育「朋花さんってしっかりしてるイメージがあったから、なんだか意外だね」

環「たまき、ともかが寝てるところ見たことないぞ」

美也「そうですか～？ ロケでお泊まりした時もお布団から出てこなくて、可愛らしかったんですよ～」

環「えっ！」

育「えっ！？」

美也「おや～？」

環「みや、ともかといっしょに遊びに行ったの！？ いいな～」

育「みんなで劇場にお泊まりした時は、しっかりしてたよね」

美也「育ちゃんもしっかりしていましたよ～」

環「ねぇ、いく」

育「うん、環ちゃん」

美也「お～？」

環「たまちたちも、ともかが寝てるところ見たいっ！」

育「わたしもわたしも！ ねぇ、美也さんも手伝ってくれる？」

美也「なんだか面白そうですね～」

ｶﾞﾁｬ

P「お待たせ～。いやぁ社長と話してたら長引いてしまって」

環「おやぶん！」

育「プロデューサーさん！」

P「えっ、なになに」

ｶﾞｼｯ

美也「プロデューサーさ～ん？」

P「えっなになになに怖い怖い」

後日

P「え～、言われた通りにお昼すぎに朋花を事務室に呼び出しました」

P「他のアイドルや青羽さんのスケジュールも調整して、事務室に朋花が一人になるようにしました」

P「ドッキリ用の監視カメラも準備して、みんなで中継できるようにしました」

環「ありがとうおやぶん！」

育「プロデューサーさんありがとう！」

美也「ありがとうございます～」

P「これ後日殺されるんじゃないかな俺」

環「あっ！来た！」

ｶﾞﾁｬ

朋花「おはようございます～……おや？」


朋花「……」

育「アレは呼び出されたのにプロデューサーさんがいなくて、怒ってる顔だね！」

美也「お仕置きを考えてるようにも見えますな～」

環「でもちょっと楽しそうだぞ」

P「俺、ワンデス確定」

朋花「……」

育「ソファに座って本を読んでる。このまま寝るかなぁ？」

環「本を読んだらともかも寝ちゃうはず！」

美也「朋花ちゃんは勤勉ですから、どうでしょうかね～」

朋花「……」

P「……まぁ寝ないよな。この後俺が来ることになってるわけだし」

環「じゃあたまき、行ってくる！」ﾀﾞｯ

P「え？ 環が行ったら逆効果じゃない？」

美也「環ちゃんにもきっと何か考えがあるんですよ～」

育「環ちゃんがダメだったらわたしが行くからね！」

P「レイドボスかな？」

ｶﾞﾁｬ

環「ともか～！！」

朋花「まぁ、環ちゃん」

環「一緒に寝ようよ！」

朋花「……？」


P「わぁ直球」

育「でも朋花さんはやさしくて断らないだろうから、正鵠だよね」

P「育さん……？」

朋花「環ちゃん、眠たいなら寝ても良いですよ～」

環「たまき、ともかと一緒に寝たい！」

朋花「うーんそうですね……。ではこうしましょう。聖母の膝を差し上げますから、ここに横になってくださいね」

環「ともかも一緒に寝る！？」

朋花「えぇ、眠りますよ～」

環「わーい！ ありがとう！」ﾊﾞｯ


P「あっ、これは」

美也「む～ん。難しいですね～」


環「……むにゃあ」

朋花「……ふふっ、可愛いですね～」


育「環ちゃんが寝ちゃった！」

美也「朋花ちゃんは眠ってないので、失敗ですね～」

P「このままだと動けないから、回収するかぁ。いま電話を」

育「あっ、プロデューサーさんが電話したら朋花さんに怪しまれちゃうよ！わたしが電話するね！」

P「そうだね確かに」

prrrrrr

環「むにゃ…？」

朋花「環ちゃん、電話が来ていますよ」

環「あ、あれっ！たまき寝ちゃってた！？」

朋花「そうですね～。まずは電話に出ましょうか」

環「あっ、いくだ！ ごめん、たまきもう行くね！」ﾀﾞｯ

朋花「元気ですね～♪」

ｶﾞﾁｬ

環「う～！失敗しちゃったぞ～！」

育「環ちゃんが寝ちゃったらダメだよ！」

美也「なかなか手強い相手ですな～」

P「さてさてどうしたものか」

育「次はわたしが行くね。わたし、ちゃんとさくせんを立ててきたんだ！」

美也「ほ～、どんな作戦ですか～？」

育「これ！眠たくなるアロマオイルを可憐さんに作ってもらったの！」

環「可憐お姉ちゃんに？」

美也「確かに、可憐ちゃんのアロマはリラックスできますからね～」

環「ねぇねぇいく、どんなにおい？」

育「えっとね、……あっ！」

育「可憐さんから『公共の場所や、安全が確保できない場所では開けないでね』って言われてるんだった！」

P「それ大丈夫？ ちゃんと合法？」

美也「可憐ちゃんでも、一線を越えたりはしませんよ～」

環「うーん、じゃあ後で嗅がせてね！」

育「うん、一緒に嗅ごうね！」

P「監督責任を果たすためにガスマスク用意してくる」

美也「お～。完全防備ですな～」

ｶﾞﾁｬ

育「朋花さん、こんにちは！」

朋花「こんにちは。環ちゃんに会いませんでしたか？」

育「うん、さっき会ったよ！」

育「あのね朋花さん、見せたいものがあるの」

朋花「なんですか～？」

育「これ、可憐さんがアロマオイル作ってくれたんだ」

朋花「それは良かったですね～」

育「朋花さんにも嗅いでほしいなって思って持ってきたの」

朋花「ありがとうございます～。では失礼して」

育「じゃあ開けるね！」

ほわわわわ

朋花「……！」

育「わぁっ、良い匂い……」

朋花「育ちゃん、こちらのソファに座ってください」

育「え？ うん……」

朋花「このクッションを抱えて、どうぞ」

育「ありがとう……」

育「……」

育「……」ｽｰ

環「いくが寝ちゃった！」

P「本当に合法なのかな…」

美也「朋花ちゃんにも少し効いているみたいですよ～」



朋花「……」ｳﾄｳﾄ

朋花「……」

朋花「……ッ！」ﾊﾞｯ


美也「お～、『堅』を使って眠気を吹き飛ばしましたね～」

P「え？なにそれ？」

美也「『纏』と『練』の応用技で、通常より多くのオーラを身に纏う技です～」

環「よく分からないけど朋花すごいぞ～」

P「とにかく、育も回収しないとな」

環「ハイハイ！じゃあ今度はたまきがいくに電話かけるぞ、くふふ」

prrrrr

朋花「おや？」

育「……ん、あれ！？ わたし寝ちゃってた！？」

朋花「はい～。うふふ、可愛らしかったですよ～♪」

育「環ちゃんから電話が来てる！ う～、ごめんなさい朋花さん、またね！」

朋花「はい～」

ｶﾞﾁｬ

育「失敗しちゃったぁ」

環「くふふ、いくも寝ちゃったね」

育「だってあのアロマが……あれ？ ない！」

P「回収されたか……」

美也「過ぎた力は身を滅ぼしますからね～」



美也「それでは、わたしの番ですか～？」

育「うぅ、美也さんお願い！」

環「みやはどんなさくせんなの？」

美也「作戦ですか～？ ありませんよ～」

P「無いのかよ。頑張ってきてくれ」

美也「はい～。行ってきます～」

ｶﾞﾁｬ

美也「こんにちは～」

朋花「こんにちは、美也さん」

美也「お～、お勉強ですか～？」

朋花「はい～。聖母として君臨するために、研鑽は欠かせませんからね～」

美也「朋花ちゃんは偉いですね～。よいしょ」

朋花「……どうして隣に座るんですか～？」

美也「だめ、でしたか～？」

朋花「そうではありませんが……」

美也「よいしょ」

朋花「……どうしてブランケットをかけているんですか～？」

美也「あったかくて、気持ちいいからです～♪」

朋花「わたしにまでかけなくても良いのでは～？」

美也「気持ちいいのは、お裾分けした方が良いですからね～」

美也「ほら、ぽかぽかで気持ちいいですよ～」

朋花「ぽかぽかなのは、美也さんですけどね～」

美也「そうでしたか～。それでは、私もお裾分けしてあげましょう～。肩に寄りかかってもいいですよ～♪」

朋花「……本が読みにくいのですが～」

美也「そうですか～？ なら少しだけ、お休みにしましょうか～」

朋花「……全くもう、仕方のない人ですね～」

美也「えへへ、そうかもしれないです～」

朋花「……」

美也「……」



環「いいなー。環も、みやでぽかぽかしたいぞ」

育「美也さん、強すぎない？」

P「まさかのゴリ押しでした。ここからどうなるかだな」

環「みやもたまきたちみたいに寝ちゃうかも！」

育「たしかに！ 美也さんもお昼寝だいすきだしね」

P「むっ、これは……！」

美也「……」ｽｰｽｰ

朋花「……」


環「やっぱり！」

育「たいへん！起こさなきゃ！」

P「いや、待つんだ！」


美也「……」ｽｰｽｰ

朋花「……まったく、自由な人ですね～」

美也「……みゃ～」ｽｰｽｰ

朋花「ふふっ」

朋花「……」

美也「……」ｽｰｽｰ

朋花「……」

朋花「……」ｽｰ


環「あっ！寝た！ともか寝た！？」

育「ほんとだ！朋花さん寝てる！すごいよ美也さん！これって引き分け？」

P「勝ち負けとかあるんだ……。でもまぁ、そういう意味では美也の勝ちかもな」

環「えっ？どうして？」


美也「……」ｽｰｽｰ

朋花「……」ｽｰ

美也「……」

朋花「……」ｽｰ

美也「……」

美也「……うふふ～」ﾑｸｯ

環「あっ！みやが起きた！」

育「いや、起きてた？ これって……」

P「あぁ、美也は敢えて先に自分が寝たフリをすることで朋花を安心させ、すやぷぅを誘発したんだ！」

環「たまきたちも寝たのに！」

P「お前らはガチ寝だったろ」

美也「むふふ～、可愛い寝顔ですな～♪」

育「美也さん、カメラにピースしてる」

P「勝者の余裕がすごい」

P「じゃあまぁ、カメラ越しだけど無事に朋花の寝顔も拝めたし。種明かしと行こうか」

環「静かに入ればたまきたちもともかの顔みれるかな！？」

育「ゆっくりだよ環ちゃん。音を立てないように、ゆーっくり」

(ｶﾞﾁｬ)

朋花「……」

環「あっ、朋花起きた」

育「起きちゃったね」

美也「ふふふ～。これで直接朋花ちゃんの寝顔を見れたのは私だけですな～♪」

P「美也が一枚上手だったな」

朋花「……」

朋花「プロデューサーさ～ん？」

P「ぐっ！ 身体が動かん！」


環「これも『けん』ってやつ？」

美也「これは違いますね～」

育「なぁにそれ？」


朋花「聖母を騙した罪の深さ、身をもって体感させてあげますね～♪」

P「うっ、ぐぐぐ。鞭はせめて環と育がいないところで……」

美也「じゃあオチはプロデューサーさんに任せて、私たちはお昼寝しましょうか～♪」

環「うん、たまき眠たくなってきちゃった」

育「うん。実はわたしも……」

美也「はい～。じゃああっちに行きましょ～！」

朋花「それでは手加減は無用ですね～。行きますよ～」

P「うおおおおぉぉぉ！！！」


おわり