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トップページ我那覇響 > 響「プロデューサーのペットになりたい」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:30:35.38 ID:0BB4IYZV0


P「おじゃましまーす」

響「いらっしゃい、プロデューサー」

P「ほれ、これ引っ越し祝いな」

響「おっ、ありがとうプロデューサー!」
響「それにしてもまさかプロデューサーが真っ先に来てくれるなんて思わなかったぞ」

P「一応お前たちアイドルの住所と場所を把握しておくのも仕事の内だからな」

響「あ、そっか! お疲れ様、プロデューサー」

響(てっきり何か特別な理由があるのかと思ったぞ…)



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:32:50.65 ID:0BB4IYZV0


P「それにしても広そうな家だな…。俺の家より明らかに大きいぞ?」

響「また新しい家族が増えちゃったからね、中に入ってみればわかるぞ」
響「…ん?」
響「…あっ」

響(ひょ…ひょっとして…)
響(じ、自分プロデューサー誘っちゃった!?///)

響「い、いやでもこれはただプロデューサーに自分の家族を紹介するだけであってそんなプロデューサーに疾しい気持ちを向けてるわけじゃないしむしろ自分はプロデューサーに迫るよりも迫られたいタイプなわけだからどちらかといえば誘われる方を期待してr(小声)」

P「どうした響、顔真っ赤にしてブツブツと」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:34:00.43 ID:0BB4IYZV0


響「ななな、なんでもないぞ!」

響(あ~! またプロデューサーに変なトコロ見せちゃったぞ~!)

P「? まあ、なんでも、いいですけれど」

響「千早かっ!」

P「てか、あがってもいいのか? その、ご家族たちに挨拶でも…」

響「かっ、家族!? そ、そんな、気が早いぞプロデューサー!」
響「自分たちは只のプロデューサーとアイドルで、そんな、家族に挨拶なんて…」

P「え? いや、要するにペットたちに…」

響「えっ」

P「えっ」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:34:50.64 ID:0BB4IYZV0


―――――――――――――――――――――――――

響「~~~~~っ」んぅにるぐるどぅる

P「おいおい、いつまでクッションに顔押しつけてるんだ」

響「だってぇ…」

響(絶対まだ自分の顔真っ赤だぞ…)
響(こんなんじゃ顔見せられないよ~!)

P「とりあえず、新しい家族云々言ってたろ? そいつらを紹介してくれないか?」

響「んあー、ちょっと待って欲しいぞ…」




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8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:38:07.74 ID:0BB4IYZV0


P「それにしても、相変わらずの室内放し飼いだな…ワニ子にも見慣れたもんだ」

響「プロデューサーが左手もってかれそうになったときはヒヤッとしたぞ」

P「あの場に響が居なかったら完全にフック船長になる所だった」
P「今は流石に懐いてきたけどな」

響「あの日からオウ助が『モウ…モウダメダー! オレハシヌンダー!』ってちょくちょく言うから何かと思ったらプロデューサーの叫びだったんだね」

P「俺そんなこと言ってたか、諦め早っ」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:39:22.77 ID:0BB4IYZV0


P「で、どんなのが増えたんだ?」

響「最近は齧歯目強化月間だぞ、ハム蔵とシマ男とモモ次郎もよろこんでるさー」
響「たとえば、ほら、モルモットのモル姫だぞ」
響「女の子だし、名前もちょっと他の皆と雰囲気変えてみたんだ」

P「モルヒネ?」

響「もるひめ」

P「もるひね?」

響「プロデューサー、絶対わざとだろ?」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:41:20.29 ID:0BB4IYZV0


響「あと、カピバラのカピ康(ヤス)だぞ」

P「ほう、一番大きいネズミとは聞いてたが、正直想像以上だ」
P「いつも気になってたんだが、飼育許可とかちゃんと取ってるのか?」

響「もちろん! 自分完璧だからね! ルールは守るさー!」
響「それに、許可を貰いやすくするテクニックだって身に着けてるぞ」

P「そんな懸賞みたいなもんなの?」

響「最後に、ハツカネズミのミッキーだぞ」

P「アウトの匂いがするね、ハハッ!(裏声)」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:44:04.90 ID:0BB4IYZV0


P「入ってみて確信したが…ここ絶対高いだろ? 厭らしい話」

響「そ、そんなことないってー」

P「いや、俺の家よりグレードが上なのは火を見るよりも明らかだ」

響「い、いや、でも、皆のエサ代のほうがかかるさー!」
響「だからこれしき大したこと…」

P「否定しているようで否定できてないな」

響「うう…」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:49:17.14 ID:0BB4IYZV0


P「ハハハ、いいんだよ響」

P「お前がこれだけの家に、しかもこれだけの家族と住むことが出来てるってこと」

P「それはまさしくお前がSランクアイドルとして輝かしい活躍をしてることの何よりの証しだ」

P「僻んでるわけじゃなくて、嬉しいんだよ、むしろ」

響「プロデューサー…」

P「基準が家ってのも何だかアレな話だが」

P「ここまで来れたのも、響の力さ」

響「そんなことないぞ!」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:56:26.37 ID:0BB4IYZV0


響「沖縄からこっちに出てきて765プロに入ったとき…」

響「正直、不安で堪んなかった」

響「当たり前だけど知らない人しかいないし」

響「すぐに帰れるわけでもなかったし」

響「全部が全部初めてのことで、自分がやらなきゃいけないことが、どんなに小さなことでもすごく大きく見えてさ」

響「それに、カメラが向けられてる間はアイドルの『我那覇響』に成れたけど」

響「撮影が終わったら何だか…こう、もやもやしたんだ」

響「確かにみんなの前で笑ってる自分は我那覇響だけど」

響「それが本当に我那覇響なのかって誰かに訊かれたら多分答えられなかったと思う」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:58:35.36 ID:0BB4IYZV0


響「プロデューサーも知ってるだろ?」

響「自分は最初から、明るくて、元気で、活発で、健康的で…」

響「そんな感じの、何もかもがプラスな風に売り出されてたよね」

響「でもさ、不安なときってなんだかひねくれちゃってさ」

響「みんなが自分にそう言えば言うほどに疑わしくなったんだ」

響「本当にみんなは自分のことをそんな人だと思ってるのかな、って」

響「そのうちに自分のことも疑わしくなっちゃったんだ」

響「自分はただ、みんなが言う自分を演じてるだけなんじゃないか、って」

響「そんなんだから、本当の心の支えは貴音と、ハム蔵達だけだったぞ」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 14:59:42.98 ID:0BB4IYZV0


響「そんなときに、765にプロデューサーが来て、自分のプロデュースを始めてさ」

響「自分、ちょっとだけプロデューサーのことも疑ってたんだ」

響「きっとこの人はもう、自分のダメな所が解ってるんだ」

響「自分を、本当は明るくも、元気でもない女の子だって思ってるんだ、って」

響「えへへ、知ってた、プロデューサー?」

響「初顔合わせのとき、自分ちょっと演技してたんだぞ」

響「プロデューサーの知ってる我那覇響として、『アイドルの我那覇響』としてプロデューサーと挨拶したんだぞ」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:01:25.31 ID:0BB4IYZV0


響「まあ、それから暫くプロデューサーと組んで、Cランクまでいってさ」

響「そのときにプロデューサーに一回呼び出されたことあったよね」

響「自分、そのときまでもずっともやもやしてて」

響「いつ、自分が自分じゃなくなっちゃうか解んなかったんだ」

響「折角いったCランクだったけど、自分の中じゃいつ辞めてもおかしくなかったぞ」

響「自分に嘘つきながらやってるアイドルなんて、嫌われちゃうと思ったから」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:02:33.38 ID:0BB4IYZV0


響「プロデューサーが自分を呼び出したのはホントにそんな頃だったんだ」

響「それで、プロデューサーそのときこう言ったよね」

P『響が順調にCランクになって、俺も凄く嬉しいよ』

P『だけど、ここからは大分仕事の方も大変になってくる』

P『身体もそうだし、心労も増えてくるだろう』

P『だから、本当にしんどくなったら、…いや、大したことじゃなくてもいい』

P『すぐに俺に何でも言ってくれ』

P『響は沖縄から一人でこっちに来てるんだもんな』

P『すぐに相談できる相手は多くないかもしれない』

P『だから、俺をこっちでの家族だと思ってくれ』

P『何でも気兼ねなく言ってくれ』

P『アイドルとプロデューサーとしても一心同体でいられるように、な』


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:03:56.09 ID:0BB4IYZV0


響「自分その言葉聞いてさ、泣いちゃったよね」

響「プロデューサーの目の前でさ、プロデューサーはちょっとだけおろおろしてたけど」

響「すぐに自分を抱きしめてくれてさ」

P『なんだ、もう悩みがあるのか』
P『…いいよ、言ってみろ』

響「それで、自分思ったんだ」

響「ああ、この人は自分の家族なんだ」

響「自分は、この人の家族なんだ…、って」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:05:35.75 ID:0BB4IYZV0


響「その日から、自分、吹っ切れたんだぞ」

響「演じなくなった、って言うとアレだけど」

響「ちゃんと、心の底から笑えるようになったんだ」

響「変なもやもやはすっかり消えて、気持ちが楽になって」

響「大変な仕事もオーディションも、プロデューサーとなら乗り越えられたんだ」

響「…ちょっと長くなっちゃったけど、要するに自分が言いたいのはさ」

響「自分が今こうしてアイドルが出来てるのは、全部プロデューサーのおかげなんだぞ」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:07:35.17 ID:0BB4IYZV0


響「自分一人じゃこうはならなかった」

響「貴音とか765の皆とかハム蔵たちもそうだけど…何より、誰より」

響「プロデューサーが居てくれたからなんだぞ」

響「プロデューサーが家族だと思えって言ってくれたから」

響「家族がいつも傍に居てくれたからなんだぞ」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:08:37.98 ID:0BB4IYZV0


P(響…俺の知らないところでそんなふうに…)

響「プロデューサー、自分ね」

P「?」

響「そのうちに、また別の嘘つくようになっちゃったんだぞ」

響「アイドルって、笑顔はファンの人たちの為に向けなきゃいけないよね」

響「でも気付いたらさ」

響「その笑顔をファンの人たちに向けてない自分が居たんだ」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:10:40.18 ID:0dnSQTQV0

愛が重い


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:11:21.85 ID:0BB4IYZV0


響「いつ頃からなんだろう…」

響「…判んないや、判んないけどさ」

響「いつの間にか自分が本当に笑顔を向けてる相手が、プロデューサーになってたんだぞ」

響「アイドルとしては…やっぱりいけないよね」

響「でも、自分じゃもうどうにもならなくて」

P「響、俺は…」

響「プロデューサー、まだ何も言わないで…」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:13:15.63 ID:0BB4IYZV0


響「…プロデューサー、一つだけお願いするぞ」

響「嫌なら嫌でいいし、もうそんなことお願いしないから」

P「…ああ、言ってごらん」

響「自分…」









響「プロデューサーのペットになりたい」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:15:09.98 ID:0BB4IYZV0


P「…それは、<俺にとって>の意味か? それとも<響にとって>の意味か?」

響「…さあ、どっちだろうね」




P「…率直に答えを言えば、ノーだ」

響「…っ」
響「」ホロリ









P「…『ペット』なんてのは嫌だよ」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:20:23.38 ID:0BB4IYZV0


P「正直、今のところ俺にとって『ペット』は『ペット』でしかないんだ」

P「だからさ、『ペット』なんて言わずに」

P「…『家族』になってくれないか、響」

響「!」

響「…それじゃ、それじゃプロデューサー」

P「うん」

P「なるなら、俺の嫁になって欲しい」

P「本当の家族になろう、響」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:23:41.06 ID:0BB4IYZV0


響「…ううっ」ウルウルッ

響「プロデューサーあああああ!!」ガバッ ダキツキ

P「おおぅ、どうした響?」

響「だって、だってぇ!」グジグジ

響「プロデューサーにこんなこと言っていいのか判んないし、そう言ってくれるなんて思わなかったしぃ!」

響「自分、不安で不安で堪んなかったんだぞ!」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:24:56.88 ID:0BB4IYZV0


P「なんだ、それなら早く言ってくれりゃ良かったのに」

P「ほら、顔上げろよ」

響「んん…」

チュッ

響「」カアアッ///

響「」プイッ///

P「あ、また下向いた」

響「なんとなくは判ってたけど…いきなりはズルいぞ」

P「いいじゃないか、どうせ夫婦になるんだから」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:28:55.79 ID:0BB4IYZV0


響「…プロデューサー」

P「『プロデューサー』なんて言うな、今は名前で呼べ」

響「///」

響「…p」※下の名前だと思ってください

P「なんだ、響?」

響「…もう一回」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:36:19.33 ID:0BB4IYZV0


―――――――――――――――――――――

チュンチュン ピヨピヨ

響「…朝だぞ」

P「…朝だな」

響「ねえプr…p」

P「なんだ?」

響「家に挨拶にはいつ来てくれるの?」

P「そうだな…次のオフとか」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/28(水) 15:39:31.92 ID:0BB4IYZV0


響「結婚自体はいつ?」

P「…まだ先だな」

響「今すぐはダメなんだな?」

P「流石にな、先にしなきゃいけないこともある」

響「何、それ?」





P「…765の皆に報告しないとな」

おわり


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