両津「アレ、何か向こうさんにもダメージ入ってらっしゃる？」

P「見世物……客寄せパンダ……はは…いやいや…」

加蓮「割り切れプロデューサー、ほら、私は何とも思ってないよー」

ぷちかれ「ﾔﾍﾞｪ ﾆｵｲ」ﾕﾋﾞｻｼ

ぷちかれB「ｱﾝﾀ ﾜﾙﾓﾉ?」

※邪気を嗅ぎ分けたらしい。

両津「会うなり失礼だな…何だこのちっこいのは…宇宙人か何かか…新手のポケモンですか部長？」

大原「ポケモンならお前の方が詳しかろう、わしに聞かれても詳しくは知らん…とにかく、先方に失礼のないようにな」

両津「へいへい…ったく、口を開けば説教なんだから」

～～～

～署内・ロビー～

両津「一日署長っても、署長室に入って書類仕事ってわけじゃないんだよな」ｽﾞｽﾞｰｯ

加蓮「そんな大変そうな事、ちょっと責任とか色々めんどいかな～って…」

両津「ハハ、わしも責任だの面倒臭い仕事だのとは無縁だよ、無責任上等！」

P「仮にも巡査長なのにその文言はどうなんだ…」

本田「せんぱ～い！」

両津「お、来たな」

加蓮「あの人がさっき言ってた…？」

両津「おう、そのちっこい制服はアイツが作ってたんだ」

ぷちかれ「ﾎﾟﾃｪ ｺﾚ?」

ぷちかれB「ﾋﾟｯﾀﾘ」

本田「ひゃあ～！本物の北条加蓮ちゃんにぷちかれちゃん、それによく見たらプロデューサーのあの人って昔アイドルしてたピーターさんじゃないですか先輩！」

両津「昔アイドル…？そうだったのか」

P「ま、まぁ恥ずかしながら」

本田「あ、サインとか貰えちゃったりします？事務所通さないといけませんかね…えーと当時の事務所だと……」

加蓮「あ～……私のサインなら事務所通せば、というか仕事先の人だしお世話になるんだから書いちゃうけどいいよね？」

P「変に気を遣うなって」

本田「サインだサインだきゃほらんらん♪」

両津「………本田君、サインなら今来たばかりのお前より先にわしが貰うべきじゃないかね」

本田「えぇ～、先輩がサインなんて貰ったら真っ先に転売しちゃうじゃないですかぁ」

両津「お前はわしの事を何だと思ってるんだ…」

ぷちかれ「ﾌﾟﾁｶﾚ ｺｻｲﾝ」ｶｷｶｷ

本田「ああっ、制服にサインペンで書かれちゃいました！…けどコレ読めますかね」

両津「読めたとしても警官が制服を売っぱらうわけにはな…わしとした事が色紙持って来ておくんだった…」

両津（なんて、実は持って来てるんだがな…色々と実は知ってるし）

～～～

～数日前～

両津「署長がクビねぇ」ﾊﾅﾎｼﾞ

本田「違いますよ、一日署長ですって！あの北条加蓮ちゃんですよ」

両津「ふーん」ｶﾀｶﾀ

両津（北条加蓮…810プロ……社長は元アイドル…）

両津「…………」

本田「先輩、さっきから署のパソコンで何見てるんです？」

両津「ああ、ちょっと、為替と株の値動きをな」

本田「ちょっ、先輩が株ですかぁ！？」

両津「カネになるなら逐一チェックくらいする！…ま、専らウマや船の方がわしの専門だがな」

本田「ですよねぇ、あ～驚いた…先輩のせいで日本経済がとんでもないことになるんじゃないかと」

両津「お前は一体わしを何だと思ってるんだ」

～～～

～夕方～

屯田「いや、今日は貴重なお時間を」

大原「こちらの馬鹿が何か不手際やご迷惑をおかけしていないかが心配ですが……」

両津「何もしてませんって！むしろ金一封ものですよ署長、色々と案内したんすから」

大原「黙れ、お前は喋るだけで減俸ものだバカモン」

P「いや、そんなことは…何て言うか、ちょっと肩の荷が降りましたよ」

屯田「肩の荷が」

大原「はぁ……」

～～～

～少し戻って昼・加蓮講演中～

両津「さっきはウチの本田が悪かったな」

P「え？…ええと、いや…」

両津「実を言うとアンタ達の事は事前に色々と調べさせて貰っててな」

P「へ？ウチの事を？」

両津「何か儲けのタネにでもなるならと思ったが…その気も失せたよ」

P「あんまし、いいニュースを見なかった感じですかね…」

両津「わしも死神には縁があってな、あの世にケンカ売った事もある」

P「…からかってる風でもないですよね」

両津「大暴れしたら天国からも地獄からも当面出禁を食らってしまってな、本当の話だぞ？」ｶﾞﾊﾊ

P「は、はぁ…」

両津「一度の失敗で人生にケチが付くなら、わしはとっくに人生終わってるよ」

P「…あ…！」

両津「一度の失敗が何だ、7回転んでも8回目がある！…それに、お前さんの大事な人はちゃんと生きてるんじゃないか」

P「……両津さん…？」

両津「はは、わしにはそこはやり直しが効かないからな…まぁ、やれるだけ頑張ってみなよ」

～～～

～帰り道・社用車～

P「何か結局サインとか書かされなかったな」

加蓮「私は書いたけどね、イベントだし、山程」

P「ああ、それはお疲れ様…いや、悪い悪い」

ぷちかれ「ﾍﾝﾅ ｵｼﾞﾔ ﾀﾞｯﾀ」

ぷちかれB「ｵｼﾞﾔ ｱｯﾃﾙ?」

P「…訂正しても失礼というか…あっちも30代だから俺と変わんないんだよなぁ…向こうのが上だけど…」

加蓮「Pさんに何か流れ弾いってるし……今度行く機会があったら、よくわかんないけどお礼しとかないとかな」

P「…だな」

～～～

～派出所～

大原「何だ、両津はまたサボりか」

中川「いえ、それが…」

麗子「とっくに使い切った有給を、前借りですって」

中川「もう少し待っていれば普通に勤務時間終わった筈なんですけど…」

大原「ふむ……」

～～～

～霊園～

両津「……って事があってさ」ｺﾞｼｺﾞｼ

両津「何となく、南部さんの事を思い出しちまったよ」ﾌｷﾌｷ

両津「アイツも、わしや南部さんとそう変わらない歳なんすよねぇ…」

両津（わしは助けられなかったけど、お前さんはまだこれからだろう）

両津「何でもかんでも、背負い込み過ぎるのはよくないっすよね、両手が自由になるくらいが丁度良いや」ﾊﾊﾊ

両津「あ～、金儲け、しそびれたなあ…」

※大切なのは、きっと気持ちだから。

おわれ。