美奈子「今日もこれからレッスンだよね？ ご飯食べた？」

杏奈「動く前に食べるの、苦手……」

美奈子「消化に良いものなら大丈夫。屋上にバナナが生えてるから採ってくるね」

P「え、あの屋上農園バナナ生えてんの？」

美奈子「アボカドやナッツも採れますよ」

P「随分カ口リーに主眼を置いた農園だな」

美奈子「はい杏奈ちゃん、バナナ食べて」

杏奈「……ありがとう、ございます」ﾓｽﾓｽ

美奈子「しっかり身体を作るためには運動した後すぐにご飯を食べることが大切だよ。沢山作って待ってるからね」

P「それはタンパク質であってカ口リーじゃない気がする」

杏奈「……あんまり沢山は、無理かも……」

美奈子「大丈夫、食べやすくて消化に良いものを用意するよ」

美奈子「チャーハンとか」

P「ギトギトじゃねぇか」

美奈子「それと、寝ている間にホルモンが分泌されるから、寝る前にある程度食べておくことも大切だよ」

杏奈「ゲームしてる時は……集中してるから、あんまり食べない……」

美奈子「じゃあ食べやすいお粥とかが良いね」

P「炭水化物以外の料理知らない人？」

美奈子「とにかく、このままだと杏奈ちゃんが痩せすぎて心配です！これからは私が杏奈ちゃんの食生活をお世話します！いいですね！？」

杏奈「ん、体力つくのは嬉しい……けど、太るのはやだ……」

P「全くもって正論。低脂質高タンパクの食生活とかにできないか？」

美奈子「カ口リーややマシ、タンパク激マシってことですか？」

P「全てを増やす方向で考えるな」

杏奈「杏奈、美奈子さんのこと、信じてるよ……？」

P「まぁ杏奈は体力面が課題だし、やり過ぎなければ……」

美奈子「わっほーい！ 杏奈ちゃんがレッスンしてる間に、献立を考えておきますね！」

こうして美奈子による杏奈の食生活指導が始まった

美奈子「杏奈ちゃん、朝ごはんは大切だよ！たくさん食べるのは難しくてもせめて少しは食べようね！マーラーカオ持っていってね！」

杏奈「……１個なら」

美奈子「うんうん。まずは1個で大丈夫。もし行けそうだと思ったら食べられるように10個持たせてあげるね」

杏奈「……はい」

翌日、劇場

杏奈（お腹空いたら食べようと思っていたら、劇場着いちゃった……）

杏奈（せめて1個でも食べよう）ﾓｿﾓｿ

可奈「おっはようございま～す♪ はれっ、杏奈ちゃん何食べてるの！？」

杏奈「美奈子さんから、もらった……。沢山あるから、食べる……？」

可奈「えー！いいの！？ わーい、美味しい～♪」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

ある日

美奈子「レッスンの後はいっぱい食べないとね！フルコースだよ！」ﾊﾞｰﾝ

杏奈「これ、ひとり分……？」

美奈子「うん！ゆっくりよく噛んで食べてね。じゃあ私はレッスン行ってくるね！」

杏奈「いただき、ます……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

杏奈「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

亜利沙「ふぉぉぉぉ！！なんですかこの巨大な中華テーブルと満漢全席！？ そして巨大な食事を前にちょこんと座る可憐な美少女は杏奈ちゃん！ まるで小さな女の子が巨大な武器を持っている時のようなアンバランスなギャップ！これは！映えという概念の顕現そのもの！まるでﾑｸﾞｯ」


杏奈「亜利沙……うるさい……」

亜利沙「ひぃ～！杏奈ちゃんからあーんして貰えるなんて！卒倒ものの大サービスですよぉ！あ、これ美味しいですねﾑｸﾞｯ」

杏奈「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

亜利沙「むぐむぐ、あの、杏奈ちゃん。ペースがちょっとはやﾑｸﾞｯ」

杏奈「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

亜利沙「むごご、あんなちゃ、ﾑｸﾞｯ」

またある日

美奈子「今日のレッスンはハードだったね。食べやすいように卵がゆを作ったよ」

杏奈「ありがとう、ございます……」

杏奈「……あの、別の場所でゲームしながら、食べても良い……？」

美奈子「うん、もちろん！」

杏奈「……」ﾃｸﾃｸ

ロコ「ウーン、全体のフォルムバランスが……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ


杏奈「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ロコ「オーソライズ……ディスカッション……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

杏奈「……」ｽｯ

ロコ「もごもご……サーベイランス……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

杏奈「……」ｽｯｽｯ

ロコ「もぐもぐ……デリシャス……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

杏奈（楽しい……）

P「2週間経ったけど調子はどうだ？食べすぎてお腹痛くなったりしてないか？」

杏奈「……ん。杏奈、少し体力ついた気がする……」ﾌﾝｽ

P「よーし偉いぞ。体型もそこまで変わってない気がするし……ん？」

可奈「えへへ～。また杏奈ちゃんにオヤツもらっちゃった～♪」

亜利沙「むふふ……杏奈ちゃんから毎日アーンしてもらえるなんて幸せですぅ……」

ロコ「？？？ 最近ストマックがハードです……」

P「なんか……全体的にふっくらしてないか？」

杏奈「そう、かな……？美奈子さんのおかげ……？」

P「ん？それはどういう……」

美奈子「プロデューサーさん！大変です！」ﾊﾞｰﾝ

P「嫌な予感」

美奈子「杏奈ちゃんが（相対的に）痩せてます！」

P「やめてあげて」



おわり