1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 00:29:26.15 ID:c1gwBT1R0
『──。返事をしてくれよ』
『なぁ……頼むよ……』
『なんで……こんなことに……』
『う、うわぁぁぁぁ!!』
─────
───
─
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 00:30:25.79 ID:c1gwBT1R0
pipipi……
P「はぁ……」
P「またこの夢か……」
P「いい加減……忘れないとな……」
P「って支度しないと!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 00:36:40.20 ID:c1gwBT1R0
───
P「う~ん、今日もティンとくる子がいなかったなぁ」
P「どこかにアイドルの原石はいないものか……」
店員「はい、中ジョッキお待ち!」
P「ありがとうございます! さて、とりあえず飲むとしますか!」
P「ん~! 美味い!!」
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4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 00:40:45.36 ID:c1gwBT1R0
P「しかし、また最近あの夢を見るようになっちゃったな……」
P「吹っ切れたと思ったんだけど……」
「じゃあ生ビールを。中ジョッキでお願いします」
P「え?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 00:55:52.82 ID:c1gwBT1R0
P(うわ~! 綺麗な人だなぁ!)
P(でも……今の声って……)
「では、たこわさを」
P(や、やっぱり……似てる……)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 00:58:23.22 ID:c1gwBT1R0
P「…………」
「ふぅ……美味しい」
P「…………」
「…………」
P「…………」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 01:02:17.26 ID:c1gwBT1R0
「あ、あの……何かご用……でしょうか?」
P「え!?」
「そ、その……さっきからずっと私の方を……」
P「えっと、その、なんというか……あははっ」
P(や、やばい! 思わずガン見しちゃってたか!)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 01:04:57.11 ID:c1gwBT1R0
P(こ、こうなったら!)
P「あ、あの! アイドルに興味ありませんか!?」
「……はい?」
─────
───
─
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 01:25:08.82 ID:c1gwBT1R0
楓「あの時は……本当にびっくりしたんですよ?」
P「いやぁ、面目無いです」
楓「でもまさか同じ事務所だとは思いませんでした。私はモデル部門でしたけれど」
P「僕もですよ……ははっ」
「高垣さーん、お願いしまーす」
楓「私の出番ですね。それでは行ってきます」
P「はい、頑張ってください!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 01:38:45.40 ID:c1gwBT1R0
P(あの日、楓さんをスカウトして以来、二人三脚で頑張っている)
P(非凡な才能を秘めていた彼女は、瞬く間に人気アイドルとなっていった)
P(そのお陰か、最近は日夜仕事漬けの目まぐるしい日々を送っている)
P(あの日の事も忘れるほどに……)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 01:46:08.99 ID:c1gwBT1R0
───
楓「それでは、かんぱ~い!」
P「乾杯! でも飲み過ぎは厳禁ですよ」
楓「は~い♪」
P「本当に分かってるのかな……」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:06:48.01 ID:c1gwBT1R0
P「今日の撮影もバッチリでしたね」
楓「ふふっ、ありがとうございます。でもスポーツしたのなんて久しぶりだから筋肉痛が怖いですね」
P「はははっ」
楓「そういえばプロデューサーは何かスポーツとかやってたんですか? 学生時代とか
に」
P「え? えーと……その高校の時にテニスを……」
楓「わぁ、凄いですね♪ 私は、その……人見知りだったので……何もやっていなくて。羨ましいです」
P「は、ははっ……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:10:32.22 ID:c1gwBT1R0
楓「あ、店員さん。これのお代わりをお願いします」
P「ち、ちょっと飲み過ぎですよ!」
楓「それじゃあプロデューサーに介抱して貰おうかしら。ふふっ」
P「か、楓さん!」
───
─
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:21:11.88 ID:c1gwBT1R0
事務所
楓(今日は焼き鳥と日本酒で……)
楓(あら?)
莉嘉「P君、見て見て! カブトムシだよ☆」
P「うわっ! 俺、虫ダメなんだよっ!」
莉嘉「えー? 可愛いのにー!」
楓(そうだわ……ふふっ)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:27:37.86 ID:c1gwBT1R0
P「ったく……」
楓「P君♪」
P「え!? まっ!?」
楓「?」
P「か、楓さん!」
楓「ふふっ、ちょっと趣向を変えてみました」
P「し、心臓が飛び出るかと……」
楓「そ、そこまで驚くとは思ってなかったです。すみません」
P「あ、いや、謝ることじゃないですよ! ははっ」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:34:54.99 ID:c1gwBT1R0
焼き鳥屋
瑞樹「え? P君の様子がおかしい?」
楓「はい。前に飲みに行った時もそうですし、今日も……」
瑞樹「詳しく話してごらんなさい」
楓「えーと……」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:37:54.66 ID:c1gwBT1R0
瑞樹「それってもしかして……」
楓「わかるんですか?」
瑞樹「非常に言いづらいんだけど」
楓「お、教えてください」
瑞樹「いいの?」
楓「はい」
瑞樹「たぶん……元カノじゃないかしら?」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:45:57.88 ID:c1gwBT1R0
楓「も、元カノ……ですか……」
瑞樹「たぶん、あなたとその子を重ねてるのよ」
楓「…………」
瑞樹「楓ちゃん。あなた、もしかして……」
楓「い、いえ……その……」
瑞樹「私の前でくらい無理しなくてもいいのよ」
楓「そう……ですね……」
瑞樹「気持ちは……わかるわ。そうね、今日はとことん相談に乗るわよ」
楓「ありがとうございます、川島さん」
───
─
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 02:53:19.56 ID:c1gwBT1R0
事務所
楓(あ、頭が痛い……)
楓(でも……はっきりさせないと……)
楓(ここは卯月ちゃんに習って……)
楓「高垣楓、頑張ります!!」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:00:20.18 ID:c1gwBT1R0
ガチャ
楓「…………」
P「楓さん、おはようございます」
楓「お、おはようございます。あ、あの……」
P「はい?」
楓「そ、その……お話があるですけれど……」
P「なんでしょう?」
楓「ここでは……その……」
P「……では屋上へ行きましょうか」
楓「はい……」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:03:10.45 ID:c1gwBT1R0
屋上
P「…………」
楓「…………」
P「それで……話というのは?」
楓「あの……プロデューサーは……その……」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:07:32.73 ID:c1gwBT1R0
楓「私を……誰かと重ねて……見ているんですか?」
P「…………」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:08:25.59 ID:c1gwBT1R0
P「……すみません」
楓「……っ」ズキッ
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:14:52.98 ID:c1gwBT1R0
楓「それは……昔の……彼女さんですか?」
P「……そうです。失礼な事だとはわかっているんですが、時折どうしても」
楓「……私に……似ているんですか?」
P「初めて居酒屋で出会った時は、耳を疑いました」
楓「そう……ですか……」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:18:05.98 ID:c1gwBT1R0
楓「その方は……今は?」
P「事故で……その……」
楓「っ!? ご、ごめんなさい」
P「いえ、いいんです」
楓「で、でも……」
P「もう昔の事ですから」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:23:08.12 ID:c1gwBT1R0
P「本当にすみませんでした。凄い失礼な事ですよね……」
楓「い、いえ……そういう事情とは露知らずに……」
P「もう忘れようと思ってるんですが……」
楓「そ、そんな! いいんですか?」
P「はい。いい加減に現実を見ないと」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:27:51.64 ID:c1gwBT1R0
P「これも……未練がましく残しといても仕方ないよな」
楓(携帯電話? 写真とかかしら……)
楓「……消してしまうんですか?」
P「楓さんに心配をかけるようでは、プロデューサー失格ですから」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:35:47.20 ID:c1gwBT1R0
楓「本当にいいんですか?」
P「はい、大丈夫です。それに」
楓「それに?」
P「サービスも終了してますし」
楓「サービスも……え? サービス?」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:40:09.79 ID:c1gwBT1R0
P「はい、去年の9月には終了していたんですよ」
楓「え? ……え?」
P「え? これの事では無いんですか?」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:42:51.54 ID:c1gwBT1R0
楓「あ、あの~元カノ……というのは?」
P「いやぁ、本当にびっくりしましたよ。楓さんの声が愛花にそっくりだったので」
楓「……愛花?」
P「あ、いや、元カノの名前が高嶺愛花っていうんです」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:51:07.00 ID:c1gwBT1R0
P「前に名前で呼ばれた時は本当に驚きましたよ。同じ呼ばれ方だったので」
楓「は、はぁ……」
P「でもこれはもう必要ありません! 俺には楓さんをトップに導くという使命がありますし!」
楓「あ、あの! 亡くなったというのは?」
P「え? ああ、前に3DSを落とした時にそのまま」
楓「3DS?」
P「紗南が時々やってるやつですよ。二つ折りのやつ」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 03:58:14.87 ID:c1gwBT1R0
P「本当に楓さんのお陰で目が覚めました! ありがとうございます!」
楓「い、いえ……」
P「ラブプラスは現実ではない!」
楓「あ、あともう一ついいですか?」
P「なんでしょうか?」
楓「私をスカウトしたのは……その愛花さんに似ていたからですか?」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 04:03:32.36 ID:c1gwBT1R0
P「いえ、声を聞いた時は驚きましたが、実際は一目惚れだったと思いま……あっ」
楓「…………」カァ
P「あ、その、今のは忘れてください!」
楓「……嫌です♪」
P「ち、ちょっと楓さん! 待ってください! 楓さーん!」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/18(木) 04:10:06.62 ID:c1gwBT1R0
楓(思わぬライバルでしたけど……私は負けません)
楓(今度は……ずっと……私だけを見ていてくださいね)
楓「オッス、楓だよ♪ なーんて、ふふっ」
終わり
コメント
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以前765Pとジュピターがラブプラスにハマるssあったの思い出した
だが、あの瞬間は間違いなくラブプラスは現実だった