「遠く遠く離れていても僕のことがわかるように
　ちから一杯輝ける日をこの街で迎えたい」

…歌い始めてから気付きました、この曲はナナにとっては鬼門です。感情移入が出来ないんじゃなくて、その逆。

分かる所がありすぎました。

「外苑の桜は咲き乱れ、この頃になるといつでも
　新幹線のホームに舞った見えない花吹雪思い出す」

　ナナの場合は、電車のホームでしたね－と思い出し苦笑いです。
　美穂ちゃんの実家は新幹線がたしか「桜」だったからちょうどいいかもしれませんね。

「まるで七五三の時のよう、ぎこちないスーツ姿も
　今ではわりと似合うんだ、ネクタイも上手く選べる」

　ええ、こっちに来た時はてんやわんやで、メイド服とかも違和感バリバリでしたけど
　今ではしっくりきます。それがいいことなのか悪いことなのかは微妙ですかね？

「同窓会の案内状、欠席に丸を付けた
　元気かどうか心配ですと、手紙をくれるみんなに」

　…行きたいですね、同窓会。でも、行けないんですよね、同窓会。



「遠く遠く離れていても僕のことがわかるように
　力いっぱい輝ける日をこの街で迎えたい」

　だから、その代わりですね。昔いた『あの街』じゃなくて、今の『この街』で頑張るっていうのは。

「いつでも帰ってくればいいと、真夜中の公衆電話で
　言われたとき笑顔になって、今までやってこれたよ」

　今時の子は公衆電話とか使うんですかね－？ナナの時はチョクチョクつかってましたかねー。
　まぁ、なんとか帰らずにひと踏ん張りで頑張ってます。

「どんなに高いタワーからも見えない僕のふるさと
　失くしちゃ駄目なことをいつでも、胸に抱きしめているから」
　
　東京タワーからウサミン星は見えません。
　でも、スカイツリーからは見えるから困ったもんです。
　設定ミスですね。今の自分のことは置いておいて。
　

「遠く遠く離れた街で、元気に暮らせているんだ
　大事なのな、『変わっていくこと』『変わらずにいること』」
　
　幸い体は健康です。ただ、ナナは何を変えて、何を変えずにいたんでしょうね。

歌うことに集中していると間奏の時に色々思い出します。
この曲を聞いていた昔のこと、この曲を歌っている今のこと、それまでのこと、それからのこと。

「同窓会の案内状、欠席に丸を付けた
　だれよりも今はみんなの顔、見たい気持ちでいるけど」

　気持ちは有るんです、ただ、行けないんですよね…時間的にも、仕事的にも。

「遠く遠く離れていても僕のことがわかるように
　ちから一杯輝ける日をこの街で迎えたい」

　だから、今は日々がむしゃらにがんばりませんとね。

「僕の夢をかなえる場所はこの街と決めたから」

　トップアイドルになると決めましたから。

　
　

　大人になってから歌うと浸れる曲です。


　この曲は遠く故郷を離れて頑張っている美穂ちゃんの方が相応しいですね。
　ナナが歌うと、年齢のこととか、色々ボロが出てしまそうです。

「ナナさん凄く上手でした！故郷のこととか、友達のこととか、色々思い出せました。」
　美穂ちゃんの眼差しが少し痛い気がします。

「いやいや、それほどでもありませんよ。さて、ナナも自分の課題曲の『碧いうさぎ』を練習しましょうかねぇ」
　カラオケが終わったらこの曲をチョイスしたプロデューサーを締めに行って気分をアジャストしようと思います。

　




　　遠く遠くに置いてきた自分の過去を振り返るのはもうちょっと先になりそうです。