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トップページモバマス > あやめ「お仕えしたく存じます!」にんはま「ニニンガニン!」

797: ◆6RLd267PvQ 22/05/08(日) 21:42:00 ID:8f8E

※それは、畑からぷちかれが見つかり、何やかんやあって多少のトラブルにも慣れてきた頃の話……。

~夜道~

P「ふう……今日も1日仕事とドリンク漬けだったな…」

奏「お疲れ様、プロデューサーさん。それにしても、相変わらず今にも死にそうな顔してるわよね、貴方」クスッ
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P「放っといてくれ、顔のことは…これでも響子の弁当で栄養面はバッチリなんだぞ…多分。…と言うか、死神のお前が言うと洒落になってない」

奏「ええ、分かった上でからかったのよ、気にさわったなら謝るわ、ごめんなさい」

P「まぁ、簡単に死ぬ訳にもいかないからな…色んなもん背負ってるつもりだし」

奏「つもり、じゃなく実際に一人の女の子の命を背負っているのだけどね………あら?」ピタッ

P「ん、どうした、急に立ち止まって」

奏「………この気配……殺気……?」

P「おーい、一体……」

奏「伏せて!」バッ

P「うおおっ!?」ドサッ

シュトトトッ!


ぷちシリーズ

ぷちかれシリーズキャラクター名鑑

前回
ぷちやす「ロンパ!」裕子「うっ…そんな目で見なくとも…」

798: ◆6RLd267PvQ 22/05/08(日) 21:42:37 ID:8f8E

P「な……塀に手裏剣刺さってんぞ」

奏「……数は少ないけれど、今の世にも確かに存在する…諜報と暗殺のエキスパート……」スチャッ

P「……あれは…」

虚ろな目の少女「…………」ユラリ

奏「一体誰に雇われたのかしら……【忍び】よね、貴女」

P「マジか、モノホンの……」

虚ろな目の少女「…………」フラァ

P「え、おい!」

虚ろな目の少女「…………」ドサッ……

奏「………?」キョトン

P「奏、お前が何か…?」

奏「いいえ、魔道の類は何も……けれど、これは……」

虚ろな目の少女「……クシ……ハ……」パクパク

P「……何か、喋ってるぞ…?」

虚ろな目の少女「ワタクシハ……ヘイキ…ナドデハ……」

P「兵器…?」


799: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 08:32:33 ID:JCd6

サガセー! ドコヘノガレタ!

奏「悪い予感がするわね…もしかしたら、この子、雇われの暗殺者なんかじゃないのかもしれない」

P「……よし、運ぼう」

奏「運ぶって、まさか、事務所に…?」

P「他に行く宛もないだろ、まさか俺の狭いアパートに連れ込む訳にもいかないし」

奏「…本音は?」

P「磨けば光りそうだと思いました」

奏「一度そのスカウト気質、病院で検査をした方が良いかもしれないわね…」ハァ…

P「うるさいな、こちとらノルマ200人なんだよ」

奏「はいはい……【透過】!」スゥーッ

P「おお、体が透けて…」スゥーッ

奏「…なるべく足音なんか立てない様にね」

P「なぁ、この技使えばスカウトの行動範囲…」

奏「通報されたい?」

P「…いえ、いいです…ハイ…」

~~~~

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800: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 08:33:00 ID:JCd6

~事務所・仮眠室~

芳乃「ふむー、これは……厄介な暗示の呪いがかけられていますねー」
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P「暗示……」

芳乃「と言っても不安定な様なのでー、これしきなら私が解呪する事も叶いましょうー。法螺をここにー」

ぷちのん「フスー フスー」

P「吹けてない…」

芳乃「肺活量の問題ですねー」スゥ…

ぶおおー ぶおおー ぶおおー

少女「……はっ……?」パチッ

芳乃「どうやら目が覚めた様子ー」

奏「それにしてもよく事務所に居合わせたものね、芳乃貴女…」

芳乃「気の流れを辿りましてー。今宵は事務所に何やら怪しい廻りがあったのでー」

ぷちのん「デシテー」


801: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 08:33:26 ID:JCd6

少女「ここは……追手は、何処に…!?」バッ

P「おおっと、タンマタンマ!」バンザイ

奏「やっぱり、少なからず意識はあったみたいね。私達に手裏剣を投げてきたのも…その追手と間違えたか、ある種の防衛本能かしら」

P「…ひとまず落ち着いて、俺達の話を聞いてくれないか、ええと……」

少女「……浜口、あやめ…です。……あなた方は、一体…」

P「浜口さんね…ええと、どっから説明したもんか……」

~~~~


802: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 15:18:18 ID:JCd6

あやめ「ご迷惑をおかけしました!」ガバッ

P「待て待て、頭を上げてくれ、そんな大袈裟な」

奏「いいえ、貴方一応命を狙われた事になるのよ…?」

P「それはでも勘違いみたいなものだったんじゃねえか」

奏「貴方ね…」

あやめ「わたくし、隠れ里から抜け出して……追われていて……」
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芳乃「ふむー、ひとまず落ち着いて話すのが良いと思いますねー」

煎餅渡すぷちのん「デシテニー」ハイッ

P「いや、煎餅を渡す前にお茶とかだろ普通」

奏「落ち着けと言いたいのね…ぷちのんも」

あやめ「……実はわたくしは、幼少のみぎりより、隠れ里の忍びとして教育されてきました…」

P「…ふむ、忍びね…」


803: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 15:18:44 ID:JCd6

あやめ「何やらわたくしの血には特別な術を扱う素質の様なものが備わっているらしく、言わば里の『兵器』として、およそ人として扱う事はなく、感情を殺し、道具として生きる様にと…そう、教え込まれて育ちました」

奏「今の世でも要人の警護や暗殺に、人知れず忍びを雇う人間は少なからずいるものなのよ」

P「お料理研究家の忍びならTVで見たけどなー」

あやめ「ですが……わたくしは…知ってしまったのです…外の世界を…その輝きを…」

あやめ「人が人として生きる世界…何の疑いもなく、互いを信頼し、助け合い、笑い合い……その様な世界を知った後では…とても、道具として、兵器としてなど、生きられなかった…」グスッ

P「………」

あやめ「いつまでもいつまでも、修行に鍛錬を重ねても開花しないわたくしの【素質】に……しびれを切らした里の者達は、日に日にわたくしへの期待を腐らせていってしまった……いつしかそれは憎しみにさえ変わっていき……罵声と…違和感しかない価値観の刷り込みに日々を費やし……」

P「…辛かったんだな。そりゃそうか……まだ年端もいかない女の子だぞ」


804: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 15:19:10 ID:JCd6

芳乃「成程ー。それで【滅私奉公】の呪いをかけられたのですねー。」

奏「里の教え、価値観に疑いを持ってしまったら、自分達が育てた道具がいつ自分に牙を剥くとも限らない……大方そんなところでしょうね。ただ、誤算があったとすれば…」

P「僅かに残った理性が、里から抜け忍を産む結果になった……か。……にしても素質ってのは何なんだ」

ぷちのん「ぷおー。ぷおー。」

P「うおい、ブブゼラ」

奏「……来たみたいね」

P「追手か……」

あやめ「皆さんにこれ以上ご迷惑をかけるわけにはいきません、わたくしが大人しく…」

P「心にもない事言っちゃ駄目だ」

あやめ「……え…」

P「捕まればどうなるか、何となく想像はつくよ。でもな、そんな簡単に諦めちゃ駄目だ」

あやめ「ですが、しかし…!」


805: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 22:22:03 ID:JCd6

P「まぁ、こっちもそれなりの下心はあるけどな…」

あやめ「へっ」ポッ

P(絶対磨けば光るもんこの子)ウンウン

奏(またこの人はあらぬ誤解を…)

芳乃「ほー。そなたは所謂くのいちふぇちなのですねー。」

P「どこで覚えたそんな言葉」

~~~


806: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 22:22:37 ID:JCd6

~屋上~

忍び頭領「漸く出てきたか」スッ

人質ユミラウネ「シホーロッポーハッポー♪シューリケン♪」

P「何て緊張感のない人質なんだ」

忍び配下「…頭領、この施設の主の様ですが」

忍び頭領「少しは戦える様だな、お主」

P「え、いや…本職の方々に言われる程じゃ…一通りの仕事を齧った程度で……警備と護身くらいしか…」

忍び頭領「平和ボケした今の世でそれだけやれれば褒めたものよ。が、しかし……そちらにいる『ソレ』は我が里の者…言葉巧みに拐かそう等と、笑止千万片腹痛い」

あやめ「と、頭領、わたくしは!」

忍び頭領「黙れ、貴様の処置は後回しだ」スチャッ

P「……参ったなこりゃ…」

忍び頭領「手を出せば人質を斬る!いざ…」

忍び配下「頭領」

忍び頭領「何だ、後にしろ」

忍び配下「人質が消えました」

忍び頭領「そうか消えたか……何!?」


807: ◆6RLd267PvQ 22/05/09(月) 22:23:06 ID:JCd6

ヒジデッポー♪

忍び頭領「この間抜けな歌声は確かに人質のもの……だがしかし何処へ逃れた…」ハッ

P「P流警備術……」バッ

忍び配下「頭領!」ババッ

P「【青・天・井】!!!」ガシャカキーン!!!

忍び配下「ぐわあああっ!!」ヒューン……ドサッ!

忍び頭領「下からの蹴り上げで虚を突かれるとは……おのれ…」

P「営業で鍛えた足捌き、こんなもんじゃないぞ」スッ…

忍び頭領「ふ、ふはは…手駒一人倒したところで粋がる小者めが、調子に乗るんじゃない!出会えい!!」

配下「「「「はっ!」」」」ババッ

P「しまった、後ろにも!?」

忍び頭領「壁に鉤縄をかけて忍ばせておったのよ……さぁ、やってしまえい!」

P「く……」


808: ◆6RLd267PvQ 22/05/10(火) 09:45:54 ID:Nfvv

あやめ「【雷遁・魔雷散打(まらさだ)の術】!!」バリッ!!

配下「ぐぎゃっ」「ぐわっ」「がっ…」バリリッ

P「今のは……」

にんはま「ニンニンニーン」ピョンピョン

あやめ「……出た……本当に…」

芳乃「私はほんの少し力添えをしただけでしてー。あやめさんの『守りたい』と思う気持ちがあればこそー。その子も形を成して現れたのでしょうー」

忍び頭領「…そうだ、その力だ、五行の全てを司る伝説の忍びの力……【火・水・風・土・雷】!その能力があれば我らが里に敵はいない!」

あやめ「わたくしは…わたくしは感情のない道具などにはなりたくないのです!ただ人として生きたいと願うのは……そんなにも罪だと言うのですか!?」

忍び頭領「それが普通の人間であればそうではなかろう。だが、貴様は我らが里の血脈の結晶!その者が里に盾突き、あまつさえ逃げ遂せる等と、莫迦な夢を見るのも大概にしろ!!」

P「バカな夢だ…?」カチーン

忍び頭領「ああそうだ。ただの道具に心など不要とは思わんか?ただ我が里に忠実であればそれで良い!逆らう者は……」バッ……


809: ◆6RLd267PvQ 22/05/10(火) 09:46:31 ID:Nfvv

奏「【拘束】」

忍び頭領「ぐわっ!」ガチーン!

奏「女の子が心の底から生きたいと叫んでるのに、聞く耳持たずできゃんきゃん喚き散らして……そう言うの『野暮』って言うのよ、頭領さん」

忍び頭領「貴様…この術…人ではないな……何者だ…!」

奏「死神」ゴォッ……

忍び頭領「な!?」ゾクッ

奏「ここで貴方の命を断つのは造作も無い事だけれど、この子を見逃すと言うのであれば逃してあげる」

P「おいおい、それじゃいつまた襲われるか…」

奏「私ね、本当は真っ当に生きられるのに誰かのせいでそれが出来ない人を見ると……」ジロッ

忍び頭領「……ま、待て……分かった、言う通りにしよう…!……例え死すとも三界より去る勇気は……持てぬ……」

奏「…それで良いわ」


810: ◆6RLd267PvQ 22/05/10(火) 09:46:58 ID:Nfvv

忍び頭領「だがその者は我が里の機密の粋でもある……無碍にする様な事があればその時は…」

P「安心してくれ、今日からウチがこの子を預かる」

あやめ「そ、それは……良いのですか…?」

P「始めからそのつもりだったさ、実を言えばな」

にんはま「ニハチソバー」キュルル

芳乃「お腹が空いた様ですねー」

ユミラウネ「イッツモスーグソバニー♪」ルンルン

P「……無責任に放り出す真似は絶対にしない。約束する」

忍び頭領「……是非もなし……だが忘れるな」

忍び頭領「貴様らがもしその者を持て余し、悪用する様な日が来れば……」

P「来ないって言ってんだしつけえな」ムッ

奏「地が出てるわよPさん」

P「悪かったな、何だったら一発ブン殴ってやりたいトコなんだよ」

奏「全く……」ハァ…

~~~~~


811: ◆6RLd267PvQ 22/05/10(火) 16:10:41 ID:Nfvv


~翌日・夜・事務所~

P「あやめから呼び出されて来てみたが、また仮眠室って一体何を…」ガチャ

下着姿あやめ「……お、お待ち申し上げておりました、P殿…」

P「いっ……」

あやめ「その、下心があるのでしたよね……でしたらどうぞ…経験が無いので不慣れかと存じますが……」

P「違う違う違う!下心ってそういうのじゃ」ハッ

加蓮「P~さ~ん~?」ゴゴゴゴゴゴ
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ぷちかれ「ポテェ? ココオフロ?」キョトン

P「誤解だーー!!!俺は悪くねえーーっ!!」

紗南「おっ、どこの親善大使かな?」にゅっ
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P「わかりにくいボケを挟むんじゃない!!とにかく服を着てくれえーっ!!」

~~~~


812: ◆6RLd267PvQ 22/05/10(火) 16:11:23 ID:Nfvv

~数カ月後~

あやめ『でしたらせめて!P殿の忍びとしてわたくしをどうかお側に!駄目だと言ってもお仕えさせていただきます!!』

P「……なんて事ももう数カ月前か……」パチン

あやめ「はっ、お呼びでしょうか!」シュタッ

P「いや、いい景色だと思ってな。見ろよこれ、一面の…」

あやめ「……わぁ…」

加蓮『次の曲、いっくよー!!』ワアアアア!

あやめ「いつか、わたくしもあの様に舞台を染め上げることができるでしょうか…!」

P「ああ、できるとも。その為に預かったんだ、ちゃんと輝かせてみせる」

加蓮『誰よりも 光れー!』ワアアアア!!

あやめ「……はい!いつの日か……必ずや!」

P(……うん、いい顔だ…)

※そこには「道具」と呼ばれた少女の影など塵も無く。
Pの影となり仕える事を選んだ彼女は、然して日の当たる場所で輝きを探す旅を始めたのでありました…。


おわれ。


813: ◆6RLd267PvQ 22/05/10(火) 16:12:36 ID:Nfvv

以上、あやめがPに仕えることになった経緯でした。
芳乃が何者なのかって? それは作者にもわかんない。

お目汚し、失礼をば。





転載元:あやめ「お仕えしたく存じます!」にんはま「ニニンガニン!」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1579137963/




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