1: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:04:16.21 ID:eBKIx8a20
―――事務所のソファにて
凛「(あ、文香だ)」
文香「(今日はもう夕方まではお仕事もありませんし、ゆっくり読書できそうです)」テクテク
凛「(こっちに来る。何か用かな...)」
文香「よいしょ...」ストン
凛「(隣に座ってきた)」
文香「(あ...)」
凛「(...な、何...?)」
文香「(凛さんがいることに気付かず座ってしまいました...)」
凛「(えっ、えっ...でもすぐ席を離れたら避けてるみたいで失礼だよね...)」
文香「(...)」
凛「(...)」
文香「(気まずい)」
凛「(気まずい)」
2: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:05:39.06 ID:eBKIx8a20
文香「(変に意識しても仕方ありませんし、予定通り読書させていただきましょう...)」
凛「(普通に本読み出した...)」
文香「(...)」
凛「(すごい集中してる。何読んでるんだろう...?)」
文香「(凛さんが覗き込んできます...私の顔に何か付いているんでしょうか...)」
凛「(うーん。もうちょっと本を上げてくれないとタイトルが分からない...)」
文香「(あっ...)」
凛「(目が合った...)」
文香「(気まずい)」
凛「(気まずい)」
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3: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:07:25.45 ID:eBKIx8a20
文香「(もしかして本の題名が知りたいのでしょうか...)」
凛「(もしかして気付いてくれたのかな...本のタイトルは...)」
文香「(あっ...)」
凛「(これブックカバーだ...)」
文香「(今ここでブックカバーを外したら不自然...でしょうか)」
凛「(...集中してるのに話しかけたら悪いよね)」
文香「(申し訳ないことをしてしまったかもしれません...)」
凛「(諦めて音楽でも聴こうかな)」スマホポチポチ
文香「(あっ、イヤホン外れて...)」
凛「(適当にシャッフル機能で聴こう...再生、と)」ポチー
スマホ「♪~」
文香「(Bright Blue...)」
凛「(あっ...変な目で見られてないかな...)」チラッ
文香「(目が合ってしまいました...)」
凛「(気まずい)」
文香「(気まずい)」
4: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:08:36.74 ID:eBKIx8a20
凛「(...)」ウトウト
文香「(朝から忙しかったみたいですし、眠そうです...)」
凛「zzz...」コテン
文香「(寄りかかられてしまいました...)」
凛「zzz...」
文香「(ステージの上ではあんなに格好良い凛さんもまだ十五歳なのでしたね...)」
凛「zzz...」
文香「(ふふ、これはこれで得難い体験のような気もしますね...)」
凛「(...ん?寝ちゃってた...って、あれ...?)」
文香「(いい匂いがします。どんなシャンプーを使っていらっしゃるのでしょうか...)」
凛「(...大丈夫...何事もなかったかのように起きるだけ...)」
文香「(ぐっすり寝ているようですし、少し頭を近づけても大丈夫...そうですね...)」
凛「(よし)」ガバッ
文香「(!!!)」ゴチンッ
凛「(!!!)」ゴチンッ
文香「(びっくりしました...)」
凛「(痛ぁ...石頭なんだ...ってなんで冷静に分析してるんだろう)」
文香「(完全に起こしてしまいました...)」チラッ
凛「(やっちゃった...怒ってないかな...)」チラッ
文香「(目が合ってしまいました...が、話しかけるいい機会かもしれません...)」ジー
凛「(目が合った...けど今回は視線を逸らさない...)」ジー
文香「(どうしてずっと見つめてくるのでしょう...)」ジー
凛「(こっからどうしよう...顔あかくないかな)」ジー
文香「(こちらから話しかけるべき...でしょうか)」
凛「(もう無理!)」プイッ
文香「(目を逸らされてしまいました...)」
凛「(気まずい)」
文香「(気まずい)」
5: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:09:53.47 ID:eBKIx8a20
凛「(これはもう、私から話しかけるしかない!)」
文香「(このままでは埒があきません。話しかけましょう...)」
凛「(よし)」
文香「(...いきます)」
凛・文香「「あの...!」」」
凛「(...)」
文香「(...)」
凛「(気まずい)」
文香「(気まずい)」
6: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:11:41.03 ID:eBKIx8a20
文香「(ここは年長者として先を譲るべきですよね...)」
凛「(文香の方が年上なわけだし譲るべきだよね...)」
文香「(...次こそは)」
凛「(今度こそ!)」
凛・文香「「お先にどうぞ!」」
凛「(...)」
文香「(...)」
凛「(気まずい)」
文香「(気まずい)」
7: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:13:35.09 ID:eBKIx8a20
文香「(譲られた以上は私から話すべきです...よね?...もう分からなくなってきました)」
凛「(今度は裏を読んで...文香が喋り出すのを待つ!)」
文香「(...)」
凛「(...)」
文香「(...)」
凛「(...)」
文香「(気まずい)」
凛「(気まずい)」
8: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:14:10.26 ID:eBKIx8a20
凛「私から...いいかな?」
文香「えっと...はい、どうぞ」
凛「えっと、その。文香は私のことどう思ってるの?」
文香「...好きであるかと思います」
凛「えっ」
文香「あっ」
凛「(...)」
文香「(...)」
凛「(気まずい)」
文香「(気まずい)」
9: ◆gJVBTZH5AE 2016/03/18(金) 03:14:59.80 ID:eBKIx8a20
文香「(やってしまいました。仲間として、という意味では伝わっていませんよね...)」
凛「(...待って。ちょっと待って。私はなんて答えるべきなのかな)」
文香「(ここで慌てて何か言えば言う程、大事になってしまいそうです...)」
凛「私は、さ」
文香「...はい」
凛「文香は素敵だと思う、よ?」
文香「はい...はい?」
凛「それだけ!じゃあ私もうお仕事行くから!」スタスタスタ
文香「(どうしましょう...行ってしまいました...)」
凛「...」テクテクテク
文香「(また凛さんがこちらに...)」
凛「これ、私の連絡先だから」スタスタスタ
文香「(...行ってしまいました)」
文香「...困りました」
おわり
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