沙紀「でもまあ、アタシも櫂くんと結婚はしたいっすねー。きゃっ」

P「そんな言っちゃった、みたいなリアクションとられても困る」

こずえ「すこやかなるときも、やめるときも」

櫂「誓いまーす」

沙紀「誓うっす」

P「軽っ。っていうか、両親の許可が……」

櫂「取ったよ」

P「はやっ」

櫂「電話でね」

P「ははーん、さては電話口で相手の性別を伏せたな？」

沙紀「お見事っす」

こずえ「せいかいしゃにはくしゅー」

P「ありがとう、でも今それどころじゃないんだわこずえ」

櫂「というわけで、あたし達結婚するから」

沙紀「そしてこずえちゃんを養子にするっす」

P「待って何か増えたよ。まあどうせこずえのご両親にも電話で確認済みなんだろ？」

沙紀「直接会ったっすよ」

P「仕事早いな。その能率を少しでも俺に分けてくれ」

櫂「お二人にならこずえを任せられますって、泣きながら喜んでた」

P「お、おう。……だがファンが何て言うかな」

千川ちひろ「問題無さそうですよ」

P「悪m……ちひろさん」

ちひろ「今月あんたん無しですね。そんな事より、これがスペーススタイルユニットの評判です」

『まるで核家族を見ているかのような安心感。この一家に加わりたい』

『櫂義母さん、沙紀義母さん。こずえちゃんを僕に下さい』

『もう結婚しろ』

『スペーススタイルは核家族。復唱』

『スペーススタイルは核家族』

『スペーススタイルは核家族』

『スペーススタイルは核家族』

ちひろ「……とまあ、こんなところで」

P「……櫂、沙紀、こずえ」

沙紀「？」

P「これから幸せにな」

櫂「はーい♪」

こずえ「ありがとうなのぉー」

こうして346プロのアイドル名簿から西島櫂と遊佐こずえの名が消え、新たに吉岡櫂と吉岡こずえが加わった。

真に家族となった3人の人気はうなぎ登りとなり、彼女らのファンは通称『親戚のおじさん』と呼ばれるようになっていった。

しかし、この輝きの裏に、小さな哀しみが2つ。

持田亜里沙「ひどいわ櫂ちゃん！ 櫂ちゃんとの間に生まれたこの子はどうなるの！？」


ウサコ「オギャーウサ、オギャーウサ」

P「亜里沙、ウサコは櫂が来る前から持ってたよな？」

愛野渚「こっちだって、櫂ちゃんとの間に生まれたこの子をどうすればいいってのさ！？」


バスケットボール『オギャーダムダム、オギャーダムダム』

P「そりゃ無茶だ渚、やめとけ」

おわり