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トップページ765プロ > 千早「ひゃっ!今のバイク!?」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:44:48.80 ID:CynsOLgg0

春香「ふ~ん、首都高でねえ」

千早「びっくりしたわよ、仕事の帰り、プロデューサーの車で助手席からなんとなくサイドミラーを眺めてたら」



千早(…調子は良かった…けど、まだ満足できる領域には達してない…)

千早(…夜の東京は綺麗ね…)

千早(…バイク…相当飛ばしてる…)

前スレ
P「ええ!?春香、バイクの免許取ってたのか!?」
貴音「はて、このばいくは…」


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:45:27.59 ID:CynsOLgg0

アアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!

P(TZRか…レプリカとかまだ居るのか)

P(狭い日本、そんなに飛ばしてどこへ行く、ってな、まあどこかへ行こうとしてる訳じゃないんだろうけど…)

千早(だんだん近づいてくる…あれ…?もう一台…!?)

パアアアアァァァァァァン!!!!!!

バアアアアアアアアッ!!!!!!

千早「ひゃっ!今のバイク!?」



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4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:46:31.24 ID:CynsOLgg0

P「…VT250FEか!おいおい!TZRをちぎっていきやがった!」

千早「な、何キロ出てたの!?」

P「ん~、流れに乗ってるこの車が時速80kmだから、TZRは時速130km、VT250FEは時速150kmとかそんなんじゃないかな?」

千早「バイクってそんなにスピード出るの!?」

P「どっちも250ccだからこれぐらいしか出ないよ、直線だったらもうちょい伸びると思うけど。ただまあこんなとこで出すようなスピードじゃないけどな…いつ死んでもおかしくないぞ…」

千早「これぐらいしか!?ええ!?」

P「GSX-1300R隼ってバイクとか時速300km出るからな」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:48:00.55 ID:CynsOLgg0

千早「…そんなにスピード出て良い事あるの?」

P「…うーん、メガスポーツクラスはもう完全に趣味としか…400ccマルチぐらいが日本じゃオールマイティに調度いいと俺は思うよ」

千早「…呆れた」

P「そう思うのも無理は無いな、ただメガスポーツに憧れる気持ちは俺も分かるけど。どこまで行ってもバイクは趣味みたいなもんだし。しかし、RZキラーのVT250FEがTZRをちぎるなんて、はは、面白い話だ」



春香「RZキラーがTZRも負かしたのかあ、あはは、確かに面白いや」

千早「どういうことなの?」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:48:46.05 ID:CynsOLgg0

春香「RZっていうバイクの後継機種がTZRなんだよ」

千早「ふーん、そういうことだったのね」

千早「…春香はあんなに飛ばさないでよ」

春香「飛ばしたくても、コレダお爺ちゃんは昔のバイクだから時速80kmぐらいが限界だよ~」



千早(~♪)

ヴィイイイイイイイン!


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:49:48.23 ID:CynsOLgg0

千早(…うるさいわね、こういうバイクってもっと静かにならないのかしら)

千早「…!!」ジーッ

千早(…このバイク!ヘルメット、服装!)ジーッ

千早「!」

拓海「…オイ、アンタ、何見て…」

拓海「ええ~!?」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:50:31.10 ID:CynsOLgg0

千早「…もしかして、あなた…?」

拓海「ち、ちーちゃんじゃないですか!」

千早「…はい?」



拓海「ア、アタシ…ちーちゃんの大ファンなんです…」

千早「は、はあ…」

拓海「普段は…その…色々あって周りには打ち明けられてないんですけど…」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:51:46.25 ID:CynsOLgg0

拓海「あ、こんななりなんで引いちゃってますかね…?」

千早「え、えあ、まあ初めて接する人種なので…」

拓海「そ、そうですよね…ただアタシは……」

拓海「今更引き返すわけにもいかねえし…引き返す気もさらさらねえんだ」

千早(なんか急に口調変わったし!こわっ!!)


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:52:18.64 ID:CynsOLgg0

拓海「そ、そういえばちーちゃん…あっ…こんな馴れ馴れしくて悪いですかね…」

千早「い、いえ、ちーちゃんで大丈夫です」

拓海「分かりました。そういえばさっきはアタシの事を…」

千早「ああ…あれはかくかくじか…」



拓海「ああ、そういうことだったんですか」

千早「その…拓海さんは…」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:52:56.71 ID:CynsOLgg0

拓海「…特攻隊長やってるもんで」

千早(あれだ…!春香が読んでた"とっこう"の拓に出てくるようなあれだ…!)

千早「そうですか…」

拓海「…そういう世界でしか、生き方を知らないんです、ははは、アタシ頭悪いので」

千早「…拓海さん、美人さんだし、その…スタイルだって…」

拓海「な!?何を急に!?ス、スタ…あ、いえ…何でも…」

千早(ははは…!!ここまで勝ち目が無いといっそ清清しいわ…!!)


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:53:53.69 ID:CynsOLgg0

千早「…凄い音するんですね」

拓海「そうですね、パワー重視のサイレンサーにしてるんで」

千早「あの、なんかこう長ーいマフラーとかは…」

拓海「ああ…竹槍なんてダメですよ。サイレンサーのこと、ただの排気ガスが出てくる筒だと思ってるんじゃないんですか、ああいう奴らは」

千早「はあ…大型は持ってないんですか?」

拓海「一応限定解除はしてあるんですけどね、ただ…」

拓海「限られた排気量の中でどれだけ性能を引き出せるか、そういうところがアタシが走る上でニーハンにこだわってる理由ですかね」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:54:28.84 ID:CynsOLgg0

千早「…ポリシーがあるんですね。でも、危ないと思うのですが…」

拓海「…ちーちゃんにそう言われると結構来る物がありますね、はは」

拓海「あ、あの!もし迷惑でなければアドレス交換とかダメですかね!?」

千早「え?あ!?」

拓海「す、すみません、急に…」

千早「あ、いえ、大丈夫ですよ!」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:55:28.01 ID:CynsOLgg0

春香「向井さんに千早ちゃん会ったの?」

千早「…はい!?」

千早「ちょ、え、なんで春香が拓海さんの事知ってるの!?…あ、バイク仲間とか?えってことは春香、まさか…」

春香「うん、行きつけのバイクショップのお姉さんが向井さんと知り合いだからたまーに」

千早「あ…メール」

春香「ほうほう、春香さんは千早ちゃんの素行調査をしますですよ~」

メール(拓海)「飯の件なんですけど、チームの奴連れてきてもいいですかね?どうしても会いたいって聞かなくて…」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:56:11.10 ID:CynsOLgg0

春香「いいじゃん、会ってあげなよ」

千早「え、ええ!?チ、チーム…うう~ん…」

春香「?だって悪い人たちじゃないよ?」

千早「えあ、ええ?」

千早(だ、だって喧嘩とかしてる人達なのよ…?…うーん…)

春香「私もオフだしいこっと、えい!」

千早「あっ!ちょっと!春香ってば!」

千早「もう…」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:57:29.14 ID:CynsOLgg0

千早「…ちょっと早く来すぎたかしら」

春香「待たせるよりは良いんじゃないの?あっ来た来た」

ヴァァァアアアアアッ!

ヴウウウウウウン

ヴウウウンヴウウウゥゥゥン

千早「!?」

拓海「すみません、待たせちゃいましたかね」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:58:04.24 ID:CynsOLgg0

DJEBEL250乗り「ヒフッ!ほ、ほ本物ですよ!ヒャー!」

INAZUMA400乗り「うおー!俺感激です!」

千早「え、え!?」

春香「?」



拓海「あはは、確かにこいつらとはチームですよ、ほら、自己紹介しな」

A「あ、どどうもヒフヒヒwwあ、おお俺の事はAって呼んでくださいwwwあ、学生やってますwwフヒwww」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 21:59:00.44 ID:CynsOLgg0

拓海「Aはすっげー頭良いんですよ、な?」

A「○○って大学の機械科学にw」

千早「ええ!?○○大ですか!?凄いですね!!」

B「自分はBでいいです、横浜にある工場に勤めてます」

千早「初めまして。ああ…あの…正直チームっていうから…」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:00:14.14 ID:CynsOLgg0

拓海「あはは!それもそうですよね!」

千早「た、ただのツーリングチームなんですか?」

A「そうですねw…お俺、高校の時に虐められてたんです、オタだからw機械が好きだからバイク乗ってたんですけど、そのせいで族に絡まれて…」

A「拓海さんがそのときに助けてくれたんですwそれから一緒にww」

拓海「あー、んなことあったな」

B「実質拓海姐さんのワンマンチームみたいなもんですよね、俺はソロツーリングしてたら2人と会って、それから意気投合してって」

拓海「でもまあステッカーも付けて、ね」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:00:59.34 ID:CynsOLgg0

B「Aが付けようって言い出して、デザインは俺が考えたんですよ、あ、お金払いましょうか」

A「ど、どうもww」

拓海「サンキュ」

千早「え、い、いいですよ!自分で払います!」

春香「そうです!」

B「まあまあ年長なんで、それに働いてますし」

拓海「ちーちゃんも春香ちゃんも働いてるだろ」

B「…それもそうか」

アハハ


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:01:29.09 ID:CynsOLgg0

K125「ほ~、良い音するのお、お前さん」

INAZUMA400「どうも、ヨシムラ菅4本出しなんですよ」

DJEBEL250「コ、コレダさんですかw自分初めて見たっすw」

K125「そうか、覚えておいてくれ」

VT250FE「スズキばっかりだなあ」

K125「オヌシ、Vツインじゃろ?」

VT250FE「ああ、走りなら2ストにも負けねえぜ」

K125「はっはっは、わしゃ老いぼれじゃから勘弁してくれ」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:03:22.27 ID:CynsOLgg0

拓海「どうぞ、ヘルメットです」

千早「ありがとうございます」

拓海「じゃあ、海を目指して、行くぜえ!」

一同「しゅっぱーつ!」



千早(初心者の私でもわかるぐらい丁寧な運転…やっぱり上手いんだ…)

千早(…)

千早(危険な運転なんて、やめて欲しいわ…)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:04:24.72 ID:CynsOLgg0

P「千早、悪いけどちょっとバイクショップ寄って良いか?頼んでたパーツが来てるみたいなんだよ」

千早「はい、あの…着いていってもいいですか?」

P「ああ」



美世「いらっしゃいませー、あ、届いてますよ、アンダーカウル」

P「おー、ありがとうございます!」

拓海「ああ!?ち、ちーちゃん!?」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:05:00.59 ID:CynsOLgg0

千早「拓海さん!?」

P「…お?」



P「はあ…君があのVT250FEの…」

拓海「ちーちゃんのファンやらせてもらってます」

P「それはありがとう、これからも千早をよろしく」

拓海「は、はい!」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:05:43.62 ID:CynsOLgg0

P「あれか、君のVT250FEは」

P「へえ、随分綺麗じゃないか、全く年式が感じられないな」

P(…相当寝かせたりしてるな、タイヤの減り具合からして…)

P(…ん?)

P「おいおいおい、8万キロも走ってるのか!?整備は?」

拓海「美世さんに一度車両の全ての可動部分のオーバーホールと、消耗品の交換を依頼しました、それ以外の日々のメンテはまあ自分で」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:06:29.34 ID:CynsOLgg0

P「改造は?」

拓海「足回りと排気系を」

P「ほー…しかし8万キロも走ってる車両があれだけ元気とはな…」

拓海「さすが、美世さんと技術のホンダですよ。RZキラーの名前も伊達じゃないです」

P「むう、俺は多分わかってると思うけどアイドルのプロデューサーやってるんだよ、こういう者だ」

拓海「名刺とか初めて貰った…ありがとうございます!」

P「俺も昔は走り屋みたいなことしてたけどなあ…ただ、あんまり危ないことはやめてくれよ…」

P「行くぞ、千早。では失礼」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:07:49.47 ID:CynsOLgg0

P「…昔を思い出すよ、ほんと」

千早「…走り屋、ですか…」

P「やめろって言ってるけどな、やめろって言ってやめる人はとっくにやめてるんだよ」

P「やめるきっかけなんてのはな、自分で作るもんだ」

千早「…」

P「…しかし、あれは驚いたな」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:09:10.32 ID:CynsOLgg0

千早「拓海さんのバイクですか?」

P「あ、え?いや、あれあずささんより大きいんじゃないか…?」

千早「プロデューサー!」ギロッ

P「おおおおちちつけ!」

千早「もう!知りません!」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:09:52.74 ID:CynsOLgg0

メール(千早)「はあ、今日はお仕事で失敗してしまって…」

メール(拓海)「ちーちゃんでも失敗とかあるんですね…」

メール(千早)「私なんて大したこと無いです、プロデューサーにも叱られて…まあ叱られるようなことしてしまったんですけど…」

メール(拓海)「変な言い方ですけど、安心しました」

メール(千早)「安心ですか、どういう意味ですか?」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:10:39.93 ID:CynsOLgg0

メール(拓海)「いえ、あの天才少女でも失敗することがあるんだなあって、私、小さい頃から怒られてばっかりで…はは」

メール(千早)「怒られて…ですか…」

メール(拓海)「ぐれちゃって、工業高校卒業してすぐに働き出して、今は小さなワンルームのアパートに一人で暮らしてます」

メール(千早)「家に帰ったりとかはしないんですか?」

メール(拓海)「アタシ親とは仲が悪いので、顔を合わせたらすぐ喧嘩になったり。こんなんなんです、アタシって、Aみたいに頭が良い訳でも、Bみたいに稼いでるわけでも…」

メール(千早)「実は私も、親とはもう一年近く口を聞いていないんです」

メール(拓海)「そうなんですか?ちーちゃんがなんで…」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:11:44.89 ID:CynsOLgg0

メール(千早)「優っていう弟がいたんですけど、事故で死んでしまったんです。母の不注意で、ちょっと目を離した隙に。それから父と母は不仲になりました、今は離婚しています」

メール(拓海)「ごめんなさい!」

メール(千早)「良いんです、死んでしまった弟は帰りませんし、それに同情して欲しいってわけでもありません。そうだ、拓海さんは将来の夢とかは無いんですか?」

メール(拓海)「夢ですか、特に考えたことも…」

メール(千早)「私小さい頃から歌が好きだったんです。今の私の夢は歌の世界でトップになることです、アイドルという形でデビューしましたが今でも自分はボーカリストだと思っています」

メール(拓海)「心に一本、折れない物を持ってるんですね」

メール(千早)「はい、この思いだけは誰にも譲れません!今では夢を追いかけることに夢中です、毎日苦しいときもあるけれど、正直楽しいとも思っています」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:12:58.63 ID:CynsOLgg0

メール(拓海)「そういうひたむきなところが、アタシがちーちゃんのファンである理由なんです。夢かあ…アタシはそういうのが無いから…」

メール(千早)「いつだって、見つけられますよ。そして、遅すぎるということは無いと思います」

メール(拓海)「ありがとうございます、元気が出てきました!ちーちゃんも頑張ってください!」

メール(千早)「はい、頑張ります!」



A「今日はどこ行きますか?w」

B「んー、山の方、日帰りできるとこまでとか?気ままに行こうや」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:13:38.39 ID:CynsOLgg0

A「了解ですw」

A「…!」

B「…何か用でしょうか」スッ…

族A「お前らか、向井拓海とかいう女とつるんでんのは」

B「向井拓海…ですか?誰でしょう」

族B「ああ!?しらばっくれてんじゃねーぞコラア!」

族A「そのステッカーが証拠だろうが!」

B「!」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:14:11.14 ID:CynsOLgg0

族C「オタクとオッサンに単車なんかいらねえんだよ!」

A「や!やめてください!!」

B「オイコラァ!俺のイナズマとコイツのジェベルに手ェ出してみろ!!」

族A「うるせえ!!やっちまえ!!」ブンッ

B「ぐあぁ!」

A「うわあああ!!や、やめてください!お願いします!」

族B「はっ!ヨシムラ菅かよ!生意気なんだよ!!」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:14:54.04 ID:CynsOLgg0

INAZUMA400「クッソ!!コイツら!!!やめろ!!!」

DJEBEL250「オーナー!逃げてください!オーナー!」



族B「くそっ誰か通報しやがった」

族A「…向井拓海に伝えとけ」

族A「来週の土曜午前0時、首都高で勝負だ」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:15:27.39 ID:CynsOLgg0

A「ううっ…ううっ…」

B「…A、怪我はねえか」

A「俺はどこもやられてないです…でも…Bさんが…」

B「…効いてたふりしてただけだ、伊達に鍛えてたわけじゃない。頭にバット振られた時は流石に避けたけど」

B「ああ…嘘だろ…イナズマが…ううっ…」

B「ジェベルも倒されちまったのか…」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:15:58.61 ID:CynsOLgg0

INAZUMA400「くそぉ…」

DJEBEL250「イナズマさん…!イナズマさん…!」

A「ジェベルはオフ車だから傷はいいんです…すみません…すみません…俺がこんな日にツーリングに行こうだなんて誘うから…」

B「…A、この事は姐さんには黙っておけ」

A「えっ…?」

DJEBEL250「なんで!?イナズマさんはこんなになってるのに…!」

INAZUMA400「…ジェベル、うちのオーナーの話を黙って聞け」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:16:35.28 ID:CynsOLgg0

B「この事を知ったら姐さんは絶対にあいつらの誘いに乗る」

B「首都高で勝負だと?」

B「あんな若くて綺麗でバイクが上手な子が、事故なんかで死んじゃダメなんだよ…」

DJEBEL250「…」

A「はい…」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:17:30.91 ID:CynsOLgg0

真「こんばんは。プロデューサー、行きますよ、ああ、千早はもう準備できてるのか」

P「おお、分かった分かった」

千早「ちょっと早くない?真」

真「あれ、聞いてなかったっけ。今日のラジオは初めて競演するゲストの方でしょ、挨拶しとかなきゃ」

千早「ああ…そうだったわ」

千早(あら?メール…)


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:18:07.28 ID:CynsOLgg0

メール(拓海)「千早さん、アタシ行ってきます」

千早(…?)

真「よーし出発!でも怖いなあ…」

P「ああ、そういやこの辺だったか」

千早「何かあったの?」

P「先週の土曜、この辺りでツーリング中に休憩していた大学生と社会人のバイク乗りが暴走族に襲われて怪我とバイクを壊されたらしい、犯人は捕まったらしいが族自体はまだあるからな」

千早「…?」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:18:40.87 ID:CynsOLgg0

真「プロデューサーは襲われたりしないですよね…?」

P「まあ大丈夫だろ」

千早「…!!」

千早(嫌な予感がする…!でもどうしよう…!)

千早(…とにかく拓海さんにメールしなきゃ…!)



P(若干千早のレスポンスが悪いような気もするけど…まああんまり叱ると千早は自分を責めるからな…そんなに酷くもないし、次はもっと頑張ろうぐらいにしておこう…)

P(しかしもう12時前か、大変だなあ…)


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:19:34.60 ID:CynsOLgg0

P(お、終わったか)



P「お疲れ様、2人とも」

千早(返事は来てない…)

真「お疲れ様でした、今日は父さんが迎えにきてくれてるんでここでさよならです、では!」

千早「お疲れ様、真」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:20:07.90 ID:CynsOLgg0

P「…千早、なんか悩み事あるのか?」

千早「えっ…?」

千早「…その、実は…」

P「…今すぐ電話をかけろ、千早」

千早「は、はい!」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:20:47.64 ID:CynsOLgg0

拓海「…」

拓海「…千早か」

千早「どうしたんですか!?うわっ…何の音…!?」

ヴンヴンヴンヴヴンヴヴヴヴン!!!!!!!

P「これは…コールか!?」

拓海「止めないでくれ、これはあいつらの仇討ちなんだ」

千早「拓海さん!今どこなんですか!」

千早「…拓海さん!!」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:21:34.55 ID:CynsOLgg0

拓海「…首都高、Bも居る、詳しい事はBに聞いてくれ」

拓海「切るぞ」

千早「あっ…」

P「分かったのか!?」

千早「Bさんに聞いてみます!」

P「…場所が分かったら千早を家まで送った後行ってくる」

千早「…連れて行ってください」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:22:08.42 ID:CynsOLgg0

P「…ダメだと言ったら」

千早「歩いてでも行きます」

P「…分かった」



千早「!Bさん!」

B「…」

千早「拓海さん…」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:23:10.13 ID:CynsOLgg0

B「すまねえ…見られちまったんだ…壊されたイナズマを…」

VTR250「代車でやって来たらとんでもねえとこに来ちまったぜ…」

P「…彼女はVT250FEで?」

B「…ああ、相手はあいつらのヘッドとかいう奴でだ、RZV500Rに乗ってる」

P「RZV…!?」

P(RZV500R…500cc水冷2ストロークV型4気筒…いくらVT250FEとはいえ、こんなホンモノのレーサーレプリカ相手に勝ち目なんかあるのか!?)


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:23:52.93 ID:CynsOLgg0

B「そろそろ一週してくるはずだが…来た!」

パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!

ヴァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

族「イヤッホー!!!!さっきより離されてやがるぜ!!!!!!!!」

族「2スト狩りの拓海もヘッドにゃかなわねえか!!ざまあみやがれ!!!」

P(くっ…!だがちぎられずについていっている!腕は確かだ!)

B(くそっ…)


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:24:31.37 ID:CynsOLgg0

族のヘッド(…クソが!なんでたかだかニーハンのブイツイン如きがちぎれねえんだ!?)

RZV500R(…相当な腕だな、あの女…いや…こいつが大したこと無いのか…)

RZV500R(RZキラー…か…)

RZV500R(お前は俺は狩れるかな…?)

拓海(くそっ……!!)

VT250FE「はあっ…!はあっ!うおおおっ!!!」

拓海(こんなんじゃ、エンジンがぶっ壊れる…!!)


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:25:02.84 ID:CynsOLgg0

P「給油方法は?」

B「一応こっちでもやってるが相手がタイムラップをとってる、左手を上げたら給油に行くサインだ、給油から戻ったらここから再開する」

千早「…向こうがイカサマする可能性は?」

B「そんなことしてみろ、あいつらのヘッドに殺されるぞ」

千早「…プライドはあるようね」

P「結局何週するんだ?」

B「10周だ、次で7周か」

B「!給油だ!」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:25:34.92 ID:CynsOLgg0

千早「拓海さん!」

拓海「なんで来たッ!!」

千早「…心配だから…」

SX4「おい!あんた大丈夫なのか!?」

VT250FE「…お前さんは…スズキの車か…なあに…アイツと俺とじゃ重さが違う、c1内回りはコーナーが多い、直線勝負じゃ勝ち目は無いがここなら話は別だ」

拓海「…心配なんかいらねえ」

VT250FE「姐さん!行くぞ!」

拓海「アタシは勝つ!」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:26:26.86 ID:CynsOLgg0

SX4「あっ!」

千早「…」



拓海(ギリギリまでガソリンを少なく…)

拓海(こっちは軽さが命だ…!)



ヴァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:27:01.91 ID:CynsOLgg0

B「…速くはなっているがまだ抜けていない」

SX4(ああ…見ているだけでも辛くなってくる…!)

千早「…」



RZV500R(…今何週だ?)

RZV500R(…給油か…まだ勝っているようだが…)


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:27:40.76 ID:CynsOLgg0

拓海「っはあ…!っはあ…!」

VT250FE「っく…!熱すぎる…!」

SX4「!?」

拓海「くそッ…水温がヤバイ…」

P「おい!熱ダレするぞ!?」

B「姐さん!これ以上は無茶だ!」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:28:10.33 ID:CynsOLgg0

千早「…」

拓海「…だが!後一周なんだ…!ラップタイム見せてくれ!」

拓海「…まだ引き離されてない!」

拓海「!」

ヴウンヴウゥン!

RZV500R「…」

族のヘッド「…正直驚いてるぜ、向井拓海」ガション


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:28:40.80 ID:CynsOLgg0

千早(…こんなの…)

VT250FE「はあっ…!はあっ…!」

SX4「VTさん…」

族のヘッド「…だがVTはオーバーヒート寸前、お前自身も体力神経共に磨り減ってると来た」

拓海「…まだ終わっちゃいねえ!!ラストの一周で!!」

千早(こんなの…!)


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:29:49.87 ID:CynsOLgg0

族のヘッド「まだやるってのかよ」

拓海「お前達がアタシの仲間にやったことは絶対に許さない!」

族のヘッド「ふん、もう勝負は決まってるようなもんだ」


千早(こんなの…!!)



千早「こんなの!!!何になるっていうんですか!!!!」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:30:39.82 ID:CynsOLgg0

拓海「…!!」キッ!



拓海「如月千早あッ!!」

拓海「勝負をなめんじゃ…」



スパーン!!



拓海「…!?」



千早「…!!」キッ!!


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:31:24.38 ID:CynsOLgg0

千早「…死んじゃったら…」



千早「死んじゃったら何になるって言うんですかあッ!!!」



千早「こんな…こんな挑発に乗って…!!こんな暗い、他の車もバイクも走ってるところでスピード出して!!!」

千早「Bさんは隠そうとしてたんですよ!?拓海さんが走るのが分かってたから!!」

拓海「…!」ハッ


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:31:57.97 ID:CynsOLgg0

千早「拓海さんが死んだらどうすればいいんですか…?私は…こんなに色んなことが打ち明けられる拓海さんが居なくなったら…」

千早「私…どうすればいいんですか…!?」

千早「嫌です…私……!もう…大切な人を…なくすのは…!!」

千早「実行犯は捕まったじゃないですか…!えぐっ…それじゃダメなんですか…!」

千早「あああぁぁぁっ…ひぐっ…うああああぁぁぁっ…!」

拓海「…」


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:32:54.78 ID:CynsOLgg0

VT250FE「…」

拓海「B…」

B「…バイクは直ります、俺の怪我も」

B「反撃できたのに、俺が敢えて殴られっぱなしだった理由を考えてください」

B「…過剰防衛になるのが怖かったとか…そういうのではないですよ」

B「…姐さん」

B「…もうやめましょう」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:33:33.62 ID:CynsOLgg0

RZV500R「…なあ」

RZV500R「これは俺達の負けだよ」

族のヘッド「…」

RZV500R「お前さんは圧倒的にパワーで勝ってる俺に乗ったのにVTをちぎれなかった」

RZV500R「ライディングテクニックじゃ明らかに負けてる」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:37:22.88 ID:CynsOLgg0

VT250FE「…」

RZV500R「…俺はもうどうなるか分からない、奴は自首するつもりだ」

VT250FE「お前…」

RZV500R「…あの子になら大事にしてもらえるだろう、お互いもう飛ばすような年式じゃないんだ、お前も駄々こねるなよ」

VT250FE「なあ…」

RZV500R「…なんだ」

VT250FE「幸運を祈る」

RZV500R「……ああ、俺のカラーはラッキーストライクだからな」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:38:01.36 ID:CynsOLgg0

族のヘッド「…」

族のヘッド「…お前ら!!」

族達「なんですか!」

族のヘッド「…今日で解散だ、俺は負けた」

族達「!?」

族のヘッド「同じことを二度言わせるな!!」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:39:38.04 ID:CynsOLgg0

春香「暴走族のヘッドが自首、被害者への暴行を指示したとして警察は…だって」

千早「…そう」

春香「…美世さんに伝えよっか」

千早「…うん」



美世「いらっしゃいませー」

千早「!!」

千早「拓海さん!」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:40:23.25 ID:CynsOLgg0

拓海「…ちーちゃん!?」

千早「なんで…あの…お仕事は…?」

拓海「ああ、辞めたのさ、アパートも出た」

千早「…」

拓海「悲しい顔すんなって、ですよね?美世さん」

美世「その辺は向井さんの口からどうぞ」

千早「…?」


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:41:17.37 ID:CynsOLgg0

春香「自動車整備士試験問題解説3級二輪自動車編…?」

拓海「アタシさ、工業高校の機械科卒なんだ、だからここで6ヶ月働けば二輪自動車整備士三級の受験資格が手に入るんだよ」

千早「ええ?じゃあ、拓海さん、整備士になるんですか?」

拓海「…いや、違う、これはあくまでも繋ぎだ、美世さんにももう伝えてる」

拓海「アタシさ、夢が出来たんだ」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:41:54.67 ID:CynsOLgg0

千早「…夢、ですか?」

拓海「そう!ちーちゃんみたいに夢ができたんだ!」

拓海「アタシは、教習所の教官になりたい!」

千早「教官?」

春香「おお~!」

拓海「うん、アタシはさ…バイクに興味を持ってくれた人達の助けになりたいんだ」


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 22:42:43.96 ID:CynsOLgg0

拓海「教官の受験資格は21歳からだから、まだ受けられないんだけどさ…あはは」

拓海「だからそれまではここで勉強と働かさせてもらう、寝床も用意してくれたんだ、炊事洗濯掃除をアタシがやることになってるけど…ま、あの死んでるのか生きてるのか分からないような毎日よりずっとマシさ」

拓海「…ちーちゃん」

拓海「ビンタありがとう、やっと目が覚めた」

千早「拓海さん…!」グスッ

おわり


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