1: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:37:05.21 ID:HFtgG5NG0
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「はい、はーいっ!! 呼ばれて飛び出てじゃじゃんのじゃんっ! みんな大好き、あっかねちゃんだよーっ!!」
P「…………」
野々原茜(以下茜)「いやー、なになになになになんの用~? あっ、もしかして、この前プロちゃんにお願いした、 『世界の茜ちゃん人形展』の話が実現に向けて動きだしたとか、そういう嬉しいお知らせかな?」
P「いや、違う。そんな計画は一欠けらも動いとらん。茜? ひーのーあーかーねーっ!?」
バターンッ!!
日野茜(以下茜)「今っ! 溢れ出る若さという名の情熱を燃やして日野茜が事務所にトラァーーイッ! 呼びましたかっ!? プロデューサー!!」
「はい、はーいっ!! 呼ばれて飛び出てじゃじゃんのじゃんっ! みんな大好き、あっかねちゃんだよーっ!!」
P「…………」
野々原茜(以下茜)「いやー、なになになになになんの用~? あっ、もしかして、この前プロちゃんにお願いした、 『世界の茜ちゃん人形展』の話が実現に向けて動きだしたとか、そういう嬉しいお知らせかな?」
P「いや、違う。そんな計画は一欠けらも動いとらん。茜? ひーのーあーかーねーっ!?」
バターンッ!!
日野茜(以下茜)「今っ! 溢れ出る若さという名の情熱を燃やして日野茜が事務所にトラァーーイッ! 呼びましたかっ!? プロデューサー!!」
2: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:38:07.87 ID:HFtgG5NG0
P「うん呼んだ。その手に持ったボールを置いたら、こっち来て俺の話を聞いてくれ」
茜「ちょ、ちょっとちょっと! 茜ちゃんを無視しないで~!」
P「無視もなにも、初めっからお前は呼んでない。俺は今から仕事の話で忙しくなるから、ほら、あっち行って他の子に構ってもらいなさい。ね?」
茜「むむむっ! そういう事を言われると、是が非でも構ってもらわないと茜ちゃんの腹の虫がおさまんないなぁー。 せめて一撫で、スキンシップって大事だよ? ね? ねっ!」
茜「腹の虫……お腹が空いてるんですね茜ちゃん! それは大変です! お腹が空いてちゃ力が出ない! 元気が出ないと頑張れないっ! 良ければ私がお昼に食べようと持ってきていた、おにぎりがここに!」
サッ
茜「えっ!? いや、別にお腹が空いてるってわけじゃ、ないけど……」
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3: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:39:26.09 ID:HFtgG5NG0
茜「いえいえ遠慮なんてせずに、どうぞ召し上がってください!」
茜「えぇ……?」
茜「さあ! さあさあさあさあさあっ!!」
ひょい
通りすがりの美希「茜が食べないなら、このおにぎりは美希が貰っていくの! ありがとっ、茜!」
すたすたすた
日野「……おやぁ?」
野々原「……どっから?」
P「……オチが付いたところで、いい加減話を始めても大丈夫か?」
4: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:40:36.96 ID:HFtgG5NG0
茜「あっ、はいっ! いつでもバッチリ、どんと来い! です!」
P「よし、それじゃあ……」
茜「いやいやいや、待って待って! プーローちゃーんー! 一回、一回だけなでなでしてよー!」
P「お前もホントしつこいやっちゃなー。ほら、なでなでなで……」
茜「……んー、茜ちゃん的にはこのなでなではいまいち。面倒くさそうに撫でてるのが丸わかりだから、30点ってとこかな?」
茜「そうですよプロデューサー! どんな事でも全力投球! 私にもいつだって、そう言ってるじゃないですか!そんな気の抜けたなでなでは、例え茜ちゃんが許しても、この日野茜が許せませんっ!!」
茜「うんうんまったくその通り。あの『いつでも全力!』日野茜ちゃんをプロデュースしてるっていうのに、当のプロちゃんがこんなにやる気のない大人だったなんて。同じプロデュースされてる身としても、茜ちゃんがっかりだよ!」
5: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:41:28.69 ID:HFtgG5NG0
P「だぁぁっいっぺんに喋るな紛らわしいなっ! だからお前は呼んどらんと、初めから言うとろーがっ!! これ以上人の仕事の邪魔をしようって言うんなら、今からでもレッスン室送りにしてやるぞっ!?」
茜「ひ、酷い! 横暴だ! 職権乱用だ! ここのアイドルをまとめるリーダーとしての立場から言わせてもらうけど、それはいわゆる『パワハラ』って奴だよプロちゃん!」
P「待て待て待て、お前はいつからウチのリーダーになった!?」
茜「そうです! 見損ないましたよプロデューサー! そんな、アイドルに対してセクハラだなんてっ!」
P「茜も茜で勘違いが過ぎる! セクハラじゃなくてパワハラ! パワーハラスメント!」
茜「どっちにしたってハラスメントじゃないですか!」
6: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:42:23.65 ID:HFtgG5NG0
茜「そうだそうだ! ここはプロちゃんを、いや、事務所を相手取って裁判も辞さない覚悟でアイドル達の人権を守るとき!だから訴えられたくなかったら、茜ちゃんの頭をしっかりとなでなですることを要求する!」
P「ぬぁぁぁぁっ!! めんっどくせぇっ!!」
なでなでなでなでわしゃわしゃわしゃわしゃ……っ!!
茜「ふ、ふみゃあっ!!」
P「おらっ! これでいいんだろこれでっ!! これが良いんだろーがっ!!」
茜「ふぇっ、ふみゅう……!!」
P「まだか!? まだなでなでが足りねーかちくしょうっ! おらおらおらおらっ!!」
茜「…………」
茜「はひゅひゃひゅひゅ……!」
P「ぐへへへ、この俺のなでなでスキルは超一流。なんつったって日頃から年少組を初めとして 星の数程の頭を撫でて鍛えてあるからなぁ? どうだ? 気持ちいいかこの撫でられたがりジャンキーがぁっ!!」
7: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:43:16.03 ID:HFtgG5NG0
――しかし、野々原茜は気づいてしまった。
錯乱のために撫でまわす対象を取り違え、目の前に立つ「日野茜」の頭を一心不乱に撫でまわすPの後ろに迫る黒い影……。
天使の微笑むをたたえながらPに近づくその人物の、放つオーラは鬼か悪魔か。
ちひろ「一体全体、なぁにをしてるんですか? プロデューサーさん?」
P「何って……見て分からんのですか? この生意気なアイドルを大人しくさせようと、 俺が本気の『なでなで』ってやつを……あ、あれ? ちひろさんっ!?」
ちっひ「本気のなでなで……茜ちゃんへのセクハラが、ですか?」
P「せ、セクハラって、俺は茜の奴が撫でろってしつこいから頭を撫でてた……だけ……で」
8: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:44:29.62 ID:HFtgG5NG0
瞬間、Pは自分のしでかした「ヘマ」のデカさをようやく理解した。
Pの本気の「なでなで」により頬を上気させ、とろけるような恍惚の表情を晒す日野茜と、
そんな自分たちの様子を一歩下がった位置から眺める野々原茜。
そして、今まさにとなりに立つ千川ちひろの手には、しっかりとコードレス電話の受話器が握られていて。
ちひろ「通報、しましょ?」
にこりと微笑む千川ちひろ。そんな彼女に必死の弁明を行うプロデューサーの後姿。
床には呆けた日野茜が座り込み、その奥ではソファに転がったままで美希が律子に叱られて……いや、これは関係ない。
9: ◆Xz5sQ/W/66 2016/04/22(金) 18:45:15.55 ID:HFtgG5NG0
茜「おぉう、あのヒノッチが骨抜きに……プロちゃんの撫でテク、なんて恐ろしい子っ!」
P「呑気に冗談言ってないで、お前からもちゃんと説明してくれって! 茜っ! あーかーねーっ!!」
茜「ふにゃふにゃ……と、とらぁい……」
茜「以上、『実録事務所事件簿、茜ちゃんは見た!』でした。それではみなさん、さよーならー……撤収っ!」
P「あっ! こらっ! 逃げるんじゃないっ!!」
ガシッ!
ちひろ「Pさんこそ、どこに行こうっていうんですか?」
P「誤解、誤解なんだあぁぁぁーっ!!」
そして事務所に響く男女の悲鳴とお説教の大雷。ほーんと、口は禍の元。
皆はこんなことが起きないように、デレマスとミリオンの取り扱いには注意だぞ! 茜ちゃんとの、お約束ー!
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