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トップページCu > 美穂「カッコつけずに」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 00:35:10.31 ID:K2XyWGkj0

モバマス小日向美穂のssです。
―――
――
P「ただいま帰り――」

ちひろ「静かに」

P「ましたぁ。どうかしたんですか」ヒソヒソ

ちひろ「あれ見て下さいよ」チョイチョイ

P「あ」

美穂「……すー」

P(美穂が寝てる……)

ちひろ「さっきお仕事から帰ってきたばっかりなんですよ。昨日あんまり寝てなかったみたいで」

P「そういえば、昨日仕事終わってから送った時にやることがあるとかなんとか言ってました」

ちひろ「という訳でちゃんと寝かしておいてあげて下さいね」

P「はい」

P「とは言ったものの」

美穂「ん……」

P(良い感じに日が当たって気持ちよさそうに寝てるなぁ……)



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 00:39:09.50 ID:K2XyWGkj0

P「いたずらしたくなるなぁ」

P(いや、ちひろさんに何されるか分からないからやめておくか)

P「ちょっと見るだけにしておくか」

美穂「プロデューサー。――ですよ……」

P「お疲れ。寝言か?」

P(夢の中でも仕事してるのか)

P「寝てる時くらいは好きなことすれないいのに」ナデナデ

美穂「あ、ん……」

P「あ、起こしちゃうとこだったな。危ない危ない。さて……俺も仕事するかな」

ちひろ「これお願いします」ドン

P「どうも……ってなんでここの机に置くんですか?」

ちひろ「いいえ、別に。簡単な内容なんで眠くなるかもしれないんで美穂ちゃんの顔でも見ながらやればいいんじゃないかと」

P「確かにそれだと眠くなりませんね」

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3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 00:43:11.55 ID:K2XyWGkj0

ちひろ「ですよね。それに何だかそこを離れたくないように見えまして」

P「否定はしませんよ……」

ちひろ「それじゃ、お仕事頑張って下さいね」

P「さて、それじゃ、美穂の寝顔見ながら仕事でもするか」

美穂(プロデューサー、いきなりなにを言いだすんですか……)

美穂(実は頭を撫でられた時に起きちゃったなんて言えないです)

美穂(うう……なんでプロデューサー私の前で仕事してるの?)

美穂(うーん。まだ寝てると思ってるよね?)

美穂「ん……」パラッ

P「ん?」

P(あ、寝返りうって毛布が落ちた。掛けてやらないと)ファサァ

美穂(ち、近い近い。プロデューサーの気配を背中にひしひしと感じる)

P「ん?顔が赤いな。熱でもあるのか?」ピト


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 00:48:57.79 ID:K2XyWGkj0

美穂「ひゃあ!?」

美穂(Pさんの手ひんやりして冷たかったなぁ……)

P「ご、ごめん起こしちゃったか?」

美穂「い、いえ、そんなことは…ない…です」

P「そうかそれは良かった。ん?なに持ってるんだ?」

美穂「へ?あ、これはその、えーと、そう、が、学園祭で使う劇の台本の原案です! 友達に感想を聞かせて欲しいって言われてて」

P「学園祭?珍しい時期にやるんだな」

美穂「え、えーと、そうなんですか? わ、私の所だと普通なんですけど……」

美穂(本当は嘘なんだけど)

P「へぇ、ちょっと見せてくれないか?」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 00:55:56.34 ID:K2XyWGkj0

美穂「え?はい、ど、どうぞ。お手柔らかに」

P「ん?俺の感想なんて友達に言わなくていいぞ」

美穂「あ、そうですね……あはははっ」

美穂(いや、実はそれ私が書いたんですって……)

美穂(ちょっと気晴らしに書いてたなんて言えないなぁ。恥ずかしくて)

P「なるほど。恋愛物なんだな。身分のせいで許されない恋物語か……」

P(こんな話高校生がやるのか。今の高校生は凄いなぁ……)

美穂「そ、それでどうですか……?」

美穂(貶されたりしたらもうそのまま机の奥にでもしまっておこう……)

P「んーいいんじゃないか」

美穂「ほ、ホントですか!?」

P「お、おう」

P(そんなに喜ぶなんて美穂は友達思いなんだなぁ……)

P「でも、ちょっとリアリティに欠けるかなぁ。あんまり気にならないけど」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:01:22.59 ID:K2XyWGkj0

美穂「そ、そうですか……」ガックシ

美穂(だ、だってそんな経験ないもん)

美穂「あ、そ、そうだ。プロデューサー、そしたら一つお願いがあるんですけど……」

P「ん?なんだ?」

美穂「あ、あの、私と練習してくれませんか?」

P「劇をか?」

美穂「は、はい。実際にやってみたらもっといい台本になると思うんですっ!」

P(まぁ、美穂の芝居の練習になるかもしれないし、仕事もそんなにないしいいか……)

P「別に構わないぞ。でも、ここじゃ迷惑になるからレッスン場にでも行くか。今ならきっと誰も使ってないだろうし」

美穂「は、はい」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:09:29.63 ID:K2XyWGkj0

――


P「えーと、流石に最初からやるわけにはいかないし、どこら辺からやろうか……」

美穂「あ、それじゃ、このシーンからでいいですか?」

P「どれどれ?お、このヒロインの女の子が主人公に告白するところか」

美穂「は、はい」

P「分かった」

P(俺が主人公で、ヒロイン役を美穂がやるのか……。気のせいかヒロインの子が美穂に似ている気がする)

美穂「こ、これしか台本ないんで、セリフを交互見れるように、隣、し、し、失礼しますねっ」カァァ

美穂(うわープロデューサーが近い)

P「……無理するなよ?」

美穂「む、無理なんてしてませんっ!」

P「そっか。なら始めるぞ」

P『美穂どうした――』

美穂「ふぇ!?」

美穂(い、今名前で、私のこと名前で……)


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:18:26.47 ID:K2XyWGkj0

P「いや、流石に名前がないのは味気ないし、そのままだと感情移入しづらいだろ?」

美穂「そ、そうですねっ。失礼しました。続けてください……」カァァ

P「それじゃあ改めて……『美穂、どうしたこんな時間に呼び出して』

美穂『あ、あのその、ぷ、プロデューサーにお話しが――』

P「Pでいいよ」

美穂「ひゃ、ひゃいっ!」

美穂(恥ずかしくて死にそう……なんで私こんなことやってるんだっけ)

美穂『P、Pさんにお話しがあって』

P『そうか……。俺も丁度話があってな』

P(こういうのも意外に楽しいかも)


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:24:35.81 ID:K2XyWGkj0

美穂『な、なんですか?Pさんから、さ、先にどうぞ……』

P『実は……見合いが決まったんだ。相手は取引先の娘さんらしい』

P(高校生がやる劇の内容じゃねぇ)

美穂『そ、そんなの断ればいいじゃないですか』

P『いや、無理そうだ。ごめんな』

美穂『そ、そんな……』

P『そういうわけだじゃあな』

美穂『ま、待って下さいっ!』ガシッ

P(役にのめり込んで腕を掴んできたぞ)

美穂『き、聞いて下さい。私、私、Pさんのことが――きゃっ!』ガタンッ

P「だ、大丈夫か」

P(いきなり倒れこんできたんだが。美穂は……まだ役に入ってるみたいだ)

美穂『聞いて下さいPさん』

P「は、はい……」

P(息がかかるくらい顔が近い。落ち着け俺!)


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:31:29.41 ID:K2XyWGkj0

美穂「わ、私あなたが好きです……!」

美世「ちょ、ちょっと待った―!」

P 美穂「!?」

美世「ちょ、ちょっとプロデューサーさん何やってるんですか!?」

P「え?」

美世「え? じゃないよ! なにしてんのさ」

美穂「は、原田さん、え、あれ私、えっと……」

P(やっと役から帰ってきたみたいだ)

美世「全く……。次見つけたら早苗さん呼んじゃうよ!」

P「はい……すみません。以後気をつけます」

P(それは洒落にならない)

美穂「ち、違うんです原田さん。私が……」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:41:18.15 ID:K2XyWGkj0

美世「美穂。頑張るなら人目に付かない所にしなさいね。それじゃ」

美穂「あ、はい……」

美穂「あ、ぷ、プロデューサー。ごめんなさい」

P「いや、いいよ。それより、随分と役に入れ込んでたな。美穂があそこまで入れ込むとは思ってなかったよ」

美穂「え?そ、そうですか?」

P「それに、演技って分かってても最後は年甲斐もなくドキドキしちゃったよ」

美穂「ほ、ホントですか?あの……よければ、その後にセリフを続けて貰えますか?」

P「ん。分かった。『やっと言ってくれたか……俺も好きだよ美穂』」

美穂「……はい。私もです」カァァ

美穂(プロデューサーは演技してるだけ、演技してるだけ……!)

P「……なんか、この主人公とヒロインやった二人は噂になりそうだな。美穂がやるのか?」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 01:52:48.96 ID:K2XyWGkj0

美穂「いっ、いえいえ私じゃないですよ」

P「そっか、それは良かった」

美穂「え、それって……」

P「きっとあんな風にされたら高校生なら間違いなく惚れる」

美穂「あぁ、そういうことですか……」ガックシ

P「お、こんな時間か。そろそろ俺も行かなきゃ」

美穂「あ……」

P「一緒に事務所に帰る――」

美穂「ぷ、プロデューサー」ギュッ

P(ん?服を掴まれた?)

美穂「ひ、一つお話があります……」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 02:02:23.30 ID:K2XyWGkj0

P(また劇か?)

美穂「わ、私、プロデューサー、いえ、Pさんが、そ、その。好きです!」カァァ

P「えーと……」

美穂「お話の世界じゃなくて、今ここにいるPさんが好きなんです……あっ!」

美穂(私なに言ってるんだろう……無理に決まってるのに)

美穂「え、いや、えと……その」ジワァ

P「美穂……」

美穂「いや、その違うんです。いや、違わなくないんですけどっ。その」ポロポロ

P『……俺も好きだよ美穂」

美穂「え?それって……」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 02:09:47.31 ID:K2XyWGkj0

P「とりあえず泣き止もう。な?」ギュ

美穂「ふあっ!?は、はい……」

美穂(プロデューサー顔真っ赤)

美穂「もう平気です」

P「そっか」

美穂「あ、でも、ま、まだこのままで……。それでさっきのセリフは?」

P「さぁな。俺も中々だろう?」

美穂「ふふ……。プロデューサーはやっぱり劇は向かなそうですね」

美穂(すぐに顔に出ちゃうもの)

美穂「い、いつか、もう一回言ってもらいますからねっ。す、好きだって…!」

美穂(次はお互いにカッコつけないで……)

美穂「ねっ、Pさん!!」

             了




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