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トップページモバマス > Project Croissant モバマス

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:51:48.36 ID:U6B4gLQ2o

Project Krone のお話
タイトルとは直接関係なし、Pが複数出るので嫌いな人は注意



2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:52:32.18 ID:U6B4gLQ2o

『宮本ォ!走れえええ!!』

『橘!!rest(休憩)は3分と言っているだろうが!!』

『ケツを使え!ケツだ!!』


怒号が飛ぶ。怒号の主はマスタートレーナー。


3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:53:40.19 ID:U6B4gLQ2o

―――

塩見「はぁはぁ……あ゙~~えらい」

モバP「偉い?」

塩見「しんどいって意味や……」

モバP「サボりとは感心しないな」

塩見「異議ありー!レッスンは、完了したよ」

モバP「冗談だよーお疲れ様。ドーナツを冷やしてあるよ」

塩見「気が効くね、モバPさん。ああ…愛しのドーナツ、君は何故…そんなにも美味しいんだい?」

モバP「炭水化物と脂質のおかげではないかな」

塩見「夢のないことは、言わんといて……さて!いただきます」


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:54:29.83 ID:U6B4gLQ2o

塩見周子はドーナツにかぶりついた。塩見周子は運動後の体に、甘い物が沁み渡り

心が貴い何かで満たされるのを感じた。


塩見「チョコレート・スプリンクル…美味しい!!」

モバP「それは良かった」

塩見「いやー疲れたときは、甘い物に限るね~」

モバP「無脂肪Greek Yogurt、低脂肪カテージチーズもあるので、一緒に食べてね」

塩見「はいはーい、そっちも食べますよ」

宮本「ハーイ」

ドアを開けた主は、宮本フレデリカ。彼女は、マスタートレーナーのレッスンを終えたばかりであった。

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5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:56:21.04 ID:U6B4gLQ2o

宮本「パリは燃えているか?ハードな運動して、アタシの体は燃えている」

塩見「パリに行ったことないやんか」

モバP「お疲れサマンサタバサ。宇治金時のアイスを用意してあるよ」

宮本「Samantha Thavasa?宇治抹茶を口にすれば~~パリジェンヌも大和撫子」

塩見「あの会社、外資かと思ったら日本の……って、和菓子を食べたら大和撫子かい」

モバP「和菓子屋の娘は皆、大和撫子」

塩見「タコス屋の娘なら、メキシカン?洋菓子屋の娘ならヨーロッパ人?」

宮本「ん~っ、美味しい。チョコレートもいいけど、小豆もベリーグッド☆」

モバP「グッドラック」

塩見「フランスじゃあなくてアメリカンかい!」


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:57:27.13 ID:U6B4gLQ2o

宮本「それよりさーアタシの横のコレ、フレデリカに変えてくれる?」

塩見「はぁ?横?」

宮本「そうそう!左の、コレね。この表記だと、ただの宮本でしょー?それじゃ面白くないもんね」

モバP「あ、はい。チェーンジ」

フレデリカ「よし、おっけー☆」

塩見「何が違うんや。一緒やないかい」

フレデリカ「何が違うかって?アタシもわかんなーいアハハハ」

モバP「ハハハハ」

フレデリカ「アハハハ☆あ、ボイルしたロブスター美味しい♪常務さんも食べるー?」


閉まっていたドアが開く。そこに現れたのは、346プロの常務。

この346の城主といっても、過言ではない存在である。


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:58:22.50 ID:U6B4gLQ2o

常務「私は遠慮する。貴女が食べなさい」

モバP「常務……!」

フレデリカ「あ、常務は役職だから敬称『さん』はいらないんだっけ?」

塩見「そういうところは日本人かい」

ありす「やれやれ、高強度トレーニング後なのに……元気ですね」


橘ありすは、常務に軽く挨拶をすませると、彼女はモバPに詰め寄った。


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 10:59:27.29 ID:U6B4gLQ2o

モバP「お疲れ様。ありすちゃん」

ありす「橘です。横のコレ、訂正してください」

モバP「失礼、橘氏」

ありすちゃん「結構です。さぁ、苺大福を下さい」

フレデリカ「ストロべリー☆ ベリー美味しい~ラズベリー!ストロベリーマルガリ~タ美味しいよね?飲んだことないけど」

常務「………」

ありすちゃん「甘酸っぱい苺と和菓子のコンビを!さぁ、早く早く早く、早急にお願いします!!」

塩見「苺大好き橘さーん、ラーメン大好き小池さ~ん♪」

ありすちゃん「もぐもぐ……小池さん?」

モバP「気にせず、食べなよ。古い話だからさ」


9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:01:07.69 ID:U6B4gLQ2o

――――

常務「彼女達は、万事あのような感じか」

モバP「はい。大槻唯と鷺沢文香、速水奏、以外の者は、大体があのような感じです」

常務「Project Krone は上手くいくのだろうな」

モバP「彼女らは個性が強く、自由奔放。しかし、メンバー全員がさらなる飛躍を望んでおります。Krone は上手くいくでしょう」


モバPはProject Krone を肯定するしか選択肢はなかった。


常務「ならばいい。ところで、君は帰宅が早いそうだな。仕事は嫌いかね?」

モバP「アイドルに気を配っておりますので……。仕事は早く切り上げる、コレにつきます」

常務「クライアントにも気を配れ、もうよろしい。下がれ」


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:02:29.73 ID:U6B4gLQ2o

―――――

17時を知らせる鐘がなると、モバPは手早くデスクの書類を片づけ、部屋を出た。

事務所内の廊下では、すれ違う者に帰りの挨拶を言うが、それに答える者もなく

また、とくにモバPに眼をとめる者も、居なかった。

モバPの帰りが早いことは、皆にとってはいつものことであった。

事務所を出ると、モバPは一定した足の運びで駐輪場に向かい、ママチャリに跨り、移動した。


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:03:51.12 ID:U6B4gLQ2o

モバPは、その足でトレーニングジムに向かい、慣れた様子でダイナミックストレッチを行い

関節を温めトレーニングをはじめる。トレーニングジム内では、誰かの視線を感じたが無視した。


―――――

モバP「……ふぅ。帰ろう」

水分補給をすませ、帰宅する。トレーニングジムを出て、男が自転車に跨ると

 『今、貴方の後ろにいるの…』

背後で声がした。

モバP「マスコミの関係者……?」

 『いいえ』

声の主は、モバPが担当しているアイドルだった。


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:04:58.63 ID:U6B4gLQ2o

モバP「奏ちゃん…何故、ここに」

速水「モバPさんを驚かそうと思って」

モバP「冗談はよしてくれよ、早く帰りたいんで……。火急の用事?」

速水「あなたが帰宅後、常務に声をかけられてね。お仕事のソレについて相談よ」

モバP「……ああ、Project Croissant……」

速水「違うわ。しっかりして、CroissantではなくKrone よ」

モバP「クロワ……」


モバPは、自分で口にした「Croissant」の言葉に、内臓が反応するのを感じた。

食べ物の名を耳にすると、本能が「空腹」を訴えるのがわかった。


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:05:24.13 ID:U6B4gLQ2o

モバP「ハ……速水」

速水「 ?」

モバ「速水、空腹…だ。俺は空腹なんだ。明日にして……明日だ」

速水「……じ、じゃあ、ファミレスにでも……」

モバP「ダメだ。絶対にダメだ、拒否する!!」

速水「え」

モバP「迅速に帰宅し、自宅でチキン500gとジャガイモ500g」

速水「えっ!?一体、何事…?」

モバP「食べねば、ならない。絶対にな、食べるぜ、食べるんだよォッマグ口ぉおおおお……さぁ退け」

モバP「もちもちな大福、プロテインサプリメントッ!!アイスクリームをななァNANANAAAAAAA」

速水「た…食べ過ぎじゃないかしら」

モバP「話なら、自宅でするってドケ除けぇ!退ケェ!!ドDOKeeeよおぉぉお」

速水「それは、まずくないかしら……」


14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:05:54.55 ID:U6B4gLQ2o

モバPの眼の焦点は定まらず、あっていない。空腹のあまり殺気立っている。

速水奏は、彼の精神状態は平常ではないと判断した。


モバP「急がない用事なら、明日だァァアアAAAAAAAAAAAアアアアアアアアッt!!」

速水「ヒッ!」

モバP「どけぇっ!!俺は空腹なんだよォオ……俺を飢えさせるつもりかァッ!?」


食欲は三大欲求の一つである。食欲を妨げる者は、排除される。空腹で殺気立ったモバPは、速水奏の腕を食いちぎらんとばかりだ。

仮に、速水奏の腕をモバPが食べたところで「赤身が少ない。タンパク質が足りない、もっとだ」と言い

「もっとだ、腹が減った。脚もよこせ、速ヤミぃぃいいいいいいいい」と叫ぶに違いなかった。


速水「ううっ…わかった、わかったから落ちついて……」

モバP「………」


15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:06:38.94 ID:U6B4gLQ2o

―――――

速水「本当に、鶏肉500g食べてるのね」


もぐもぐ もぐもぐ


モバPの食事にはマナーも礼節もなかった。それは食事というよりは、栄養補給という行為であった。


速水「まるで、ありとあらゆる物を、一切合切を飲み込んでしまうブラックホールのようね」

モバP「はふっはふ……むしゃむしゃ……速水…むぐむぐっ……運動後にな」

速水「はい。よく噛んで食べて頂戴」

モバP「むしゃむしゃ……むぐむぐっ……ばりばり」

速水「キャベツなどの野菜も、しっかり食べていて、感心ね」


もぐもぐ もごもごっ


モバP「ばりばり…むぐむぐっ……運動した日は、1日に必要な栄養素をなァ……ばりばり」

速水「もう、1時間も食べっぱなし……」


16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:07:47.81 ID:U6B4gLQ2o

がつがつ がつがつ


速水「凄い食欲ね。全て食べる心算ね」

モバP「むしゃむしゃ…運動後にナぁ…はぐはぐ……1日に必要な栄養素の…多くを食べるスタイルなんだ」

速水「……」

モバP「あア…悪いなァ、もぐもぐ」

速水「………」

―――――

モバP「ふぅ……ごちそうさま」

速水「かれこれ、2時間も食べっぱなし」

モバP「……あ、あれ?何で…奏ちゃんがこの家に?」

速水「え?」

モバP「どこから湧いてきたんだい?何故、ここに…!」

速水「  」

モバP「以前、君は『今……あなたのすぐ後ろに居るの…振り返って』と」

モバP「脅かしてきたけど……本物のゴースト?小梅ちゃんに悪魔払いを…」

―――――


17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:08:40.45 ID:U6B4gLQ2o

モバP「ああ、仕事の話だったんだねー、思い出したよハハハ」

速水「思い出してくれたかしら……ハァ」

モバP「常務なら悪いようにしないと思う。Project Krone 素晴らしい 」

モバP「君の方向性と、常務の方向性は、相性イイ感じがするしさー」

速水「そういうものかしら。やることを縛られるのは不自由ではなくて?」


モバP「Project Krone は、豪華な甲冑と壮健な馬のようなもの」

速水「馬ですって?」


モバP「そうとも。美しい城の”城主”である常務が、甲冑と馬を用意してくれる」

速水「甲冑と馬…ね」

モバP「他の者は歩兵……君は立派な騎馬だよ、一体何人のアイドルが”騎乗”できる立場だろう」

速水「……それほど、多くはないわね」


アイドルの中には、副業をしながらアイドルをやっている者も少なくない。

親類から仕送りや援助を貰う者もいる。


18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:09:29.96 ID:U6B4gLQ2o

モバP「城主の考えは何であれ、用意してくれたソレを、君は好きなだけ使えばいい」

速水「常務から与えられた機会を、利用しろと言うのね」

モバP「甲冑を纏い騎乗し、歩兵を蹂躙すればいい。その後は、騎乗したまま凱旋パレートだね」


速水奏の脳裏に浮かぶのは、豪華絢爛なステージと喧騒と熱気に飲み込まれるファン達。

圧倒的な観客動員数、売上、成功すればアイドルの域ではなく、間違いなくアーティストの域であった。


モバP「城主がくれた Project Krone ……豪華な甲冑と壮健な馬を、使えるだけ使って」


19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:10:15.27 ID:U6B4gLQ2o

モバP「君自身の名声を高める道具にすればいい。城主すらも踏み台にして、さらに飛躍してもいい」

速水「踏み…台、ね」

モバP「いずれは城主になることも、夢ではない」


十代の若い者は、功名心と野心に満ち溢れていた。


速水「フフッ……おもしろい話ね」


20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:10:48.35 ID:U6B4gLQ2o

モバP「まぁ、バラエティの仕事がやりたいってなら……そういう仕事もあるよ」

モバP「奏ちゃんは、映画好きってことで『ポップコーン2時間耐久大食い選手権』とか」

速水「考えただけで、口内の水分を全て奪われる企画ね」

モバP「他には、『シャンデリア・ガールズ・プロジェクト!60分ぶら下がれますか?』…とかあるけど」

モバP「君は、常務の仕事よりそっちがいい?」

速水「遠慮しておくわ。腕が千切れそうだもの」


21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/31(月) 11:11:17.41 ID:U6B4gLQ2o

モバP「そう言うと思った。だから、この企画は武内君に譲っておいた」

速水「はぁ……有能なんだか無能なんだか…」

モバP「ハハハ!……あ、そうだ」

速水「?」

モバP「そろそろ帰って。お腹一杯だし、眠たいんだーおやすみ」


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