2: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:29:04.49 ID:Gp6ytkqlo
3: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:30:12.01 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
P「夕美、お疲れ様」
夕美「あっ、Pさん。ありがとう♪ ステージ大丈夫だった?」
P「完璧、完璧。 夕美は安定してるから冷や冷やしなくて助かるよ」
夕美「良かったっ。お客さんがみんな暖かかったおかげかな」
P「花についてのMCも結構受けてたなぁ」
夕美「えへへっ。花火大会に合わせて調べてきたからねっ」
P「それにしても、花火大会だから花のアイドル呼ぶってちょっと安直すぎるような」
夕美「細かいことは気にしないっ♪ それに……」
P「それに?」
夕美「Pさんと2人っきりで地方に来れる機会なんて、なかなかないよっ」
4: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:30:40.54 ID:Gp6ytkqlo
P「ホントはあんまり良くないんだけど」
夕美「Pさんの地元なんだよね? やっぱり土地に詳しい人がいないと!」
P「いや、大学がこっちだったってだけなんだ。まぁ、ちひろさんにも同じように言いくるめられたよ」
夕美「ちひろさんのおかげで、今日だけは私がPさんを独り占めだね♪」
P「……」
夕美「あの……なにか反応は……」
P「夕美さーん、顔が赤いぞー」
夕美「そういうことは指摘しちゃダメっ。もうっ、恥ずかしいなぁー!」
5: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:31:13.98 ID:Gp6ytkqlo
夕美「それで、Pさん♪ このあとはっ?」
P「このあとは……」
夕美「……」ドキドキ
P「お仕事が終わったので、花火を見に行きます!」
夕美「わーいっ!」
P「ということで着替えておいで。 荷物預けて、外で待ってるから」
夕美「はーい! ふふっ。Pさん、絶対にびっくりさせちゃうからね♪」タッ
P「ん? あっ、行っちゃった……」
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6: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:31:55.70 ID:Gp6ytkqlo
◇
夕美「Pさんっ。おま…た…せ…」
P「おう、お疲れ様。……夕美?」
夕美「あのPさんが浴衣になってる!?」
P「流石にスーツはキツイなぁって」
夕美「シックな感じで、ちょっと大人っぽくていいねっ♪」
P「ありがとう、夕美も新しい浴衣似合ってるよ」
夕美「あっ、気づいてくれて嬉しいな♪ オレンジ色と水色のおニューの浴衣だよっ」
P「また花柄なんだな……ひまわり?」
夕美「正解っ! って流石に簡単だよね。じゃあ、花言葉はなんでしょうっ?」
P「愛しいあなただけを見つめています」ジーー
夕美「あの……Pさん、本当に見つめながら言われると……」テレテレ
P「よし、じゃあ行くか」プイッ
夕美「あっ。また、からかって!」
7: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:32:30.46 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
P「とりあえず腹ごしらえしつつ、会場の方に向かおう」
夕美「花火は川の方でやるんだよね?」
P「そうそう、出店はこのへんに並んでるから、買っていくのがいいかな」
夕美「こんなにいっぱいあると、いろいろ目移りしちゃうよねっ」
P「悩んじゃうんだよなぁ。夕美、何がいい?」
夕美「えっ。うーんと、えーっと……あっ、あれはなに?」
P「あぁ。ぽっぽ焼きだな」
夕美「ぽっぽ焼き?」
P「多分この辺にしかないんじゃないんかな。なんていうんだろう……黒糖蒸しパン?」
夕美「ちょっと気になるかもっ。おいしそうだね♪」
P「じゃあ、買っていこうか。俺も久しぶりに食べたいな」
夕美「Pさんの思い出の味だったりするの?」
P「そうかも。わりと、どこでも売ってるんだけどね。お祭りでよく食べてた気がする」
夕美「ふふっ。こうやってPさんの思い出に触れられるって素敵だねっ」
P「なんか、そう言われると恥ずかしいな」
夕美「いい機会だからね! もっとPさんのこと、教えてほしいな♪」
8: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:33:07.38 ID:Gp6ytkqlo
P「そんなに面白くないと思うんだけどなぁ。よし、あとは焼きそばと……」
夕美「かき氷とラムネとかどうかなっ!」
P「よくばりさんだな」
夕美「えへへ、なんかこの2つがないと夏祭りって感じがしなくて」
P「かき氷、何味にする?」
夕美「イチゴっ!」
P「はーい。じゃあ、俺はブルーハワイにしようかな」
夕美「確か、味は一緒なんだよね」
P「まぁ、こういうのは気分だからな。お祭りだし、夕美がいるなら、なんだって美味しいもんだ」
夕美「はうっ」
P「?」
夕美「な、なんでもないっ」
夕美(き、今日の私、弱すぎないかなっ)
夕美(もうっ、最近こんなのばかりーっ。今日こそ、今日こそ、私からっ)
9: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:33:37.27 ID:Gp6ytkqlo
◇
ザワザワ
夕美「ものすごくたくさん人がいるね」
P「結構有名な花火大会だからなぁ」
夕美「こんなに人がいたら、席とか取っておかないとダメじゃないの?」
P「そこはわたくしにお任せあれ」
夕美「Pさんの魔法かなっ?」
P「夕美のステージのお礼に、有料席を取ってもらいました」
夕美「それ、私が頑張った分だよっ!」
P「まぁまぁ」
10: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:34:29.82 ID:Gp6ytkqlo
夕美「Pさんは、ここの花火見たことあるんだよね?」
P「おう、大学の時になー」
夕美(あっ、その時の彼女さんと来たの……かな?)
P「……サークルの男だけで来たよ」
夕美「えっ?」
P「夕美は分かりやすいなぁ」
夕美「えっ、えっ。そんな顔してた!?」
P「してた、してた」
夕美「ちょっと……顔見ないでくれると嬉しいかも」プイッ
P「あはははは」
11: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:35:03.33 ID:Gp6ytkqlo
夕美「もーっ。有料席……あっ、ここだね!」
P「ふぅ。花火が始まるまでもうちょっとあるかな」
夕美「じゃあ、とりあえず買ったもの、食べちゃおっか。かき氷、溶けちゃってるよ」
P「あんまり急いで食べると……」
夕美「頭キーンってしちゃったっ」
P「ほれ」
夕美「つ、冷たっ。 ど、どうしてかき氷の器を頭に当てたの?」
P「冷やすと頭痛が収まるんだってさ、どう?」
夕美「ホントだー、治った! Pさんのおかげだね♪」
P「夕美、舌真っ赤になってる」ベー
夕美「Pさんも真っ青だよ」ベー
P「あははは、2人して何やってるんだろうな」
夕美「えへへ」
12: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:35:30.75 ID:Gp6ytkqlo
P「ぽっぽ焼きもどうぞ」
夕美「なんだろう……優しい味がするねっ」
P「あー、確かに。たまーに食べたくなるくらいのもんだな」
夕美「これがPさん思い出の味かぁ」
P「あの、そんなに強調されると申し訳なくなるんだけど」
夕美「いっぱいからかってきたお返しだよっ!」
P「そんなニコニコしながら言われても可愛いだけだぞ」
夕美「うぅぅ」
13: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:36:08.88 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
『ただいまより、花火大会を開始いたします』
パチパチパチ
ひゅるひゅるひゅる――どん、どーんっ。
P「おぉ」
夕美「わぁっ」
P「始まったな」
夕美「始まったね♪ やっぱり花火、素敵だなぁ」
P「夜空を庭にして、本当に花が咲いてるみたいだな」
夕美「えへへ。じゃあ、あれはダリアでしょ、それからあっちはガーベラかなぁ」
P「おっ。今度はコスモスかな」
夕美「紫陽花かもっ」
P「確かに。赤、青、紫と来たら、それっぽいね」
14: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:37:32.63 ID:Gp6ytkqlo
ひゅるひゅるひゅる――どーんっ、ぱらぱらぱら。
夕美「ねぇ、Pさんっ。花火の名前がついたお花もあるんだよっ」
P「墨田の花火とかだっけ? なんかあべこべだよな」
夕美「えへへ、大正解! Pさんもお花に詳しくなってきてるね♪」
P「そりゃ、担当アイドルが隙あらば花の話してくるから……」
夕美「め、迷惑だった?」
P「いや、花の話の時の夕美は目がキラキラしてるからな。見てて飽きないよ」
夕美「なんかあんまり嬉しくないよっ!」
P「じゃあ、花の話をしてる夕美は可愛い」
夕美「そ、それは……もうっ、照れちゃうよ……」
15: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:38:11.56 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
ひゅるひゅるひゅる――どーんっ。
夕美「……」
P「……」
夕美(あ……、あれ。やっぱりこういう雰囲気ってドキドキする……)
夕美(落ち着けーっ、落ち着け―っ! せっかくのチャンスなんだからっ)
夕美(そう! 次の一発が上がったら、さりげなくPさんの手を握るよっ)
ひゅるひゅるひゅる――どーんっ。
夕美(よしっ! い、いくよっ。ぱっ……ぱっ……)
夕美(わーっ。ダメ、なんかすごい恥ずかしいっ)
夕美(次、次こそっ)アワアワ
P「おーい、夕美ー?」
16: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:38:42.12 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
夕美(ああああぁ、もう10発目だよ……。)
夕美(つっ、次、花火が上がったらぎゅってするの、するんだからっ)
『――続いて、正三尺玉が打ち上がります。みなさま、ご注意ください』
P「おっ。夕美ー、でかいのくるぞー」
夕美「……えっ、Pさん、な――」
――どぉんっ。
夕美「ひゃっ」ギュッ
P「おっと。そんなにびっくりした?」
夕美「いっ、今の何だったの?」
P「正三尺玉って言って、ちょっと大きい花火なんだよ。ほら、もう一発来るぞ」
17: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:39:09.11 ID:Gp6ytkqlo
――どぉんっ。
夕美「わぁっ。空一杯に広がるんだね♪ それにすごい音、びっくりしちゃった」
P「『ひゃっ』とか反応が可愛いなぁ」
夕美「もうっ、もうっ」
P「あと、夕美?」
夕美「ん? どうしたの?」
P「そんなにくっつかれると暑いんだけど……」
夕美「うわあああっ。ご、ごめんなさいっ」パッ
夕美(あああああ、勢いで離しちゃった……)
P(めっちゃいい匂いした)
18: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:39:35.39 ID:Gp6ytkqlo
◇
ひゅるひゅるひゅる――どぉんっ。
P「なぁ、夕美」
夕美「うん?」
P「さっき花火をさ、たくさんの花で例えたよな」
夕美「うん」
P「夕美だったら、花火にどんな花言葉をつける?」
夕美「うーんと……あっ、Pさんだったらっ?」
P「え。夕美のを聞いてから考えようと思ったのに。
そうだなぁ、『君の横顔』とかどうでしょう。」
夕美「素敵だけど……なんでそんなに雰囲気出して言うの?」
P「私は花火を見ている君の横顔につい見とれてしまうのです」
19: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:40:20.12 ID:Gp6ytkqlo
夕美「Pさん、からかってるでしょ!」
P「はい」
夕美「ぷいっ」
P「ごめん、ごめん」
夕美「……Pさんは、私にもちゃんと見とれてくれる?」
P「えっ」
夕美「えっとね、私の思う花火の花言葉は……」
―どぉんっ。
夕美「あなたと見れて嬉しいっ!」ニコッ
P「……」
夕美「ねぇ、どうかな?」
P「……いいんじゃないかな」
夕美「やったー」
P(……息が止まるかと思った、無自覚クリティカル怖い)
20: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:41:12.88 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
夕美「もうそろそろ、花火もおしまいかな?」
P「いや、最後に大きなやつが残ってるんだ」
夕美「大きなの?」
P「おう、これを夕美に見てほしかったんだ」
『ただいまよりフェニックス花火、カウントダウン開始でございます』
P「来た! あの辺り、よーく見といてな」
夕美「う、うんっ」
『ごー、よん、さん』
P「にー」
夕美「いちっ」
21: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:41:59.34 ID:Gp6ytkqlo
―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。
夕美「わあっ――」
夕美(音楽に合わせて、花火がいっぱい打ち上がって)
夕美(目の前が全部、全部、花火!!)
夕美(自分の目に入り切らないくらい花火が広がってるっ)
夕美「Pさんっ!すごい、すごいねっ! 夜空にこんなにいっぱいっ」ユサユサ
P「こ、こらこら、ちょっと落ち着いて……」
夕美「あっちこっちで打ち上がって、夜空一面のお花畑みたいっ」
ギュッ
P「よしよし、花火は逃げないから」
夕美「あっ、うん……」
―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。
P「……」
夕美「……」ギュー
22: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:42:41.30 ID:Gp6ytkqlo
P「夕美、痛い」
夕美「嬉しくって、つい。手、熱いね……」
P「夏だからな」
夕美「Pさん、顔、赤いよっ」
P「花火のせいかな」
夕美「私も赤くなってる? 顔熱くなってきちゃったよ」
P「……」
夕美「でも、今のドキドキしてる気持ち……私は好きだよ。Pさんも同じ気持ちだといいなっ」
P「同じものを見て、感じてるから、きっと同じ気持ちなんじゃないか」
夕美「えへへ。確かにっ!」
P「夕美とこの花火が見れて嬉しいよ」
夕美「私もPさんとこの花火が見れて嬉しいっ」
P「一緒だな」
夕美「だねっ」
23: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:43:11.41 ID:Gp6ytkqlo
―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。
夕美「花火も、音楽もなんか訴えかけてるみたい」
P「ぐっとくるだろ」
夕美「なんか泣いちゃいそう。心が震える感じ!」
P「祈りの花火だからな、伝えたい気持ちがあるんだろう」
夕美「伝えたい気持ち……」
P「花火をきっかけにして、色んな人の気持ちがつまってるんじゃないかな。
ここまで圧倒されると、上手く表現できないんだけどさ」
夕美「言わぬが花って言うけど……。やっぱり伝えたいよね、気持ちは……」
P「確かにそうだけど、どした?」
夕美「ううん、なんでもないよっ」
夕美(こんなに顔が緩んじゃうの、私だけじゃないよね? Pさん)
夕美(私にもいつか伝えたい気持ち、あるよっ)
24: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:43:41.76 ID:Gp6ytkqlo
―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。
夕美「きれいだったね」
P「うん」
夕美「こんなの見せて貰っちゃったら、絶対に忘れられないよ」
P「うん」
夕美「Pさんに大きな思い出の花、咲かせてもらっちゃった」
P「それは良かった」
夕美「私とPさんだけのお花だからね♪ 大切にして欲しいなっ」
25: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:44:09.64 ID:Gp6ytkqlo
◇
『――以上で、本日の花火大会を終了いたします』
P「終わっちゃったか」
夕美「はぁーっ。すごかったねっ! 私、あんなにいっぱいの花火なんて初めてみたよ♪」
P「喜んでくれたなら、この仕事取ってきたかいがあるよ」
夕美「もちろん! 夏もPさんとの大切な季節になったかも♪」
P「春、夏ときて、全部の季節を制覇しそうだな」
夕美「えへへ。秋も、冬も一緒に楽しんでくれる?」
P「善処します」
夕美「返事が雑だよっ。もうちょっと気持ち込めて欲しいなっ」
P「さて……気合入れていくか」
夕美「えっ。どうしたの?」
P「こっから宿に帰るまでが花火大会です」
26: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:44:47.17 ID:Gp6ytkqlo
――――――
―――
夕美「うわぁ。すごい人混みだねっ」
P「毎年こうなんだよ……宿までなんとか戻らないとだよな」
夕美「これ、駅まで続いてるの?」
P「うん、まさに人の川って感じだ」
夕美「じゃあ、泳いでいかないとだね……」
P「ということで、はい」
夕美「?」
P「このまま行くと確実にはぐれるからな、手つなごう」
夕美「う、うん」ギュッ
夕美(今日ずっとPさんからだ)
夕美(私からいくと上手くいかないのに……)
夕美(……ずるいなぁ)
27: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:45:37.83 ID:Gp6ytkqlo
P「しばらく人混みの中を歩くけど、大丈夫そう?」
夕美「うん……。ねぇ、Pさん」
P「どうした?」
夕美「花火、あんなに綺麗だったのに、終わっちゃって、消えちゃったんだって思うと寂しいね」
P「さっきまであんなにはしゃいでたのに」
夕美「こ、こういうのは急に来るのっ」
夕美(それに落ち着いたら、いやでも意識しちゃうよ)
P「そうしたら、また来年も一緒に来よう。消えちゃうからこそまた今度もって思えるんじゃないかな」
夕美「えっ、Pさん、私でいいの……?」
P「夕美と一緒だと楽しいからな。……もちろんお仕事でだぞ?」
夕美「わぁっ。いい、それでもいいよっ! 来年、絶対に一緒に来ようねっ」
P「あははは、しっとりなイメージが一瞬でどこかへ行ったな」
夕美「だって、だって……」ギュー
P「夕美、手が痛い、痛い」
28: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:46:04.71 ID:Gp6ytkqlo
夕美「えへへ。Pさん、この手を離さないでねっ」
P「もちろん。ぶつからないように気をつけろよー」
夕美(また来年もあのステージに立って、また一緒に花火が見たいな)
夕美(同じ気持ちでいてくれることが嬉しくて、嬉しくて)
夕美「……言わぬが花じゃダメだよね」
夕美(2人っきりの時間も、もうすぐ終わっちゃう)
夕美(気持ち伝えるために何かしなくちゃっ、あっ、でも何したらいいんだろうっ)
29: ◆tues0FtkhQ 2017/08/19(土) 22:47:05.48 ID:Gp6ytkqlo
◇
P「やっと宿まで戻ってこれた……花火はすごいんだけどな、これはしんどい」
夕美「……」
P「夕美?」
夕美(あああああ、何にも思いつかなった……)
夕美「あ、えっと、その……これからPさんのお部屋行ってもいい?」
P「えっ」
夕美(や、やっちゃったああ……でも、もう引き返せないよっ)
夕美「だから、その……もうちょっと一緒にいたいなって」
夕美「その、もう子どもじゃないから夜更かしだってできるし!」
夕美「今日のステージの反省会もしてないし!!」
P「ゆ、夕美、ちょっと落ち着いて」
夕美「Pさんにこんなに近づけたの初めてだから嬉しくって」
P「う、うん」
夕美「それにね……私、もう1個だけ、花火の花言葉、思いついたよ」
夕美「『口実』ってのはどうかなっ」
P「……」
夕美「……」ドキドキ
P「しょうがないなぁ……こっちおいで」
夕美「やったっ」
バタン
転載元:相葉夕美「夏空の庭に咲く」
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