P「なぜってそういう世界観だからとしか……」

紬「なるほど、ファンタジーの世界観なのですね。魔法で病気を治したり……」

P「いや治すのは医療器具を使うよ」

紬「なんなん？」

P「ほら、聴診器とか注射器とか、グラビア撮影の時に使おうと思って用意したんだ」

紬「見栄えは大切ですからね。それで私はどれを使えば？」

P「紬にはこの闇パルスオキシメーターを使ってもらおうと思っている」

紬「闇パルスオキシメーター！？」

P「闇パルスオキシメーターだ」

紬「パルスオキシメーターというとあの、血中酸素飽和度を測定する」

P「そう、それだ」

紬「それが闇」

P「闇パルスオキシメーターだ」

紬「つまりどういうことなのですか？」

P「血中の闇酸素飽和度を測定する」

紬「闇酸素飽和度！？」

P「闇酸素飽和度だ」

紬「闇酸素飽和度とは」

P「闇の住人が生きていく上で必要なやつだ」

紬「なるほど。それは大切ですね。それではグラビアでも闇の住人の血中闇酸素飽和度の測定を？」

P「うーん。でも紬のグラビアに紬以外が写るのもなんだかなぁ」

P「そうだ。紬の闇酸素飽和度を測定しているところを撮ってもらうのはどうだろう」

紬「闇ナースが自身の血中闇酸素飽和度を！？」

P「そう、闇ナースが闇ナースの血中闇酸素飽和度を闇パルスオキシメーターで測定するんだ」

紬「やはり訳が分かりません……」

P「大丈夫！一部の層にはウケるはずだ！俺を信じろ！」

紬「あなたが言うと余計に不安を煽られますが……」

P「チュパカブラだって乗り越えられた紬なら大丈夫だ！」

紬「半ば無理やり乗り越えさせられましたね」

P「ほら、未来がこう言ってる音声を聞いて自信を持ってくれ」ﾎﾟﾁｯ

『紬ちゃん。ぜったい、大丈夫だよ！』

紬「録音して持ち歩いているのですか？」

P「とにかく絶対大丈夫だ！間違いない！」

紬「……はぁ。まぁ、豊川さんあたりにアドバイスを頂いてみますか」

P「それなら連絡しよう！もしもし風花か！？ 大丈夫だよな！絶対大丈夫だよな！大丈夫って言ってくれ！」

『え、えぇ……？ そう、ですね。大丈夫……です？』

P「ほら！」

紬「なんなん？」

P「絶対絶対大丈夫なんだ！だから頼む！」

紬「まぁ、ご依頼を頂いたのであればお応え出来るよう努めますが……」

撮影当日

そら「あぁ～朋花ちゃんすっごく良かったです！お疲れ様でした！」

紬「なるほど、聴診器をあのように使って……次は私の番ですね」

そら「よろしくお願いします。紬ちゃんは何を使いますか？」

紬「私はこの、闇パルスオキシメーターを」

そら「闇パルスオキシメーター！？」

紬「安心してください。闇パルスオキシメーターの使い方は事前に調べて参りました」

そら「闇パルスオキシメーターの！？」

紬「これを机の上に置いて、指を入れます」ｽｯ

そら「……？」

紬「待ちます」

そら「……？」ｶｼｬ

紬「……」

そら「……」ｶｼｬ

紬「見てください。私の血中闇酸素飽和度は98%、正常値です」

そら（……顔が良いからヨシ！）


おわり

終わりです。完結報告出してきます。
闇ナース白石紬ぜんぜん意味分からなさすぎて楽しいですね。