1: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 18:52:27 ID:cOGn
2: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 18:53:50 ID:cOGn
ほたる「すみません、徹夜で相談していたのでちょっとテンションが」
晶葉「相談?」
ほたる「ほら、デレぽにAIにいろいろ聞ける機能がついたじゃないですか」
晶葉「あああれか。私やマキノも開発に関わった自信作だぞワハハ」
ほたる「あれすごいですね。いろんなこと聞けるからすごく助かります」
晶葉「誤答もあるから自分で情報を精査する必要があるが、便利に使ってくれるとうれしいぞ」
ほたる「はい、この間も60000mAh、222Wh、正弦波出力200Wって具体的にどのぐらいの性能か教えてもらって」
晶葉「なんでポータフル電源の性能を確認してたの」
3: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 18:54:41 ID:cOGn
ほたる「いろいろ教えてくれるからつい面白くなっちゃって」
晶葉「気持ちは解る」
ほたる「それで節分のこと調べたんです」
晶葉「なんでさ」
ほたる「節分に裕美ちゃんたちと集まって豆まきするからです」
晶葉「ほほう」
ほたる「豆をまく側にさせてもうの久しぶりで、とっても楽しみで」
晶葉「なんか闇を感じる発言だがスルーしよう。それで?」
晶葉「気持ちは解る」
ほたる「それで節分のこと調べたんです」
晶葉「なんでさ」
ほたる「節分に裕美ちゃんたちと集まって豆まきするからです」
晶葉「ほほう」
ほたる「豆をまく側にさせてもうの久しぶりで、とっても楽しみで」
晶葉「なんか闇を感じる発言だがスルーしよう。それで?」
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4: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 18:56:39 ID:cOGn
ほたる「はい。なんで節分に豆を撒くのかって聞いてみたら、AIさんが『邪気払いや厄除けのためだよ』って」
晶葉「そうだな」
ほたる「鬼さんが邪気や厄を運んでくるから、それを豆で追い払うんだそうですね」
晶葉「うんうん」
ほたる「つまり私の不幸も毎年鬼が運んで来てるわけです」
晶葉「さてはその時点で寝不足だったな?」
晶葉「そうだな」
ほたる「鬼さんが邪気や厄を運んでくるから、それを豆で追い払うんだそうですね」
晶葉「うんうん」
ほたる「つまり私の不幸も毎年鬼が運んで来てるわけです」
晶葉「さてはその時点で寝不足だったな?」
5: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:04:58 ID:cOGn
ほたる「そこで私は考えました。追い払うんじゃなくて、来た鬼を退治できたらもう不幸が運ばれてこないんじゃないかって!」
晶葉「そうかなあ」
ほたる「ぶつけられたら逃げるほど豆が苦手なんですから、すごい勢いでぶつけたら退治できると思いませんか?」
晶葉「それで機械を作ってくれと。しかし時速3600kmという数字はどこから出てきたんだ」
ほたる「はい。えーと。煎り豆って、平均0・2グラムぐらいらしいんです」
晶葉「あまり気にしたことがなかったが、確かにそんなものかもな」
ほたる「それで私、聞いたんです。『0・2グラムの物体に厚さ40センチの牛肉を貫通させるにはどのくらいの速度が』」
晶葉「待て待て待て」
晶葉「そうかなあ」
ほたる「ぶつけられたら逃げるほど豆が苦手なんですから、すごい勢いでぶつけたら退治できると思いませんか?」
晶葉「それで機械を作ってくれと。しかし時速3600kmという数字はどこから出てきたんだ」
ほたる「はい。えーと。煎り豆って、平均0・2グラムぐらいらしいんです」
晶葉「あまり気にしたことがなかったが、確かにそんなものかもな」
ほたる「それで私、聞いたんです。『0・2グラムの物体に厚さ40センチの牛肉を貫通させるにはどのくらいの速度が』」
晶葉「待て待て待て」
6: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:05:16 ID:cOGn
ほたる「はい?」
晶葉「なんでそうなったの」
ほたる「鬼の体を貫通してほしくて……」
晶葉「発想が物騒すぎる! いつもの優しいほたるはどこに行ったんだ」
ほたる「いえもう私のところに13年間不幸を運んできた相手になにを遠慮する必要があるんですか」
晶葉「うわあ目が座ってる」
ほたる「私だって幸せになりたい!」
晶葉「こんなバカみたいなシチュエーションで聞きたくないなあそのその叫び」
晶葉「なんでそうなったの」
ほたる「鬼の体を貫通してほしくて……」
晶葉「発想が物騒すぎる! いつもの優しいほたるはどこに行ったんだ」
ほたる「いえもう私のところに13年間不幸を運んできた相手になにを遠慮する必要があるんですか」
晶葉「うわあ目が座ってる」
ほたる「私だって幸せになりたい!」
晶葉「こんなバカみたいなシチュエーションで聞きたくないなあそのその叫び」
7: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:24:00 ID:cOGn
ほたる「とにかくまあ、それなら時速3600kmあればいいよと」
晶葉「AIは0・2グラムの物体をそんな速度で飛ばすのは現実的じゃないよって言ってなかったか?」
ほたる「言ってましたが、そんな言葉は聞き飽きてます。どんなに無理だと言われても、諦めきれない夢ってあるんです」
晶葉「諦めていいことも世の中にはたくさんあると思うぞ。ところでなんで牛肉なんだ」
ほたる「角があるし……」
晶葉「本当に一度寝た方がいいと思うぞ?」
晶葉「AIは0・2グラムの物体をそんな速度で飛ばすのは現実的じゃないよって言ってなかったか?」
ほたる「言ってましたが、そんな言葉は聞き飽きてます。どんなに無理だと言われても、諦めきれない夢ってあるんです」
晶葉「諦めていいことも世の中にはたくさんあると思うぞ。ところでなんで牛肉なんだ」
ほたる「角があるし……」
晶葉「本当に一度寝た方がいいと思うぞ?」
8: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:24:19 ID:cOGn
ほたる「寝ますから機械を作ってください。炒り豆を時速3600kmで発射する機械を!!」
晶葉「え、イヤだが」
ほたる「なんでですかー!」
晶葉「まあ、無駄だからかなあ」
ほたる「実は作れないとか」
晶葉「そんなことはないぞ。そもそも物体をほたるの言うような速度で発射する機械は実在しているしな」
ほたる「え、そうなんですか」
晶葉「銃だ」
ほたる「じゅう」
晶葉「え、イヤだが」
ほたる「なんでですかー!」
晶葉「まあ、無駄だからかなあ」
ほたる「実は作れないとか」
晶葉「そんなことはないぞ。そもそも物体をほたるの言うような速度で発射する機械は実在しているしな」
ほたる「え、そうなんですか」
晶葉「銃だ」
ほたる「じゅう」
9: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:24:38 ID:cOGn
晶葉「そう、銃。たしか5・56mmNATO弾の初速がそんなものじゃなかったかな」
ほたる「へえええ」
晶葉「まあ0・2グラムの物体を加速するのは大変だが、加速に必要なガス圧を計算し、それに耐えられる構造の砲身を用意して十分な量の火薬を使用して発射すれば炒り豆を時速3600kmで射出することも可能だろう」
ほたる「おおおお。それで鬼さんをやっられるんですね!」
晶葉「私と君も無事じゃ済まないけどな。銃刀法違反、武器等製造法違反、爆発物取締法違反などで一発アウト。アイドルへの夢もその後の人生も完全にパア」
ほたる「なんか私たちの被害のほうが大きくないですか」
晶葉「そうだな。アイドル生命を捨ててまで撃ちたいなら止めないけど」
ほたる「へえええ」
晶葉「まあ0・2グラムの物体を加速するのは大変だが、加速に必要なガス圧を計算し、それに耐えられる構造の砲身を用意して十分な量の火薬を使用して発射すれば炒り豆を時速3600kmで射出することも可能だろう」
ほたる「おおおお。それで鬼さんをやっられるんですね!」
晶葉「私と君も無事じゃ済まないけどな。銃刀法違反、武器等製造法違反、爆発物取締法違反などで一発アウト。アイドルへの夢もその後の人生も完全にパア」
ほたる「なんか私たちの被害のほうが大きくないですか」
晶葉「そうだな。アイドル生命を捨ててまで撃ちたいなら止めないけど」
10: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:24:57 ID:cOGn
ほたる「ううう。不幸を運ぶ鬼を退治しようとしたらより不幸になるなんて理不尽です」
晶葉「100%銃だもん。全く理不尽じゃないぞ」
ほたる「あくまで豆を発射するための機械ですよ」
晶葉「それで誰かを攻撃するならどんな理屈をつけても銃だしなあ。というかそういう意図がなくても構造が銃なら申し開きのしようがない。それと、繰り返すけどたぶん作っても無駄だし」
ほたる「どうして無駄なんですか。何事も試してみないと解らないじゃないですか」
晶葉「その不屈のチャレンジ精神はもっと大事な場面に取っておきたまえ。鬼の実在とか位置確認の問題とかいろいろあるんだが、確実に不可能だと言える理由がふたつある」
ほたる「ふたつ」
晶葉「100%銃だもん。全く理不尽じゃないぞ」
ほたる「あくまで豆を発射するための機械ですよ」
晶葉「それで誰かを攻撃するならどんな理屈をつけても銃だしなあ。というかそういう意図がなくても構造が銃なら申し開きのしようがない。それと、繰り返すけどたぶん作っても無駄だし」
ほたる「どうして無駄なんですか。何事も試してみないと解らないじゃないですか」
晶葉「その不屈のチャレンジ精神はもっと大事な場面に取っておきたまえ。鬼の実在とか位置確認の問題とかいろいろあるんだが、確実に不可能だと言える理由がふたつある」
ほたる「ふたつ」
11: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:49:22 ID:cOGn
晶葉「第一に、依田芳乃と鷹富士茄子が居る場所に鬼がくると思うか?」
ほたる「絶対来ない気がしますね!」
晶葉「だろう? 2人と疎遠だというならまだ解るが、同じユニットまで組んでるしな君たち」
ほたる「茄子さんとは週イチでお泊まりしています」
晶葉「というわけで撃つべき対象が近づいてこないというのが第一の理由。そして第二の理由は」
ほたる「第二の理由は?」
晶葉「その速度で発射したら豆は粉々に砕けて消滅するだろ」
ほたる「あ」
晶葉「今気がついたって顔だな」
ほたる「今気がつきました……」
ほたる「絶対来ない気がしますね!」
晶葉「だろう? 2人と疎遠だというならまだ解るが、同じユニットまで組んでるしな君たち」
ほたる「茄子さんとは週イチでお泊まりしています」
晶葉「というわけで撃つべき対象が近づいてこないというのが第一の理由。そして第二の理由は」
ほたる「第二の理由は?」
晶葉「その速度で発射したら豆は粉々に砕けて消滅するだろ」
ほたる「あ」
晶葉「今気がついたって顔だな」
ほたる「今気がつきました……」
12: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:49:41 ID:cOGn
晶葉「というわけで時速3600kmで豆を発射する機械の開発は百害あって一利なし。作るだけムダ。理解してもらえただろうか」
ほたる「ううう、これで不幸を撃退できると思ったのにい」
晶葉「もし一人鬼を撃破したとしても次の鬼が来るだけだろうしな」
ほたる「言われて見ればそうなんですが」
晶葉「あとさっきも言ったろ。鷹富士茄子と依田芳乃がいる場所に鬼が来るわけがないって」
ほたる「はい」
晶葉「なのに君の不幸がふつうに発生しているなら、原因を鬼に求めるのは間違ってるんじゃないかな」
ほたる「……」
晶葉「どうした、黙っちゃって」
ほたる「なんかもうグウの音も出ないので」
晶葉「そうか」
ほたる「ううう、これで不幸を撃退できると思ったのにい」
晶葉「もし一人鬼を撃破したとしても次の鬼が来るだけだろうしな」
ほたる「言われて見ればそうなんですが」
晶葉「あとさっきも言ったろ。鷹富士茄子と依田芳乃がいる場所に鬼が来るわけがないって」
ほたる「はい」
晶葉「なのに君の不幸がふつうに発生しているなら、原因を鬼に求めるのは間違ってるんじゃないかな」
ほたる「……」
晶葉「どうした、黙っちゃって」
ほたる「なんかもうグウの音も出ないので」
晶葉「そうか」
13: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:50:14 ID:cOGn
ほたる「お騒がせしてすみませんでした……」
晶葉「いいさ」
ほたる「……不幸って、どこから来るんでしょうね」
晶葉「さあなあ」
ほたる「原因があるものなら、どうにかできるかもしれないのに」
晶葉「そもそも、幸運だってほかのなんだって、私たちを取り巻く全ての運勢は出所不明だろう。それとも芳乃を呼んでそのあたりを聞いてみるか?」
ほたる「やめておきます。絶対すごく長いお説教をされるので」
晶葉「私もそう思う……しかし、気になるんだが」
ほたる「はい?」
晶葉「いいさ」
ほたる「……不幸って、どこから来るんでしょうね」
晶葉「さあなあ」
ほたる「原因があるものなら、どうにかできるかもしれないのに」
晶葉「そもそも、幸運だってほかのなんだって、私たちを取り巻く全ての運勢は出所不明だろう。それとも芳乃を呼んでそのあたりを聞いてみるか?」
ほたる「やめておきます。絶対すごく長いお説教をされるので」
晶葉「私もそう思う……しかし、気になるんだが」
ほたる「はい?」
14: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:50:28 ID:cOGn
晶葉「徹夜でAIに質問してたんだろ」
ほたる「あ、はい」
晶葉「なんでそんな長時間AIと話してたんだ。豆を発射する速度とか、そんなの30分もかからず全部答えてくれただろ?」
ほたる「その、実は、AIさんに色々聞くのが面白くて……」
晶葉「やれやれ。一日の会話回数に制限をつけないとだめだなこれは」
ほたる「ううう」
晶葉「参考までに聞かせてくれ。そんなに熱中して、AIに何を聞いてたんだ?」
ほたる「はい。節分に作るケーキとか、お菓子のアイデアとか、節分に友達にプレゼントをしたらおかしくないか、とか」
晶葉「なんだ。やっぱり時速3600kmで炒り豆を発射する機械なんて作る必要はなかったな」
ほたる「え?」
ほたる「あ、はい」
晶葉「なんでそんな長時間AIと話してたんだ。豆を発射する速度とか、そんなの30分もかからず全部答えてくれただろ?」
ほたる「その、実は、AIさんに色々聞くのが面白くて……」
晶葉「やれやれ。一日の会話回数に制限をつけないとだめだなこれは」
ほたる「ううう」
晶葉「参考までに聞かせてくれ。そんなに熱中して、AIに何を聞いてたんだ?」
ほたる「はい。節分に作るケーキとか、お菓子のアイデアとか、節分に友達にプレゼントをしたらおかしくないか、とか」
晶葉「なんだ。やっぱり時速3600kmで炒り豆を発射する機械なんて作る必要はなかったな」
ほたる「え?」
15: ◆cgcCmk1QIM 25/02/05(水) 19:50:38 ID:cOGn
晶葉「だって、君の不幸、もう半分退治されてるじゃないか」
(おしまい)
(おしまい)
転載元:【モバマス】ほたる「炒り豆を時速3600kmで発射する機械を作ってください」 晶葉「なんて?」
https://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1738749147/l10
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GJ!