1: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:52:11 ID:Hup
3: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:52:36 ID:Hup
乃々「ひとり残してお出かけしちゃうなんて酷いじゃないですか。孤独で死にそうだったんですけど」
P「結構甘やかしてると思うけどな~。お。作り置いていったフレンチトースト、全部食ったのか」
乃々「ご馳走様でした。Pさんの作るフレンチトースト、甘くて大好きなんですけど」
P「乃々から直々のリクエストだったからなー。調子に乗って一斤分以上作って行ったのにまさか食い切るとは……」
乃々「Pさんが作ってくれたものですから……朝とお昼で完食余裕でした。愛の味がしたんですけど」
P「乃々への手料理の半分は愛情でできてるからなー。伝わって良かったよ。
なんにせよ、食欲が戻ってきたようで何より。熱は? 朝の時点で、もう微熱だったよな」
乃々「…………」////
P「真っ赤じゃねーか。え? ぶり返したか?」
乃々「熱はもうほとんどないんですけど! Pさんが急にカウンターでデレ返すからなんですけど!」
P「デレ返すって……。ん。ほんとだ。もうほとんど平熱だな」
乃々「なんでおデコでこつん、なんですか! 普通に体温計あるんですけど!」
P「でも一昨日くらいに、熱にうなされながら『熱を計るならおデコにこつんしか認めないんですけど……』って……」
乃々「もりくぼは何を考えてるんですか……!」
P「高熱の時って変なこと口走るもんだからなー。その他にも色々……」
乃々「言わないで下さい言わないで下さい」
P「あんまり覚えてない?」
乃々「覚えてないです」
P「ふーん……」
4: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:53:07 ID:Hup
乃々「な、なんですか、その意味深な反応は!」
P「いや、べっつにー」
乃々「何を言ったんですか! もりくぼは何を言ったんですか!」
P「言わないで下さいって言われちゃったっしなー」
乃々「聞きたくないですけど! 聞くのは怖いですけど!」
P「何にせよ、甘やかして欲しいって話については……実際甘やかしてるだろう。これでもかってくらい」
乃々「でもお留守番……」
P「俺も、先方の約束キャンセルして残ろうか?って言ったのに、乃々が
『ずっと付き添われても迷惑なんですけど。出掛けたらいいじゃないですか……空気を読んで欲しいんですけど……』って……」
乃々「言いましたけど! それは覚えてますけど!」
P「だから、熱も下がってきてるみたいだし大丈夫かなー? って……」
乃々「あれはフリなんですけど。ポーズなんですけど。ツンデレなんですけど!
素直になれない乙女心ってヤツなんですけど!」
P「残って欲しかったんかい。微妙に面倒くさいな」
乃々「Pさんはもっと乙女心の機微を……声にならない声、いわゆるサイレントマゾリティーを察して欲しいんですけど」
P「マゾリティーって何!? よく分からんけど、とりあえず全国の乙女に謝れ!」
乃々「どこかに行っちゃえと言えば、それは『行かないで』の意味。
今日はずっと一緒にいて欲しいと言えば『たまにはクールに接して欲しい』の意味。
乙女心の常識なんですけど……」
P「そんな常識はない!」
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5: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:53:38 ID:Hup
乃々「Pさんはいつまで経ってもS道が上達しないんですけど……。
デコピンで『好き』。髪の毛を鷲掴みで『愛してる』。蹴倒して踏みつけて『結婚しよう』。
そんな素敵な以心伝心愛情表現に、もりくぼは憧れてるんですけど」
P「そんな歪んだ愛情表現より、俺は普通に口で伝えたいなぁ……」
乃々「口で……なるほど噛み付くのもアリですね」
P「そういう意味ではない」
乃々「まぁ、かく言うもりくぼは、夜な夜な熟睡してるPさんの首とか肩に噛み跡をつけているんですけどね……」
P「やっぱりあのアザお前の仕業かっ! 偶然まゆと加蓮に見つかって恐ろしい目に遭ったんだからな!」
乃々「良いですよね。マーキング」
P「良くねぇ!
……はぁ。今さらだけど、この関係、見直した方がいいのかなぁ……」
乃々「そ、そんな……っ!」
P「それが嫌なら少しは自重してく」
乃々「遂に両親に会いに来てくれる決心がついたんですね……!」
P「ポジティブだな、おい」
乃々「こうしてはいられないんですけど。早速電話で実家に連絡しておかないと」
P「待て待て」
乃々「遂にもりくぼは内縁の妻から正式な嫁へとランクアップすることになるんですね」
P「年齢的に無理だろ! ていうかいつの間に内縁の妻!?」
乃々「最近母が、そろそろ孫の顔を見たいってうるさくって……」
P「気が早いですよ、お母さん! 中学生! 乃々はまだ中学生ですから!」
乃々「最近ボクシングジムに通ってる父も、久しぶりにPさんのお顔を見たいって張り切ってました」
P「前半の情報なんで入れた? ていうか、定期的にご挨拶には行ってるよね? アイドル活動の近況報告に」
6: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:54:21 ID:Hup
乃々「そういえばそうですね。……正直、毎回父を柱に括り付けておく作業は面倒くさくて……」
P「お母さんと話してる時に聞こえてくる呻き声はそれか!」
乃々「もりくぼとPさんが正式にくっ付いてしまえば父も諦めがつくと思うんですけど」
P「だ、か、ら! 年齢っ!」
乃々「同棲してるのに今さら……」
P「それはそうだけど!」
乃々「ふぅ……。Pさんとの新婚生活を想像してたらなんだか身体が熱くなってきたんですけど……。
ここ数日お風呂に入れてませんし、全身をタオルで拭いてくれません?」
P「発情するなっ! そして断るっ! あれは色々と精神衛生上よろしくないので、もうしない!」
乃々「…………」
P「……ん?」
乃々「……ちょ、ちょっと待って下さい」
P「おう?」
乃々「濡れタオルで身体を拭き拭きプレイ……したんですか?」
P「言い方がアレだが……おう。これも一昨日の晩だったかな?
乃々が『身体を拭いて下さい。背中を、背中を向けるから拭いて欲しいんです。前から拭けとは言いませんから……!』って泣いて懇願してきたから……拭いたよ?」
乃々「覚えてないんですけど!」
P「あの時は39度近くあったからなぁ。正直、タオルで身体拭くのもどうかと思う状態だったぞ?」
7: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:55:04 ID:Hup
乃々「なんで、もりくぼはそんな心ときめくエ口ゲ展開を経験しておきながら全く覚えていないんですか……!」
P「あ。恥ずかしがるんじゃなくて悔しがるんだ。つーか、エ口ゲ言うなや。中学生」
乃々「芸能活動を営んでいる中学生は得てしてエ口ゲを嗜んでいるものなんですけど……!」
P「確かにそんなアニメあったけど!」
乃々「Pさんのお気に入りはヤンデレな読モキャラなんですけど!」
P「なぜ知ってる」
乃々「ということはウチの事務所では、まゆさんが結構ストライクゾーンなはずなんですけど……!」
P「まぁ、否定はしないよ。まゆは可愛いし……好みだけどね」
ごっ!!
乃々・P「!?」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……押入れの方からまるで頭を壁にぶつけたような音が聞こえてきたんですけど……」
P「……気のせいだろ。家鳴りかなんかだよ。きっと」
乃々「そうですよね……」
P「そうだよ……」
乃々「こほん。ということは、もりくぼは親友のまゆさんと、Pさんで三角関係、寝取り寝取られな展開に……!」
P「なんで微妙に嬉しそうなんだよ。ならないから。そういう状況にはならないから。一応、これでも俺は乃々ひと筋だから」
ごっ!!
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……押入れの方からまるで拳を壁に叩きつけたような音が」
P「気のせいだよ。気のせい。ただの家鳴りかポルターガイストだろ」
乃々「それなら怖くないですね……まだ」
8: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:55:28 ID:Hup
P「…………」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……そういえばお夕飯はなんですか? そろそろいい時間です。正直、お粥は飽きてきたんですけど……」
P「……んー。帰り道、商店街で肉を買ってきたから……スキヤキかな?」
乃々「いきなり重過ぎません!? お肉は大歓迎ですけど!」
P「まー、うどん多めに買ってきたから、出汁の染みたそっちを乃々に食わせてやれば喜ぶかなーと思ってたんだけど……」
乃々「お肉も食べます」
P「食うんかい。……本当、元気になってきたようで何よりだ」
※ ※ ※ ※ ※
9: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:55:56 ID:Hup
乃々「はふはふ。あー。国産黒毛和牛とお粥じゃないご飯が絡み合い、さいこーなんですけど……」
P「喜んでくれるのは嬉しいが……逆にうどんが残りそうだな、これ」
乃々「お箸が止まらないんですけど……」
P「無理するなよー。すごい勢いだな。一時は、『あーん。してくれないと食べられないんですけど……』とか、ぐずってたくせに……」
乃々「……もう慣れたんですけど……それも実際やってもらってたんですか?」
P「ああ。こっちは何度もやったな。乃々は元々、鳥っぽいイメージもあるから、微笑ましくて良かったぞ」
乃々「……覚えてないんですけど」
P「それは残念だなー」
乃々「なんでPさんはこういう時に限って直球でデレるんですか。普段、ツン度マシマシ、ツンだくのクセに……」
P「病気の時ってそういうもんじゃない? ていうか、ツンだくって何よ」
乃々「…………」
P「ん? どうした?」
乃々「そのお鍋の奥の、お出汁の染みたお麩が欲しいんですけど……」
P「……へ? 食べたらいいじゃん」
乃々「……欲しいんですけど」
P「……あー。はいはい。ほら」
乃々「…………」アーン
P「……美味いか?」
乃々「…………」
乃々「……至福なんですけど」
P「それは何より」
乃々「そういえばお熱が下がって、お腹も満たされてきて、ふいに思い出したんですけど……」
P「うん? 何をだ?」
10: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:56:19 ID:Hup
乃々「もりくぼがお休みしていた期間、いくつかお仕事が入ってたような気がするんですけど……穴をあけちゃって大丈夫だったんでしょうか……?」
P「あー、それなー。正直ちょっとドタバタしたけど、乃々と仲が良い子が積極的にフォローに回ってくれたお陰で、無事乗り越えられたよ」
乃々「な、仲が良い……? イマジナリーフレンドのトモちゃんのことですか?」
P「悲しいこと言うなよ……。まぁ、主に輝子、まゆ……あとは小梅や飛鳥、幸子、美玲なんかも結構、助けてくれたかな。
いい友達を持ったじゃないか。復帰したらお礼言っておけよ」
乃々「………」
P「…………」
乃々「…………」ぐすっ
P「……ほれ、野菜も食え野菜。ネギがオススメだ。あーん」
乃々「…………」アーン
P「よく噛んで食えよ」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……塩味が効いて美味しいんですけど」
P「……良かったな」
乃々「……もりくぼは幸せ者ですね」
P「そうだな」
乃々「…………」
P「……あっ!?」
乃々「……どうしたんですか?」
P「そういえば乃々の代役で一つだけ問題っていうか、マズイことがあってな」
乃々「な、何のことですか? 何があったんですか?」
11: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:56:59 ID:Hup
P「3日前のサプライズ&ゲリラライヴ、乃々ポエムオンザストリートでのことなんだけどな」
乃々「知らないんですけど!? その予定聞いてないんですけどっ!?」
P「まぁ、乃々に対するサプライズ&ゲリラライヴのつもりだったからな。
ポエムの内容は東京都心の路上、アドリブで」
乃々「やり口が下衆いんですけど! ていうか、許可が下りないと思うんですけど!」
P「官僚クラスにも森久保乃々ファンクラブの会員はいるからな。結構あっさり許可下りたぞ?」
乃々「もりくぼ、知らないうちに、トンデモない場所に追いやられていません?
ていうか、玄関に届いてる巨大なお見舞い用花束の山ってもしかして……」
P「そんなわけで、許可は下りてたし、準備も整ってたから、仕方ない、代役の輝子にやらせてみようって話になって……」
乃々「あああ! 酷い巻き込まれ事故です……!」
P「副総r……お偉い方も『本人が出られないのは残念だが、親友の輝子ちゃんが代役を務めてくれるのなら、問題はない。
むしろ、中止にしてしまうより、ぼののも喜ぶに違いない。ヒャッハー』
って歓迎してくれてなー」
乃々「中止にして欲しかったんですけどっ!? むしろ、開催の事実を知らなかったくらいなんですけどっ!?
あと、今、予想以上に大物の肩書きが……」
P「次のライヴで乃々が着る予定のフリフリゴス口リドール風衣装は、そのお偉い様からの寄贈品だ」
乃々「知りたくなかったんですけどっ! あと最近、専務がもりくぼに様付けで敬語な理由が垣間見えたんですけどっ!」
13: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:58:27 ID:Hup
P「そんなこんなで、都心の一角を占拠して、星輝子ポエムライヴの開催だ!」
乃々「本当にやったんですかっ!?」
P「ちなみに衣装は可愛い系。いつもとはひと味違った輝子を演出!」
乃々「申し訳ないと思うと同時に、ちょっと見てみたいと思う私がいます」
P「ストリートの真ん中で、愛らしい衣装を纏った輝子が、きのこと親友(主に俺)への想いを唄う!」
乃々「ちょっと引っかかるんですけど!」
P「湧き上がる歓声! ボコられる俺!」
乃々「ざまーみろなんですけど!」
P「ボロボロになった俺は、ふいに、一つのアイデアを……ひらめいた!」
乃々「通報した!」
P「そうだ! 今日ここに来れなかった乃々の分も、輝子に唄って貰おう。
さぁ、この乃々ポエムノートvol.1を詠み上げるんだ!」
乃々「ちょ待っ!」
P「ノートを開き、滔々と詠み上げる輝子。静まり返る観客……しかし異変は起こった!」
乃々「徹頭徹尾、異変しかないんですけど!」
P「膝をつき、うずくまる輝子。ざわめく観客」
乃々「!?」
P「肩を震わせ、耳まで真っ赤にした輝子が一言……『こ、これは流石に恥ずかしい……』」
乃々「失礼なんですけどっ!!」
P「結果その後、いつもみたいに暴走した輝子が勢い余って備品のギターを叩き折って……修復不能になっちゃったんだけどどうしよう」
乃々「知らないんですけど!」
P「弁償の請求書が俺の所にきてるんだけど、何かの間違いじゃないかな」
乃々「自業自得なんですけど」
14: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:58:54 ID:Hup
P「経費で落ちないかなぁ……」
乃々「ちひろさんが許さないと思います」
P「ちなみに、ライヴ自体はその後も盛り上がって、乃々ファンも輝子ファンも大満足の結果に終わったぞ」
乃々「……反応に困るんですけど」
P「で、だ。問題っていうのはそのギター弁償代のことでな……」
乃々「御愁傷様ですw」
P「草を生やすな!
いや、結構値の張るものだったみたいでな。
俺が自腹で支払ったら、乃々と2人で計画を立ててた、次の連休の温泉旅行二泊三日の旅が予算的に難しくなりそうなんだ」
乃々「……えっ」
P「ごめんなー。楽しみにしてたのに……」
乃々「…………」
P「……乃々?」
乃々「…………」
乃々「……もりくぼ、幾つかちひろさんの弱みを握ってるんですけど」
P「はい?」
15: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:59:29 ID:Hup
乃々「この弱みを使って、ちひろさんに経費で落とすよう交渉してくるんですけど……」
P「ま、待て。落ち着け? 乃々?」
乃々「……ちひろさんと交渉するのはガラスの灰皿が置いてある応接間と、大きな石が転がってる河原、どっちがいいでしょうか……」
P「なぜ積極的に火サス的展開で殴り殺されそうな場所を選ぶ」
乃々「安心して下さい。Pさんのお財布と我が家の家計はもりくぼが守ります。ええ、守護ってみせます」
P「お、男前……! いや、気持ちは嬉しいけど、ストップ!
なんかヤバイことになりそうだからそれはやめてくれ!」
乃々「でも旅行……」
P「分かった! なんとかする。俺が自分で何とかするから、安心して!」
乃々「……あてはあるんですか?」
P「……なくもない」
乃々「……なるほど、他のアイドル達に貢がせるんですね」
P「ゲスいな俺! ちがうよ! 将来的に結婚資金とかにしようかなー?と思って貯めてるお金がちょっとあるだけだから!」
乃々「…………」
P「あっ……!」
乃々「……それなら良いです。そこからちょっと拝借した上で、もりくぼの印税で補填しておいて下さい」
P「そ……その流れに意味はあるのか?」
乃々「あ。もりくぼのお金で補填すること自体に異議はないんですね。安心しました」
P「…………」
乃々「もりくぼに旅行費を出させるのは抵抗あっても、結婚資金の積み立てに参加させるのはセーフですよね?」
P「む……ぐ」
16: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)04:59:59 ID:Hup
乃々「いい感じに外堀も埋まってきたところで、お肉とおうどんが残り僅かです」
P「うおっ。マジだっ!? 肉はともかく、うどんは3玉も入れたんだが……」
乃々「流石にもうお腹いっぱいで食べ切れないんですけど」
P「だろうな。病み上がりでそんなに食って大丈夫か?
まぁ、残りはお椀によそって、鍋はさっさと洗っちゃおう」
乃々「ごちそうさまでした」
P「うい。お粗末様でした」
乃々「あー。食べ過ぎて動けないんですけど……」
P「身体冷やしたらマズイから布団の中には入っておけ。たぶんすぐ眠たくなるだろう」
乃々「Pさんは?」
P「とりあえず食器を洗ってくる。いつものやつ、作っていってやるから大人しくしてろ」
乃々「わかりました。先にベッドに行ってお布団温めておきますね」
P「……それは覚えてるのな」
乃々「病床の心細い時に添い寝してくれていたのは、とても暖かくて、忘れようにも忘れられないんですけど」
P「……まぁ、エナドリさえあれば、俺に病気は伝染らないからな」
乃々「エナドリ凄過ぎですね」
P「んじゃ、洗ってくる」
乃々「…………」
乃々「…………」
乃々「……本当に、もりくぼは幸せ者ですね」
※ ※ ※ ※ ※
17: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:00:27 ID:Hup
乃々「ふ、不束者ですが、よろしくお願いします」
P「頬を染めるな三つ指を立てるな。……おいこら、服を脱ごうとするな!」
乃々「流石に冗談ですよ」
P「止めなかったら行くとこまで行く気満々だっだろう……。
ほら、生姜湯、ハチミツ増し増しで作ってきたぞ。飲んで身体の中から温まって、ぐっと寝ろ」
乃々「いただきます。……んっんっんっ」
P「おー。いい飲みっぷり」
乃々「ぷはーっ。この一杯の為に生きてるんですけど」
P「おし。飲んだら寝ろ。とっとと寝ろ。そうしたら明日にはスッキリしてるだろう」
乃々「はい。お腹が満たされて身体もあったかくていい感じなんですけど。あとは……ほら」ぽんぽん
P「……もう一人で大丈夫じゃないか?」
乃々「だいじょぶくないです。観念してお布団にカムイン。あんどターンミーオンなんですけど」
P「……危ないから適当な英語やめろ。
……まぁ、仕方ないか」
乃々「どうぞどうぞ」
どんっ!
P「!?」
乃々「!?」
どんどんどどど、どどどどっ!
P「…………」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……今、『サマカニ!!』のテンポで壁ドンが……」
P「ただのポルターガイストか、押入れの中でヘレンさんがサンバを踊ってるだけだよ」
乃々「…………」
19: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:01:16 ID:Hup
乃々「……それなら怖くないですね。
さぁさぁ、奥にどうぞ」
P「う、うーむ。乃々が弱ってる時はそうでもなかったけど、元気になってると抵抗あるなぁ……。
じゃあ、お邪魔して……」
乃々「……あっ。Pさんが……な、中に入ってきたんですけど……」
どごんっ!!
P「いたずらに刺激しない!」
乃々「はい」
P「ていうか、部屋の中には入ってこないのな……ヘレンさん」
乃々「お腹空かないんでしょうか……ヘレンさん」
P「一応、すき焼きの残りはお供えしてきたよ?」
乃々「……優しいですね」
P「……そうか?」
乃々「……まぁ、押入れの中にもお布団はありますし、凍えることもないでしょう」
P「だな」
20: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:01:44 ID:Hup
乃々「私達も今日はもう寝てしまいましょう。
もっと近寄って、ぎゅってして欲しいんですけど……」
P「…………」
乃々「………?」
P「……おりゃ」
乃々「くぼぉっ!?」
どさっ!
P「……大丈夫か?」
乃々「……な、なんでもりくぼをベッドから蹴落としたんですか?」
P「い、いや。乃々の言う通り、サイレントマゾリティーとやらを考慮してみたんだが……」
乃々「な、なるほど。抱きしめろといったら、蹴落とす……天才ですね。
もりくぼ、スイッチが入りそうなんですけど!」
P「入らんでいい! ていうか、今の対応で正解かよ!
乗っといてなんだが、おかしいだろっ!
さっさと寝るぞ!」
乃々「な、生殺し……。放置プレイですか。それはそれで悪くないです」
P「ハァハァしながら布団に潜り込んでくるな! しがみつくな! 脚をからませるな!」
乃々「じゅるり。今日は寝かせないんですけど」
P「色んな意味で肉食系だな、もりくぼォ!」
乃々「よいではないかよいではないか」
P「良くねーっ! 程々にしておかないと、乃々が高熱でうなされてた時の黒歴史をオープンにするぞ、こらっ!」
乃々「えっ!? ま、まだあるんですかっ!?」
21: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:02:51 ID:Hup
P「初級編!体温39度時!
『Pさん……ま、魔王が……魔王が来るんですけどっ……!』」
乃々「初級編からもう天に召されかけてるんですけどっ!?
それ気が付いたら息を引き取ってるパターンですよねっ!」
P「中級編! 体温39度5分!
『お薬は苦手なんですけど。鼻をつまんで、おらっ!飲み込めっ!てプレイか、座薬しか認めないんですけど……』」
乃々「もりくぼは何を言ってるんですかっ!
えっ!? したんですか? ど、どっちを?
流石に後者だと顔から火が出るってレベルじゃないんですけど!」
P「そして上級編!体温は40度に到達!」
乃々「そういえば、さっきので中級レベルなんですかっ!?」
22: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:03:14 ID:Hup
P「『も、もりくぼは……もうダメです……。
も、もし……このままもりくぼが死んでしまったら……その時はPさんのおウチのお墓に入れて欲しいんですけど……』」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「…………」
P「…………」
乃々「……そ、それでPさんは何て答えたんですか?」
P「……ん。そういうのは元気になってから、何十年後かに一緒に選びに行こうな……って」
乃々「……!!」
P「……まぁ、あれだ。一時本当にヤバそうだったけど、無事元気になって何よりだよ」
乃々「…………」
P「ほら、こい。ぎゅって、抱きしめてやるから」
乃々「あっちに行って……ほ、放っておいて欲しいんですけど」
P「はいはい」
ぎゅっ。
P「乃々はあったかいなー」
乃々「まだ熱っぽいだけなんですけど。Pさんの生姜湯を飲んだせいなんですけど」
P「耳まで真っ赤だしなー」
乃々「あうあうあうあう……」
P「じゃあ、お休み。乃々……」
乃々「…………」
乃々「お休みなさい。Pさん」
オモイプロポーズエンド。
23: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:03:43 ID:Hup
翌朝
チュンチュン…
P「ん……。ふぁ、なんか寝心地良くで寝過ぎたかもしれん……な」
佐久間まゆ「うふ。おはようございます。Pさん。
……Pさんの腕の中、暖かいですね」
P「…………」
P「…………」
P「ぎゃあああぁっ!? ま、ま、ままゆっ!? な、なんでまゆが布団の中にっ!?
ていうか、あれっ!? 乃々は? 乃々はどこ行った?」
まゆ「昨日の夜のプロポーズ。まゆ、嬉しかったぁ。信じて……いいんですよね?」
P「な、何がっ!? ていうか、何が起きてるのっ!?」
まゆ「温泉旅行も……楽しみですねぇ♪」
P「乃々ー? 乃々はどこ行ったーっ!?」
まゆ「もう。そんなにジタバタしないで……もう少しお布団の中、二人きりでまどろみましょう?」
P「あ、あの……まゆ? まゆさん? 乃々は……どこに行っちゃったんでしょうか……?」
まゆ「……うふふ」
P「いや、うふふじゃなくて……」
まゆ「Pさん……Pさん♪」
P「ちょ、はなっ……しがみ付かないで……!
いや、本当に……本当に……どうしてこうなったっ!?」
まゆといっしょエンド。
24: 名無しさん@おーぷん 2016/12/15(木)05:04:07 ID:Hup
※乃々はまゆとの同意の上、朝方から押入れの中、ちゃんと暖かい格好で眠っていたそうです。
まゆもいっしょエンド。
転載元:【デレマスSS】森久保乃々「病みくぼは甘やかすべきだと思うんですけど」
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