～バス停～


俺「えっと…このバスだな」

七海「は～い。あ、そこの席空いてます～」

俺「ん」ﾄｽｯ

七海「～♪」ﾄｽｯ

俺「……」

俺「(女の子の肩って…柔らかいんだな…)」

ﾌﾞﾛﾛﾛ…



俺「…」

七海「…」

俺「………」

七海「………」

俺「(まずい…会話が無い…)」

俺「(何か…何か無いか…)」

七海「俺くん」

俺「！？………ど、どした？」

七海「鼻息荒いれす」

俺「え、あ、ごめん」

七海「まったくもう…そんなのだから童貞なのれすよ～」

俺「なっ！？ちげぇし！！」

七海「え？経験あるんれす？」

俺「えっ、あっ………お前さ…女子がそういう事言うか？普通」

七海「ふふーん、七海は大人なのれ」

俺「どこがだよ…俺よりちっちゃいくせに」

七海「むー、俺くんがおっきいだけれすっ」

俺「はっはっはー」

七海「縮めぇ～！」ｷﾞｭｰ

俺「頭押したって小さくなるかよ」

七海「ハゲろ～」ｺﾞﾘｺﾞﾘ

俺「おい！」

七海「七海お魚は好きですけど、河童は好きじゃないれす」

俺「だったら止めろ！」

七海「しーっ、公共交通機関では静かにしなきゃ駄目れすよ」

俺「お前な…！」

七海「ふふふ～」

俺「後で覚えてろ…」

～水族館前～


七海「とうちゃ～く！」

俺「あ～結構かかったな」

七海「ほら！行きますよ！早く早く！」

俺「はいはい」

七海「あなたは大洋～のHamachi♪えーんじぇーる♪」

俺「何だよそれ」

七海「こないだ番組でご一緒したのれ～」

俺「え！？マジで！？」

七海「モノマネ芸人さんですけろ」

俺「芸人かよ！」

七海「えへっ☆」

俺「ブリっ子すんな」

七海「ハマチだけにれすか？」

俺「分かりづらい返しだな…」

七海「えへへ～♪でも、このボケを分かってくれる人なんて俺くんと七海のプロデューサーくらいれす～」

俺「マジかよ」

七海「七海はお魚好きに囲まれて嬉しいれすよ～」

俺「…そっか」

俺「(まあ勉強したからな…)」

～水族館内～


七海「あ、メンダコさんこんにちわ～、相変わらずキュートなお顔れす～♪」

俺「へぇ～こんなタコいるんだ…食える？」

七海「も～そんな感想しかないんれすか～？」

俺「いいじゃん別に！」

七海「いいれしょう！今日は七海がお魚の魅力をじっくりこってりしっぽりと教えてあげます！」

俺「ん？待って今しっぽりとか何とか聞こえたぞ」

七海「口から墨吐く前と後ろに『ギョー！』を付けるれす！」

俺「ぎょーヤダぎょー」

七海「よろしい、ならば出発れす～♪」

俺「お前人の話を…おい！」

七海「おー！この辺りはサメさんがいっぱいいます～」

俺「うっわーでけえなあ…あんな口で食われたらそりゃ死ぬわ…」

七海「あれはウバザメさんなのれ、人を食べたりしないれすよ～」

俺「え？そうなんだ、なんとなくサメって人を襲うイメージあるから、つい」

七海「確かに肉食が多いれすけろ。獰猛さではシャチさんも負けないれすよ？オルカって映画もありましたし～」

俺「え？そうなの？へぇ～可愛い見た目の割りに結構怖いんだな」


七海「まるで七海みたいれす～」


俺「は？」

七海「？」

七海「あ、ドクターフィッシュさんれす！」

俺「あーあの人の古い皮膚とか食べてくれるやつか」

七海「かわいいれすね～、ほら、手を入れてもいいみたいれす！」ﾁｬﾌﾟ

俺「あ、ホントだ。どれどれ」

七海「あ、来た来たっ！うふふっ、くすぐったい♪」

俺「あははっ、ホントだ。くすぐった…ん？」

七海「？……どうかしました？」

俺「ぃ…いや別に…」

俺「(ブラ紐見えてる………黒か)」

七海「あははっ、手を動かすと着いてきます～♪それそれ～」

俺「ほ、ほんとだ～…ははー…」

俺「(前に屈んだらブラまで見えないかな…)」

七海「～♪」ｸﾞｯ

俺「(お！？)」

七海「～♪」ｸﾞｸﾞｸﾞ-

俺「(見え…見え……うおお！おっ…おっｐ！)」

七海「…」ｼﾞｰ




俺「…」



七海「…」ｼﾞｰ



俺「…」



七海「えっち」



俺「…何ノ事ヤラデスネ」

七海「…」ﾂｰﾝ

俺「…」

七海「…」ﾂｰﾝ

俺「………あの」

七海「…」ﾂﾂｰﾝ

俺「…」

七海「…イカ焼き」

俺「…へ？」

七海「次のイルカショー…イカ焼き買ってくれたら許してあげます」

俺「…うん」

七海「はい♪」

俺「ちなみに…」

七海「はい？」

俺「２つ買うって言ったら…どこまで…」

七海「……」ｺﾞｺﾞｺﾞ…

俺「ごめんなさいゆるしてください調子にのりました」

～イルカショー～



ﾊﾞｯｼｬｰﾝ

ｷｭｷｭｯ！ｷｭｷｭｯ！

ﾜｰﾜｰ!ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ!


七海「おおー！今日のイルカさんは元気いっぱいれす～！」

俺「イルカショーなんて久しぶりに見たけど凄いな！アレ何メートルくらい跳んでんだ！」

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

七海「イルカさんは水面から５ｍ近く跳び上がれるんれすよ！」

ﾜｰ!ﾜｰ!

俺「え？」

七海「耳貸して！」ｸﾞｲｯ

俺「っ！？」

七海「５ｍ！跳ぶんれす！」

俺「５ｍ！？凄いなー！」

七海「凄いれすよねー！」


俺「(むっちゃいい匂いしたむっちゃいい匂いしたむっちゃいい匂いした…)」

七海「あっ！ほら見てくらさい！輪っかくぐりする見たいれすよ！」

俺「お…おおっ！」



ﾊﾞｯｼｬｱ

ﾜｰﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


七海「あははっ、凄い凄～い！」

俺「なー！凄いなー！いやー今日来て良かったわ！」

七海「七海もれす！」

俺「また来ような！」

七海「………はい！」

～クラゲコーナー～


俺「うわ…すげー数のクラゲ…」

七海「そうれすねぇ～…クラゲコーナーがこの水族館の自慢らしいれすよ」

俺「へぇ…」

七海「ロマンチックれすねぇ…」

俺「なぁ」

七海「…はい？」

俺「ありがとな、今日」

七海「それは…七海の台詞れすよ…？」

俺「まぁ…そうかもだけど…俺と２人って話になったから、来てくれないと思ってた」

七海「ふふっ、七海はお魚さんのいるところならどこへでもいきますよ～」

俺「ははっ、そっか」

七海「えへへっ…」



俺「…」

七海「…」

七海「ホントに…デートみたいれすね」

俺「あ…ああ」

俺「…」

七海「…」

俺「あの…」

七海「俺くん、好きな人とかいないんですか…？」

俺「え、あ…いやっ……別にいないけど…」

七海「ふぅん…そっか」



七海「七海、好きな人がいるんれす」

俺「…え？」

七海「意外れした？」

俺「う…うん、まあ」

七海「えへへ…でも七海はアイドルれすから恋愛はご法度って言われてるんれす」

俺「やっぱそうなんだな…でもさ、隠れてやってる奴もいるんだろ？」

七海「まぁ…少しは…」

俺「じゃあ…良くないか？」

七海「七海はアイドルのお仕事が好きれすし…万が一を考えると」

俺「そりゃ…なあ…」

七海「困っちゃいますよねぇ…へへっ…」

俺「………なんで俺に聞くんだ？」

七海「……何でれしょう？雰囲気に流されてるだけかもれす」

俺「ふぅん」

七海「……」




俺「なぁ…それって…」

七海「はい…？」

俺「………俺の事だったり…する…？」


七海「…………」


俺「…………」

七海「……自意識過剰、気持ち悪いれすよ？」

俺「なっ！？うるせえ！！」

七海「ふふっ…」

～帰りのバス～



俺「…」

七海「…」

俺「…」ｳﾄｳﾄ

七海「………俺くん？」

俺「……Zzz…」

七海「……」













ｷｭｯ




七海「(手を握るくらいなら…いいれすよね？プロデューサー……)」

～バス停～



俺「…さて、帰るか」

七海「そうれすね…」

俺「じゃあ、俺、あっちだから」

七海「はい、それじゃあ…」



俺「…」

七海「…」



俺「………七海、俺っ…！」

七海「俺くん」

俺「すっ…え？」

七海「また明日、学校でっ」ﾆﾊﾟｯ

俺「お、おう…またな！」

七海「はい、バイバイなのれす～！」

俺「おおっ、また明日な！」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ…


七海「…」ﾌﾘﾌﾘ




七海「また…明日………」


七海「ふふっ、また明日、会いたいな…」