1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 01:46:54.20 ID:PMbfa3WH0
モバP「んなことねーよ! ウチにはお姫様が2人もいるんだかんな! 妻と、娘がな!」
幸子「……ふふーん! カワイイボクの機微をわからない貴方の言う事なんて、信じられませんね!」
幸子「大体、娘さん今年5歳でしょう? だったら、まだ両親に甘えたい盛り……そりゃ慕ってない方がおかしいでしょう!」
モバP「ハッ! 大体、機敏だのなんだの言う前に、少しはトレーニング強化案でもして実力を上げろってんだ!」
幸子「む! な、なんですか! カワイイボクには、そんな……」
モバP「だが、負けたんだろう? この前のフェス」
幸子「う……」
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 01:49:42.74 ID:PMbfa3WH0
幸子「あ、アレは……その……」
モバP「幸子よぉ……俺にはわかる。お前は馬鹿じゃねぇ。負ける前は確かに驕っていた……だが、お前は改善点に既に気付いている! そうだろう!?」
幸子「そ、そうです! 歌唱力も……踊り続けるためのスタミナも……まだまだ、足りなかった……!」
モバP「応、ちゃんと意味のある敗北だったわけだ……だが、お前は今、機敏だとかなんだとか理由を付けて、前に進めないでいる!」
幸子「くぅ……!」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 01:52:51.68 ID:PMbfa3WH0
モバP「幸子……俺はおめぇを、トップアイドルに足る人材だと確信している……そのカワイイ発言は、決して過言ではないとな」
幸子「そ、そんなことは当然です! 言うまでもなく!」
モバP「だがなぁ……それこそさっきの例を出せば、無条件にカワイさに気付いてくれるのは、基本的に肉親しかいねぇ!」
モバP「あのフェスは、宣伝等の戦略は事前ルールとして差を付ける事が出来なかった……そしておめぇは同じ条件で! 実力で! 他のアイドルに負けた!」
モバP「ファンに……いや! 『輿水幸子』を知らない人に、そのカワイさを届けるには……まだ、てめぇの土台が足りてねぇ!」
幸子「……ぅ……」プルプル
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4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 01:53:35.82 ID:PMbfa3WH0
モバP「幸子……おめぇが不安になるのもわかる。なんせ、お前はスタートダッシュがうまく決まった方だからな……躓いたダメージがでかいのもな……」
モバP「だが、ここでお前は実りある挫折をしれたんだ……これはでけぇぜ! 一度折れてから立ち直った人間は、強い!」
モバP「だからよう……ここでいっちょ、もう一度立ってみねぇか? アイドルとして……新生する『輿水幸子』を……俺を含めた皆に、見せつけてやらねぇか?」
幸子「…………やっぱり、わかってない……」ゴシゴシ
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 02:00:50.67 ID:PMbfa3WH0
モバP「あん? 何がだよ?」
幸子「……プロデューサーさん、まさかそんな調子で娘さんに接してるわけじゃないでしょうね?」
幸子「何と言うか……息子に接しているような感じですよ、今のは……」
モバP「心配すんな! ちゃんと使い分けてる……お前には、この息子式励まし方法が有効と思ったからやっただけだ!」
幸子「息子扱いしないでください! デビュー当初、男の娘疑惑があったの、本気で嫌だったんですからね!」ムキーッ!
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 02:02:45.38 ID:PMbfa3WH0
幸子「あーもう……なんだか、落ち込んでるのが馬鹿らしくなっちゃいました……ちょうど時間ですし、レッスンに向かいますね!」
幸子「そうです……ボクのカワイさを知らしめるためにも、こんなところで立ち止まってはいられません!」
モバP「応! そのいきだ! 今日からマスタートレーナーさんに頼んどいたからきびしくなるぜぇ! 地獄の特訓メニュー、やり遂げてこい!」
幸子「……え”」
モバP「……カワイさを知らしめるためにも、立ち止まっていられないんだろう?」ニヤリ
幸子「は……諮りましたね! プロデューサーさん!」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 02:05:27.23 ID:PMbfa3WH0
モバP「いんや? ちゃんと事前に伝えたぜ? 落ち込んでて聞き逃したんじゃないか?」
幸子「くぅぅぅぅ……!! ああもう、イイですよ! お望み通り、その地獄なんたら、正面突破してやろうじゃないですかコンチクショー!」
マストレ「その言葉を待っていた!!」
幸子「はっ……マスタートレーナーさん!?」
マストレ「プロデューサーから話は聞いた……本来は、もう少し実力を付けた子を見るのだがな……」
幸子「ふふーん! そんな危惧……ボクの成長力で吹き飛ばして差し上げます!」
マストレ「ほう……すっかり心に火がともった様だな……面白い、ついてこい!」
幸子「はい! それじゃあ、行ってきますね! プロデューサーさん! 成長したボクを見て……腰を抜かさないでくださいね!」
モバP「おうさ! 楽しみにしてるぜ、幸子ォ!」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 02:08:58.04 ID:PMbfa3WH0
モバP「……いったか……やれやれだぜ……」
ちひろ「……正直、肝が冷えましたよ、プロデューサーさん……」
モバP「おっと、ちひろさん……」
ちひろ「負けて落ち込んでる幸子ちゃんに、あんな強い口調で……彼女、繊細なところがあるのに。やめます、とか言われたら、どうしようかと思いました」
モバP「ははは……すみません。ですが……無理にでも、背中を押してやるべき状況だと思ったんで」
ちひろ「もう……デリカシーが足りませんよ!」
モバP「ははは……! 違いない……! 俺には……どうも、ね……」
ちひろ「……まあ、今回は幸子ちゃんも元気になってくれたようですし……今回は、結果オーライということにしておきます。もうちょっと、言葉に気を付けるようにしてくださいね!」
モバP「ええ……ええ……すみませんね……ちひろさん……」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 17:59:54.21 ID:PMbfa3WH0
●数日後
モバP「よう幸子、おはようさん!」
幸子「おはようございます……って、遅いですよ! プロデューサーさん!」
モバP「悪ぃ悪ぃ! ちょいと打ち合わせで手間取ってな……と? そりゃあなんだ? 宿題か?」
幸子「ふふーん! 宿題なんかとっくに終わらせてますよ! これは復習を兼ねた、ノートの清書です」
モバP「ほへー……さっちゃんは真面目だなァ!」
幸子「もっと褒めてくれていいんですよ! ……若干、馬鹿にしたような言い方なのが気になりますが……」
モバP「んなことねーよ! 俺なんか、中学生時代なんぞまともに勉強した事なかったぜ!? お陰で就職には苦労したわ……」
幸子「そういえば……プロデューサーさん、高卒でここに入ったんでしたっけ」
モバP「うんにゃ……正確には大学中退だな。その大学の名前も、たぶん言ってもわからねぇと思うぜ」
モバP「よう幸子、おはようさん!」
幸子「おはようございます……って、遅いですよ! プロデューサーさん!」
モバP「悪ぃ悪ぃ! ちょいと打ち合わせで手間取ってな……と? そりゃあなんだ? 宿題か?」
幸子「ふふーん! 宿題なんかとっくに終わらせてますよ! これは復習を兼ねた、ノートの清書です」
モバP「ほへー……さっちゃんは真面目だなァ!」
幸子「もっと褒めてくれていいんですよ! ……若干、馬鹿にしたような言い方なのが気になりますが……」
モバP「んなことねーよ! 俺なんか、中学生時代なんぞまともに勉強した事なかったぜ!? お陰で就職には苦労したわ……」
幸子「そういえば……プロデューサーさん、高卒でここに入ったんでしたっけ」
モバP「うんにゃ……正確には大学中退だな。その大学の名前も、たぶん言ってもわからねぇと思うぜ」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:00:59.96 ID:PMbfa3WH0
モバP「そういや同業者には、秋月っていう高校在籍時からアイドルやって、今は敏腕プロデューサーなんて経歴を持ってる、化け物じみた奴もいるらしいが……」
モバP「残念ながら当時の俺は、天才でも秀才でもなく、加えて努力家でもなくてな……」
モバP「学もなく、まったくのペーペーだった俺がこの事務所に入れたのも、単純に人材不足だったかららしい。人事が整った今じゃ、当時の俺見てぇなやつはたぶん採用しねぇだろうな」
モバP「ま……幸子には釈迦に説法だろうが、勉強はきちんとしといたほうがいいぜ! 絶対将来のためになる……人生の先輩からのアドバイスだ!」
幸子「はいはい……自分語り乙です」
モバP「おぅい!? ちょっと冷たいんでねーの!?」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:02:12.28 ID:PMbfa3WH0
幸子「ま、ボクがカワイク頑張るのは当然ですが……プロデューサーさんだって、今は立派な人じゃないですか」
幸子「おばあちゃんが言っていました……ちゃんと仕事して、自分の家族を養ってるのなら、それで立派なんですよ!」
幸子「だから、ボクが褒めてあげますよ! だから、もっとカワイイボクのために頑張ってくださいね!」ドヤァ…
モバP「…………」
幸子「な、なんですか!? 急に黙らないでくださいよ……」
モバP「……いやー、正直『カワイイボクの旦那様になるなら、高学歴、高身長はもちろん、年収2千万以上は当然ですね!』くらいのセリフは出てくるかなー、と覚悟してたんで……」
幸子「なんですかそれぇええ!? イメージ悪過ぎでしょうが!?」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:03:33.84 ID:PMbfa3WH0
モバP「はいはい……っと、さて冗談はこれくらいにして、次のライブの打ち合わせをはじめっか」
幸子「ちょっとぉ! スルーしないでくださいよ!?」
モバP「しかし……まだまだ難航してんだよな……今度のライブは、資金が多く使えてパフォーマンスにも制限がねぇ分、中々決めきれねェ……」
幸子「あ、スルー確定なんですね、もういいです……しかし、そんなの悩む必要なんてないでしょう?」
モバP「んぇ? ナンデ?」
幸子「ボクのカワイさを前面に押し出せば、何の問題もありません!」ドヤァ…
モバP「だから、その方法を考えてんだよ……」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:04:51.21 ID:PMbfa3WH0
幸子「ふふーん! まったくプロデューサーさんはダメダメですね! こんな天使が目の前にいるのに……」
幸子「それこそ、天使が空から舞い降りるくらいの、トップクラスにカワイイ演出が必要ですね!」ドヤァ…
モバP「まったく、簡単に言ってくれるぜ……いや……待てよ……? 舞い降りる、か……ありかも知れねェ!」ニヤッ
幸子「!!(プ……プロデューサーさんが悪い笑顔をしているッ! 一目でわかる……ロクでもないことを考えているとッ……!)」
幸子「(……もしかして……ボクの発言は……ウカツだったのでしょうか……?!)」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:06:29.16 ID:PMbfa3WH0
●ライブ当日
――バラバラバラバラ……
幸子「…………」
モバP「よしっと! 準備万端だな、幸子」
幸子「プロデューサーさん……確かにボクは……天使なので、空から舞い降りる、だなんて口走ってしまいました……」
モバP「いやー……昔取った杵柄ってやつだな! スカイダイビングのライセンスを持ってた事が、こんな形で役に立つとは……」
幸子「だからってねぇえ!! 本当に言葉通り、空から舞い降りる企画を考えるなんて、貴方はアホなんですかぁああ!!」
――バラバラバラバラ……
幸子「…………」
モバP「よしっと! 準備万端だな、幸子」
幸子「プロデューサーさん……確かにボクは……天使なので、空から舞い降りる、だなんて口走ってしまいました……」
モバP「いやー……昔取った杵柄ってやつだな! スカイダイビングのライセンスを持ってた事が、こんな形で役に立つとは……」
幸子「だからってねぇえ!! 本当に言葉通り、空から舞い降りる企画を考えるなんて、貴方はアホなんですかぁああ!!」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:08:05.82 ID:PMbfa3WH0
モバP「いやぁ、苦労したぜ……幸子のカワイさを前面に押し出すための企画、費用の捻出、安全性の確保、その全てを万全にするのは……」
幸子「努力の方向音痴すぎますよ、プロデューサーさん……」
モバP「だが、これが決まれば大インパクト間違いないし……協力者全てに感謝だな!」
幸子「ボクとしては、この企画にOKを出した全ての人に腹パンでもお見舞いしてやりたいです」
モバP「……幸子……」
幸子「……なんです?」
モバP「……グッドラック!」グッ b
幸子「さわやかにサムズアップしてんじゃねーよコンチクショー!!」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 18:09:12.27 ID:PMbfa3WH0
モバP「……いいか、幸子。このフライトは、新しい技術によって安全性はこれまでとは段違いに上がっている……」
モバP「だが、なめてかかれば命がないのは、かわらねぇ……いいか、手筈通りにやるんだぞ」
モバP「途中までは俺も一緒に飛ぶが……一定の高度にまで到達したら、すぐにパラシュートを開け! 後は自動的にステージまで到達するからな!」
幸子「あーもー……もう何を言っても無駄なのは良くわかりました……こーなったら、やってやろうじゃないですか!」
モバP「よっしゃあ! 気合は十分だな……行くぜ幸子ォ!」
幸子「え……あ……ちょ……まだ心の準備が……」
モバP「ウィーキャンフラーイ! イヤッホォォォォオオオオオオウ!!!!」
幸子「ちょまぁあああ!! フギャーーーァアアアアァアァァアアアア!!!!」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:13:00.61 ID:PMbfa3WH0
●ライブ後
モバP「応! 幸子……見てだぜ、大成功だったな! 引っ掛かっちまったのはちょっと残念だったが……」
幸子「…………」ポスッ
モバP「んぇ? なんだいきなり……!」ボズッ!
モバP「んぐ……何いきなり、腹パンしてくれてんだ……?」
幸子「…………!」プルプル
幸子「バカ……プリョデューサーしゃんのバガ! こ……怖かったん……でずがらね……」グズグズ
モバP「……すまねぇ、悪ぃ、許せ……」ポンポン
幸子「……頭ぽんぽんだけじゃ、いやでず……もっと優しく撫でてください……」
モバP「ああ……おめぇはよくやったよ……怪我もなく、なによりだ……良く頑張ったな、幸子……」ナデナデ
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:13:59.24 ID:PMbfa3WH0
●数日後
幸子「ふふーん! カワイイボクとデートできるだなんて、プロデューサーさんは幸せモノですね!」
モバP「……こりゃあ、遊びに来たわけじゃなくて、一応次のイベントのための下見なんだがなぁ……」
幸子「でも、実際に遊んでみてもいいんでしょう? 名目上は、オフ返上の仕事ってことなんだから楽しまないと損です!」
幸子「それにプロデューサーさん……他に言うことはないんですか?」
モバP「?」
幸子「もう! 今日はセクシーにオシャレしてきたのに……本当にダメダメですね! そんなんじゃ奥さんも愛想つかしちゃいますよ!」
モバP「……ハハッ、セクシーとか、10年はええよ!」
幸子「なんですか、その言い草!……あ、わかりました! ボクのセクシーさにも気付いてたけど、言えなかったんですね! 奥さんに操を立てるとは……プロデューサーさんは愛妻家ですね! ……それとも恐妻家?」
モバP「……いってろ! ほら……いくぞ!!」
幸子「ふふーん! カワイイボクとデートできるだなんて、プロデューサーさんは幸せモノですね!」
モバP「……こりゃあ、遊びに来たわけじゃなくて、一応次のイベントのための下見なんだがなぁ……」
幸子「でも、実際に遊んでみてもいいんでしょう? 名目上は、オフ返上の仕事ってことなんだから楽しまないと損です!」
幸子「それにプロデューサーさん……他に言うことはないんですか?」
モバP「?」
幸子「もう! 今日はセクシーにオシャレしてきたのに……本当にダメダメですね! そんなんじゃ奥さんも愛想つかしちゃいますよ!」
モバP「……ハハッ、セクシーとか、10年はええよ!」
幸子「なんですか、その言い草!……あ、わかりました! ボクのセクシーさにも気付いてたけど、言えなかったんですね! 奥さんに操を立てるとは……プロデューサーさんは愛妻家ですね! ……それとも恐妻家?」
モバP「……いってろ! ほら……いくぞ!!」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:17:35.06 ID:PMbfa3WH0
幸子「ほらほら、プロデューサーさん! 次は絶叫マシンに乗りますよ!」
モバP「はいはい……まーったく、元気なモンだねぇ……」
幸子「おお……意外に空いてますね……すぐに乗れそうです!」
モバP「そりゃあいい、俺は面倒が嫌いなんだ……(ん? なんだあのカッパみたいなの……?)」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:18:23.38 ID:PMbfa3WH0
●絶叫マシーン搭乗、発進後
幸子「……プロデューサーさん、さっきからチラチラボクを見て、何を気にしてるんです?」
モバP「……なあ、幸子。もうお前も気付いてるんだろ?」
幸子「……ええ……ボク達の後ろのお客さん、レインコートみたいなの着てますね……」
モバP「……もしかして……このマシーンって……水がかかるタイプのやつじゃあ……」
幸子「……でも、今さら気付いても、遅いですよおおおお!! フギャー!」バシャーン!!
幸子&モバP「「ガボゴボガボゴボボ!!」」
幸子「……プロデューサーさん、さっきからチラチラボクを見て、何を気にしてるんです?」
モバP「……なあ、幸子。もうお前も気付いてるんだろ?」
幸子「……ええ……ボク達の後ろのお客さん、レインコートみたいなの着てますね……」
モバP「……もしかして……このマシーンって……水がかかるタイプのやつじゃあ……」
幸子「……でも、今さら気付いても、遅いですよおおおお!! フギャー!」バシャーン!!
幸子&モバP「「ガボゴボガボゴボボ!!」」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:19:43.41 ID:PMbfa3WH0
●絶叫マシーン
幸子「…………」ビチャビチャ
モバP「…………」ビチャビチャ
幸子「……なんで、気がつかなかったんですか! 聞いたら、レインコートが備え付けてあるのを、見つけてたみたいなのに!」
モバP「幸子てめぇ! 俺にそんな察しの良さを求めてんのか!?」
幸子「それ言われると反論できませんね!」
モバP「だろう?!」
幸子「…………プッ! ハハハハハ!! あーもう……2人してびしょ濡れになって何やってんだか……」
幸子「まあ……今回の事は、サプライズの演出ってことにしといてあげます! ハ……クシュン!」
モバP「おっと……流石にそれじゃあ、風邪引くな……俺の上着を……と思ったが、俺も濡れてるんだった……」
幸子「というか、なんか不慣れっぽいですけど、プロデューサーさんは家族をこういう所に連れてきた事がないんですか? だめですよ、家族サービスも考えてあげないと……」
モバP「……ともかく、このままじゃ2人とも風邪ひきかねん。スタッフさんに聞いて、どうにかなるか……」
幸子「……プロデューサーさん……?」
幸子「…………」ビチャビチャ
モバP「…………」ビチャビチャ
幸子「……なんで、気がつかなかったんですか! 聞いたら、レインコートが備え付けてあるのを、見つけてたみたいなのに!」
モバP「幸子てめぇ! 俺にそんな察しの良さを求めてんのか!?」
幸子「それ言われると反論できませんね!」
モバP「だろう?!」
幸子「…………プッ! ハハハハハ!! あーもう……2人してびしょ濡れになって何やってんだか……」
幸子「まあ……今回の事は、サプライズの演出ってことにしといてあげます! ハ……クシュン!」
モバP「おっと……流石にそれじゃあ、風邪引くな……俺の上着を……と思ったが、俺も濡れてるんだった……」
幸子「というか、なんか不慣れっぽいですけど、プロデューサーさんは家族をこういう所に連れてきた事がないんですか? だめですよ、家族サービスも考えてあげないと……」
モバP「……ともかく、このままじゃ2人とも風邪ひきかねん。スタッフさんに聞いて、どうにかなるか……」
幸子「……プロデューサーさん……?」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:22:47.99 ID:PMbfa3WH0
●さらに数日後
幸子「(……あの遊園地の下見の時、明らかにプロデューサーさん、話を逸らしたましたよね……)」
幸子「(もしかして……仕事にかまけて、家庭がうまくいってないとか……)」
幸子「(それならいけませんね……おやすみを上げれるよう、ボクからちひろさんに相談してみましょうか……)」
幸子「……おや、手帳が落ちてる……って、これプロデューサーさんの……」
幸子「……今日はプロデューサーさん、もう営業に出かけちゃってるんでしたっけ。まったく、何をやってるんだか……」
幸子「ちひろさんに、相談がてら届けておきますか……」スッ……バサァ!
幸子「! しまった……挟んであった紙がバラバラに……もー、ボクなにやってんだか……ん?」
幸子「…………そういう……ことだったんですか……プロデューサーさん……」
幸子「(……あの遊園地の下見の時、明らかにプロデューサーさん、話を逸らしたましたよね……)」
幸子「(もしかして……仕事にかまけて、家庭がうまくいってないとか……)」
幸子「(それならいけませんね……おやすみを上げれるよう、ボクからちひろさんに相談してみましょうか……)」
幸子「……おや、手帳が落ちてる……って、これプロデューサーさんの……」
幸子「……今日はプロデューサーさん、もう営業に出かけちゃってるんでしたっけ。まったく、何をやってるんだか……」
幸子「ちひろさんに、相談がてら届けておきますか……」スッ……バサァ!
幸子「! しまった……挟んであった紙がバラバラに……もー、ボクなにやってんだか……ん?」
幸子「…………そういう……ことだったんですか……プロデューサーさん……」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:23:56.28 ID:PMbfa3WH0
●さらに数ヵ月後
モバP「……うし……今年も、ちゃんとこの日に休みを取れてよかったぜ……」
モバP「っと……途中で花屋によらねーと……」ピンポーン
モバP「はいはーいっと……やれやれ、出かける前の来訪者とは……」
モバP「新聞なら間に合ってますよー……って、幸子!? なんでここに! それに……それ、花束?」
幸子「……すみません。プロデューサーさん……手帳を落とした事があったでしょう? あの時、ボクがそれを拾ったんですが……その時、中身を見てしまったんです」
モバP「……そうか、そう言う訳か。で……今日花束を持って訪ねてきたってことは……」
幸子「はい……奥さんと、娘さんへの……弔いの花です」
モバP「……俺は今から、墓参りにいくんだが……」
幸子「……一緒に行っても、いいですか? 差し出がましいかもしれませんが……」
モバP「ここまで来といて、今更何言ってんだよ……いいぜ、付いて来な」
モバP「……うし……今年も、ちゃんとこの日に休みを取れてよかったぜ……」
モバP「っと……途中で花屋によらねーと……」ピンポーン
モバP「はいはーいっと……やれやれ、出かける前の来訪者とは……」
モバP「新聞なら間に合ってますよー……って、幸子!? なんでここに! それに……それ、花束?」
幸子「……すみません。プロデューサーさん……手帳を落とした事があったでしょう? あの時、ボクがそれを拾ったんですが……その時、中身を見てしまったんです」
モバP「……そうか、そう言う訳か。で……今日花束を持って訪ねてきたってことは……」
幸子「はい……奥さんと、娘さんへの……弔いの花です」
モバP「……俺は今から、墓参りにいくんだが……」
幸子「……一緒に行っても、いいですか? 差し出がましいかもしれませんが……」
モバP「ここまで来といて、今更何言ってんだよ……いいぜ、付いて来な」
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:24:40.74 ID:PMbfa3WH0
モバP「アイツとは高校時代から交際しててなあ……金銭的な余裕がなくなって、大学辞めざる負えなくなり、不貞腐れてた俺を……叱咤してくれたもんさ……」
モバP「就職先が決まって、子供も出来て……俺が、夫と親父ってやつをやれるんだなァ、って思ってた矢先のことだった……」
モバP「今は設備が整ってて……滅多にはそんなことはないんだが……やっぱ、女性が子供産むのは、命がけなんだよな……」
モバP「起きちゃいけねぇ不幸が……そん時に、一気に来やがったんだ……」
幸子「…………」
モバP「ついたぜ……ここだ……」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:25:32.76 ID:PMbfa3WH0
モバP「……ずいぶんと久々だぜ……仕事仕事だからな……命日だけは、どうにか休みとれるようにしてるがな……」
幸子「プロデューサーさん……もしかして……ボクのことを、死んだ娘さんのように思ってたんですか?」
モバP「あん? いきなり何言ってんだよ?」
幸子「その……奥さんや娘さんが生きてるかのように、今まで話してましたし……」
幸子「あの……結構前ですけど……ボクがフェスで負けた時、息子流励ましなんて言ってましたし……その……」
モバP「はッ! 馬鹿言え! おめーなんざ、俺の妻や娘なんぞと、全然違うね!」
幸子「な! なんですかその言い方……!」
モバP「お前は『輿水幸子』……世界一カワイイ、俺の担当アイドルだろうが! 同一視なんて、妻にも娘にも……何よりお前に失礼な事、とてもじゃねーが、出来ねーよ、バカが」
幸子「! プロデューサーさん……」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:26:25.38 ID:PMbfa3WH0
モバP「まあ……正直、子供がいたらこんな感じかな、という感想は抱いたことがあるぜ……お前と一緒にいたらな……」
モバP「俺の趣味のスカイダイビングを仕事に入れてみたりしてさ……その辺は、確かに同一視してんじゃねーか、と言われたら、強く返せる言葉はねーな……」
モバP「……指輪も付けたままで、妻や娘がいるみたいに話してたのは……女ばっかの職場で、安心感を持ってもらう意味もあったが……」
モバP「……そうなんだよな……アイツらは……死んでんだよな……もう、いないんだよな……」
幸子「……プロデューサーさん!!」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:27:14.87 ID:PMbfa3WH0
モバP「なんだよ……そんな大きい声ださんでも、聞こえてるぜ?」
幸子「プロデューサーさんは……ボクといなきゃダメです! ボクを一番にカワイイって言ってくれればいいんです!」
モバP「……幸子?」
幸子「あ……ええと……その……奥さんと娘さんの事を忘れろって言ってるわけじゃなくて……その……」
幸子「ボ、ボクと一緒にいてください! ボクが頑張って、プロデューサーさんをトップアイドルのプロデューサーさんにして上げます!」
幸子「そしたら、奥さんと娘さんにも、きっと誇れる事です……だから……だから……」
モバP「幸子……すまねぇな……気を、遣わせたか……?」
幸子「……そんな、事……」
モバP「でもなぁ……幸子、お前……そんな事いうんじゃねぇよ……! お前は、お前自身のために頑張りゃいいんだ……!」
幸子「……プロデューサーさん……?」
モバP「それに……お前に、そんな風に、いわれるとさぁ……俺……どうしたら、いいか……わからなくなっちまうよ……ッ!」ポロポロ
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:28:40.05 ID:PMbfa3WH0
幸子「(プロデューサーさんは……右手で顔を押さえて……泣きはじめました……)」
幸子「(そんなプロデューサーさんを見たのは初めてで……どうしたらいいのか分からなくなってしまって……ボクはしばらく、そのまま突っ立っていました……)」
幸子「(ふと……プロデューサーさんの、所在なさげな左手を見て……気が付いたら、ボクはその手を握っていました……)」
幸子「(その時……なんとなくですが、奥さんと娘さんが死んでから、プロデューサーさんは、ちゃんと泣いてなかったんじゃないかな、と思ったんです)」
幸子「(ボクがやったことは、良い事かどうか、わかりませんが……ちゃんと泣けたのは、たぶん良いことだった。そう思っているんです……)」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:29:24.69 ID:PMbfa3WH0
モバP「ち……すまんな、醜態を曝した。年をとると、どうもいけねぇ」ズビッ
幸子「いえ……そんなこと……」
モバP「……うっし、掃除も完了だな!」
幸子「……綺麗になりましたね、お墓」
モバP「ああ……幸子の買って来てくれた花束も立派なもんだ……後は……お祈りだな」
幸子「……はい」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:31:39.83 ID:PMbfa3WH0
幸子「(……プロデューサーさんの奥さん、娘さん……プロデューサーさんは、立派に仕事をしてくれてます……)」
幸子「(時々、変な方向に張り切りますけどね! まったく……カワイイボクに対して、もっとお姫様扱いしてくれてもいいのに……)」
幸子「(……でも、奥さんが好きになったのも、よくわかります。言葉づかいが乱暴、ちょっと不器用で抜けてる所もあるけど……優しくて、温かい……)」
幸子「(ですから……安心してください。プロデューサーさんにはボクがついています……!)」
幸子「(それに、プロデューサーさんには、ボクが……ボクが……? ……!? ボ、ボク、今何考えて……!!///)」
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/13(火) 21:34:19.27 ID:PMbfa3WH0
モバP「………」スクッ
ビクッ! 幸子「プ、プロデューサーさん……?」
モバP「……よし、終わりだ。行くか」
幸子「あ、待って下さいよ! プロデューサーさん! もう……いいんですか?」
モバP「いいんだよ、墓参りなんてこんなもんだ」
幸子「……さっきまでピーピー泣いてたくせに……」
モバP「てめぇ!」
幸子「ふっふーん! 黙っててほしいなら、この後ご飯でも驕ってくださいね!」
モバP「チクショー! まあイイぜ、かまわん! 飯食いに行くぞ、幸子ォ!」
幸子「はい! しっかりとエスコートしてくださいね、プロデューサーさん!」
―終―
転載元:輿水幸子「プロデューサーさん、女の子の扱いを知らないなんて可哀想ですね!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376326014/
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