1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:38:47.89 ID:r1ZfOxyNo
事務所―――
がちゃっ
李衣菜「戻りましたー」
李衣菜「って、あれ?」キョロキョロ
李衣菜「……誰もいないのかな」トテトテ
「――♪」
李衣菜「! ……歌?」
音葉「~~~♪~~~♪」
李衣菜「あ……音葉さんだ」
がちゃっ
李衣菜「戻りましたー」
李衣菜「って、あれ?」キョロキョロ
李衣菜「……誰もいないのかな」トテトテ
「――♪」
李衣菜「! ……歌?」
音葉「~~~♪~~~♪」
李衣菜「あ……音葉さんだ」
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:41:34.28 ID:r1ZfOxyNo
――夜空を翔る流れ星を今
見つけられたら何を祈るだろう?
旅立つ君と交わした約束
心の中にいつもある――
音葉「――ふぅ……」
ぱちぱちぱち……
音葉「!」クルッ
李衣菜「あ、ごめんなさい。驚かせちゃいました?」
音葉「李衣菜ちゃん……帰ってきてたのね。お疲れさま……」
李衣菜「はい、お疲れさまですっ。音葉さん、やっぱり綺麗な歌声ですね」
見つけられたら何を祈るだろう?
旅立つ君と交わした約束
心の中にいつもある――
音葉「――ふぅ……」
ぱちぱちぱち……
音葉「!」クルッ
李衣菜「あ、ごめんなさい。驚かせちゃいました?」
音葉「李衣菜ちゃん……帰ってきてたのね。お疲れさま……」
李衣菜「はい、お疲れさまですっ。音葉さん、やっぱり綺麗な歌声ですね」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:43:43.85 ID:r1ZfOxyNo
音葉「ふふ……ありがとう」
李衣菜「私、今の歌聴いたことあります。私も好きですよ」
音葉「本当……?」
李衣菜「たとえ離ればなれでも、いつも心は繋がってる、見守ってる……そういう歌ですよね?」
音葉「ええ……。事務所で独り、こうして座っていたら……ふと寂しくなって」
音葉「……けれど……心と心が響き合えば、きっと美しい旋律が生み出せるはず、って……」
音葉「そう想いを込めて、歌ったの」
李衣菜「私、今の歌聴いたことあります。私も好きですよ」
音葉「本当……?」
李衣菜「たとえ離ればなれでも、いつも心は繋がってる、見守ってる……そういう歌ですよね?」
音葉「ええ……。事務所で独り、こうして座っていたら……ふと寂しくなって」
音葉「……けれど……心と心が響き合えば、きっと美しい旋律が生み出せるはず、って……」
音葉「そう想いを込めて、歌ったの」
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4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:45:53.56 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「ふふ。音葉さん、なんだか詩人みたいです」
音葉「あら、そうかしら……」
李衣菜「ただ……つまり、音葉さんが言いたいことって」
音葉「なぁに?」
李衣菜「単にお留守番を頼まれた、ってことですよね?」
音葉「……そうとも言うわ」クスッ
音葉「あら、そうかしら……」
李衣菜「ただ……つまり、音葉さんが言いたいことって」
音葉「なぁに?」
李衣菜「単にお留守番を頼まれた、ってことですよね?」
音葉「……そうとも言うわ」クスッ
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:47:47.20 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「どうせPさんでしょ? あの人ったら、平気で女の人を一人にしちゃうんだから!」
音葉「ふふ……私は気にしてないけれど」
李衣菜「少しは気にした方がいいですよ?」
音葉「Pさんが私を頼りにしてくれてる証拠だもの……期待には応えたいわ」
李衣菜「頼りにしてる、って言うのかなぁ……」
音葉「李衣菜ちゃんだって……Pさんに頼まれたら、断れないでしょう?」
李衣菜「…………。それは、そうですけど」プイッ
音葉「ふふ……私は気にしてないけれど」
李衣菜「少しは気にした方がいいですよ?」
音葉「Pさんが私を頼りにしてくれてる証拠だもの……期待には応えたいわ」
李衣菜「頼りにしてる、って言うのかなぁ……」
音葉「李衣菜ちゃんだって……Pさんに頼まれたら、断れないでしょう?」
李衣菜「…………。それは、そうですけど」プイッ
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:49:28.59 ID:r1ZfOxyNo
音葉「ふふふっ……」
李衣菜「わ、笑わないでくださいよっ」
音葉「くすっ……ごめんね。李衣菜ちゃん、可愛いんだもの」
李衣菜「なっ、私は――!」
音葉「ロックなんです……かしら?」クスクス
李衣菜「ぁ、うぅぅっ! 音葉さんの意地悪!」
音葉「ふふ、あはは……」
李衣菜「わ、笑わないでくださいよっ」
音葉「くすっ……ごめんね。李衣菜ちゃん、可愛いんだもの」
李衣菜「なっ、私は――!」
音葉「ロックなんです……かしら?」クスクス
李衣菜「ぁ、うぅぅっ! 音葉さんの意地悪!」
音葉「ふふ、あはは……」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:51:17.62 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「むぅー」ムスー
音葉「許して……ね、李衣菜ちゃん」
李衣菜「まるでPさんみたいですっ、私のことからかって!」
音葉「ごめんなさい……」ナデナデ
李衣菜「つーん」
音葉「どうしたら許してくれるかしら……」
李衣菜「どうしよっかなー……あ、そうだ」
李衣菜「音葉さん。……歌い方、教えてくれませんか?」
音葉「……歌い方?」
音葉「許して……ね、李衣菜ちゃん」
李衣菜「まるでPさんみたいですっ、私のことからかって!」
音葉「ごめんなさい……」ナデナデ
李衣菜「つーん」
音葉「どうしたら許してくれるかしら……」
李衣菜「どうしよっかなー……あ、そうだ」
李衣菜「音葉さん。……歌い方、教えてくれませんか?」
音葉「……歌い方?」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:54:43.93 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「はい。音葉さんみたいな、綺麗で透き通った声……羨ましくて」
李衣菜「音楽……私も大好きだから。もっともっと、魅力的に歌いたいんです」
音葉「……李衣菜ちゃん……」
李衣菜「お願いします、音葉さん」
音葉「……あなたは、もう既に……素晴らしい音色を奏でているわ。自信を持って?」
李衣菜「へへ、ありがとうございます。でも……」
李衣菜「私は、今の私に満足なんてしてませんから!」
音葉「……!」
李衣菜「音楽……私も大好きだから。もっともっと、魅力的に歌いたいんです」
音葉「……李衣菜ちゃん……」
李衣菜「お願いします、音葉さん」
音葉「……あなたは、もう既に……素晴らしい音色を奏でているわ。自信を持って?」
李衣菜「へへ、ありがとうございます。でも……」
李衣菜「私は、今の私に満足なんてしてませんから!」
音葉「……!」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:56:43.44 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「ずっと遠くまで、ずっと高いところまで行きたいんです」
李衣菜「今よりもたくさんのファンを魅了して、頂点まで行きたい……絶対に!」
李衣菜「それなのに、妥協なんてかっこ悪いじゃないですか。ねっ?」
音葉「……そうね。李衣菜ちゃんは、本当に綺麗な心を持っている……」
音葉「どんなに時が経っても、決して曇らない……柔らかで、でも芯のある心を……」
李衣菜「そ、そう言われると、なんだかむず痒いです……」
音葉「ふふ……。いいわ、一緒に奏でましょうか。私たち二人の旋律を」
李衣菜「今よりもたくさんのファンを魅了して、頂点まで行きたい……絶対に!」
李衣菜「それなのに、妥協なんてかっこ悪いじゃないですか。ねっ?」
音葉「……そうね。李衣菜ちゃんは、本当に綺麗な心を持っている……」
音葉「どんなに時が経っても、決して曇らない……柔らかで、でも芯のある心を……」
李衣菜「そ、そう言われると、なんだかむず痒いです……」
音葉「ふふ……。いいわ、一緒に奏でましょうか。私たち二人の旋律を」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 22:59:02.24 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「ホントですかっ?」
音葉「ええ。……その代わり……」
李衣菜「はい?」
音葉「私の心も、響かせて。……あなたのいいところ、私にも分けてくれる?」
李衣菜「……えへへ! はい、もちろんです!」ニコッ
音葉「ふふ、よかった……」ニコ
音葉「ええ。……その代わり……」
李衣菜「はい?」
音葉「私の心も、響かせて。……あなたのいいところ、私にも分けてくれる?」
李衣菜「……えへへ! はい、もちろんです!」ニコッ
音葉「ふふ、よかった……」ニコ
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:01:20.60 ID:r1ZfOxyNo
―――
――
―
李衣菜「……遅いですね、Pさん」
音葉「そうね……どうしたのかしら。簡単な用事だって言ってたのに……」
李衣菜「連絡くらいしてくださいよ、Pさん……」
音葉「……心配?」
李衣菜「そりゃ、まぁ……。いやでも、少し! ちょっぴりだけですよ!」
音葉「素直じゃないのね……。さしづめ、感情の不協和音?」
李衣菜「……もう、またからかうんだからっ」プクー
――
―
李衣菜「……遅いですね、Pさん」
音葉「そうね……どうしたのかしら。簡単な用事だって言ってたのに……」
李衣菜「連絡くらいしてくださいよ、Pさん……」
音葉「……心配?」
李衣菜「そりゃ、まぁ……。いやでも、少し! ちょっぴりだけですよ!」
音葉「素直じゃないのね……。さしづめ、感情の不協和音?」
李衣菜「……もう、またからかうんだからっ」プクー
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:03:18.90 ID:r1ZfOxyNo
音葉「李衣菜ちゃんは分かりやすいから……」ナデナデ
李衣菜「どうせ私は単純ですよーだ」
音葉「私も不安よ……彼がいないと、途端に調律が狂ってしまう」
音葉「でも……大丈夫。信じてるもの……それだけで充分」
李衣菜「信じてる、かぁ……なんか、音葉さんってかっこいいです」
音葉「そう? ……ただのお留守番だけどね……ふふ」
李衣菜「あは、そういえばそうでしたね」
李衣菜「どうせ私は単純ですよーだ」
音葉「私も不安よ……彼がいないと、途端に調律が狂ってしまう」
音葉「でも……大丈夫。信じてるもの……それだけで充分」
李衣菜「信じてる、かぁ……なんか、音葉さんってかっこいいです」
音葉「そう? ……ただのお留守番だけどね……ふふ」
李衣菜「あは、そういえばそうでしたね」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:06:17.44 ID:r1ZfOxyNo
音葉「…………。Pさんって……不思議な人よね」
李衣菜「どうしたんですか? 急に」
音葉「Pさんを……彼の優しい声音を思い出すと、力が湧いてくる……」
音葉「どんなことも出来てしまう……そんなふうに思えるの。李衣菜ちゃんも……そうじゃない?」
李衣菜「……確かに、そうかもしれませんね」
李衣菜「ライブ前とか、緊張してる時に必ず声をかけてくれますし。……すごく安心します」
音葉「ええ……本当に不思議」
李衣菜「どうしたんですか? 急に」
音葉「Pさんを……彼の優しい声音を思い出すと、力が湧いてくる……」
音葉「どんなことも出来てしまう……そんなふうに思えるの。李衣菜ちゃんも……そうじゃない?」
李衣菜「……確かに、そうかもしれませんね」
李衣菜「ライブ前とか、緊張してる時に必ず声をかけてくれますし。……すごく安心します」
音葉「ええ……本当に不思議」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:08:31.42 ID:r1ZfOxyNo
李衣菜「あんまり本人には言えないかも……照れくさいです」
音葉「ふふっ、そうね……ここだけのお話にしましょう」
李衣菜「はいっ。Pさんには秘密です!」
音葉「秘密の調音……ね。ふふふ」シーッ
李衣菜「えへへ♪」シーッ
―――
――
―
音葉「ふふっ、そうね……ここだけのお話にしましょう」
李衣菜「はいっ。Pさんには秘密です!」
音葉「秘密の調音……ね。ふふふ」シーッ
李衣菜「えへへ♪」シーッ
―――
――
―
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:09:57.72 ID:r1ZfOxyNo
―――
がちゃっ
P「ただいま戻りましたー」
李衣菜「あー、ようやく帰ってきた!」
音葉「お帰りなさい、Pさん……」
P「あぁ、ただいま音葉……と李衣菜? お前も戻ってたのか」
李衣菜「もうとっくですよ! まったく、どこほっつき歩いてたんですか?」
P「いや、渋滞に引っかかっただけだけど……」
音葉「よかった。なにか、事故に巻き込まれたのかと……」
がちゃっ
P「ただいま戻りましたー」
李衣菜「あー、ようやく帰ってきた!」
音葉「お帰りなさい、Pさん……」
P「あぁ、ただいま音葉……と李衣菜? お前も戻ってたのか」
李衣菜「もうとっくですよ! まったく、どこほっつき歩いてたんですか?」
P「いや、渋滞に引っかかっただけだけど……」
音葉「よかった。なにか、事故に巻き込まれたのかと……」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:12:22.17 ID:r1ZfOxyNo
P「あー……ごめん、心配かけたな」
李衣菜「わ、私は別に……」
音葉「李衣菜ちゃん……ずっとそわそわしてましたよ」
P「はは、ありがとな李衣菜、心配してくれて」
李衣菜「ちょっと音葉さーん!?」
音葉「やっぱり李衣菜ちゃん、可愛い……」クスクス
李衣菜「やめてくださいってばー!」
李衣菜「わ、私は別に……」
音葉「李衣菜ちゃん……ずっとそわそわしてましたよ」
P「はは、ありがとな李衣菜、心配してくれて」
李衣菜「ちょっと音葉さーん!?」
音葉「やっぱり李衣菜ちゃん、可愛い……」クスクス
李衣菜「やめてくださいってばー!」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:14:21.47 ID:r1ZfOxyNo
P「なんか、仲良くなったな?」
音葉「ふふ、はい……今日は二人きりでしたから」ナデナデ
李衣菜「うー、私ってことあるごとにイジられてる気がする……」
P「李衣菜はイジられキャラだからな」
李衣菜「早急に! 早急にプロデュース方針を変えてください!」
P「えー」
音葉「……えー」
李衣菜「えー! 音葉さんまで!?」
音葉「ふふ、はい……今日は二人きりでしたから」ナデナデ
李衣菜「うー、私ってことあるごとにイジられてる気がする……」
P「李衣菜はイジられキャラだからな」
李衣菜「早急に! 早急にプロデュース方針を変えてください!」
P「えー」
音葉「……えー」
李衣菜「えー! 音葉さんまで!?」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/23(金) 23:31:08.97 ID:kil7If8lo
音葉「ふふっ♪」
李衣菜「もう! いーですよ、私はこれくらいじゃへこたれませんから!」
音葉「頑張ってね」ポフポフ
李衣菜「……子供扱いされてる気が……」
音葉「…………。……そんなことないわ」
李衣菜「なぞのま! 今なぞのまがありましたよ!」
P「…………」ニコニコ
李衣菜「もう! いーですよ、私はこれくらいじゃへこたれませんから!」
音葉「頑張ってね」ポフポフ
李衣菜「……子供扱いされてる気が……」
音葉「…………。……そんなことないわ」
李衣菜「なぞのま! 今なぞのまがありましたよ!」
P「…………」ニコニコ
20: なんかWi-Fi調子悪いからID変わる 2013/08/23(金) 23:35:29.47 ID:kil7If8lo
音葉「あら、Pさん……どうしました?」
P「いや、短い間にこんなに仲良くなるなんてさ。なにがあったのかと思って」
李衣菜「……えへへ」
音葉「……ふふ」
P「あれ、教えてくれない感じか?」
李衣菜「へへ、それは――」
音葉「私たちだけの――」
「秘密、です♪」
おわり
P「いや、短い間にこんなに仲良くなるなんてさ。なにがあったのかと思って」
李衣菜「……えへへ」
音葉「……ふふ」
P「あれ、教えてくれない感じか?」
李衣菜「へへ、それは――」
音葉「私たちだけの――」
「秘密、です♪」
おわり
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