって……」

凛「それに卯月と未央は今海外だし、あんまり連絡取らない方がいいのかなって思ったから……」

凛「通信料の問題もあるし……」


奈緒「……」



奈緒(――後日、凛の悩みは解決されることになった)

奈緒(――凛のプロデューサーが海外のwi-fiやskypeのビデオ通話のことを教えてくれて)

奈緒(――そして未央や卯月の都合は、加蓮や杏が聞いておいてくれたらしい)

奈緒(――まあ、凛が連絡を取るのを遠慮してしまう気持ちは分かる)


奈緒(――パソコンの画面を通じて二人と会話出来た時の凛は、涙がにじむほど喜んでいた)

奈緒(――とりあえずこれで、問題はなくなったわけだ。良かった良かった)


奈緒「……」


9: ◆AyvLkOoV8s 2017/01/04(水) 21:32:10.48 ID:DOI7V5600



奈緒(――あー……)

奈緒(――うん……)



奈緒「―――――ホームシックじゃねえんだからさあ!!」



おしまい


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