翼「もうお昼だし、ひなたちゃんなら初詣に行ってたりするんじゃないかなって。そこに繋いでもらえれば、行った気になれるかなって♪」

未来「ひなたちゃんの可愛い恰好も見れるかも！翼すごい！天才！」

翼「ふふーん、もっと言って！」

静香「……なかなかでないわね。あっ、切れた」

翼「気付かなかったのかな？　もう一回かけてみようっと」

静香「これでダメなら諦めなさいよ」

翼「うーん……あっ、出た！ひなたちゃーん！」

未来「ひなたちゃん！　……あれ？」

静香「何これ？　天井？」

『姉ちゃーん、電話来てる！』

静香「えっ！？　だ、誰！？」

未来「あっ、あのあの、わたし春日未来です！」

翼「聞いてないかも。わー画面が揺れる」

『姉ちゃん！』

『はやぁ、ありがとねぇ』

翼「わぁ真っ暗。ひなたちゃーん！」

『ん、翼ちゃん。明けましておめでとうねぇ』

未来「なんかいつも以上にぽやぽやしてる」

『ありゃ、未来さんもいるのかい』

静香「私もいるわよ。ひなた、あけましておめでとう」

『あけましておめでとうございます。わざわざありがとねぇ』

静香「あの、ひなた。これテレビ電話よ。耳につけてない？」

『ん～？』

翼「あ、離れた」

未来「ひなたちゃんだ。パジャマ着てる」

静香「もしかして寝てた？　悪いわね急に」

『……』

未来「目ぇ開いてない」

翼「髪もぼさぼさだ。かわいいね」

静香「ひなたって実家だとこうなのね」

『……』

『……へっ？』

未来「あっ、目が開いた」

翼「やっほ～ひなたちゃん。見える～？」

『ひゃあぁ～～！！！』

静香「あっ！切れた！」

未来「もう一回かけよう！翼！」

翼「まかせて！　もしもーしひなたちゃん！」

『……あけましておめでとうございます』

翼「なんでカメラつけてくれないのー？　ひなたちゃんを見たいよー」

『だってみっともないべさ。恥ずかしい』

未来「えー、ずるいずるい」

静香「ちょっとかわいそうなことをしちゃったかも」

翼「えー？　じゃあ～、わたしたちの可愛い振袖も見せてあげな～い」

『ありゃあみんなで初詣かい？　いいねぇ』

未来「ひなたちゃんがカメラをつけてくれたら私たちのカメラもつけてあげるよ！」

静香「それって交換条件になってるの……？」

『うーん振袖姿も見たいねぇ……。ちょっと待っててくれるかい』

翼「着替えちゃだめだよ！そのまんま！」

『えぇ～……う～ん……』

静香「人が良すぎるわよひなた」

『仕方ないねぇ』

未来「あっ、ついた！　半纏着てる！」

翼「わ～、ひなたちゃんかわいい～！」

静香「髪を直そうとした形跡があるわね」

『うぅ、恥ずかしいべさ。そっちは綺麗にしてるからなおさら』

翼「え～？　ひなたちゃんもすっごく可愛いよ～」

未来「でへへ～、振袖どう～？」

『みんなすっごくめんこいよぉ』

静香「ひなたはそっちで初詣とか行ってないの？」

『じいちゃんが脚を悪くしてねぇ。今年は家でのんびりしてるんだぁ』

静香「それでお昼寝してたのね」

『う、そうです……』

　
翼「もー静香ちゃん厳しいー。かわいいひなたちゃんが見れたからいいでしょー？」

静香「まぁ、そうね。珍しいひなたが見れたわ」

『やめてよぉ恥ずかしい。みんなには言わないでね』

翼「とりあえずスクショはいっぱい撮ったよ」

『ひゃあ～～～?　消してよぉ！』

翼「消しませ～ん！　でもプロデューサーさんにも他の人にも見せないから安心してね」

未来「翼ってひなたちゃんのこと大好きだよね」

静香「確かに」
　

　
翼「そっちは涼しそうで良いなー」

『涼しいなんてもんじゃないよぉ。そっちだってあったかくはないしょや』

未来「人混みがすごくて振袖だと暑いくらいだったよね」

静香「そうね。寒暖差で参っちゃう」

『こっちも今日はまだあったかいほうだけどね。最高気温がプラスだし』

翼「ぷらす……？」

未来「ちょっと何言ってるのか分からないかも」
　

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

『姉ちゃん、掃除するから手伝えって母さんが』

『はぁい。あんたもゲームしてないで手伝ってよ』

未来「あ、さっきの弟くん？　見たい見たい！」

『いやだよぉ別に何でもないし』

『姉ちゃんの友達？　ってことはアイドル？　どうも、あけましておめでとうございます』

静香「おめでとうございます。礼儀正しいのね」

翼「似てる……？　似て……、うーん」

『もうどっか行ってよぉ。あたしもすぐ行くから』

『はぁい』

未来「なんだか今日は見たことないひなたちゃんがいっぱい見れる！」

翼「ね、テレビ電話して良かったでしょ？」

　
静香「急に悪かったわね。呼ばれてるんでしょ」

『うーん。そうみたいだねぇ。したっけそろそろ』

翼「ちょっとー！静香ちゃんなんで終わらせようとしてるのー?」

未来「もー、わがまま言わないの翼」

翼「やーだー、もっとひなたちゃんとお喋りしたいー！」

静香「はいはい、こっちは気にしなくていいから。ありがとね、ひなた」

『翼ちゃん、また今夜電話するからねぇ』

翼「やったー！　ありがとうひなたちゃん！」

静香「あんまり翼を甘やかしちゃだめよ、ひなた」

『うん、ありがとぉ。それじゃあ』
　

　
未来「切れた。あー、ひなたちゃん可愛かったなー」

翼「でしょ～♪」

静香「なんで翼がドヤ顔してるのよ……」

翼「あ、そうだ。これひなたちゃんのおばあちゃんの写真」

未来「なんで翼が持ってるの？　見たいけど」

静香「そろそろ行くわよ。買い物に行けなくなっちゃう」

翼「待って待って、ほらこれがおじいちゃん」

未来「なんで翼が持ってるの？」

翼「おじいちゃんイケおじだよね～。あ、ほらこっちの写真だと￣￣￣」

§


翼「￣￣￣それでね、これがひなたちゃんのおばあちゃんちにいるネコで～」

未来「わぁ～可愛い～」

静香「これ終わらないやつだわ……。お買い物も諦めたほうが良さそうね」

未来「まぁ良いんじゃない？　楽しいし」



おわり