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トップページ765プロ > 貴音「おや?こんなところにらぁめん?が」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:35:21.78 ID:aoUG+neXo


貴音「ふむ、すぅぷは豚骨ですか?独特な匂いです」

貴音「麺は白く濁ったすぅぷに隠れています、麺の種類がわかりません」

貴音「具材は、焼豚のようなものが一枚と葱のみ、他は底に沈んでいるのでしょうか?」

貴音「黒色のらぁめん鉢で底が広く深い、高級感があり量もありますね。好感がもてます」

貴音「この湯気の加減から見て、出来てそうたっていませんね」

貴音「ふむ」

貴音「らぁめんは作りたてが一番」

貴音「時間が経ち伸びて冷めたらぁめん程、美味しくないものはありません」


貴音「だから、さらんらっぷをかけておきましょう」ファサ

貴音「これで少しは保温効果が得られます」

貴音「誰のらぁめんかは存じませんが、早く食べてもらえるといいですね」ニコ




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:36:06.86 ID:aoUG+neXo


真美「いやいやいや、なんでそうなるのお姫ちん!」

貴音「おや、真美ではないですか?なにか問題でも?」

亜美「問題大アリだYO!!なにラップをかけてラーメンの保温を気にしてるのさ!?」

貴音「時間が経ち伸びて冷めたらぁめん程、美味しくないものはありません」

真美「それはさっき聞いたYO!!」

貴音「はあ、ならばなにが?」

亜美「なにって、目の前にラーメンがあるんだよ?それを勝手に食べちゃうのがお姫ちんでしょ!?」


貴音「?」キョトン

真美「なに、よくわかりませんって顔してるのさ!!」

亜美「自分の今までの行いを振り返りなよ!!」



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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:36:36.47 ID:aoUG+neXo


貴音「ふむ、確かに私はらぁめんが好きです。いえ、大好きです」

真美「だったら……」

貴音「ですが、人のものを勝手に食べるのはいけないこと」

亜美「え?」

貴音「故に食べません」

真美「お姫ちん……」


亜美「……頭打ったの?もしくは体の調子が悪いの?病院行こうか?」

貴音「ご心配なく、私は至って正常健康です」


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:37:39.60 ID:aoUG+neXo


貴音「そもそも、勝手に食べないだけでそこまで驚くことですか?」

真美「うん、すっごく驚いたよ」

貴音「そ、そうですか」

亜美「てかさ、なにかあったの?」

貴音「なにか……そうですね色々ありました」

貴音「お尻を叩かれたり、お尻に熱湯をかけられたり、お尻を濡れたりぼんで打たれたり
   お尻の形が変わるほど抓られたり……」

真美「なにされてんのさ?」


貴音「あと、糖分過剰摂取で意識を失うくらい くっきぃを食べたり……」

亜美「なにしてんのさ!?」


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:38:26.31 ID:aoUG+neXo


貴音「そうして私は悟ったのです」

貴音「人のものを勝手に食べてはいけない……と」

真美「『……と』、じゃないよ!そんな当然のことで悟りを開かないでYO!」

貴音「なんと……」

亜美「お姫ちん……生まれてからの十数年間、獣にでも育てられたの?」

貴音「失礼な……響ではないのですから」

真美「その発言はひびきんに失礼だからね?」

亜美「あとでひびきんに謝ったほうがいいよ?」


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:39:03.19 ID:aoUG+neXo


貴音「なんにせよ、今の私が人の物を勝手に食べることなどありえません」キリッ

真美「そんな自信満々に言うことでもないよね」

貴音「ちなみに、この豚骨らぁめんは お二方のですか?」

亜美「あ~、まあそうなんだけど……」

貴音「では、冷めないうちに食すことをお勧めします」


貴音「私はこの場で見守っていますので」ジーーーーー

真美「お姫ちんラーメンを凝視してるよ……」

亜美「悟っても未練を断ち切れないんだね……」


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:39:44.42 ID:aoUG+neXo


真美「ん~……ネタばらしするとさ、これお姫ちんへのイタズラなんだよね」

貴音「悪戯?」ジーーーーー

亜美「そう、このラーメンをお姫ちんが食べちゃうように、ワザとここに置いたんだ」

貴音「なんと、そうなのですか」ジーーーーー

真美「ラーメンを食べてビックリするお姫ちんを見たかったなぁ」

貴音「ふむ……らぁめんに何らかの細工をしたのですね?」ジーーーーー

亜美「まあ大したことじゃないんだけど……」

貴音「ふふ、なんにせよ残念でしたね」ジーーーーー


真美「てか、そろそろラーメンから目を離してよ」

亜美「なんでラーメンを見つめた人と、会話をしなきゃならないのさ」


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:40:11.00 ID:aoUG+neXo


貴音「そうですね、名残惜しいですが……む?」

真美「ん?どちたの?」

貴音「……このらぁめんは悪戯の為に用意したのですね?」

亜美「そうだけど……」

貴音「ということは、私の為に用意したということでよろしいでしょうか?」

真美「まあ、よろしいと思うよ」

貴音「ふむ……」


貴音「では、いただきます」

亜美「いただくの!?」


9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:40:50.64 ID:aoUG+neXo


真美「それ、普通のラーメンじゃないよ!?」

貴音「存じ上げてます。ですが食べれないものを、使っているわけではないのでしょう?」

亜美「そうだけどさ、ネタバレした後で不安にならないの?」

貴音「ふふ、そんな不安よりも食欲が勝ります」

真美「さ、さすがはお姫ちん……」

亜美「そこに痺れもしないし憧れもしないけどね……」

貴音「ふふ、どんな味なのか楽しみですね」

真美「いや、単純に不味いと思うよ?」

亜美「せめて一口だけに止めておいたほうが……」


貴音「では改めて、いただきます」

貴音「………」パクッ


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:41:32.61 ID:aoUG+neXo


貴音「………」ズズ

貴音「………」チュルチュル

貴音「………」モグモグモグ

貴音「………」ズズズズ


貴音「ごっくん……ふぅ」

真美「た、食べちゃった」

亜美「スープまで全部飲んでるし……」


貴音「二人とも、御馳走様でした」

貴音「らぁめんをいただき、真にありがとうございました」ペコリ


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:42:39.65 ID:aoUG+neXo


真美「あ~、うん……」

亜美「それ……美味しかった?」


貴音「そうですね、すぅぷは味の調整が雑…とにかく雑でした、焼豚は非常に硬かったですね」

真美「………」

貴音「麺は柔らかい上にとても細かったですね、本当に細かった、初めての細さでした」

亜美「………」

貴音「あの細さはまるで………素麺のような……」

真美「いや、ソーメンなんだけどね」

貴音「……少なくとも、これをらぁめんと思いたくはありませんね」

亜美「まあソーメンだからね」


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:43:13.46 ID:aoUG+neXo


真美「ていうか作った真美たちが言うのもなんだけど、よく食べたよね」

亜美「美味しくなかったでしょ?味覚とか大丈夫?病院行こうか?」

貴音「今日の二人の言葉は包丁並みの切れ味ですね、言葉の刃が私のお尻に刺さってきますよ」フフ

真美「刺さるなら心に刺さってほしいけどね」

亜美「刺さっているのに嬉しそうなのは何故かな?」

貴音「嬉しそうですか?」

真美「うん、なんなら真美たちを怒ってくれてもいいのにさ……」

亜美「ごめんね……あんなのを食べさせようとして……」

貴音「ふふ、いいのですよ」


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:44:15.01 ID:aoUG+neXo


貴音「確かにあのらぁめんは美味しくありません、今まで食べた何よりも美味しくありませんでした」

真美「まあソーメンだしね、本当にごめん……」

亜美「色々と適当に混ぜちゃったからね……」

貴音「ですが、私は嬉しいのです」

真美「なぜ!?」

貴音「動機はどうあれ、二人が私の為に一生懸命作られたのがわかりますから」

亜美「お姫ちん……」

貴音「ふふ、自分のために誰かが作ってくれるというのは、本当に喜ばしいことですね」

真美「………」

亜美「………」


14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:44:42.03 ID:aoUG+neXo


貴音「二人とも、本当に感謝いたします」ペコリ

真美「ま、まあ喜んでくれたらそれでいいかな?」

亜美「そ、そだね」

貴音「はい、とても嬉しかったです。よろしければまた作ってください」

真美「え゛!?」

貴音「ですが、今度はもうちょっと味を整えて、麺は中華麺を使っていただけると助かります」フフフ

亜美「あ~……んっふっふ~、そんなのお安い御用だね!」

真美「今度は双海家直伝のラーメンをご馳走してあげるYO!」

貴音「ふふふ」


貴音「それはとても楽しおろろろろろろろろろろ」

真美亜美「「お姫ちん!!??」」


15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:45:19.80 ID:aoUG+neXo


貴音「な……なぜわたくしが……嘔吐を……」ウッ

貴音「もしや……本当に体調が………悪いのでは……」

真美「いや、あんなラー…ソーメンを食べたからでしょ!?」

貴音「そんな馬鹿な!?」

亜美「バカはお姫ちんだよ!!スープまで全部飲んでさ!」

貴音「しかし今までも牛脂を食べたり……塩だけくっきぃを食べても……吐くことをしなかった私が……」

真美「それは吐こうよ!!」

亜美「無理したら体壊すよ!?」


16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 22:45:59.28 ID:aoUG+neXo


貴音「こ、こんなことでは……へこたれません……」グググ

真美「お姫ちん?」

貴音「双海家直伝のらぁめんを食べるまでは……」

亜美「どんだけ食い意地が張ってるのさ!」

貴音「さあ、材料を買いに行きましょう……」

真美「今から食べるつもりなの!?」

貴音「もちろんです……ふふふ…楽しみですね……」

亜美「無理して食べちゃダメってのも悟ってよ!!」



貴音「?」キョトン

真美亜美「「なに、意味がわからないって顔してるのさ!!」」






おわり






転載元:貴音「おや?こんなところにらぁめん?が」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470404121/



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