11月19日、朝

ありす「さて、今日は梨沙さんの誕生日です」


桃華「梨沙さんは今日一日、バースデーライブが控えています。ですので、朝一番でお祝いしようと皆さんに集まって頂いたのですけれど…」


晴「果たして喜んでもらえるか、ってとこだな。何せなあ…」

ｶﾞﾁｬ

梨沙「おはようございまーす」


晴「来たな、本日の主役！」

ありす「梨沙さん。お誕生日おめでとうございます」

梨沙「ああ、ありがと」

桃華「こちら、プレゼントですわ。皆さんで梨のタルトを焼きましたの。後で食べてくださいまし♪」

梨沙「悪いわね、こんな物まで貰っちゃって。移動中にでも頂くわ」

晴「…分かりきってた事だけどさあ」

晴「お前、もうちょっと喜べよ！　いくら何でも、張り合いがねーよ！！」

梨沙「ホントごめん。アタシも何度も受け入れようとしたんだけど…」

梨沙「毎年行ってたパパとの誕生日デートが出来ないのが、どうしてもショックでね…」

ありす「まあ、お気持ちは分かりますが。数ヶ月前から、バースデーライブの話はあったんですよね？」

梨沙「もちろんよ。ただ、アタシがその時の打ち合わせをちゃんと聞いてなかったのよね」

梨沙「『ファンにとっての特別な日にライブをする』みたいな事を言ってた記憶があるんだけど。まさか、アタシの誕生日だとは思ってなかったわ…」

桃華「まあ！　ちゃんと聞いていなかったというのは、梨沙さんがいけませんわね」

梨沙「その時は、パパとメールのやり取りをしてたから。プロデューサーも、やり取りしながらでいいから聞いて、って言ってたし…」

晴「ま、自業自得だな。ちゃんと人の話を聞けってことだ」

ありす（これ、もしかしてプロデューサーと梨沙さんのお父様がグルなんじゃ…？）

桃華（あり得ますわね。普通にお話をしても承諾してもらえないから、と。後で、プロデューサーちゃまを問い詰める必要がありますわ）